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二度目の戦闘
<シータ王国>対策緊急会議(2)
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秘密の漏洩はない・・と言う前提で話を進める事にする。
疑いだしてはきりがないが、現在出来得る最高の手段で安全を確保している以上話を進めるしかない。
「ありがとう。では話を勧めさせていただく。既に皆は情報の大小はあれど、我が<アルダ王国>建国のきっかけは知っているかと思う。早い話が<シータ王国>の卑劣なやり方が気に入らず独立したのだ。その後<シータ王国>は逆にこちらに攻めてきたが、返り討ちにした経緯がある。ここまではご存じか?」
全員頷いている。
もちろんオルド、ハルド、ミーナ、ガジムも同様に問題ない旨伝えてきている。
「よし、では続きだが、その時に<シータ王国>のドルロイ王について、我らは温情をかけて命を取ることまではしなかった。だが、ドルロイは6,000人もの命と引き換えに異世界召喚と言う禁呪を発動し、特殊な能力を持つものを召喚した。これは事実であり、我が【諜報部隊】が既に確認している情報だ。参考までに【諜報部隊】隊長は、そこにいる制限有の大会にも出場していたウェインだ」
ウェインは半歩前に出て、彼らに一礼した。当然顔は隠している。
だが、所作と彼の持つ魔力によって、本人であることは理解できているだろう。
わざわざウェインを紹介したのは、彼ほどの実力を持つものが確認した事実であるという事を強調するためだ。
つまり、情報の信頼性を上げたことになる。
「その召喚自体は、この<アルダ王国>を攻めるための戦力にするため、何の関係もない異世界の人間がこちらに強制召喚されている。6,000人もの命を代償にだ。我々はこのような私欲を満たすためだけに残虐な行為を行えるドルロイを決して許すわけにはいかない。だが、前回<シータ王国>の襲撃を受けた際に、やつらが持つ魔道具に手こずったのも事実だ。そこで、更なる戦力の補強を考えており、貴殿たちが我が<アルダ王国>の部隊に所属してもらえるか、について検討させて頂く場としたい。自己紹介を兼ねてその辺りを聞かせて貰えるか?ただし、能力について当然秘匿しておきたいものもあるであろうから、その辺りの説明は各人にお任せする」
今回呼ばれた五人は目配せし、入室順に自己紹介を行うようだ。
まずは一人目、<イグイム王国>人族。
彼は、手に持つ盾の機能を十全に活用して魔族に勝利している人物だ。
「私はキャンデルと申します。試合をご覧いただいてお分かりの通り、あまり戦闘自体に自信があるわけではありません。知略、策略を駆使して勝利するやり方です。私個人は是非とも<アルダ王国>の末席に加えて頂きたいと思っています。と言うのも、私の妻はエルフです。が、今は<シータ王国>による迫害で行方不明なのです。<シータ王国>が権力を持って圧力をかけてきている間も、この<アルダ王国>・・その時点では辺境北伯領でしたが、他種族共存・共生を貫き通していました。我妻もここで生活できていれば・・と。そんな素晴らしい<アルダ王国>に対する<シータ王国>の暴挙は許すわけにはまいりません。この大会も、私が目立てばひょっとしたら妻が私の事を気が付いてくれるか・・と期待して出場したのです。何卒、何卒私を<アルダ王国>に加えて下さい」
俺は悲しくて少し涙ぐんでしまった。偽りがないことは判定されているので、全て事実なのだ。
こんな状況でも妻を見つけたい、そして妻に見つけて貰いたい一心で、俺達が浮ついた心で観戦している中でも一人で必死に戦っていたのだ。
なんとしても力になりたい。ユージも同じことを思っているようで、握った拳が震えている。
思わず俺は声を出してしまった。
「キャンデルさん、<アルダ王国>に属していただけるかどうかは別問題として、即あなたの妻の捜索を開始させてもらいたい。詳しい情報を教えて頂けますか?エレノア頼めるか?」
「承知しました。ではキャンデル様、こちらでお話をお聞かせ願えますでしょうか?」
キャンデルさんは涙ぐみながらエレノアについて退出していった。
「皆さん、突然流れを切って申し訳ありませんでした。改めまして次の方、よろしくお願いいたします」
二人目は、<エフソデア王国>人族。
