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大同盟
大同盟の交流・・(5)第一陣の移住
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第一陣を<転移>で<アルダ王国>王都に連れてきた。
場所は王城が目の前にそびえ建つ、整備された芝が生い茂る広場に来てもらった。
既に父さんには念話で連絡済みのために王族と近衛騎士もおり、もちろん<魔眼>をもつオルドと<鑑定眼>を持つミーナもこの場にいる。
万が一を考えて、間者がいないかチェックするのだ。
但し一人一人尋問のようなことをするわけではなく、オルドとミーナのLvであればぱっと見で判別できるために、彼らに圧力はかからない・・・と思いたい。
いきなり<転移>で王城前に来て、王族が護衛付きで来ているのだから緊張はしてしまうだろう。
しかし、王族の近衛騎士が人族以外の種族であるため、このあたりは彼らに安心を与えられるのではないだろうか。
「皆、よく来てくれた。私がこの<アルダ王国>国王ダン・アルダだ。ジンから話は聞いているが、先ずは皆には食事と休む場所を提供しよう。具合の悪そうなものと怪我をしている者も目に入るので、少々待ってもらいたい」
父さんは母さんの護衛の位置にいる<幻獣>レイラを見ると、彼女は<光魔法>を発動して、全員を輝く膜で覆い、治療した。
完全治癒した体を見て、感動の涙を流している者もいる。
だが、失われている体力は戻らないため、休息は必要だ。
「これで怪我や病気は治っていると思う。これから<アルダ王国>国民として生活をしていってもらうわけだが、国民は協力して生活してもらう。他種族共生だ・・・と今日はあまり長く話しても良くないので、先ずは食事をしてもらおう。ちょうど天気も良いのでこの場で食事をしようと思っている。今大至急準備しているので、申し訳ないがもう少しだけ待ってほしい」
この場にきて気が付いたが、この広場を覆うように王城に努めている料理人が調理器具を使用して何かを作っている。
見渡すと、一番早く口にできそうなのはやはり串焼きだな。
<転移>してきた皆はお腹がすいているのか、一番早くできそうでいい匂いをまき散らしている串焼きの方を凝視している。
それを見た父さんは何やら指示を出して、串焼き部隊?を増員したようだ。
俺の連絡からあまり時間が経っていないため、食事の準備が完了していなかったのだ。
次からは<転移>で連れてくる者の状態を確認して、もう少し早く連絡をしよう。
そうしているうちに、結構な料理が出来上がってきたようだ。
「では新たな<アルダ王国>の国民よ、遠慮なく食べてくれ」
全員体力がないながらも、各々が目を付けていたであろう料理の方に駆け出して、一心不乱に食事をしていた。
中にはもちろん小さい子供もおり、口いっぱいに食べ物を頬張っているのだ。とても可愛らしいが、今までの苦しい生活が想像できて少し胸が痛くなる。
これからは幸せになれるからな!!
「皆、ゆっくり食べて下さいね!おかわりは沢山ありますからね!!」
ソフィア姉さんも調理に参加しており、並んでいる人に優しく声を掛けながら食事を手渡ししている。
ある程度時間が経ったら皆のお腹も膨れてきたようで、食べる速度が目に見えて遅くなった。
これなら俺達も食べ始めても大丈夫かな?俺達が最初から一緒に食べてしまうと、遠慮して食べて貰えないかと思い、一切手を付けなかったのだ。
神獣、父さん、母さん、姉さん、兄さん、近衛騎士、幻獣部隊、リノス王子と共に俺達も一緒に食事をすることにした。
食べながら彼等と話して、少しでも慣れて貰おうと思ったのだ。
でもその前に、俺達だけに聞こえるように<念話>で、
『オルド、ミーナ、今回のメンバーの中に怪しい者はいたか?』
『いいえ、私の<魔眼>にはそのような反応はありませんでした』
『私の<鑑定眼>にも怪しい者はいなかったにゃよ!』
よし、これで安心だ。
本来俺や神獣が<神の権能>を使って確認しても良いのだが、<シータ王国>の時のように高Lvのみ弾かれるアイテムがあることが分かったため、基本的には俺達はあまり力を行使しないようにしている。
