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大同盟
大同盟の交流・・(7)防壁完成
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この数日、同じ作業を繰り返し実施している。
迎えに行って、こちらで迎え入れて、面談して、住居に連れて行って・・・迎えがない日や空き時間で設備や家屋を整備して・・・
意外と忙しい。
実は全ての場所で、<アルダ王国>が管理する冒険者ギルトと商業ギルド関連施設は完成している。
もちろん各地下迷宮の町にも整備済みだ。
<神狼>の町にも基礎能力の高い移住者、虎獣人、猫獣人、人族などが既に生活をしている。
仕事としては、冒険者登録をして地下迷宮を攻略し、得られたアイテム、魔獣等を冒険者ギルト、商業ギルトに卸して生計をたてるスタイルや、学校の講師になる者、商業ギルトに登録し商いを行う者や農業や家畜などの世話を仕事とする者、もちろん外部から来る冒険者関連の宿泊対応等をする者などがいる。
移住者達の体力回復は想定よりも早く、既に生活サイクルができ始めている。
学校については、講師も整いつつあるがまだ開校していない。と言うのもガジムはまだ戻らないし、カリキュラムも決まっていないのだ。
すると、ウェインより、
『ジン様、ようやく同盟国全ての魔法防壁が完成しました。前回ソラ殿に実施していただいた強度確認結果により実施された補強も<アルダ王国>含むすべての箇所で終了しております』
『本当にお疲れ様。こっちも移住が一段落して環境が整いつつあるんだけど、まだガジムの力を借りたいところがあるから戻ってきてくれるかな?あと、父さんにも報告しておいてね』
『承知しました。では後程王都で・・』
いよいよ<アルダ王国>も<アルダ-フラウス>大同盟も本格的に動き出せる時が近づいてきた。
いつも通り執務室隣の円卓に、王族と幹部が勢揃いして話を始める。
「ガジムよ、この短期間に作業を完了してくれてありがとう。しかもかなりの補強を繰り返したようだな。さすがに頭が下がる。しかし、疲れているところ悪いのだが、今回得た国土の居住区などはほとんどできているが、闘技場、各状況に応じた鍛錬場、特に隠密作業や諜報活動、緊急回避や個別撃破・・その他考えられるステージの作成、そしてふれあいの場・・これはまだ具体的な案を聞いていないが・・このあたりの作業が残っている。これらの設備は元辺境東伯領のゴーストタウンを一部そのまま使用して作成する予定だ。そうそう、その他には露天風呂も<神鳥>でしか完成していないのだったな。これらの設備作成を是非ともジンと協力して仕上げて貰いたい」
「もちろんでございます。ダン王。全力で満足の頂ける・・いえ満足を凌駕し驚いていただける物を作成してご覧にいれます・・野郎ども、気合入れて行くぞ!!」
うお~!!
あれ?俺と協力して作業を続けるんじゃなかったっけ?無駄に気合を入れなおして出て行ってしまった。
彼らは父さんに直接何かを頼まれると、どんな状況であれ、どんな内容であれ喜び勇んで作業をしてしまうのだ。
これは・・俺の意見は必要ないかな。と言うよりも手遅れだな。
流石に遊技場などの案をだす母さんやロイド兄さんも苦笑いだが、彼らの気合の入りようから何も言い出せないようだ。と言うよりも、もうすでにこの部屋にいないしね・・
とすると、残る懸案は<アルダ王国>の組織を確立する事と、状況の整理だな。何か忘れている気がするが・・思い出せないという事は大した事ではないだろう。重鎮A、Bの事なんて・・・
「父さん、これだけ国民が増えて組織も必要になるので、一度整理した上で各部門の長を決定した方が良いと思うんだけど・・」
「実は私も同じことを考えており、既に案がある」
そう言って説明を始めてくれた。
部隊の案はこうだ。
【防衛部隊】 隊長:ユフロ<幻獣>
防壁の内部から外部を狙撃、外部からの攻撃を防御する部隊。
【治安維持部隊】 隊長:レイラ<幻獣>
国内の治安維持を行う部隊。各種国民の相談も受け付ける。
【諜報部隊】 隊長:ウェイン<幻獣>
他国の情報を得る部隊。必要に応じ陽動も実施する。
【管理部隊】 隊長:セリア<幻獣>
商業・冒険者ギルドを統括する部隊。出入国の管理や地下迷宮の管理、カードの管理、学校関連の管理、そして緊急時の対策本部にもなる。
【近衛部隊】 隊長:二コラ<エルフ族>
近衛騎士部隊。王族の護衛。
【攻撃部隊】 隊長:マーニカ<幻獣>
攻撃を主とする部隊。遊撃もある。
【技術開発部隊】 隊長:ガジム<ドワーフ族>
新たな技術を研究・開発する部隊。
【遊撃部隊】 隊長:エレノア<幻獣>
各隊のサポートを実施する部隊。万能性が求められる。
隊長は<SS:聖級>になってもらう予定であり、ガジムのLvを後で確認して必要に応じてLvアップしてもらおう。
もちろん<幻獣部隊>として俺の直轄部隊も表には出てこないが存続している。神獣のモモ、シロ、ソラ、トーカはこれらの部隊には組み込まれない。
正直、一番大変なのはセリアとエレノアかな・・参謀のような者が必要か?
