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翌日には岩本の噂は村中に広がり、当然受付の話も広まっている。
この受付に煮え湯を飲まされた一部の者は天罰だと当然の表情で、本性を知らない者は同情し、本性を知りつつ同じ悪事を働いている職員などは、油断しすぎだと冷めた目で見ていた。
ただ一人、この女性に好意を持つ鑑定持ちの職員だけは必死で落ち込んでいる受付を励まし続けていた。
そんな村中の何とも言えない雰囲気を全く意に介さず、昼前に起きて来た岩本は店主に朝食を無理やり作らせて平らげると、さっさとこの村を後にする。
とてつもなく汚くなっている最上級の部屋と最悪の村の雰囲気だけを残して……
「ここが縁結びの聖地?はっ、異性に相手にされない者共の神頼みの場所。はぁ~、俺が思うに、みじめだね~!」
ここでも周囲を気にする素振りを見せずに、盛大にブチかます岩本。
情報通の冒険者達は、既にここから馬車で一日の距離にある村での惨状や岩本の存在、王命で動いている事、ほぼ全ての情報が出回っており、誰一人としてかかわろうとしなかったばかりか、女性の冒険者は隠れたり、仲間と共に離脱し始めたりする有様だ。
流石にダンジョン進入時にふざけた行動をする事も出来ない岩本は、冒険者達の態度に何故か身勝手に苛立ちを感じつつも、侵入していく。
手始めに、事前に入手している情報が正しいのかを確認するため、片側の入り口から入って目の前の大きな建屋の入り口前の地面に、誰にも分らない程度の印をつけて外に出る。
その後は別の入り口から入って建屋の前に行くと同じ印が残っており、魔力も自分自身の物で間違いなかったために、入り口だけが二つに分かれているのは確実だと言う結論になる。
続いて建屋に入り、魔物の説明を聞く。
説明をする魔物はこのダンジョンの配下の様で、淫魔族か光族、時折人族が行っていると聞いており、今日は人族の様だ。
やはり説明は情報通りで、一階層は居住空間、二階層には一階層入り口から転移魔法陣Bによって直接飛べると言う事なので、迷わず転移魔法陣Bを選択する。
情報通り、呆れた設定の二階層と三階層をスルーして四階層に突入するが、出て来る魔物はレベル2のチュートだけ。
確かに今まで見た事もないような薬草が自生しているのだが、取り敢えず報酬は後にしてある程度ダンジョンの特性を掴む事にする岩本。
どのダンジョンであれ日本人が作成している事は間違いないので、その癖が出るはずなのだ。
例えば、必死に罠ばかり作るパターンや、無駄に大量に魔物を召喚しているパターンなのだが、何故か人、冒険者達に有利な階層が続いていたので、初めて見た状況に困惑しつつもマスターの真意、癖を掴もうとしていた。
そこに<淫魔族>の有りえない知識が導入されているとは分からないので、経験豊かな岩本は、四階層までで感じた違和感をもっと信用するべきだったのだ。
そのまま継続して五階層に突入する岩本。
「ここは……漸くダンジョンらしくなってきたと言う訳だ」
迷路の階層であり、常に薄暗く涼しい階層。
岩本クラスになれば、多少見通しが悪くともどのような魔物が潜んでいるのかは即座にわかる。
そう、スケルトンが大量に跋扈している事を五階層入り口で既に掴んでいたので、ここで初めて普通のダンジョンマスターらしいパターンに入ってきたかと安堵する。
迷路の階層にするのは、なるべく侵入者の体力を奪う事と、死角を多くして魔物の攻撃を当てやすくする事。
そこに罠があればパーティーの分断なども行える、極めて一般的なダンジョンなのだ。
「俺が思うに、上層階は慌てて作って変更する程力が溜まっていないか、侵入者がいるので変更できなくなったか……かな?何れにしても、大したマスターじゃなさそうだ」
経験済みのパターンに入った事から、再び収納袋にしまっていた槍を取り出してズンズンと進む。
曲がり角から突然出て来るスケルトンでさえ、気配を掴んでいるので先行して攻撃して撃破できている。
「おいおい、こいつスクロール持ちかよ!スケルトン如きに贅沢な仕様だな。それ程……この階層で仕留めたいって事か?俺が思うに、やはりこのダンジョンは出来立てであまり深くないな。待てよ!そう言えば、一階層入り口でレベル10のスクロールを手に入れた奴がいたとか……眉唾かと思っていたけど、設定途中のエラーで起きたのか?真実味があるな」
浅い層で侵入者に対して必殺の準備をしていると勘違いした岩本は、例えレベル5程度のスクロールでも非常に貴重で高価な事を知っているので、スケルトンの魔石には見向きもせずに回収し、出来るだけこの階層ではスクロールを手に入れようと決める。
奥に進むにつれて分岐が多くなり、一度進んで行き止まりで戻っても元の位置に戻れない事が多くなってきた。
「この腐れマスター、良い性格しているな。俺が思うに、よっぽど体力を奪いたいみたいだな。経路を替えるなんて芸当、相当力を使っただろう。今頃コアルームでガタガタ震えているのか?ククク、待っていろよ。俺の手足として死ぬまでこき使ってやるからな」
迷路の経路が時折変更になっている事を、身を持って体感した岩本だが、やはり大きく勘違いをしている。
その頃の湯原と水野は、ブレーンの二人であるハライチとミズイチの四人でコアルームにおり、岩本をしっかりその目で捕らえていた。
「主様、カーリ様、あの男は……ペンダント型の魔道具の力によって、本来ダンジョンの糧になる力を排出せずに侵入してきております。アイズによればレベル43の岩本と言う召喚冒険者との事です」
