前世も今世も裏切られるが、信頼できる仲間と共に理想の世界を作り上げる

焼納豆

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自身と自信

スキル取得へ向けて初討伐(7)

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 ウェインとラムがLvアップに勤しんでいる時、俺は次の4大地下迷宮ダンジョンの踏破について水晶さんと相談していた。
 
『水晶さん、次の踏破に向けた攻略開始は、今が東の<神狼>にいるわけで、最終的には<アルダ>の北<神猫>という順番、つまりは東、南、西、北の順とすれば移動のロスがなくて効率がいいと思うんだけど、俺の知らない理由とかがあって、順番変更した方が良いとかある?』

『いいえ、特にこれと言った事はないので、その順番で良いかと思います』

 あっさりしたものである。

「よし、ではあの2人が戻ってきたら、ウェインは<アルダ>へ、モモとラムは南<神龍>に向かうことにするか」
 
「はい、ご主人様。これで二回目の魔獣討伐お散歩ですね!今度は<神龍>に向かうまでちょっとだけ時間がかかるので、今度こそお弁当を食べましょう!!」

 ホントにモモには癒される。そういえば前世で一緒にいたときも、他の皆と競うように俺に甘えてきてくれたな・・。こんな状態が続けられればいい。前世の様にはさせない!!

 俺は、この世界で第二の人生を送ることができて恵まれている。この世界ではきっと皆と仲良く、楽しく暮らせるようにするんだ!!絶対に!!!

 決意を新たにした所で、ウェインとラムの様子を確認することにした。
 ウェインは194階層、ラムは195階層だったな。

 階層の詳細は当然俺がわかるわけがないので、水晶さんにかいつまんで説明してもらった結果は、

 194階層 深層Lv93   出現魔獣 Lv80~Lv93 闇の城
 195階層 深層Lv94   出現魔獣 Lv81~Lv94 大森林

 となっている。

 目標の(SS:聖級)のLvはLv86~Lv98のため、この階層ならば時間がかからないと踏んだのだ。

 しかし、あっさり階層を決めていたようで、それぞれの特性にあう階層を選んでくれていたようだ。
 流石、信頼のおける影の管理者<水晶さん>である。

 194階層、ウェインの動きを見ると、闇の城というだけあった暗闇のため、<影魔法:Lv6・・上級>を使いたい放題で、更には<隠密:Lv4・・中級>も駆使して討伐している。
 攻撃されないのだから、別段スキルは使用しなくても良いのだが、使用することによるLvアップや熟練度を上げようとしているのだろう。
 戦闘スタイルは暗殺系統よりで、対個人戦に向いている戦闘タイプに見える。

 一方、195階層のラムは、<弓術:Lv8・・帝級>と、<気配察知:Lv6・・上級>を連携させて、一気に魔獣を討伐している。

 戦闘スタイルは、ウェインと対極にあり、対集団戦に向いている戦闘タイプだ。

 2人共にとんでもないスピードでLvを上げているようだ。
 ただ、集団戦闘タイプのラムの方が早く目標に達成しそうかな?

 と思った時、ウェインがやらかした。

 突然<空間魔法:Lv5・・上級>、いや、この討伐で<空間魔法:Lv8・・帝級>になっているようで、空間に亀裂が入ったかと思うと、城と一緒に魔獣多数を飲み込んでいった。
 
 ステータスは<テイマー:Lv10・・神級>でウェインを含む魔獣系統は見ることができるが、人族系はこのスキルでは見ることができない。しかし、管理者権限で<神狼>内部にいる限り、魔獣以外も全員もれなく指定すれば見ることができる。普段は面倒なので実施してないけどね・・・

 そんなことより、ウェインめ、階層破壊したら俺がどうなるかわかってるのか?
 水晶さんの近くにいるから、若干この管理室の気温が下がった気がするぞ!!

 と、その後即、被告人ウェインから、

『ジン様、目標の(SS:聖級)Lv88にて達成いたしましたので、転移お願いいたします』

『よし、わかった・・・』

 これで、怒られるのは俺だけではなく、ウェインも一緒に怒られるので、怖さは半分こにできるかな??