移住者にいた<戦略術>を持つメンバーをこの部隊に入れればいいかもしれないが、中枢の部隊になる為、<アルダ王国>に絶対の忠誠が必要になる。
最初は忠誠心が高く、既にLvを上げている部隊の中から新たな<スキル>を取らせた方が安心だな。
隊長の部屋はこの王城に準備され、隊舎もあるが、例えば諜報部隊などは訓練が多く、<神狼>のある町にとどまることが多いのではないだろうか。
その場合、隊長を始めとした部隊は<神狼>の町に滞在しっぱなしになるかもしれない。
「これからは基本的にこの編成で行こうと思う。各隊長は<アルダ王国>幹部として存分に力を示してもらいたい。<幻獣>の皆には突然の任命で申し訳ないがよろしく頼む。そして、現状報告などがあると思うので月に一度は幹部会議を実施する。緊急案件などについては各隊長が必要に応じて招集をかけてくれ」
こうして組織は決まった。
<幻獣部隊>は王族の護衛からは外れることになるが、今の状態であれば過剰戦力であるので問題ない。そもそも事前に父さんから<幻獣部隊>を<アルダ王国>の組織として組み込んでいいか相談は受けていたんでね。
各部隊に所属する隊員については、隊長に一任される。
但し、最低でも100人は隊員を入れる事を条件とした。
建国前から多種族が住んでおり、忠誠心が高く基礎能力もあるメンバーがいるので、その辺りが中心となってくるだろう。
ガジムは隊長任命の話をする前に出て行かれてしまったため、後で個別に伝える事にしたようだ。
彼は作業を開始してしまうと夢中になり、他の事には興味を示さなくなるのでしょうがない。
そして、この各部隊の構想はカードを通して<アルダ王国>国民に通知された。
残念ながら現在進行形で諜報活動を行っている部隊にはウェインを通して<念話>で連絡し、こちらから新たな部隊を送るまではそのまま任務に就いてもらうことにしている。
後日ガジムのステータスを確認させてもらったが、ホントにこの男は驚かせてくれる。確か<Lv:56・・A(上級)>だったはずだが、既に<Lv87・・SS(聖級)>に達していた。
どうやら常に<錬金術>やら<身体強化>やら使用し続けて防壁を作っていたため、通常では達成できない域に自力で達してしまったようだ。普通はこのLvになってしまうなど考えられないのだが・・途中やり直しをした箇所もあるし、想像以上の負荷がかかっている中で作業をし続けてくれたのだろう。
このLvと指輪の効果があればあの薬も完全ではないが鑑定できるし、あの速さで防壁を完成させてしまうのも頷ける。
そうすると、今から作ろうとしている・・いや作っている鍛錬場などはどの様な性能になるのか楽しみだ。
よし、俺の中で懸案になっていたあの問題児二人はそろそろ出してあげて、ガジムの部隊に入れよう。<フラウス王国>の所属だから客員の扱いだけど、ガジム隊長なら制御できるに違いない。
がんばれ隊長!!
