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万全の態勢で派遣したゴーストからの情報を待っている湯原達だが、まだゴーストが出撃してから5分程度しか経過していない。
レベル99の力を使って馬車で40日は必要な距離を、主の為に一刻も早く到着するべく高速移動しているのだが、流石にこの時間で到着する事は出来ない。
実はこのゴーストの群れ、レベル99に引き上げられている魔物である為に自我があり、その感情、伝えたい内容はある程度ダンジョンマスターの二人にも詳しく説明できる存在であり即座に伝える事が出来るのだが、余程の事が無ければ湯原と水野はこの能力を封印するように他の者達から言われている。
余計な情報が多数入り込んで心労に繋がる事を防ぐ措置であるが、今この時は流石にこの能力を使っているので、ゴーストからの情報を今か今かと待ちわびている。
「万が一の場合はチェー様の分裂体の出撃もあるかもしれません」
そんな中で、レベル99の魔物達を揃えても油断はしないハライチとミズイチ。
眷属本体を派遣する選択肢は主の安全を極端に脅かす可能性がある為に自らは決して口にはしない二人だが、その分裂体となればその限りではない。
ひたすら待っている湯原達をよそに、美智のダンジョンでは大きな動きがあった。
「見つけたわ。7階層にまで侵入したようね」
大気中に漂わせている霧の動きが異常であり、ひたすら深層に向かっている様に動いているのを発見した配下の魔物の感情により、漸く侵入者を捉えた美智。
「異常を感知してから、10分程度で七階層。何もしなければ、30分は持ちこたえられなかったわね。でも、油断はできないわ」
今ここで攻撃をする事も可能だが、攻撃の余波によって再び侵入者の存在を見失う事を避けるため、敢えて攻撃せずに見守っている。
「地に足を付けている訳ではなさそうだから、やっぱりゴーストかしら?」
ゴーストと言う存在は分かるが、その詳細は不明ながらもイメージで話をしている美智。
その隣では、直ぐにでも対応できるように妹の朋美が準備運動をしているのだが、防衛に主眼を置くと言う事にしているので、18階層を突破された時点で20階層に出向いて迎え撃つ事にしており、他の眷属や魔物達は既に20階層に集結し、その力を使って階層に手を加えている。
これ以上は何もする事もなくできる事もないので、ひたすら注意深く監視を続けている美智。
「想定よりも早いわね。8階層に侵入。経過時間は……14分。まずいわね」
一応下層に進むにつれて広くなる設定になっているのだが、内包魔力で調整したのは10階層までなので、残り三階層で少しでも時間を稼がなくてはならない。
更に深く潜れば大気中に毒が散布してある階層もあるのだが、恐らくレベルの高い侵入者には効果が無いだろうと踏んでいる。
本当は嫌で仕方がないが、最悪は妹の出撃も有りえると苦い顔をする美智。
「大丈夫よ、お姉ちゃん。時間稼ぎをすれば良いんでしょ?任せておいてよ」
美智の表情から思っている事を確実に把握した朋美は、自らは相当危険になるとわかっているのだが、少しでも気を軽くさせる様に明るく言い放つ。
未だに一切攻撃はしてこないとは言え、侵攻が遅くなるように細工した階層ですら数分で突破してしまう侵入者に対し、楽観できない事位は朋美も知っている。
一度は死を覚悟した、本当は既に失っているはずのこの命。
姉の為に使えるのであれば本望だと覚悟を決めていたが、逆に姉である美智も、妹の考えなどお見通しだ。
「あなたが行くならば、私も行きますよ?どうせ眷属の皆も召喚魔物も全部20階層にいるわけですし、そこを突破されたら何もできないですからね」
おっとりとした割には頑固な性格である事を知っている朋美は、どう説得しても意見を曲げないだろうと判断して姉の発言に苦笑いのまま頷く他なかった。
……そして暫く時は経ち、湯原達から返事が来てから25分が経過した。
「良し。覚悟を決めようか。行くよ、お姉ちゃん!」
「そうね。頑張りましょう!」
思った以上に早く侵攻され、18階層を突破されてしまったのだ。
共に転移で20階層ではあるが、21階層の入り口に近い場所に移動する。
二人の眼前には何も見えない程の茂みと、その中に潜む無数のマンティスとウルビア、更には眷属のレベル43の自然族、レベル29の光族、レベル48の鳥族、レベル51の馬族がいる。
「お姉ちゃんは、ここから動かないでね」
覚悟を決めて茂みに向かいながら、抜剣する朋美。
ゴーストが物理攻撃完全無効と言う知識はないので、そのままズンズンと茂みの中に消えて行く。
「どうか、間に合いますように!」
ただ一人取り残されている美智は、レベル1であるが故に祈るしか方法はない。
侵入者が想定以上の化け物だと認識できているのだが、妹である朋美が信頼している人達は更に上を行くと自信満々に言い切っているので、それを信じる事にしたのだ。
自分を安心させるために嘘をついている可能性もなくはないが、信じる他には最早手がなく、何とか全員無事でいられるように祈っている。
配下の魔物からの情報で、程なくして20階層に侵入しそうだと言う報告を受ける。
