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焼納豆

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大同盟

大同盟の交流・・(11)闘技大会

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 祭り開催から4日もすると新たなな入国者はまばらになっているが、各町はかなり活気づいている。
 逆に出国する人はまだいないのだから、それは活気づくだろう。そもそも入国者はある意味全て無料だから、限界までいるだろうな。

 特に遊戯施設の空中散歩や俺の一押し!!露天風呂の評判がすこぶるいいのだ。よしよし。
 
 ここまでくると、ある程度<アルダ王国>に慣れたのか・・地下迷宮ダンジョンを攻略する者、移住先を検討する者、留学について聞いて来る者、様々な行動をとっている。

 各地下迷宮ダンジョンについては水晶さんと相談して、Lvはそのままにしてあるが、攻略者に魔獣が致命傷を負わせることができない設定にした。
 骨折や気絶、戦闘不能な大怪我は有り得るが、仮に気絶してもそこから魔獣に攻撃されることはない。但し身ぐるみは剥がされる。その位はリスクを負ってもらわないとね。
 これで<アルダ王国>の冒険者や他国から来た者達も、命を無駄に散らすこともなくなるだろう。

 今までの祭りの期間中、地下迷宮ダンジョンの攻略者も含めて特に問題も起こっておらず、父さんが歓待ししている各国の国王も温泉を堪能してくれているらしい。

 もちろん各王は、今後の留学について意見を交わし、<アルダ王国>の学校や寮の視察も済ませたそうだ。

 宿泊場所については、残念ながら特に遊戯施設をメインとしている<神龍>の町では、地下迷宮ダンジョン1階層の町も含めて宿泊場所が連日満員で、【治安部隊】によってそこそこの人数が他の町の宿泊施設に<転移>で移送されていた。

 賑やかで楽しい祭りを俺達も十分楽しんでいる。
 そしていよいよ明日から最大イベントである闘技大会が始まる。

 <B:中級>制限の部門にはウェインが、制限なしの部門には幻獣部隊であり、各隊の隊長であるユフロ、セリア、マーニカ、エレノア、そして、【近衛部隊】の二コラ、オルド、ハルド、ミーナが参加する。
 ラムは俺の傍が良いそうで不参加、レイラも王族や来賓の護衛で不参加だ。

 今日が大会参加登録の最終日なので、今現在どれ程の参加者がいるのか運営に聞いてみた。

 すると!!上限なしの試合は<アルダ王国>の参加が幻獣や近衛騎士であることからか、他の国からの参加者はいなかった・・・・
 きっと隔絶した力を持っているのがばれているから、参加しても太刀打ちできない・・と思ったのだろう。
 まあ、正しい判断だ。

 逆に上限設定<B:中級>部門については、かなりの参加者がいる。
 予選は、上限なしについては結局身内同士8人の戦いになるので、必要なくなった。
 逆に上限設定有に関しては、明日朝から実施の予定・・とのことで、これからカードに案内を出すらしい。

 【技術開発部隊】が作成してくれていた映像を見ることができる魔道具については、大きめの施設・・遊戯施設や学校、大きい宿泊施設などに既に取り付けてあり、テストも終了している。

 予選は大会1日目に終了し、2日目に本選、そして最終日は準決勝と決勝を行う。いよいよ明日からだ。

 その夜、参加メンバーと俺達は<魔界森>の塔5階層で食事をしながら話をした。王城にいる王族の護衛はラムとレイラ二人で行っている。

 万が一が有ったら即<転移>で行くので問題ないだろう。
 
「皆、いよいよ明日から大会だな。特にウェインはステータスに制限がかかって、かなり低いLvになるから地力での勝負になると思うけど、勝算はあるのか?」

「もちろんです。【諜報部隊】隊長の名に懸けて、負けるわけにはいきません。いつ、いかなる時でも万全を尽くせぬようでは一人前の諜報部員ではないと考えます。この上限設定有は、まさしく以前の<シータ王国>との件の再現と言えましょう。この状態でも圧倒的な勝利を収めることができてこその【諜報部隊】隊長です」

 随分気合が入っているな。なんでウェインが上限設定有に出場するかわかったよ。
 彼は真面目だから、以前の<シータ王国>の件をいまだに気に病んでいるんだ。ガジムの手を借りて修練場で随分と地力を上げる訓練をしていると聞く。
 その成果を見せる時だな。

「うん、期待しているよ。では上限無の大会参加者はどうだ?」

「修練場でいくつか技を試したのですが、一瞬部分的に少しだけ破壊されたとしても修復されるんですよ!という事は、同じ耐性を持つ闘技場は全力で行っても良いという事になりますよね?フフフフ」

 アレ?ユフロさん??あなた、どちらかと言うと防御系じゃなかったでしたっけ?何かストレス抱えています?素敵な顔して笑顔が黒いよ??