彼は、様々なスキルを取得しており、この場に来ている、ありえない魔道具を駆使して戦っていた狐獣人と良い戦いを繰り広げていた人物だ。
「私はリゲルガと言います。既に試合でご覧いただいた通りそこそこの数のスキルを使えますが、まだまだ若輩で修行が足りません。制限無しの試合を見させていただきましたが、私などがあの場に立っても何の障害にもならずに消え失せる事が確信できるほどの異次元の戦いであり、感動しました。そのような戦力をお持ちの<アルダ王国>に加えて頂けるのであれば、私も是非加えて頂きたい。正直<シータ王国>に好意のある者はここにはいないのではないでしょうか?先程のキャンデル殿の話を聞いて、更に嫌悪感が増しました。その<シータ王国>が攻めてきそうであるならば、反撃するのが必須であり義務と考えます。微力ながらその戦力に加えて頂きたい」
こちらも偽りはない発言だ。
そもそもこの大同盟の各国には、悪意ある者は入国できないので必然的に敵対国である<シータ王国>と敵対している人物である可能性が高いのだ。
そして三人目。<ゴルデア王国>ドワーフ族。
彼は予選は斧、そして本線では大槌を使い、力と技、更には知略を駆使して戦闘していた人物だ。
「私はホープと言う者です。はっきり言って力技がメインで、制限無しの試合を見た後では偉そうなことは何も言えませんな。実は私はそこにいらっしゃるガジム殿にこの大槌を作って頂いたのです。尊敬するガジム殿と共に戦えるのであれば、これ以上の誉れはありません。是非とも私も<アルダ王国>の一戦士として迎えて頂ければと思っております」
ガジムを見ると、首を傾けている。
こういうやつだ。父さんや俺達関連の事、そして新しい技術関連のことは必ず覚えているが、そうでない事はすぐに忘れる。
だが、この言葉も真実なので忠誠心は高いだろう。
次の四人目。<フラウス王国>獣人族。
唯一の女性で、狐獣人である彼女は魔道具や<召喚術>を駆使して、圧倒的な強さを見せつけていた。
俺は、ウェインと良い戦いができるのは彼女ではないかと思ったほどだ。
「お初にお目にかかります。ノイザと申します。私も今までの話の通り、制限無しの隔絶した戦いを見て震えました。そして、<シータ王国>は我ら種族を含めて人族以外の種族を迫害しておりました。そんな中ここだけは私を含む人族以外の希望だったのです。私もこの<アルダ王国>を守る為なら全力を尽くさせて頂きます」
ここまで続くと、今までの父さんの国家運営の姿勢が正しかったことが証明されているようでとても嬉しい。
逆に<シータ王国>がどれ程クズかもよくわかる。
最後の五人目。<ラーム王国>人族。
彼は制限がある中でだが、ウェインの暗器を防いでみせる程の力の持ち主だ。
「ワイムと言います。実は、あまり良くない話で申し訳ないですが、私は以前<シータ王国>に属しており、王族の護衛をしていました。ですが、彼らの素行、考え方について行けずにあの国を出た経緯があります。あの国が攻めてくるのであれば、断罪の意味を込めてこの私が討伐させて頂きたいと思います。是非とも我が力をお使いください」
結局全員が<アルダ王国>に所属してくれることを望んでくれ、そして全員の言う事は偽りなく、<シータ王国>の間者でもないことが判明した。
そうすると、各人のステータスに関する情報を許される範囲で開示してもらい、どのようにLvを上げさせるか、と言うよりもあのLvアップシステムを使うかどうか・・更には所属先も検討する必要がある。
疑いだしてはきりがないが、現在出来得る最高の手段で安全を確保している以上話を進めるしかない。
「ありがとう。では話を勧めさせていただく。既に皆は情報の大小はあれど、我が<アルダ王国>建国のきっかけは知っているかと思う。早い話が<シータ王国>の卑劣なやり方が気に入らず独立したのだ。その後<シータ王国>は逆にこちらに攻めてきたが、返り討ちにした経緯がある。ここまではご存じか?」
全員頷いている。
もちろんオルド、ハルド、ミーナ、ガジムも同様に問題ない旨伝えてきている。
「よし、では続きだが、その時に<シータ王国>のドルロイ王について、我らは温情をかけて命を取ることまではしなかった。だが、ドルロイは6,000人もの命と引き換えに異世界召喚と言う禁呪を発動し、特殊な能力を持つものを召喚した。これは事実であり、我が【諜報部隊】が既に確認している情報だ。参考までに【諜報部隊】隊長は、そこにいる制限有の大会にも出場していたウェインだ」
