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(3)ロイの力の一端(2)
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「ロイ君。今日は何が食べたい?ロイ君、朝は野菜ばっかり食べているから野菜は外せないよね。う~ん。っと、そう言えばルホーク兄達からコレ預かって来たよ」
ロイの横をニコニコしながら歩いている最強と名高いリーンは、周囲の憧れや尊敬、敬愛の視線を一切気にする事なくロイだけを見て歩いている。
「ん?何かな。兄ちゃん達がくれる物って、大概俺の身の丈に合わないんだけど……」
リーンが収納魔法から取り出したのは何の変哲もない袋。
残念ながらロイの収納魔法では収納する事が出来ないので、一旦手に持って中身を確認する。
「ブフォッ……また兄ちゃん達は!!姉ちゃん、コレ、どう見ても中身知っていたでしょ?」
「え?うん。知っていたよ?でも有って困る物じゃないじゃない?お父さんとお母さんからの分も入っているし、私の分も入っているよ。だから安心して!!」
何を安心するのか全く分からないロイ。
それもそのはず。
その袋の中身は、貨幣として最も価値の高い神貨と呼ばれる貨幣が詰まっていたからだ。
神貨は一枚100万円相当の価値があり、それがぱっと見数十枚入っている。
「姉ちゃん、ここまでしてもらわなくても大丈夫だよ。俺だってきちんと給料貰っているし、生活苦ってわけじゃないからさ?」
「え~、でも貰ってくれないと困っちゃうよ。お父さんやお母さんにも絶対に渡すように言われているしさ?」
月に何度かはこのような事があるので、貴族とは言え子爵と言う立場の実家の懐状態が少々心配になってしまうロイ。
「こんなに毎回、領地の経営は大丈夫なの?」
「もっちろん!私だって家にお金を入れているし、ルホーク兄も経営に入るようになってから税収も伸びているし、領民の人達の生活も更に向上しているよ。安心して!」
確かに今回の龍の爪を納品するのであれば、最低でも神貨20枚以上にはなる。
こう言った依頼をリーンはほぼ毎日こなしているので、そこから実家に渡しているのであれば問題ないのか?と思い始めるロイ。
「いやいや、違う。俺だって送金したいのに……なんだかずっと助けてもらってばかりじゃ情けないよ」
「フフ、ロイ君は何を言っているの?ロイ君がいてくれるから皆が幸せなんだよ?そのお礼を私達は本当に少ししているだけ。本当に気にしないで!それに私はまだ家を出ているわけじゃないから、一人暮らしのロイ君を助けるのはお姉ちゃんとして当然だよ?あっ、ホラ、あそこのお店、野菜も美味しいって有名だよ。行こっ!」
なんだか誤魔化されたような感じがしなくもないが、自分の能力で知る限りでは実家のハイス子爵家の状況は良くなっている事は間違いないので、万が一の時にはさりげなく自分も補助すれば良いかと飲み込む。
「わ、わかったよ。ありがたく貰っておくよ。でも、持ち運ぶには少し重いから持っていてくれる?姉ちゃん」
この日ロイは予想していた通りに一日中なんだかんだとあちこちに連れて行かれて、やれ服だ、やれお菓子だ、やれ魔道具だと散々押し付けられる形で渡されていた。
その日の夜、自室で膨れ切ったお腹をさすりながらも200%の善意で押し付けられた荷物の整理をしているのだが、自分一人でしているわけではない。
「ダイヤクィーン。この大量の荷物、しまってくれるか?」
「承知しました、ご主人様」
一人暮らしであるはずなのだが、この部屋にダイヤクィーンと呼ばれている女性が存在している。
別にロイが外から連れ込んだわけではなく、ダイヤクィーンの言葉からわかる通りにロイと主従関係が築かれている存在だ。
ロイの指示を受けて、瞬間で全ての荷物を収納魔法にしまい込むダイヤクィーンと呼ばれている女性。
「この後、今日は如何致しましょうか?クラブの部隊が何やら報告があるようですが……」
「そうか。わかった、聞こうか。クラブキング!」
ロイは収納魔法に唯一保管できるトランプを取り出して、クラブのキングを召喚する。
真面目そうな少々強面の男が跪いた状態で現れて、重々しく口を開く。
「我が主。ご指示頂きました古龍の件、非常に従順になっており、姉上様との友誼も問題なかったと報告を受けております」
ロイの収納魔法に唯一しまえる……と言うよりも、能力を認識した時から唯一中に収納されていたこのトランプ。
ジョーカーを含めたそれぞれのカードの人物を具現化する事が出来、各人が非常に強いのだが、その中でもマークによって得意な分野が分かれていた。
スペード:諜報、暗殺に長けている部隊
クラブ :直接戦闘に長けている部隊
ハート :防御や回復に長けている部隊
ダイヤ :頭脳に長けている部隊