むしろ彼らに行使してもらうことにより練度を上げて貰うと共に、俺達が不在でも国として完全に回っていくようにしてもらいたいのだ。
俺達の近衛騎士や幻獣部隊は、そんなことは言わずとも常に自らに厳しい鍛錬を課しており、<シータ王国>の襲撃時に自らの高Lvが仇となり、力を発揮できなかったことを悔いていた。
そして、彼らが<シータ王国>のアイテムを研究しているガジムと相談して導き出した結論は、Lvによって上がっている基礎能力を制御できる・・という事だったのだ。つまり、今は全員<SS:聖級>のステータスだが、これを強制的に<A:上級>などに下げることができるようになっている。ただし、制御できる魔道具を持っている間だけと言う制限はつくが・・
更に下げ続けると、ステータスによる補正がない状態の力しか出なくなるが、この状態で体に負荷をかけ続けたり、各武具を使用した鍛錬を実施することにより本当の基礎能力を上げているのだ。いやはや頭が下がる。
もちろん<スキル>についても同様に調整できるようになっているらしい。調整された状態で若干残っている<シータ王国>のアイテムによる攻撃を受けてみても、影響を受けなかったとのことだ。
そんなメンバーが揃っているために、俺達不在でも問題ないとは思っているけどね。
よし、皆で食事をしよう。
王族である俺達は、父さん母さんとその護衛、ソフィア姉さんリノス王子とその護衛、ロイド兄さん俺と神獣達とその護衛で別々に新たな国民と食事をすることにした。
ロイド兄さんと俺は、<転移>前に話をした兎獣人がいる所に串焼きを持って向かい、お腹が満たされて安全な場所であると理解したのか、若干気が緩んでボーとしている皆と話をさせてもらうことにした。
「どう皆?ここの食事は口にあったかな?これからはきちんと食事をとれる環境になるから、しっかり食べて体力を戻した後は、良く働き、良く遊び、良く寝て、よく食べて・・楽しく過ごしてもらえるよ。これから宜しくね!」
・・・・・これは俺のセリフではない。ロイド兄さんだ。
なんで時々きちんと話せるようになるんだろうか?兄さんの近衛騎士であるニーナも首を傾けている。
気を取り直して・・
「そうそう、慣れるまでは少し時間がかかるかもしれないけど、ここの国民は皆気の良い人ばかりだから、安心して暮らせるよ。そうそう、君達が移住第一陣なので、申し訳ないけど次から来る移住者が来た時には、彼らの緊張をほぐす意味でも何人かは同席してもらうことになるので宜しくね」
移住者達は慌てて立ち上がろうとするが、それを俺達は制して話をさせて貰った。
あとは近衛である猫獣人のミーナとエルフであるラムの方が話しやすいだろうと思い、俺と兄さん、神獣はあまり口を出すことはしなかった。
最終的には随分と慣れてくれたように見えるし、笑顔も見られるようになった。
その後彼らは王城近くに新たに設置している大規模な宿泊設備に移動してもらい、疲れを癒してもらうことにした。
ここには1000人程が寝泊まりすることができるが、今回移住してきたメンバーは400人程だ。
この設備にも大浴場はあるが、ガジムが作成していたお湯の出る魔道具によるもので、源泉から引いているわけではないのが残念なところだ。
次の移住者は2日後に来ることになる。そしてその次は4日後・・と繰り返される。
移住者の数から考えると3日後には第一陣のメンバーは別の場所に移動してもらわないといけない。
父さんと相談した結果、適正を判断するのは明日で良いだろうとの事。
なので、明日適正を判断して3日後に適性に応じた場所に移動して、そこで休んでもらうことになっている。
既に各地下迷宮1階層は魔獣が出ない状態になっていて、街並みも作成済みとの事。ここは俺達が作業しなくても家を含めて水晶さんが準備できるから助かる。
光についても地上と同じサイクルで昼は明るく、夜は暗くなる設定だ。
これからガジムと相談して他の設備も作らなくてはいけないので、こっちまでは手が回らなくてどうしようかと思っていたんだ。
これで今日の作業はおしまいかな?
