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焼納豆

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大同盟

大同盟の交流・・(9)祭りの開始

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 いよいよ祭りを開催することになった。

 多数の国民が列をなして入国を待っている。
 王族と重鎮については、別途<転移>で迎え入れているため入国門の列に並ぶ必要はないが、一般の国民はこの長い列に並ぶ必要がある。
 きっと<フラウス王国>側の入国門と、出国門への転移口にもかなりの列ができているのだろう。

 しかし、カードシステムを導入しているために入国審査は非常に早く、長い列ができている中でも停滞していることはないので、ストレスを感じてはいないようだ。・・と思いたい。
 
 むしろ、これからの祭りに対する興奮が抑えられないように見える。
 特に<ラーム王国><イグイム王国><ミューラ王国><ベネチカット王国><エフソデア王国>の5カ国については、<シータ王国>の迫害から解放された喜びもあるのだろうか?

 入国後は自由に行動してもらうことになるが、<アルダ王国>の国土は一気に広くなったため、ここ<神鳥>から<神狼><神龍><神猫>の各町に転移する必要がある。ちなみに王都は<神猫>にありますよ皆さん!!

 この移動は馬車では1ヵ月以上必要とするので、祭りが終わってしまう。
 そこで、各町の名になっている地下迷宮ダンジョン1階層の町にある<転移門>に移動して<転移>することになる。

 そのため、残念だが各町の地上での移動中の休憩ポイントに作成された町は祭りの恩恵を受けることができない。
 実をいうと、この街道の整備は俺達は手を出していない為にまだ終了していないのだから、丁度いいといえばいいのだが・・

 父さんはこの町の人々には本来受けられるであろう恩恵分の金銭をカードに既に配布したらしい。

 今後、この中継の町にも<転移門>を置いておこう。
 地上を移動中に緊急事態が発生しないとも限らないからね。

 この<転移門>は、ガジムが調整・作成してくれたものになる。
 祭りの期間中は転移人数制限は解除しており、費用も無料だ。

 この<転移門>の存在と各町の特色を入国した者全てに伝える必要がある。 でないと、皆がこの<神鳥>の町のみの滞在になってしまうのだ。

 祭り開催の正式な合図やイベントについてはカードに配信されるので、入国者がどこに移動しようと問題ない。

 入国審査箇所では、正直言って審査よりもこれらの説明の方に時間を必要としているように見えるな。

 入国後の人々の動きを見ると、物珍しいのか街道の脇に並んでいる出店に殺到している。
 そこには食料、装飾品、魔道具、服飾、そして観光案内パンフレットなどがある。

 実はこれ、迫害を受けていた5カ国の商品群だ。もちろん売り上げは全て各国に渡される。ただし観光がメインの<ベネチカット王国>に関しては、他国の売り上げ相当金額が<アルダ王国>から<ベネチカット王国>に譲渡されることになっている。

 しかし、少し失敗したか?入国口の街道がごった返して人の動きが遅くなってきた。
 もちろん同様の店は他の町にも準備しているので、警備に当たっている【治安維持部隊】の面々が声を張り上げて説明し、人の動きを促している。

 この雑踏の中には【諜報部隊】が複数おり、軽犯罪が起きないようにスキルの鍛錬を兼ねて警戒している。そもそも全てが無料なので、犯罪は起きないように思うけど。当然今のところ問題は起きていない。

 やがて【治安維持部隊】の声が届いたのか、人も動き出し<神鳥>の町の方へ移動が始まった。

 ここも<神鳥>の町ではあるのだが、地下迷宮ダンジョンのある場所までは馬車で6時間程かかるため、同盟各国と同様に<転移門>を設けている。

 同盟国は隣り合っており、例えば<アルダ王国><シータ王国><ゴルデア王国>と移動する場合、<アルダ王国>の出国門から<シータ王国>の入国門に入る。そこで<ゴルデア王国>入国門方面の出国門に転移ができるようになっているのだ。つまり、中継国内の移動の必要がない。

 もちろんこの<転移門>を使用せずに、街道沿いにある温泉街等を楽しむ者もいるだろう。ただし、あまり街道を進みすぎると酪農や畑などがあり、楽しめる場所にはなっていないが・・。

