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死亡したと思っている元仲間のダンジョンマスターを見た四宮と辰巳は暴言を二人に向けるのだが、そこでハライチとミズイチが視界に入る。
眷属の<淫魔族>は全員が同じ顔をしていたので、湯原と水野が同じ様に<淫魔族>の女性であるサキュバスを呼び出している可能性もあるのだが、あの冷えた視線は以前いつの間にかいなくなっていたシノイチとタツイチに違いないと思い、あらん限りの罵声を吐く。
「ふざけんなよ!この腐れビッ●!!」
「テメー!何鞍替えしていやがる!何が眷属だ!!すり潰すぞ!!」
レベル1の癖に何を言っているんだと指摘したい所だが、もう話の流れも何もあったものじゃないと思い、再びチェーに声を出せないように……と指示を出す湯原。
「結局、弦間のダンジョンについては分からないまま……か。嘘をついていると言う事は無いでしょ?」
この程度はどの眷属でも見分けられる事ができる力を持っており、全員一斉に湯原の言葉を肯定する。
「主様、これは想像の域を出ませんが、恐らく今回そこの二人と契約しているダンジョンマスターは、弦間のダンジョンと敵対している者です。配下になっている二人のマスターが攻め込めるのがそこのダンジョンだけ……と言う事であれば、この契約も納得できます」
湯原と水野共に、余計な面倒事、それも同じ立場であるダンジョンマスターと軋轢を敢えて起こしたいとは思っていない。
今回の契約者や弦間のダンジョンそれぞれにかかわりを持ちたくないので、その旨を説明すると、ブレーンである<淫魔族>の二人や他の眷属達も納得してくれたようで、何故か微笑んでいた。
「主様、カーリ様らしい決断だと思います。私達は、お二人の意見に否やはございません。では、逆にこちらの痕跡を消すために、そこの二人のコアルームにある転移魔法陣Cを破壊する事をお勧めいたします」
元眷属の明確な裏切りの声を聞いて激しくバタつく四宮と辰巳だが、チェーによって強制的に鎮圧されて何かを激しく叫んでいるように見えるが、声は聞こえない。
誰がどう見ても激痛で騒いでいるのは分かるのだが、もう諦めた湯原と水野はあまり四宮と辰巳には視線を向ける事は無くなっていた。
ハライチの提言を受けて、即転移魔法陣C破壊の指示を出す。
「そうだね。スラエ、頼んだよ。終わったら皆戻ってきてもらっても良いかな?」
「主様、あちらのお二方の対処が決まっておりませんので、コアを守っているチェー様はそのままの方が宜しいかと思います」
再度ハライチの的確な助言で、一先ずチェーは継続してコアを守るべく星出と岡島のダンジョンに留まり、スラエは即座に帰還してきた。
「この契約をしたマスターも、おいそれと転移魔法陣Cを設置できないだろうからね。初期で内包魔力が1200。あれほどの契約が出来るとなると、最低でもレベル44付近の力だよね?」
「はい。ですから、普通のマスターであれば30階層は確実ですね。そうなると76800必要になりますから、中々実施できないと思われます、主様。そもそも配下の契約自体にも相当な内包魔力を使用しますので……」
星出と岡島では知る事の出来ない情報を<淫魔族>と話しているのを聞かされて、すっかりと立場が変わっている事だけは理解できた二人。
「では、あちらのお二方の前に、ゴミを如何致しましょうか?主様、セーギ様」
ミズイチは、ハライチ以上に四宮と辰巳に対して良くない思いがあるようで、結構際どい表現になっている。
「眷属もいない、借りてきた魔物もいない、配下の契約……があると、また粉を掛けられると面倒だから、二人に飴を与える事にはなるけれど、それを破棄してダンジョンに戻そうか?それでも良い?ハライチ、ミズイチ、カーリ?」
「「私達には異存はございません」」
「私もそれで良いですよ、セーギ君。直接同郷の人を手にかけるのも正直抵抗ありますしね」
「では、あまり時間をかけるのもなんですから、今回は某が向かいます」
デルが名乗り出ると、いつの間にか湯原と水野を何かの魔法で収納してこの場から消え去り、数分後にあっという間に戻って来た。
その結果四宮と辰巳は、スラエによって罠やら魔物やらを全て破壊されたダンジョンの最下層に戻り、自らの身を守るのは霧も何もない傾斜と尖った壁面だけのダンジョンの主として生活する事を強要された。
一応未だに危険なダンジョンであると言う認識である為に侵入者はなく、逆にそのせいでレベルや内包魔力の上昇も見込めない。
地上で勝手に増えた魔物の侵入は防ぐ事は出来ずに危険にさらされ、自ら外で魔物を狩るだけの力も無いので、今辛うじて備蓄している食料や水が無くなれば何かしら行動を起こさなければ、待っているのは……餓死だ。
「ど、どうするんだよ四宮!」
「俺だって、どうすれば良いかなんてわかる訳ねーだろ!テメーも考えろ!!」
敢えて湯原の指示で残している、両ダンジョンを繋げている転移魔法陣Cによってふたたびコアルームに現れた辰巳。
二人で打開策を検討するのだが……何をするにも内包魔力が全くないので、レベル21のダンジョンであったとしても、ただ単に10階層ある何もないダンジョンを変える事は出来ない。