 と現実逃避をしていると、勘弁してくださいラムさん・・・

 なんと、ラムも<精霊術:Lv8・・帝級>改め、<精霊術:Lv9・・聖級>をお放ちになられてしまった。
 階層一面が巨大な竜巻にのまれ、森の木々は空のかなたに消えていった。
 
 ふ~ん、この階層、天井高いね~・・・

『ジン様・・・・』 

 ヒィ・・

 水晶さんからの圧力がすごいぞ、どうしてくれるんだ、ウェインで傷を広げてラムでダメ押ししやがって・・・

 何とか場をごまかそう。そうしよう。

『えっと、水晶さん、いくら何でもあいつらLvが上がるの早すぎませんかね?』

『それは、称号にジン様のお名前が入っており、この<神狼>はジン様が管理者になっているため、補正がかかっているんですよ』

 なるほど、そういう事ですか~

『そんなことより、ジン様、ちょっと説明したいことがあるので、そこに正座していただけますかね?』

 やっぱりダメだったか。

 絶望の淵にいる俺に、呑気な念話が来た。

『ジン様、(SS:聖級)Lv89で達成です・・・最後に一気に行きました・・なんだか私にあったドロップもあったので、良ければ使わせていただきたくて・・持っていくのでそちらに転移していただけますか?』

 くっそ~、空気読めないやつめ。俺も階層について注意しなかったのが悪いし、そもそも彼らがあのLvの階層を破壊できるとも思わなかったからな。嬉しい?いや今の現状では嬉しくない誤算だ。

 そして、2人を転移させ管理室に来たら、彼らの目に入ったのは、水晶さんの前に正座する俺・・

 何見てんだよ、お前らも俺の横で正座だよ!!

 因みにモモは、食事を作りに出かけ(逃げ)て行った。

 3人そろって涙目になりながら水晶さんに説教を受けて、今日の活動を終えるのだった。

 そうそう、彼らのステータスは爆上げしていたよ。

----------------
名前:ラム
種族:エルフ
Lv:52・・A(上級) ➡ Lv:89・・SS(聖級)
HP:370/370   ➡ 5030/5030
MP:630/630   ➡ 5800/5800
MT:300/300   ➡ 3400/3400
【スキル】
 <弓 術:Lv9・・聖級>  UP
 <精霊術:Lv9・・聖級>  UP
 <気配遮断:Lv7・・上級> UP
 <気配察知:Lv7・・上級> UP
 <身体強化:Lv5・・上級>
 <危機回避:Lv5・・上級> NEW
 <物理耐性:Lv5・・上級> NEW
 <精神耐性:Lv5・・上級> NEW
 <魔法耐性:Lv5・・上級> NEW
【称 号】
 ジンの近衛騎士
----------------

----------------
名前:ウェイン
種族:双鬼(幻獣)
Lv:58・・A(上級) ➡ Lv88・・SS(聖級)
HP:400/400   ➡ 5000/5000
MP:700/700   ➡ 5600/5600
MT:250/250   ➡ 4000/4000
【スキル】
 <影魔法:Lv9・・聖級>  UP
 <空間魔法:Lv8・・帝級> UP
 <身体強化:Lv7・・上級> UP
 <隠 密:Lv6・・上級>  UP
 <探 索:Lv6・・上級>  UP
 <物理耐性:Lv5・・上級> NEW
 <精神耐性:Lv5・・上級> NEW
 <魔法耐性:Lv5・・上級> NEW
 <転 移:Lv4・・中級>  NEW
 <暗 視:Lv4・・中級>  NEW
 <風魔法:Lv3・・中級>
 <複 写:Lv3・・中級>
【称 号】
 <神狼>管理者ジンの僕
----------------

 俺を含め、皆Lvが上がった。
 以前の俺からは考えられない強さと、強力な仲間だ。
 これでようやく動けるな。
 俺は自身の自信が回復したのに気が付いた。
 
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