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焼納豆

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大同盟

大同盟の交流・・(13)大会1日目 トーナメント決定

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 制限無しの参加者は、<アルダ王国>の【近衛騎士部隊】と各隊の隊長の幻獣達だ。

  ユフロ  亀鋼(幻獣)  魔法
  セリア  幻狐(幻獣)  魔法
  マーニカ 幻狐(幻獣)  魔法
  エレノア 虎幻(幻獣)  魔法
  二コラ  エルフ     幻術
  オルド  魔族      槍術
  ハルド  魔族      双剣術
  ミーナ  獣人族     体術

 については、観客・・<アルダ王国>で魔道具を通して観戦している者達にももちろんこの情報は流れており、この会場の盛り上がりも伝わっているだろう。

 8人はすでにステージにおり、それぞれが紹介されて一歩前に出て手を振ったり、一礼したりしている。
 この中で男性は二コラ、オルド、ハルドで後は女性だ。

 しかし、全員が限界までLvを上げているので普通の観客に戦闘の状態が見えるかは不安だ。
 特に魔法系統での戦いになると、予選の四組目であったような・・そう、何も見えずに終わっていた・・と言うような状況になりかねない。

 制限がかかっている<B:中級>であの状態なのだ。<SS:聖級>であれば轟音がした瞬間に何も見えなくなり、見えるようになったら試合終了なんて事も有り得る。
 
 でもまあ、ガジム隊長率いる【技術開発部隊】がこの場に全員いるから問題ないな。
 さっきの試合をみて何やら真剣に話し込んでいる隊員もいるし、どこかに何かを取りに行っている隊員もいるからだ。きっと明日の本戦までに徹夜で改良が加えられるのだろう。

 そうなると、この後行われる各人のデモはかなり力を抑えて貰う必要があるのではないだろうか?

『ガジム、この後のデモなんだけど、皆が全力で何かしたら観客が何も見えなくなるんじゃないの?』

『ジン様、申し訳ありません、私としたことが、不手際がありました。明日の本戦までには改善できるのですが、今すぐとなると・・・』

『わかった。皆には状況を<念話>で伝えて、抑え目にしてもらうよ』

『ありがとうございます』

 やっぱりか。ステージにいる皆に<念話>で状況を伝えて、近衛達には武具の軽いデモンストレーション、幻獣達には魔術による視界を妨げないパフォーマンスを行ってもらようにお願いした。

 急なお願いでもさすがはLvの高い、鍛錬を行たらない者達だ。
 そもそもウェインと同様にステータス制限がある状態でも、地力の次元が違い、動きが一々洗練されているため、膨大な力を使わずともその素晴らしさは十分に伝わる。

 魔法を使ったパフォーマンスは、炎の形や色を自在に変えたり、氷の彫刻を作ったり、かなり小さな雷をスパークさせたり・・・どちらかと言うと子供向けっぽくなっている感は否めない。でも彼女達も地力は高く、鍛錬も怠っていないんだよ。急なお願いでこれだけのことができる魔法使いはいないのだから、とても良くやってくれている。

 そして、とても綺麗な笑顔と共にパフォーマンスをしてくれているので、これだけでも素晴らしい出来ではないだろうか。

 そんな時間を過ごした後に、いよいよ組み合わせの抽選が行われることになった。

 中央箱の中に1~8までの数字が書かれたボールが入れてあるアレだ。
 紹介のあった順にボールを引くらしい。

 あのLvを持っているのだから、正直箱の中の状態も全て把握できてしまうため、ステータスを一気に下げて平等にボールを引かせている。<念話>でその旨伝えたが、その時点で皆その状態にしていたので余計なお世話だったが・・

 そうして決まった組み合わせがこうだ。

大会2日目
 第一試合
  マーニカ VS オルド
 第二試合
  ユフロ  VS 二コラ
 第三試合
  セリア  VS エレノア
 第四試合
  ハルド  VS ミーナ

最終日
 準決勝
  第一試合の勝者と第四試合の勝者
  第二試合の勝者と第三試合の勝者 

 決 勝
  両試合の勝者
 
 因みに、二日目には制限有の本戦も実施され、最終日に準決勝と決勝を行う。今日、ここではこれ以上の催しはないので、観客は続々と闘技場を後にしている。

 俺は観客の波がある程度収まった頃に神獣達と外に出て、幻獣達が来るのを待った。

 まもなく彼女達も出て来て、一緒に<魔界森>の塔5階層へ戻りウェインの予選通過について話をした。ウェイン本人はここにはいないが・・
 
 <神狼>でLvアップさせている【諜報部隊】の新人隊員が気になるらしい。この部隊には<ゴルデア王国>に留学していたグリフもおり、彼は既に<A:上級>にまで達していたはずだ。
 そうすると、副隊長を彼に任せるようにするのか??
 ま、この大会・・祭りが終わってから一緒にゆっくり考えよう。
 