迎えに行って、こちらで迎え入れて、面談して、住居に連れて行って・・・迎えがない日や空き時間で設備や家屋を整備して・・・
意外と忙しい。
実は全ての場所で、<アルダ王国>が管理する冒険者ギルトと商業ギルド関連施設は完成している。
もちろん各地下迷宮の町にも整備済みだ。
<神狼>の町にも基礎能力の高い移住者、虎獣人、猫獣人、人族などが既に生活をしている。
仕事としては、冒険者登録をして地下迷宮を攻略し、得られたアイテム、魔獣等を冒険者ギルト、商業ギルトに卸して生計をたてるスタイルや、学校の講師になる者、商業ギルトに登録し商いを行う者や農業や家畜などの世話を仕事とする者、もちろん外部から来る冒険者関連の宿泊対応等をする者などがいる。
移住者達の体力回復は想定よりも早く、既に生活サイクルができ始めている。
学校については、講師も整いつつあるがまだ開校していない。と言うのもガジムはまだ戻らないし、カリキュラムも決まっていないのだ。
すると、ウェインより、
『ジン様、ようやく同盟国全ての魔法防壁が完成しました。前回ソラ殿に実施していただいた強度確認結果により実施された補強も<アルダ王国>含むすべての箇所で終了しております』
『本当にお疲れ様。こっちも移住が一段落して環境が整いつつあるんだけど、まだガジムの力を借りたいところがあるから戻ってきてくれるかな?あと、父さんにも報告しておいてね』
『承知しました。では後程王都で・・』
いよいよ<アルダ王国>も<アルダ-フラウス>大同盟も本格的に動き出せる時が近づいてきた。
いつも通り執務室隣の円卓に、王族と幹部が勢揃いして話を始める。
「ガジムよ、この短期間に作業を完了してくれてありがとう。しかもかなりの補強を繰り返したようだな。さすがに頭が下がる。しかし、疲れているところ悪いのだが、今回得た国土の居住区などはほとんどできているが、闘技場、各状況に応じた鍛錬場、特に隠密作業や諜報活動、緊急回避や個別撃破・・その他考えられるステージの作成、そしてふれあいの場・・これはまだ具体的な案を聞いていないが・・このあたりの作業が残っている。これらの設備は元辺境東伯領のゴーストタウンを一部そのまま使用して作成する予定だ。そうそう、その他には露天風呂も<神鳥>でしか完成していないのだったな。これらの設備作成を是非ともジンと協力して仕上げて貰いたい」
「もちろんでございます。ダン王。全力で満足の頂ける・・いえ満足を凌駕し驚いていただける物を作成してご覧にいれます・・野郎ども、気合入れて行くぞ!!」
うお~!!
あれ?俺と協力して作業を続けるんじゃなかったっけ?無駄に気合を入れなおして出て行ってしまった。
彼らは父さんに直接何かを頼まれると、どんな状況であれ、どんな内容であれ喜び勇んで作業をしてしまうのだ。
これは・・俺の意見は必要ないかな。と言うよりも手遅れだな。
流石に遊技場などの案をだす母さんやロイド兄さんも苦笑いだが、彼らの気合の入りようから何も言い出せないようだ。と言うよりも、もうすでにこの部屋にいないしね・・
とすると、残る懸案は<アルダ王国>の組織を確立する事と、状況の整理だな。何か忘れている気がするが・・思い出せないという事は大した事ではないだろう。重鎮A、Bの事なんて・・・
「父さん、これだけ国民が増えて組織も必要になるので、一度整理した上で各部門の長を決定した方が良いと思うんだけど・・」
「実は私も同じことを考えており、既に案がある」
そう言って説明を始めてくれた。
部隊の案はこうだ。
【防衛部隊】 隊長:ユフロ<幻獣>
防壁の内部から外部を狙撃、外部からの攻撃を防御する部隊。
【治安維持部隊】 隊長:レイラ<幻獣>
国内の治安維持を行う部隊。各種国民の相談も受け付ける。
【諜報部隊】 隊長:ウェイン<幻獣>
他国の情報を得る部隊。必要に応じ陽動も実施する。
【管理部隊】 隊長:セリア<幻獣>
商業・冒険者ギルドを統括する部隊。出入国の管理や地下迷宮の管理、カードの管理、学校関連の管理、そして緊急時の対策本部にもなる。
【近衛部隊】 隊長:二コラ<エルフ族>
近衛騎士部隊。王族の護衛。
【攻撃部隊】 隊長:マーニカ<幻獣>
攻撃を主とする部隊。遊撃もある。
【技術開発部隊】 隊長:ガジム<ドワーフ族>
新たな技術を研究・開発する部隊。
【遊撃部隊】 隊長:エレノア<幻獣>
各隊のサポートを実施する部隊。万能性が求められる。
隊長は<SS:聖級>になってもらう予定であり、ガジムのLvを後で確認して必要に応じてLvアップしてもらおう。
もちろん<幻獣部隊>として俺の直轄部隊も表には出てこないが存続している。神獣のモモ、シロ、ソラ、トーカはこれらの部隊には組み込まれない。
正直、一番大変なのはセリアとエレノアかな・・参謀のような者が必要か?