罠しかないのだから、当然と言えば当然の侵攻速度だ。
レベル99の力を使って馬車で40日は必要な距離を、主の為に一刻も早く到着するべく高速移動しているのだが、流石にこの時間で到着する事は出来ない。
実はこのゴーストの群れ、レベル99に引き上げられている魔物である為に自我があり、その感情、伝えたい内容はある程度ダンジョンマスターの二人にも詳しく説明できる存在であり即座に伝える事が出来るのだが、余程の事が無ければ湯原と水野はこの能力を封印するように他の者達から言われている。
余計な情報が多数入り込んで心労に繋がる事を防ぐ措置であるが、今この時は流石にこの能力を使っているので、ゴーストからの情報を今か今かと待ちわびている。
「万が一の場合はチェー様の分裂体の出撃もあるかもしれません」
そんな中で、レベル99の魔物達を揃えても油断はしないハライチとミズイチ。
眷属本体を派遣する選択肢は主の安全を極端に脅かす可能性がある為に自らは決して口にはしない二人だが、その分裂体となればその限りではない。
ひたすら待っている湯原達をよそに、美智のダンジョンでは大きな動きがあった。
「見つけたわ。7階層にまで侵入したようね」
大気中に漂わせている霧の動きが異常であり、ひたすら深層に向かっている様に動いているのを発見した配下の魔物の感情により、漸く侵入者を捉えた美智。
「異常を感知してから、10分程度で七階層。何もしなければ、30分は持ちこたえられなかったわね。でも、油断はできないわ」
今ここで攻撃をする事も可能だが、攻撃の余波によって再び侵入者の存在を見失う事を避けるため、敢えて攻撃せずに見守っている。
「地に足を付けている訳ではなさそうだから、やっぱりゴーストかしら?」
ゴーストと言う存在は分かるが、その詳細は不明ながらもイメージで話をしている美智。
その隣では、直ぐにでも対応できるように妹の朋美が準備運動をしているのだが、防衛に主眼を置くと言う事にしているので、18階層を突破された時点で20階層に出向いて迎え撃つ事にしており、他の眷属や魔物達は既に20階層に集結し、その力を使って階層に手を加えている。
これ以上は何もする事もなくできる事もないので、ひたすら注意深く監視を続けている美智。
「想定よりも早いわね。8階層に侵入。経過時間は……14分。まずいわね」
一応下層に進むにつれて広くなる設定になっているのだが、内包魔力で調整したのは10階層までなので、残り三階層で少しでも時間を稼がなくてはならない。
更に深く潜れば大気中に毒が散布してある階層もあるのだが、恐らくレベルの高い侵入者には効果が無いだろうと踏んでいる。
本当は嫌で仕方がないが、最悪は妹の出撃も有りえると苦い顔をする美智。
「大丈夫よ、お姉ちゃん。時間稼ぎをすれば良いんでしょ?任せておいてよ」
美智の表情から思っている事を確実に把握した朋美は、自らは相当危険になるとわかっているのだが、少しでも気を軽くさせる様に明るく言い放つ。
未だに一切攻撃はしてこないとは言え、侵攻が遅くなるように細工した階層ですら数分で突破してしまう侵入者に対し、楽観できない事位は朋美も知っている。
一度は死を覚悟した、本当は既に失っているはずのこの命。
姉の為に使えるのであれば本望だと覚悟を決めていたが、逆に姉である美智も、妹の考えなどお見通しだ。
「あなたが行くならば、私も行きますよ?どうせ眷属の皆も召喚魔物も全部20階層にいるわけですし、そこを突破されたら何もできないですからね」
おっとりとした割には頑固な性格である事を知っている朋美は、どう説得しても意見を曲げないだろうと判断して姉の発言に苦笑いのまま頷く他なかった。
……そして暫く時は経ち、湯原達から返事が来てから25分が経過した。
「良し。覚悟を決めようか。行くよ、お姉ちゃん!」
「そうね。頑張りましょう!」
思った以上に早く侵攻され、18階層を突破されてしまったのだ。
共に転移で20階層ではあるが、21階層の入り口に近い場所に移動する。
二人の眼前には何も見えない程の茂みと、その中に潜む無数のマンティスとウルビア、更には眷属のレベル43の自然族、レベル29の光族、レベル48の鳥族、レベル51の馬族がいる。
「お姉ちゃんは、ここから動かないでね」
覚悟を決めて茂みに向かいながら、抜剣する朋美。
ゴーストが物理攻撃完全無効と言う知識はないので、そのままズンズンと茂みの中に消えて行く。
「どうか、間に合いますように!」
ただ一人取り残されている美智は、レベル1であるが故に祈るしか方法はない。
侵入者が想定以上の化け物だと認識できているのだが、妹である朋美が信頼している人達は更に上を行くと自信満々に言い切っているので、それを信じる事にしたのだ。
自分を安心させるために嘘をついている可能性もなくはないが、信じる他には最早手がなく、何とか全員無事でいられるように祈っている。
配下の魔物からの情報で、程なくして20階層に侵入しそうだと言う報告を受ける。
罠しかないのだから、当然と言えば当然の侵攻速度だ。
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