これから<魔界森>で休もうか・・と思っていたらウェインが、
「ガジム殿に、この件が終わり次第手伝うように言われておりますので、我らはここで失礼させて頂きます」
そうか、防壁作成がまだ残っているもんな。
「わかった。ありがとう。よろしく頼むよ」
そう言って彼等幻獣部隊は<転移>していった。
俺達も<魔界森>に転移しよう。
明日も朝から温泉街の整備をしないとな。
場所は王城が目の前にそびえ建つ、整備された芝が生い茂る広場に来てもらった。
既に父さんには念話で連絡済みのために王族と近衛騎士もおり、もちろん<魔眼>をもつオルドと<鑑定眼>を持つミーナもこの場にいる。
万が一を考えて、間者がいないかチェックするのだ。
但し一人一人尋問のようなことをするわけではなく、オルドとミーナのLvであればぱっと見で判別できるために、彼らに圧力はかからない・・・と思いたい。
いきなり<転移>で王城前に来て、王族が護衛付きで来ているのだから緊張はしてしまうだろう。
しかし、王族の近衛騎士が人族以外の種族であるため、このあたりは彼らに安心を与えられるのではないだろうか。
「皆、よく来てくれた。私がこの<アルダ王国>国王ダン・アルダだ。ジンから話は聞いているが、先ずは皆には食事と休む場所を提供しよう。具合の悪そうなものと怪我をしている者も目に入るので、少々待ってもらいたい」
父さんは母さんの護衛の位置にいる<幻獣>レイラを見ると、彼女は<光魔法>を発動して、全員を輝く膜で覆い、治療した。
完全治癒した体を見て、感動の涙を流している者もいる。
だが、失われている体力は戻らないため、休息は必要だ。
「これで怪我や病気は治っていると思う。これから<アルダ王国>国民として生活をしていってもらうわけだが、国民は協力して生活してもらう。他種族共生だ・・・と今日はあまり長く話しても良くないので、先ずは食事をしてもらおう。ちょうど天気も良いのでこの場で食事をしようと思っている。今大至急準備しているので、申し訳ないがもう少しだけ待ってほしい」
この場にきて気が付いたが、この広場を覆うように王城に努めている料理人が調理器具を使用して何かを作っている。
見渡すと、一番早く口にできそうなのはやはり串焼きだな。
<転移>してきた皆はお腹がすいているのか、一番早くできそうでいい匂いをまき散らしている串焼きの方を凝視している。
それを見た父さんは何やら指示を出して、串焼き部隊?を増員したようだ。
俺の連絡からあまり時間が経っていないため、食事の準備が完了していなかったのだ。
次からは<転移>で連れてくる者の状態を確認して、もう少し早く連絡をしよう。
そうしているうちに、結構な料理が出来上がってきたようだ。
「では新たな<アルダ王国>の国民よ、遠慮なく食べてくれ」
全員体力がないながらも、各々が目を付けていたであろう料理の方に駆け出して、一心不乱に食事をしていた。
中にはもちろん小さい子供もおり、口いっぱいに食べ物を頬張っているのだ。とても可愛らしいが、今までの苦しい生活が想像できて少し胸が痛くなる。
これからは幸せになれるからな!!
「皆、ゆっくり食べて下さいね!おかわりは沢山ありますからね!!」
ソフィア姉さんも調理に参加しており、並んでいる人に優しく声を掛けながら食事を手渡ししている。
ある程度時間が経ったら皆のお腹も膨れてきたようで、食べる速度が目に見えて遅くなった。
これなら俺達も食べ始めても大丈夫かな?俺達が最初から一緒に食べてしまうと、遠慮して食べて貰えないかと思い、一切手を付けなかったのだ。
神獣、父さん、母さん、姉さん、兄さん、近衛騎士、幻獣部隊、リノス王子と共に俺達も一緒に食事をすることにした。
食べながら彼等と話して、少しでも慣れて貰おうと思ったのだ。
でもその前に、俺達だけに聞こえるように<念話>で、
『オルド、ミーナ、今回のメンバーの中に怪しい者はいたか?』
『いいえ、私の<魔眼>にはそのような反応はありませんでした』
『私の<鑑定眼>にも怪しい者はいなかったにゃよ!』
よし、これで安心だ。
本来俺や神獣が<神の権能>を使って確認しても良いのだが、<シータ王国>の時のように高Lvのみ弾かれるアイテムがあることが分かったため、基本的には俺達はあまり力を行使しないようにしている。
むしろ彼らに行使してもらうことにより練度を上げて貰うと共に、俺達が不在でも国として完全に回っていくようにしてもらいたいのだ。
