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岩本達の侵入の様子を少々離れた位置から観察しているのは、三原 信子。
このダンジョンに関しては、3階層までは何故か何も危険が無く、5階層までは遠目に見える岩本がスクロールや薬草を問題なく持ち帰れるレベルと言う事だけは知っている。
そこに復讐対象の藤代や椎名も潜っている事、未だここに到着していない吉川と笹岡も恐らく近くに来ているだろう事を把握している。
三原としては、岩本は敵対しなければどうでも良いのだが、復讐対象の四人は今の自分では一度に相手にするには危険だと言う事は理解している。
以前の朋美のように、右手を切断させて油断させる事は出来ないからだ。
そうなれば、何故か今は仲が悪いとなっている四人をかち合わせて弱った所を纏めて叩くのが効率的だと思い、未だダンジョンに侵入せずに吉川と笹岡の到着を待っている。
続々と湯原と水野の関係者、そして異なる時代ではあるが召喚冒険者達が侵入してくるダンジョン。
「今日はどうしたのでしょうか。あの面々が潜りに来る事は掴んでいましたが、まさか全員が今日来てしまうとは……」
「美智様と朋美様との対応に少々浮かれてしまった所は否めませんね」
美智のダンジョンに転移魔法陣Cを置き、ハライチとミズイチも信頼できると判断できる人であった事から、今後の為に数体ゴーストを派遣する等の決め事を主二人と楽しく相談していたのが仇になり、急な状況変化を掴め切れていなかった。
「油断しないように気を付けてはいたのですが、これを油断と言わずに……いいえ、今から挽回です」
「そうですよ、ハライチ。頑張りましょう」
未だコアルームで寛いでいる二人の為に動き出す二人。
「やはり、三原は周囲に潜んでいますね」
「少々離れた位置、とは言えレベルが上がっている様ですので、間もなく吉川と笹岡も到着しますね」
ハライチとミズイチが唯一安堵したのは、レベル99である神保の介入がなさそうな所だ。
神保側も急激な変化に追いつけずに、接触する予定であった召喚冒険者達に接触できないまま、潜られてしまう事になっていた。
ダンジョンに侵入済みの岩本に関しては二度目なので慣れたもので、列になっていない場所にある転移魔法陣にさっさと乗って2階層に向かってしまう。
遠くで吉川と笹岡を観察していた三原は、二対一でも厳しいかもしれないと言う思いからダンジョンに入る前に仕掛ける事は諦め、当初の想定通りに四人で互いに戦闘して弱った所を叩く事に決める。
その吉川と笹岡は、長蛇の列に並ぶ事はせずに一気に受付に向かう。
「俺達は召喚冒険者だから、移住には興味が無いんだ。進ませてもらっても良いかな?」
聞き方は穏やかだが、明らかに周囲を威圧している吉川。
もちろん受付に星出と岡島はいないが、担当しているホシイチは情報を共有しつつも2階層に繋がる魔法陣に案内する。
その後少々時間をおいて三原が来る事を伝えられていたので、ホシイチはそのまま待機し、同じように現れた三原を二階層に送る。
「まったく。全員列に並ぶ事すらできないなんて、どうかしていますね」
ホシイチはこんな愚痴をこぼしながらも、通常の業務に戻っていた。
「どうしましょうか、ハライチ。始末するのは簡単ですが、意向を聞かずに仕留めてしまうのも気が引けますし……」
「そうは言っても、カーリ様に直接そのような事をお伺いするのも気が引けます。少し監視しつつ、主様お一人の時に聞いてみる事にしましょう」
厳しい監視下に置かれている侵入者である藤代、椎名、吉川、笹岡、三原、岩本。
それぞれの意志でダンジョンに侵入し着々と階層を進んでいるのだが、広大な階層でそれぞれがかち合う事もなく、三原は先行している復讐対象である四人の召喚冒険者達を追走するだけで特に摩擦はおきていない。
それぞれの召喚冒険者は階層を進んでいるのだが、やはり上層のお遊び階層とは異なる階層に入ると進行速度が極端に落ち始める。
中には岩本が経験した5階層の罠、長時間かけて攻略したと思った直後に入り口に飛ばされてしまう転移魔方陣を踏んで、怒り狂っている者もいる。
流石は高レベルの召喚冒険者達だけあって誰も怪我をせずに5階層までは到達できているのだが、ダンジョンマスターである湯原と水野を始末しようとする者、召喚冒険者を始末しようとしている者と動きは異なっている。
「ミズイチ、これならば7階層で二つに分断できそうですね」
ハライチは7階層に一部侵入している冒険者達を見るのだが、ここまで一気に来た事から集中力を欠いているように見えるので、設置済みの転移魔方陣Bによって分断できると考えている。
この7階層は多数で侵入された場合の対策として、暗い茂みの空間に時折積雪箇所を作成して転移魔方陣Bを発見し辛くしているので、希望する転移魔方陣Bの方向に多数の召喚魔物で追い込み、同階層に複数ある谷底に転送させることができる仕様になっている。
「ここまで少人数であれば、転送ミスもないでしょうからそれで行きましょう」
ミズイチもハライチの進言に同意し、四人の召喚冒険者、三原と岩本と言うグループでそれぞれの谷底に送られる事になった。
