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ダンジョンのレベル上昇に伴うう眷属に与えるレベルの最終到達点、レベル99に不整合がある事に気が付いた湯原。
今のダンジョンレベルは49であり、眷属のレベルは58。
ダンジョンのレベル1上昇につき、三体の眷属レベルも各1上昇している事を考えると、レベル99の時点では眷属レベルは108。
限界値が99のはずなので、一個体につき9、合計27程余るのだ。
「ダンジョンレベル99到達者のみ、眷属のレベル上限後も保有レベルは上昇します。眷属ではない配下の魔物にレベルを付与できるようになるのです」
「……それって、もう無敵だよね?初期の頃はダンジョンマスターが相当不利で愕然としたけれど、条件さえクリアできれば、ダンジョンマスターって……凄いな」
「本当ですよね、セーギ君。でも、そこまでの道のりは遠……くはないのでしたっけ」
「あぁ、一週間と一週間。合計二週間……とは言え、今のまま上昇する前提だけど、どうなのハライチ?」
「恐らく、問題ないかと思われます」
破格の好条件に対して喜んでいる二人のダンジョンマスターだが、同じ頃、二階層の町の一室で寛いでいる朋美も喜んでいた。
「あ~、ご飯は美味しいし、適度に体も動かせるし、このベッドなんて最高じゃない?なんだかお姉ちゃんの所に帰るのが嫌になりそうで、困っちゃうなぁ~」
一応は冒険者らしく鍛錬をしているのだが、余りの好待遇に立派なダメ人間になりそうな所一歩手前まで来ており、何とか堪えている。
これは、湯原と水野が共に環境変化(中)を使用して町の環境を整えた結果であり、ある意味非暴力で冒険者の戦力を大きく削減できる有効な手立てなのかもしれない。
湯原のダンジョンに滞在中に侵入者は一切おらず、平和に過ごしたまま同じ環境になっている隣のダンジョン、水野のダンジョンに移動する朋美。
「朋美さん、一週間ありがとうございました。残り一週間ですが、よろしくお願いしますね」
「私のダンジョンもセーギ君のダンジョンと全く同じ仕様ですので、違和感なく寛いでいただけると思います!」
「えっと、本当にありがたくって、恩返しになっているのか不安があるんだけど、一つお願いしても良いかな?」
そう、この朋美は、余りにも好待遇すぎた一週間で危機を感じ取り、実際に魔物を仕留めるべく体を動かさないと、確実にダメ人間、ダメ召喚冒険者になってしまうと恐れていた。
「??何でしょうか????」
当然頭は?だらけの水野。
「その、単体であればレベル20、複数であればレベル10を上限に、魔物を準備して頂けないだろうか?あなた方の配下を倒す事になってしまうのは心苦しいけれど、魔物は内包魔力で復元可能のはず。今のままだと、ちょっと色々ダメになりそうなので……言える立場ではない事は重々承知しているけれど、何とかお願いできないかしら?」
さりげなく朋美の右手が、少々肉がついてしまったお腹に向けられているのを<淫魔族>の二人は見逃さなかった。
「主様。朋美様の申し出、問題なく受託可能でございます」
同じ女性としての同情か、あるいは主に大きな利益をもたらしてくれる立場の者への報酬か、その申し出を受ける事を進言するミズイチ。
「そうですか?ミズイチちゃんがそう言うのであれば、大丈夫ですね。わかりました。では、準備させて頂きますね。ミズイチちゃん、お願いしても良いかな?」
「承知いたしました」
こうして町のエリア、そして隣接の、のんびりエリアの更に隣のエリアに、ラグリア(レベル13~)を召喚して配置する。
その話を黙って聞いていた湯原も、どうせなら同じ様にするか……とハライチと相談して同じ仕様にしていた。
こうして朋美も活発に動く事が出来ており、且つ朋美自身も対極の存在である他の格上になっているダンジョンの魔物を倒している事から、レベルが上昇し、いつの間にかレベル52に至っていた。
「凄い!これならお姉ちゃんの所に帰って滞在するだけで、直ぐにとはいかないけれど、ダンジョンもレベル52近くになれるはず!!」
そして四日目……外の環境と同じ様に日の出を迎えた二階層に、複数の冒険者がなだれ込んできた。
イーシャとプリマから直接回復薬を奪おうとした者はその中にはいなかったが、ギルドの席に座って様子を見ていた者、そして隣町、更にはその隣町からも回復薬を求めて冒険者達が集まってきたのだ。
「何だこのダンジョンの中の町は!って、ここは枯れたんじゃなかったのかよ!」
「これなら、あの回復薬があるのも頷ける。早速探しに行くか?」
あちらこちらでやかましい声が聞こえ始めたのだが、久しく味わう事の無かった自らのレベル上昇に気を良くしている朋美は、この冒険者の一行を無視する事にした。
宣言通りに襲い掛かってくれば始末するつもりだが、今のところは自分のこの部屋に侵入する様子もないので、特に何かをするつもりはない。
同じ冒険者と言う立場の者が単騎ではあるが滞在しているとは知らない一行は、街並みを見て興奮し、時折建屋に侵入して宝が無いかを物色している。
