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そこからは緊張と恐怖でどれ程時間が経過したのかは分からない美智だが、一気に腰が抜けるほどの強大な力を感じて、思わずこう口走ってしまう。
「皆!逃げて!!早く!!」
泣きながら、上手く動かない足を必死で動かして草むらに向かう美智。
これほどの力……どう考えても時間稼ぎも出来ない事位は嫌でもわかる。
ならば自分が犠牲になり……と言っても、その場合眷属は全て死亡し、配下の召喚魔物達は制御を失って勝手気ままな行動をとるだろうが、それでも生きて欲しかった。
そして、最も逃げてもらいたい妹の朋美。
今まで自分が力を得るまで必死で守り続けてくれた存在。
心が折れそうになった時もひたすら励まし続けてくれた存在。
その思いは、突然の魔法攻撃に脆くも崩れ去る。
侵入者はそのレベルの高さから、20階層侵入の瞬間に待ち構えられていると察知したのか、今迄一切攻撃してこなかったのだが、突然攻撃してきたのだ。
侵入者のゴーストはこの階層にレベル1が存在している事、主である神保から聞いているレベルの高い眷属がいる事を把握しており、ギリギリ殺さない程度に攻撃力を抑えて周囲に炎の攻撃魔法を放った。
一気に燃え盛る炎で天井まで育っていた茂みは消失し、命までは消えてはいないが、倒れ伏している眷属や配下の魔物達、そして未だに剣を構えて応戦の姿勢を見せている朋美が見える。
レベル52にまでなっているので何とか耐えられた上に、光族が自らを省みずに力を振り絞って回復させたのだ。
初めて直接目にするゴースト、それもレベル80。
弦間達のような知識もない美智達では、到底太刀打ちできる魔物ではない。
「お姉ちゃん。安心して。私がこんな奴始末してやるから!」
一気に肉薄して両断するのだが、まるで煙を相手にしているかのように手ごたえがなく、何事もなかったかのようにゴーストは漂っている。
ゴーストとしてはダンジョンマスターを配下にできれば良いと言われているのだが、一人良く分からないレベルが高い人族がいるので、これは美智のダンジョンを攻めている冒険者だと判断する。
神保は朋美の事をゴーストに説明する事を忘れていたので、排除する対象として認識して魔法を構築し始める。
その隙に果敢に物理攻撃を仕掛ける朋美だが、一切攻撃が効いていない事に漸く気が付き、慌てて唯一使う事の出来る炎魔法を発動して攻撃しようとする……のだが、気が付くのがかなり遅かった。
この剣に光族による魔法が付与されていれば攻撃が通ったのだが、情報不足がここで露呈してしまったのだ。
既にゴーストの周辺には夥しい魔法陣が浮き上がり、その全てが朋美の動きに追随するように動いている。
今までこれほどの魔法を見た事が無い朋美は絶対に勝てないと思ったが、最後に炎魔法を放つと同時に姉である美智をその瞳に映すと20階層の入り口方面に移動して、攻撃の余波で姉が死なないようにし、最後に少しでも姉の生存確率を上げるために、全ての魔法陣が20階層の入り口、姉とは真逆の方向を向いている事を確認しながらも、再びゴーストに突撃する。
「はぁ~!!!」
少しでも姉の為にと言う思いから、その全てを絞り出すように気合を入れてゴーストに向かって突進する朋美。
対してゴーストは、その攻撃は脅威になり得ない事は分かり切っているので、避ける素振りすら見せずに魔法陣に力を入れて攻撃を始める。
「皆!逃げて!!早く!!」
泣きながら、上手く動かない足を必死で動かして草むらに向かう美智。
これほどの力……どう考えても時間稼ぎも出来ない事位は嫌でもわかる。
ならば自分が犠牲になり……と言っても、その場合眷属は全て死亡し、配下の召喚魔物達は制御を失って勝手気ままな行動をとるだろうが、それでも生きて欲しかった。
そして、最も逃げてもらいたい妹の朋美。
今まで自分が力を得るまで必死で守り続けてくれた存在。
心が折れそうになった時もひたすら励まし続けてくれた存在。
その思いは、突然の魔法攻撃に脆くも崩れ去る。
侵入者はそのレベルの高さから、20階層侵入の瞬間に待ち構えられていると察知したのか、今迄一切攻撃してこなかったのだが、突然攻撃してきたのだ。
侵入者のゴーストはこの階層にレベル1が存在している事、主である神保から聞いているレベルの高い眷属がいる事を把握しており、ギリギリ殺さない程度に攻撃力を抑えて周囲に炎の攻撃魔法を放った。
一気に燃え盛る炎で天井まで育っていた茂みは消失し、命までは消えてはいないが、倒れ伏している眷属や配下の魔物達、そして未だに剣を構えて応戦の姿勢を見せている朋美が見える。
レベル52にまでなっているので何とか耐えられた上に、光族が自らを省みずに力を振り絞って回復させたのだ。
初めて直接目にするゴースト、それもレベル80。
弦間達のような知識もない美智達では、到底太刀打ちできる魔物ではない。
「お姉ちゃん。安心して。私がこんな奴始末してやるから!」
一気に肉薄して両断するのだが、まるで煙を相手にしているかのように手ごたえがなく、何事もなかったかのようにゴーストは漂っている。
ゴーストとしてはダンジョンマスターを配下にできれば良いと言われているのだが、一人良く分からないレベルが高い人族がいるので、これは美智のダンジョンを攻めている冒険者だと判断する。
神保は朋美の事をゴーストに説明する事を忘れていたので、排除する対象として認識して魔法を構築し始める。
その隙に果敢に物理攻撃を仕掛ける朋美だが、一切攻撃が効いていない事に漸く気が付き、慌てて唯一使う事の出来る炎魔法を発動して攻撃しようとする……のだが、気が付くのがかなり遅かった。
この剣に光族による魔法が付与されていれば攻撃が通ったのだが、情報不足がここで露呈してしまったのだ。
既にゴーストの周辺には夥しい魔法陣が浮き上がり、その全てが朋美の動きに追随するように動いている。
今までこれほどの魔法を見た事が無い朋美は絶対に勝てないと思ったが、最後に炎魔法を放つと同時に姉である美智をその瞳に映すと20階層の入り口方面に移動して、攻撃の余波で姉が死なないようにし、最後に少しでも姉の生存確率を上げるために、全ての魔法陣が20階層の入り口、姉とは真逆の方向を向いている事を確認しながらも、再びゴーストに突撃する。
「はぁ~!!!」
少しでも姉の為にと言う思いから、その全てを絞り出すように気合を入れてゴーストに向かって突進する朋美。
対してゴーストは、その攻撃は脅威になり得ない事は分かり切っているので、避ける素振りすら見せずに魔法陣に力を入れて攻撃を始める。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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