このダンジョンに関しては、3階層までは何故か何も危険が無く、5階層までは遠目に見える岩本がスクロールや薬草を問題なく持ち帰れるレベルと言う事だけは知っている。
そこに復讐対象の藤代や椎名も潜っている事、未だここに到着していない吉川と笹岡も恐らく近くに来ているだろう事を把握している。
三原としては、岩本は敵対しなければどうでも良いのだが、復讐対象の四人は今の自分では一度に相手にするには危険だと言う事は理解している。
以前の朋美のように、右手を切断させて油断させる事は出来ないからだ。
そうなれば、何故か今は仲が悪いとなっている四人をかち合わせて弱った所を纏めて叩くのが効率的だと思い、未だダンジョンに侵入せずに吉川と笹岡の到着を待っている。
続々と湯原と水野の関係者、そして異なる時代ではあるが召喚冒険者達が侵入してくるダンジョン。
「今日はどうしたのでしょうか。あの面々が潜りに来る事は掴んでいましたが、まさか全員が今日来てしまうとは……」
「美智様と朋美様との対応に少々浮かれてしまった所は否めませんね」
美智のダンジョンに転移魔法陣Cを置き、ハライチとミズイチも信頼できると判断できる人であった事から、今後の為に数体ゴーストを派遣する等の決め事を主二人と楽しく相談していたのが仇になり、急な状況変化を掴め切れていなかった。
「油断しないように気を付けてはいたのですが、これを油断と言わずに……いいえ、今から挽回です」
「そうですよ、ハライチ。頑張りましょう」
未だコアルームで寛いでいる二人の為に動き出す二人。
「やはり、三原は周囲に潜んでいますね」
「少々離れた位置、とは言えレベルが上がっている様ですので、間もなく吉川と笹岡も到着しますね」
ハライチとミズイチが唯一安堵したのは、レベル99である神保の介入がなさそうな所だ。
神保側も急激な変化に追いつけずに、接触する予定であった召喚冒険者達に接触できないまま、潜られてしまう事になっていた。
ダンジョンに侵入済みの岩本に関しては二度目なので慣れたもので、列になっていない場所にある転移魔法陣にさっさと乗って2階層に向かってしまう。
遠くで吉川と笹岡を観察していた三原は、二対一でも厳しいかもしれないと言う思いからダンジョンに入る前に仕掛ける事は諦め、当初の想定通りに四人で互いに戦闘して弱った所を叩く事に決める。
その吉川と笹岡は、長蛇の列に並ぶ事はせずに一気に受付に向かう。
「俺達は召喚冒険者だから、移住には興味が無いんだ。進ませてもらっても良いかな?」
聞き方は穏やかだが、明らかに周囲を威圧している吉川。
もちろん受付に星出と岡島はいないが、担当しているホシイチは情報を共有しつつも2階層に繋がる魔法陣に案内する。
その後少々時間をおいて三原が来る事を伝えられていたので、ホシイチはそのまま待機し、同じように現れた三原を二階層に送る。
「まったく。全員列に並ぶ事すらできないなんて、どうかしていますね」
ホシイチはこんな愚痴をこぼしながらも、通常の業務に戻っていた。
「どうしましょうか、ハライチ。始末するのは簡単ですが、意向を聞かずに仕留めてしまうのも気が引けますし……」
「そうは言っても、カーリ様に直接そのような事をお伺いするのも気が引けます。少し監視しつつ、主様お一人の時に聞いてみる事にしましょう」
厳しい監視下に置かれている侵入者である藤代、椎名、吉川、笹岡、三原、岩本。
それぞれの意志でダンジョンに侵入し着々と階層を進んでいるのだが、広大な階層でそれぞれがかち合う事もなく、三原は先行している復讐対象である四人の召喚冒険者達を追走するだけで特に摩擦はおきていない。
それぞれの召喚冒険者は階層を進んでいるのだが、やはり上層のお遊び階層とは異なる階層に入ると進行速度が極端に落ち始める。
中には岩本が経験した5階層の罠、長時間かけて攻略したと思った直後に入り口に飛ばされてしまう転移魔方陣を踏んで、怒り狂っている者もいる。
流石は高レベルの召喚冒険者達だけあって誰も怪我をせずに5階層までは到達できているのだが、ダンジョンマスターである湯原と水野を始末しようとする者、召喚冒険者を始末しようとしている者と動きは異なっている。
「ミズイチ、これならば7階層で二つに分断できそうですね」
ハライチは7階層に一部侵入している冒険者達を見るのだが、ここまで一気に来た事から集中力を欠いているように見えるので、設置済みの転移魔方陣Bによって分断できると考えている。
この7階層は多数で侵入された場合の対策として、暗い茂みの空間に時折積雪箇所を作成して転移魔方陣Bを発見し辛くしているので、希望する転移魔方陣Bの方向に多数の召喚魔物で追い込み、同階層に複数ある谷底に転送させることができる仕様になっている。
「ここまで少人数であれば、転送ミスもないでしょうからそれで行きましょう」
ミズイチもハライチの進言に同意し、四人の召喚冒険者、三原と岩本と言うグループでそれぞれの谷底に送られる事になった。
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