強奪のように見えるが、ここはダンジョンなのでこの世界の法的にも全く問題ない。
今のダンジョンレベルは49であり、眷属のレベルは58。
ダンジョンのレベル1上昇につき、三体の眷属レベルも各1上昇している事を考えると、レベル99の時点では眷属レベルは108。
限界値が99のはずなので、一個体につき9、合計27程余るのだ。
「ダンジョンレベル99到達者のみ、眷属のレベル上限後も保有レベルは上昇します。眷属ではない配下の魔物にレベルを付与できるようになるのです」
「……それって、もう無敵だよね?初期の頃はダンジョンマスターが相当不利で愕然としたけれど、条件さえクリアできれば、ダンジョンマスターって……凄いな」
「本当ですよね、セーギ君。でも、そこまでの道のりは遠……くはないのでしたっけ」
「あぁ、一週間と一週間。合計二週間……とは言え、今のまま上昇する前提だけど、どうなのハライチ?」
「恐らく、問題ないかと思われます」
破格の好条件に対して喜んでいる二人のダンジョンマスターだが、同じ頃、二階層の町の一室で寛いでいる朋美も喜んでいた。
「あ~、ご飯は美味しいし、適度に体も動かせるし、このベッドなんて最高じゃない?なんだかお姉ちゃんの所に帰るのが嫌になりそうで、困っちゃうなぁ~」
一応は冒険者らしく鍛錬をしているのだが、余りの好待遇に立派なダメ人間になりそうな所一歩手前まで来ており、何とか堪えている。
これは、湯原と水野が共に環境変化(中)を使用して町の環境を整えた結果であり、ある意味非暴力で冒険者の戦力を大きく削減できる有効な手立てなのかもしれない。
湯原のダンジョンに滞在中に侵入者は一切おらず、平和に過ごしたまま同じ環境になっている隣のダンジョン、水野のダンジョンに移動する朋美。
「朋美さん、一週間ありがとうございました。残り一週間ですが、よろしくお願いしますね」
「私のダンジョンもセーギ君のダンジョンと全く同じ仕様ですので、違和感なく寛いでいただけると思います!」
「えっと、本当にありがたくって、恩返しになっているのか不安があるんだけど、一つお願いしても良いかな?」
そう、この朋美は、余りにも好待遇すぎた一週間で危機を感じ取り、実際に魔物を仕留めるべく体を動かさないと、確実にダメ人間、ダメ召喚冒険者になってしまうと恐れていた。
「??何でしょうか????」
当然頭は?だらけの水野。
「その、単体であればレベル20、複数であればレベル10を上限に、魔物を準備して頂けないだろうか?あなた方の配下を倒す事になってしまうのは心苦しいけれど、魔物は内包魔力で復元可能のはず。今のままだと、ちょっと色々ダメになりそうなので……言える立場ではない事は重々承知しているけれど、何とかお願いできないかしら?」
さりげなく朋美の右手が、少々肉がついてしまったお腹に向けられているのを<淫魔族>の二人は見逃さなかった。
「主様。朋美様の申し出、問題なく受託可能でございます」
同じ女性としての同情か、あるいは主に大きな利益をもたらしてくれる立場の者への報酬か、その申し出を受ける事を進言するミズイチ。
「そうですか?ミズイチちゃんがそう言うのであれば、大丈夫ですね。わかりました。では、準備させて頂きますね。ミズイチちゃん、お願いしても良いかな?」
「承知いたしました」
こうして町のエリア、そして隣接の、のんびりエリアの更に隣のエリアに、ラグリア(レベル13~)を召喚して配置する。
その話を黙って聞いていた湯原も、どうせなら同じ様にするか……とハライチと相談して同じ仕様にしていた。
こうして朋美も活発に動く事が出来ており、且つ朋美自身も対極の存在である他の格上になっているダンジョンの魔物を倒している事から、レベルが上昇し、いつの間にかレベル52に至っていた。
「凄い!これならお姉ちゃんの所に帰って滞在するだけで、直ぐにとはいかないけれど、ダンジョンもレベル52近くになれるはず!!」
そして四日目……外の環境と同じ様に日の出を迎えた二階層に、複数の冒険者がなだれ込んできた。
イーシャとプリマから直接回復薬を奪おうとした者はその中にはいなかったが、ギルドの席に座って様子を見ていた者、そして隣町、更にはその隣町からも回復薬を求めて冒険者達が集まってきたのだ。
「何だこのダンジョンの中の町は!って、ここは枯れたんじゃなかったのかよ!」
「これなら、あの回復薬があるのも頷ける。早速探しに行くか?」
あちらこちらでやかましい声が聞こえ始めたのだが、久しく味わう事の無かった自らのレベル上昇に気を良くしている朋美は、この冒険者の一行を無視する事にした。
宣言通りに襲い掛かってくれば始末するつもりだが、今のところは自分のこの部屋に侵入する様子もないので、特に何かをするつもりはない。
同じ冒険者と言う立場の者が単騎ではあるが滞在しているとは知らない一行は、街並みを見て興奮し、時折建屋に侵入して宝が無いかを物色している。
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