「今日のウェインの動きは素晴らしかったな。隠密らしく気配を殺して一瞬で意識を刈り取る。ステータスの制限がある上でも絶妙な力の調整をしていたし、本戦に勝ち残った者と比較しても断トツの優勝候補だろう。ただ、予選を勝ち残った者の中で、他人を操作していた者についてはちょっと気になるけど・・・」

 実は、この大会を楽しむために参加者のステータスとか使用している武具、魔道具等の鑑定をしていない。なので、あの獣人族の女性が使っていた物も気になるし、どの様な展開になるのかも楽しみだ。ステータス制限がかかっている以上、あの不思議な粉?にやられればウェインも操られてしまう可能性が高い。

 当然ウェイン本人も他の試合を見ているはずなので、何かしらの対策をしてくるだろうが、それは獣人族の女性に関しても同じことだ。

「ウェイン隊長、いつも以上に張り切っていましたね。きっとジンに良い所を見せたくて力が入ったんではないでしょうか?」

 実は俺もそう思っていた。今日のウェインの気合の入り方は異常だったのだ。

「シロの言う事、わかります。私もご主人様の前では良い所見せたい気持ちが溢れ出てしまいますからね」

 モモも同意している。
 この流れは皆で同じことを言う流れだ。なので、ちょっと話題を変えよう。

「ところで、ガジム隊長が作ってくれた魔道具での闘技場の観戦はどうだったんだろうね?闘技場にあった大きい魔道具と同じような物が各町の施設においてあるのかな?」

「そんな感じみたい。ジンも魔道具に興味があるの?」

 トーカが聞いてきた。よし、話の流れは断ち切ったな。

「うん、この世界の”不思議”にはまだ慣れていないから、どんなことができる道具があるのかは興味があるね。前世で言う所の飛行機・・空を飛ぶ大きな物とかかな?」

「そうだね、前は空飛んでる大きなものがあったよね。飛行機ってそれの事でしょ?私も空飛んでいた時に、初めて見た時はびっくりしたよ」

 今度はソラが教えてくれた。ソラ達に飛行機と言っても伝わらないかもしれないと思い、言い直したのだが、大丈夫そうだな・・・

 そんな話をして夜を迎え、皆で眠りについた。
 幻獣達は隣の部屋の布団で寝てもらっている。

 そしていよいよ大会二日目、制限有、無、共に4人になるまでのトーナメントが実施される。

 まずは制限有の戦いだ。

 こちらの組み合わせはこうなっている。

 第一試合
  <フラウス王国>龍人族  VS  <ゴルデア王国>ドワーフ族
 第二試合
  <エフソデア王国>人族  VS  <フラウス王国>獣人族
 第三試合  
  <フラウス王国>龍人族  VS  <イグイム王国>人族
 第四試合
  <ラーム王国>人族    VS  <アルダ王国>双鬼(幻獣)

 特徴的なのは、
  <フラウス王国>龍人族二人の<影魔法>
  <ゴルデア王国>ドワーフ族と<ラーム王国>人族の<力技>
  <フラウス王国>獣人族の<魔道具?>
  <アルダ王国>双鬼<隠密>
 だ。

 残念ながら他の人たちは正直厳しいだろう。
 とすると、潰しあうのは第一試合と第四試合だな。

 闘技場にたどり着くと、もうすでに会場の熱気は最高潮になっている。
 他の会場は分からないが、どこも同じ感じなのだろう。

 第一試合の案内が拡声魔道具、大型魔道具の表示、カード配信で行われる。

  <フラウス王国>龍人族  VS  <ゴルデア王国>ドワーフ族

 となるが、龍人族は予選は<影魔法>を使い、苦も無く通過している。彼らはひょっとして別の何か奥の手も持っているかもしれないのだが・・・
 対してドワーフ族は力と技で敵をなぎ倒していった猛者だ。

 単純に龍人族が<影魔法>だけであれば、正直ドワーフ族が有利だろう。

 この制限有の紹介では、この祭り開催時の所在国と自分の種族は紹介されるが、名前は紹介されない。

 これは出場者側からの要望・・全員ではないのだが・・今後の仕事の支障になるので、できれば名前は出さないでほしいと要望があったため紹介していない。そのため、ウェインの名前も紹介されていないが、<アルダ王国>国民からの応援もあるため、最早名前はばれているが・・・

 もちろん制限無しは<アルダ王国>のメンバーしかいないのでそのような要望は一切なく、全員もれなく実名を紹介している。
 
 そうこうしている内に、いよいよ待ちに待った試合開始となった。
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