「そうにゃんよ。以前ある場所で<手足装甲:聖級>を装備してちょっと触っただけで大穴ができて大変だったにゃ。でもこの会場は大丈夫そうにゃので、全力で行くにゃ」

 ミーナさんもちょっと好戦的ですかね?
 と、周りの参加者はウェインを除いて何とも言えない笑みを浮かべている。

 君達!!トーナメントは発表されてないけど、君たちの中の誰かが対戦相手なんだからね!!

 そりゃー相手によって相性があるのは否定しないから、組み合わせによっては誰が優勝するかは分からないけど・・なんか設備破壊しつくしそうな力の入れようで怖いぞ。【技術開発部隊】頼む!!信頼しているぞ!!

「ジン様、我ら<幻獣部隊>で一番優勝に近かった者に、ご褒美を頂けませんでしょうか?」

 おおう、セリア・・何か欲しい物があるのかな?
 ここでもウェインを除く幻獣である4人の女性が頷いている。

 そもそもこの大会の上位4人までは、賞金が出るようなことを言っていた気がするが・・・

「俺が準備できるものであれば問題ないよ。何が欲しいの?賞金は出るみたいだけど・・忙しいから休みとか??」

「いえ、実はジン様と二人で一日お出かけできる権利を頂けると嬉しいのですが・・」

 セリアは顔を赤くして下を向いてしまった。
 美人が顔を赤くして下を向く・・・絵になるな。

「祭りの準備や隊長の業務で忙しくしてくれているんだから、そんな事でよかったら問題ないよ」

「ジン様、よろしいのですか?」

 <幻獣部隊>としての隊長の立ち位置にいるウェインが聞いてくる。

「うん、さっきも言った通り皆すごく良くしてくれているし、俺には何の負担にもならないしね・・」

 アレ??なんか少し寒いんですけど・・・なんで空気が変わったの?
 ウェインから目を逸らして他の幻獣達を見ると・・・発生源はそこですか!!

 4人ともすさまじい殺気を出してお互いを見ている。いや、顔は笑顔なんですが、何というか・・・怖い!!

 【近衛騎士部隊】もちょっと引いているぞ!!

 この状態で彼女達に話しかけるのはまずい気がする。
 となると、【近衛騎士部隊】に話かけるのが最善か・・

「えっと、【近衛委騎士部隊】の皆は装備の調子はどうなの?相当使いこなせるようになったのかな?」

「もちろんにゃ。この間はラムに頼んで1秒間に500本の矢を1分間放ってもらったんにゃよ。ラムにしたら全力ではにゃいにしても、全てその場を動かずに迎撃することができたにゃ」

 この子は感性で行動するロイド兄さんと同じ感性を持っていて、体術を基本としている猫獣人のミーナ。

「ジン様、私の剣の腕も、ガジム殿にお願いして地力から鍛えておりますので、大会では存分に鍛錬の成果をお見せできると思います」

 【近衛騎士隊】隊長の二コラ。エルフなのに剣が得意と言う変わり者だが、基礎を決して疎かにしない誠実な人。

「我ら兄弟も、ジン様から頂戴した槍と双剣、二コラ隊長、ミーナと同じく地力から鍛えておりますので、お楽しみいただけるかと思います」

 魔族の兄弟で【近衛騎士部隊】にいる、オルドとハルド。

 改めて聞くと、試合がとても楽しみだ。
 【近衛騎士部隊】は武器、武具を使うが、幻獣達は武器・武具はない。
 しかし幻獣達はある意味魔法系統に特化しているので、逆に武器などがあると邪魔になるか?

 そう考えると、対戦相手も気になる。

 きっと<アルダ王国>で大会を楽しみにしてくれている人は沢山いるだろう。
 今の話を聞く限りでは、いい試合になるのは間違いないな。

 早く明日にならないかな・・・・
 
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