移住者にいた<戦略術>を持つメンバーをこの部隊に入れればいいかもしれないが、中枢の部隊になる為、<アルダ王国>に絶対の忠誠が必要になる。
最初は忠誠心が高く、既にLvを上げている部隊の中から新たな<スキル>を取らせた方が安心だな。
隊長の部屋はこの王城に準備され、隊舎もあるが、例えば諜報部隊などは訓練が多く、<神狼>のある町にとどまることが多いのではないだろうか。
その場合、隊長を始めとした部隊は<神狼>の町に滞在しっぱなしになるかもしれない。
「これからは基本的にこの編成で行こうと思う。各隊長は<アルダ王国>幹部として存分に力を示してもらいたい。<幻獣>の皆には突然の任命で申し訳ないがよろしく頼む。そして、現状報告などがあると思うので月に一度は幹部会議を実施する。緊急案件などについては各隊長が必要に応じて招集をかけてくれ」
こうして組織は決まった。
<幻獣部隊>は王族の護衛からは外れることになるが、今の状態であれば過剰戦力であるので問題ない。そもそも事前に父さんから<幻獣部隊>を<アルダ王国>の組織として組み込んでいいか相談は受けていたんでね。
各部隊に所属する隊員については、隊長に一任される。
但し、最低でも100人は隊員を入れる事を条件とした。
建国前から多種族が住んでおり、忠誠心が高く基礎能力もあるメンバーがいるので、その辺りが中心となってくるだろう。
ガジムは隊長任命の話をする前に出て行かれてしまったため、後で個別に伝える事にしたようだ。
彼は作業を開始してしまうと夢中になり、他の事には興味を示さなくなるのでしょうがない。
そして、この各部隊の構想はカードを通して<アルダ王国>国民に通知された。
残念ながら現在進行形で諜報活動を行っている部隊にはウェインを通して<念話>で連絡し、こちらから新たな部隊を送るまではそのまま任務に就いてもらうことにしている。
後日ガジムのステータスを確認させてもらったが、ホントにこの男は驚かせてくれる。確か<Lv:56・・A(上級)>だったはずだが、既に<Lv87・・SS(聖級)>に達していた。
どうやら常に<錬金術>やら<身体強化>やら使用し続けて防壁を作っていたため、通常では達成できない域に自力で達してしまったようだ。普通はこのLvになってしまうなど考えられないのだが・・途中やり直しをした箇所もあるし、想像以上の負荷がかかっている中で作業をし続けてくれたのだろう。
このLvと指輪の効果があればあの薬も完全ではないが鑑定できるし、あの速さで防壁を完成させてしまうのも頷ける。
そうすると、今から作ろうとしている・・いや作っている鍛錬場などはどの様な性能になるのか楽しみだ。
よし、俺の中で懸案になっていたあの問題児二人はそろそろ出してあげて、ガジムの部隊に入れよう。<フラウス王国>の所属だから客員の扱いだけど、ガジム隊長なら制御できるに違いない。
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