 これを使用してまずは<神鳥>の町主要部に到着することができる。
 この町はある意味歓待の町になっているので、娯楽施設、宿泊施設などが充実しているのだ。

 各町には【諜報部隊】が配置されており、彼らは入国門の辺りにいた者より任務が若干追加されていて、各施設使用時の反応を調査するようにウェイン隊長を通して命令してある。

 続々と入国者は続き、<転移門>を使用して<神鳥>主要部にもかなりの人数が来ている。
 ここから地下迷宮ダンジョン<神鳥>は近いため、この辺りで楽しむ者と、案内板により地下迷宮ダンジョン1階層の町に向かい他の町に行く者とで分れている。
 地下迷宮ダンジョンの2階層を攻略するのも自由だが、もちろん入退場は冒険者ギルドで管理しているので、入場申請は必要になる。

 枝分かれした道を大人数が勝手に進んでいくように、徐々に末端の町まで人が到達しだした。

 <神狼>の町にある闘技場までは往来は自由だが、その先の鍛錬場のエリアは進入禁止エリアだ。当然<魔界森>も侵入できない。
 
 鍛錬場エリアについては魔道具による結界、そして【治安維持部隊】と【遊撃部隊】で警備に当たっている。

 ここは<アルダ王国>の要であり、秘匿する必要があることと、現在進行形で鍛錬を行っている者がいるので、普通のLv・・いや、高めのLvの者でも巻き添えで大惨事になりかねないからだ。

 <アルダ王国>の国民にも、進入禁止エリアとして通告している。

 <魔界森>は入国時の注意喚起と結界、そして明らかにLvの高い魔獣の気配がするため、普通は侵入しないだろう。
 
 全体に入国者が行き渡り、各地下迷宮ダンジョン1階層の町もにぎわいを見せている。

 それでも入国者は後を絶たないが・・このペースだと1日では入国できないかもしれないぞ。
 事前に大体の人数を聞いて対策をしておくべきだった。
 次回があればそうしよう。

 しまった、そうすると闘技場での試合の観戦者は、せいぜい入場出来て4000人だ。どうするか・・・

『ガジム、困ったことになった。今後予定している闘技場の観戦だが、入国者数の見積もりが甘く、入国だけで1日位はかかりそうだ。そうすると闘技場の収容人数は4000人だったはずなので、殆どの人が観戦できないことになる。至急対策できるか?』

『ジン様、もちろんです。各施設のホールにリアルタイムに映像として表示できる魔道具を設置しましょう。これは以前に検討した物があるので、2日もあれば全て作成の上取り付けることができるでしょう。ただ、素材が必要になりますので、どこかの部隊に王城にある【技術開発部隊】の隊舎に今日中に届けておくように指示をお願いします』

『わかった。ありがとう』

 いや、良かった。素材に関しては忙しいところ申し訳ないけどLvアップシステムを使用すれば即安全に取ってくることができるから問題ないだろう。
 王族権限で冒険者ギルドを通さずに地下迷宮ダンジョンの深層に直接行ってもらう。
 冒険者ギルドを通すと、他国の国民の目もあるし、色々面倒くさいことになるかもしれないからね。

 ここは、今現在若干自由度のある【攻撃部隊】に行ってもらおう。

『マーニカ、聞こえるか?』

『ジン様、如何致しましたでしょうか?』

『実は闘技場の試合だけど、入場可能が4000人のところ、入国者数がとんでもないことになっているので、殆どの人が入れずに文句が出るかもしれない。対策を【技術開発部隊】にお願いしたんだけど、素材を至急王都の隊舎に欲しいとのことで、<神龍>の190階層をLvアップシステムで安全にしておくから、至急回収して届けてくれる?』

『承知しました。素材の種類や数量は直接【技術開発部隊】隊長に聞いておきます』

 やべ・・種類や個数、聞いてなかった。ゴメンゴメン。
 水晶さんは当然このやり取りを聞いているので、必要に応じた設定をしてくれるはずだ。

『承知しました』

 ホラね!!

 よし、それじゃあ俺達も少し各町を視察してみようか。
 決して楽をしているわけではなく、ある意味・・統括??をしているのだ。

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