眷属の<淫魔族>は全員が同じ顔をしていたので、湯原と水野が同じ様に<淫魔族>の女性であるサキュバスを呼び出している可能性もあるのだが、あの冷えた視線は以前いつの間にかいなくなっていたシノイチとタツイチに違いないと思い、あらん限りの罵声を吐く。
「ふざけんなよ!この腐れビッ●!!」
「テメー!何鞍替えしていやがる!何が眷属だ!!すり潰すぞ!!」
レベル1の癖に何を言っているんだと指摘したい所だが、もう話の流れも何もあったものじゃないと思い、再びチェーに声を出せないように……と指示を出す湯原。
「結局、弦間のダンジョンについては分からないまま……か。嘘をついていると言う事は無いでしょ?」
この程度はどの眷属でも見分けられる事ができる力を持っており、全員一斉に湯原の言葉を肯定する。
「主様、これは想像の域を出ませんが、恐らく今回そこの二人と契約しているダンジョンマスターは、弦間のダンジョンと敵対している者です。配下になっている二人のマスターが攻め込めるのがそこのダンジョンだけ……と言う事であれば、この契約も納得できます」
湯原と水野共に、余計な面倒事、それも同じ立場であるダンジョンマスターと軋轢を敢えて起こしたいとは思っていない。
今回の契約者や弦間のダンジョンそれぞれにかかわりを持ちたくないので、その旨を説明すると、ブレーンである<淫魔族>の二人や他の眷属達も納得してくれたようで、何故か微笑んでいた。
「主様、カーリ様らしい決断だと思います。私達は、お二人の意見に否やはございません。では、逆にこちらの痕跡を消すために、そこの二人のコアルームにある転移魔法陣Cを破壊する事をお勧めいたします」
元眷属の明確な裏切りの声を聞いて激しくバタつく四宮と辰巳だが、チェーによって強制的に鎮圧されて何かを激しく叫んでいるように見えるが、声は聞こえない。
誰がどう見ても激痛で騒いでいるのは分かるのだが、もう諦めた湯原と水野はあまり四宮と辰巳には視線を向ける事は無くなっていた。
ハライチの提言を受けて、即転移魔法陣C破壊の指示を出す。
「そうだね。スラエ、頼んだよ。終わったら皆戻ってきてもらっても良いかな?」
「主様、あちらのお二方の対処が決まっておりませんので、コアを守っているチェー様はそのままの方が宜しいかと思います」
再度ハライチの的確な助言で、一先ずチェーは継続してコアを守るべく星出と岡島のダンジョンに留まり、スラエは即座に帰還してきた。
「この契約をしたマスターも、おいそれと転移魔法陣Cを設置できないだろうからね。初期で内包魔力が1200。あれほどの契約が出来るとなると、最低でもレベル44付近の力だよね?」
「はい。ですから、普通のマスターであれば30階層は確実ですね。そうなると76800必要になりますから、中々実施できないと思われます、主様。そもそも配下の契約自体にも相当な内包魔力を使用しますので……」
星出と岡島では知る事の出来ない情報を<淫魔族>と話しているのを聞かされて、すっかりと立場が変わっている事だけは理解できた二人。
「では、あちらのお二方の前に、ゴミを如何致しましょうか?主様、セーギ様」
ミズイチは、ハライチ以上に四宮と辰巳に対して良くない思いがあるようで、結構際どい表現になっている。
「眷属もいない、借りてきた魔物もいない、配下の契約……があると、また粉を掛けられると面倒だから、二人に飴を与える事にはなるけれど、それを破棄してダンジョンに戻そうか?それでも良い?ハライチ、ミズイチ、カーリ?」
「「私達には異存はございません」」
「私もそれで良いですよ、セーギ君。直接同郷の人を手にかけるのも正直抵抗ありますしね」
「では、あまり時間をかけるのもなんですから、今回は某が向かいます」
デルが名乗り出ると、いつの間にか湯原と水野を何かの魔法で収納してこの場から消え去り、数分後にあっという間に戻って来た。
その結果四宮と辰巳は、スラエによって罠やら魔物やらを全て破壊されたダンジョンの最下層に戻り、自らの身を守るのは霧も何もない傾斜と尖った壁面だけのダンジョンの主として生活する事を強要された。
一応未だに危険なダンジョンであると言う認識である為に侵入者はなく、逆にそのせいでレベルや内包魔力の上昇も見込めない。
地上で勝手に増えた魔物の侵入は防ぐ事は出来ずに危険にさらされ、自ら外で魔物を狩るだけの力も無いので、今辛うじて備蓄している食料や水が無くなれば何かしら行動を起こさなければ、待っているのは……餓死だ。
「ど、どうするんだよ四宮!」
「俺だって、どうすれば良いかなんてわかる訳ねーだろ!テメーも考えろ!!」
敢えて湯原の指示で残している、両ダンジョンを繋げている転移魔法陣Cによってふたたびコアルームに現れた辰巳。
二人で打開策を検討するのだが……何をするにも内包魔力が全くないので、レベル21のダンジョンであったとしても、ただ単に10階層ある何もないダンジョンを変える事は出来ない。
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タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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