このクラブキングからの報告を聞いて、そう言えば今日姉であるリーンが古龍と仲良くなったと言っていた事を思い出したロイは、リーンの為に古龍を手懐けておいた事を思い出した。
ロイの横をニコニコしながら歩いている最強と名高いリーンは、周囲の憧れや尊敬、敬愛の視線を一切気にする事なくロイだけを見て歩いている。
「ん?何かな。兄ちゃん達がくれる物って、大概俺の身の丈に合わないんだけど……」
リーンが収納魔法から取り出したのは何の変哲もない袋。
残念ながらロイの収納魔法では収納する事が出来ないので、一旦手に持って中身を確認する。
「ブフォッ……また兄ちゃん達は!!姉ちゃん、コレ、どう見ても中身知っていたでしょ?」
「え?うん。知っていたよ?でも有って困る物じゃないじゃない?お父さんとお母さんからの分も入っているし、私の分も入っているよ。だから安心して!!」
何を安心するのか全く分からないロイ。
それもそのはず。
その袋の中身は、貨幣として最も価値の高い神貨と呼ばれる貨幣が詰まっていたからだ。
神貨は一枚100万円相当の価値があり、それがぱっと見数十枚入っている。
「姉ちゃん、ここまでしてもらわなくても大丈夫だよ。俺だってきちんと給料貰っているし、生活苦ってわけじゃないからさ?」
「え~、でも貰ってくれないと困っちゃうよ。お父さんやお母さんにも絶対に渡すように言われているしさ?」
月に何度かはこのような事があるので、貴族とは言え子爵と言う立場の実家の懐状態が少々心配になってしまうロイ。
「こんなに毎回、領地の経営は大丈夫なの?」
「もっちろん!私だって家にお金を入れているし、ルホーク兄も経営に入るようになってから税収も伸びているし、領民の人達の生活も更に向上しているよ。安心して!」
確かに今回の龍の爪を納品するのであれば、最低でも神貨20枚以上にはなる。
こう言った依頼をリーンはほぼ毎日こなしているので、そこから実家に渡しているのであれば問題ないのか?と思い始めるロイ。
「いやいや、違う。俺だって送金したいのに……なんだかずっと助けてもらってばかりじゃ情けないよ」
「フフ、ロイ君は何を言っているの?ロイ君がいてくれるから皆が幸せなんだよ?そのお礼を私達は本当に少ししているだけ。本当に気にしないで!それに私はまだ家を出ているわけじゃないから、一人暮らしのロイ君を助けるのはお姉ちゃんとして当然だよ?あっ、ホラ、あそこのお店、野菜も美味しいって有名だよ。行こっ!」
なんだか誤魔化されたような感じがしなくもないが、自分の能力で知る限りでは実家のハイス子爵家の状況は良くなっている事は間違いないので、万が一の時にはさりげなく自分も補助すれば良いかと飲み込む。
「わ、わかったよ。ありがたく貰っておくよ。でも、持ち運ぶには少し重いから持っていてくれる?姉ちゃん」
この日ロイは予想していた通りに一日中なんだかんだとあちこちに連れて行かれて、やれ服だ、やれお菓子だ、やれ魔道具だと散々押し付けられる形で渡されていた。
その日の夜、自室で膨れ切ったお腹をさすりながらも200%の善意で押し付けられた荷物の整理をしているのだが、自分一人でしているわけではない。
「ダイヤクィーン。この大量の荷物、しまってくれるか?」
「承知しました、ご主人様」
一人暮らしであるはずなのだが、この部屋にダイヤクィーンと呼ばれている女性が存在している。
別にロイが外から連れ込んだわけではなく、ダイヤクィーンの言葉からわかる通りにロイと主従関係が築かれている存在だ。
ロイの指示を受けて、瞬間で全ての荷物を収納魔法にしまい込むダイヤクィーンと呼ばれている女性。
「この後、今日は如何致しましょうか?クラブの部隊が何やら報告があるようですが……」
「そうか。わかった、聞こうか。クラブキング!」
ロイは収納魔法に唯一保管できるトランプを取り出して、クラブのキングを召喚する。
真面目そうな少々強面の男が跪いた状態で現れて、重々しく口を開く。
「我が主。ご指示頂きました古龍の件、非常に従順になっており、姉上様との友誼も問題なかったと報告を受けております」
ロイの収納魔法に唯一しまえる……と言うよりも、能力を認識した時から唯一中に収納されていたこのトランプ。
ジョーカーを含めたそれぞれのカードの人物を具現化する事が出来、各人が非常に強いのだが、その中でもマークによって得意な分野が分かれていた。
スペード:諜報、暗殺に長けている部隊
クラブ :直接戦闘に長けている部隊
ハート :防御や回復に長けている部隊
ダイヤ :頭脳に長けている部隊
このクラブキングからの報告を聞いて、そう言えば今日姉であるリーンが古龍と仲良くなったと言っていた事を思い出したロイは、リーンの為に古龍を手懐けておいた事を思い出した。
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