この受付に煮え湯を飲まされた一部の者は天罰だと当然の表情で、本性を知らない者は同情し、本性を知りつつ同じ悪事を働いている職員などは、油断しすぎだと冷めた目で見ていた。
ただ一人、この女性に好意を持つ鑑定持ちの職員だけは必死で落ち込んでいる受付を励まし続けていた。
そんな村中の何とも言えない雰囲気を全く意に介さず、昼前に起きて来た岩本は店主に朝食を無理やり作らせて平らげると、さっさとこの村を後にする。
とてつもなく汚くなっている最上級の部屋と最悪の村の雰囲気だけを残して……
「ここが縁結びの聖地?はっ、異性に相手にされない者共の神頼みの場所。はぁ~、俺が思うに、みじめだね~!」
ここでも周囲を気にする素振りを見せずに、盛大にブチかます岩本。
情報通の冒険者達は、既にここから馬車で一日の距離にある村での惨状や岩本の存在、王命で動いている事、ほぼ全ての情報が出回っており、誰一人としてかかわろうとしなかったばかりか、女性の冒険者は隠れたり、仲間と共に離脱し始めたりする有様だ。
流石にダンジョン進入時にふざけた行動をする事も出来ない岩本は、冒険者達の態度に何故か身勝手に苛立ちを感じつつも、侵入していく。
手始めに、事前に入手している情報が正しいのかを確認するため、片側の入り口から入って目の前の大きな建屋の入り口前の地面に、誰にも分らない程度の印をつけて外に出る。
その後は別の入り口から入って建屋の前に行くと同じ印が残っており、魔力も自分自身の物で間違いなかったために、入り口だけが二つに分かれているのは確実だと言う結論になる。
続いて建屋に入り、魔物の説明を聞く。
説明をする魔物はこのダンジョンの配下の様で、淫魔族か光族、時折人族が行っていると聞いており、今日は人族の様だ。
やはり説明は情報通りで、一階層は居住空間、二階層には一階層入り口から転移魔法陣Bによって直接飛べると言う事なので、迷わず転移魔法陣Bを選択する。
情報通り、呆れた設定の二階層と三階層をスルーして四階層に突入するが、出て来る魔物はレベル2のチュートだけ。
確かに今まで見た事もないような薬草が自生しているのだが、取り敢えず報酬は後にしてある程度ダンジョンの特性を掴む事にする岩本。
どのダンジョンであれ日本人が作成している事は間違いないので、その癖が出るはずなのだ。
例えば、必死に罠ばかり作るパターンや、無駄に大量に魔物を召喚しているパターンなのだが、何故か人、冒険者達に有利な階層が続いていたので、初めて見た状況に困惑しつつもマスターの真意、癖を掴もうとしていた。
そこに<淫魔族>の有りえない知識が導入されているとは分からないので、経験豊かな岩本は、四階層までで感じた違和感をもっと信用するべきだったのだ。
そのまま継続して五階層に突入する岩本。
「ここは……漸くダンジョンらしくなってきたと言う訳だ」
迷路の階層であり、常に薄暗く涼しい階層。
岩本クラスになれば、多少見通しが悪くともどのような魔物が潜んでいるのかは即座にわかる。
そう、スケルトンが大量に跋扈している事を五階層入り口で既に掴んでいたので、ここで初めて普通のダンジョンマスターらしいパターンに入ってきたかと安堵する。
迷路の階層にするのは、なるべく侵入者の体力を奪う事と、死角を多くして魔物の攻撃を当てやすくする事。
そこに罠があればパーティーの分断なども行える、極めて一般的なダンジョンなのだ。
「俺が思うに、上層階は慌てて作って変更する程力が溜まっていないか、侵入者がいるので変更できなくなったか……かな?何れにしても、大したマスターじゃなさそうだ」
経験済みのパターンに入った事から、再び収納袋にしまっていた槍を取り出してズンズンと進む。
曲がり角から突然出て来るスケルトンでさえ、気配を掴んでいるので先行して攻撃して撃破できている。
「おいおい、こいつスクロール持ちかよ!スケルトン如きに贅沢な仕様だな。それ程……この階層で仕留めたいって事か?俺が思うに、やはりこのダンジョンは出来立てであまり深くないな。待てよ!そう言えば、一階層入り口でレベル10のスクロールを手に入れた奴がいたとか……眉唾かと思っていたけど、設定途中のエラーで起きたのか?真実味があるな」
浅い層で侵入者に対して必殺の準備をしていると勘違いした岩本は、例えレベル5程度のスクロールでも非常に貴重で高価な事を知っているので、スケルトンの魔石には見向きもせずに回収し、出来るだけこの階層ではスクロールを手に入れようと決める。
奥に進むにつれて分岐が多くなり、一度進んで行き止まりで戻っても元の位置に戻れない事が多くなってきた。
「この腐れマスター、良い性格しているな。俺が思うに、よっぽど体力を奪いたいみたいだな。経路を替えるなんて芸当、相当力を使っただろう。今頃コアルームでガタガタ震えているのか?ククク、待っていろよ。俺の手足として死ぬまでこき使ってやるからな」
迷路の経路が時折変更になっている事を、身を持って体感した岩本だが、やはり大きく勘違いをしている。
その頃の湯原と水野は、ブレーンの二人であるハライチとミズイチの四人でコアルームにおり、岩本をしっかりその目で捕らえていた。
「主様、カーリ様、あの男は……ペンダント型の魔道具の力によって、本来ダンジョンの糧になる力を排出せずに侵入してきております。アイズによればレベル43の岩本と言う召喚冒険者との事です」
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