俺達の近衛騎士や幻獣部隊は、そんなことは言わずとも常に自らに厳しい鍛錬を課しており、<シータ王国>の襲撃時に自らの高Lvが仇となり、力を発揮できなかったことを悔いていた。
そして、彼らが<シータ王国>のアイテムを研究しているガジムと相談して導き出した結論は、Lvによって上がっている基礎能力を制御できる・・という事だったのだ。つまり、今は全員<SS:聖級>のステータスだが、これを強制的に<A:上級>などに下げることができるようになっている。ただし、制御できる魔道具を持っている間だけと言う制限はつくが・・
更に下げ続けると、ステータスによる補正がない状態の力しか出なくなるが、この状態で体に負荷をかけ続けたり、各武具を使用した鍛錬を実施することにより本当の基礎能力を上げているのだ。いやはや頭が下がる。
もちろん<スキル>についても同様に調整できるようになっているらしい。調整された状態で若干残っている<シータ王国>のアイテムによる攻撃を受けてみても、影響を受けなかったとのことだ。
そんなメンバーが揃っているために、俺達不在でも問題ないとは思っているけどね。
よし、皆で食事をしよう。
王族である俺達は、父さん母さんとその護衛、ソフィア姉さんリノス王子とその護衛、ロイド兄さん俺と神獣達とその護衛で別々に新たな国民と食事をすることにした。
ロイド兄さんと俺は、<転移>前に話をした兎獣人がいる所に串焼きを持って向かい、お腹が満たされて安全な場所であると理解したのか、若干気が緩んでボーとしている皆と話をさせてもらうことにした。
「どう皆?ここの食事は口にあったかな?これからはきちんと食事をとれる環境になるから、しっかり食べて体力を戻した後は、良く働き、良く遊び、良く寝て、よく食べて・・楽しく過ごしてもらえるよ。これから宜しくね!」
・・・・・これは俺のセリフではない。ロイド兄さんだ。
なんで時々きちんと話せるようになるんだろうか?兄さんの近衛騎士であるニーナも首を傾けている。
気を取り直して・・
「そうそう、慣れるまでは少し時間がかかるかもしれないけど、ここの国民は皆気の良い人ばかりだから、安心して暮らせるよ。そうそう、君達が移住第一陣なので、申し訳ないけど次から来る移住者が来た時には、彼らの緊張をほぐす意味でも何人かは同席してもらうことになるので宜しくね」
移住者達は慌てて立ち上がろうとするが、それを俺達は制して話をさせて貰った。
あとは近衛である猫獣人のミーナとエルフであるラムの方が話しやすいだろうと思い、俺と兄さん、神獣はあまり口を出すことはしなかった。
最終的には随分と慣れてくれたように見えるし、笑顔も見られるようになった。
その後彼らは王城近くに新たに設置している大規模な宿泊設備に移動してもらい、疲れを癒してもらうことにした。
ここには1000人程が寝泊まりすることができるが、今回移住してきたメンバーは400人程だ。
この設備にも大浴場はあるが、ガジムが作成していたお湯の出る魔道具によるもので、源泉から引いているわけではないのが残念なところだ。
次の移住者は2日後に来ることになる。そしてその次は4日後・・と繰り返される。
移住者の数から考えると3日後には第一陣のメンバーは別の場所に移動してもらわないといけない。
父さんと相談した結果、適正を判断するのは明日で良いだろうとの事。
なので、明日適正を判断して3日後に適性に応じた場所に移動して、そこで休んでもらうことになっている。
既に各地下迷宮1階層は魔獣が出ない状態になっていて、街並みも作成済みとの事。ここは俺達が作業しなくても家を含めて水晶さんが準備できるから助かる。
光についても地上と同じサイクルで昼は明るく、夜は暗くなる設定だ。
これからガジムと相談して他の設備も作らなくてはいけないので、こっちまでは手が回らなくてどうしようかと思っていたんだ。
これで今日の作業はおしまいかな?
これから<魔界森>で休もうか・・と思っていたらウェインが、
「ガジム殿に、この件が終わり次第手伝うように言われておりますので、我らはここで失礼させて頂きます」
そうか、防壁作成がまだ残っているもんな。
「わかった。ありがとう。よろしく頼むよ」
そう言って彼等幻獣部隊は<転移>していった。
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