ウェインは半歩前に出て、彼らに一礼した。当然顔は隠している。
だが、所作と彼の持つ魔力によって、本人であることは理解できているだろう。
わざわざウェインを紹介したのは、彼ほどの実力を持つものが確認した事実であるという事を強調するためだ。
つまり、情報の信頼性を上げたことになる。
「その召喚自体は、この<アルダ王国>を攻めるための戦力にするため、何の関係もない異世界の人間がこちらに強制召喚されている。6,000人もの命を代償にだ。我々はこのような私欲を満たすためだけに残虐な行為を行えるドルロイを決して許すわけにはいかない。だが、前回<シータ王国>の襲撃を受けた際に、やつらが持つ魔道具に手こずったのも事実だ。そこで、更なる戦力の補強を考えており、貴殿たちが我が<アルダ王国>の部隊に所属してもらえるか、について検討させて頂く場としたい。自己紹介を兼ねてその辺りを聞かせて貰えるか?ただし、能力について当然秘匿しておきたいものもあるであろうから、その辺りの説明は各人にお任せする」
今回呼ばれた五人は目配せし、入室順に自己紹介を行うようだ。
まずは一人目、<イグイム王国>人族。
彼は、手に持つ盾の機能を十全に活用して魔族に勝利している人物だ。
「私はキャンデルと申します。試合をご覧いただいてお分かりの通り、あまり戦闘自体に自信があるわけではありません。知略、策略を駆使して勝利するやり方です。私個人は是非とも<アルダ王国>の末席に加えて頂きたいと思っています。と言うのも、私の妻はエルフです。が、今は<シータ王国>による迫害で行方不明なのです。<シータ王国>が権力を持って圧力をかけてきている間も、この<アルダ王国>・・その時点では辺境北伯領でしたが、他種族共存・共生を貫き通していました。我妻もここで生活できていれば・・と。そんな素晴らしい<アルダ王国>に対する<シータ王国>の暴挙は許すわけにはまいりません。この大会も、私が目立てばひょっとしたら妻が私の事を気が付いてくれるか・・と期待して出場したのです。何卒、何卒私を<アルダ王国>に加えて下さい」
俺は悲しくて少し涙ぐんでしまった。偽りがないことは判定されているので、全て事実なのだ。
こんな状況でも妻を見つけたい、そして妻に見つけて貰いたい一心で、俺達が浮ついた心で観戦している中でも一人で必死に戦っていたのだ。
なんとしても力になりたい。ユージも同じことを思っているようで、握った拳が震えている。
思わず俺は声を出してしまった。
「キャンデルさん、<アルダ王国>に属していただけるかどうかは別問題として、即あなたの妻の捜索を開始させてもらいたい。詳しい情報を教えて頂けますか?エレノア頼めるか?」
「承知しました。ではキャンデル様、こちらでお話をお聞かせ願えますでしょうか?」
キャンデルさんは涙ぐみながらエレノアについて退出していった。
「皆さん、突然流れを切って申し訳ありませんでした。改めまして次の方、よろしくお願いいたします」
二人目は、<エフソデア王国>人族。
彼は、様々なスキルを取得しており、この場に来ている、ありえない魔道具を駆使して戦っていた狐獣人と良い戦いを繰り広げていた人物だ。
「私はリゲルガと言います。既に試合でご覧いただいた通りそこそこの数のスキルを使えますが、まだまだ若輩で修行が足りません。制限無しの試合を見させていただきましたが、私などがあの場に立っても何の障害にもならずに消え失せる事が確信できるほどの異次元の戦いであり、感動しました。そのような戦力をお持ちの<アルダ王国>に加えて頂けるのであれば、私も是非加えて頂きたい。正直<シータ王国>に好意のある者はここにはいないのではないでしょうか?先程のキャンデル殿の話を聞いて、更に嫌悪感が増しました。その<シータ王国>が攻めてきそうであるならば、反撃するのが必須であり義務と考えます。微力ながらその戦力に加えて頂きたい」
こちらも偽りはない発言だ。
そもそもこの大同盟の各国には、悪意ある者は入国できないので必然的に敵対国である<シータ王国>と敵対している人物である可能性が高いのだ。
そして三人目。<ゴルデア王国>ドワーフ族。
彼は予選は斧、そして本線では大槌を使い、力と技、更には知略を駆使して戦闘していた人物だ。
「私はホープと言う者です。はっきり言って力技がメインで、制限無しの試合を見た後では偉そうなことは何も言えませんな。実は私はそこにいらっしゃるガジム殿にこの大槌を作って頂いたのです。尊敬するガジム殿と共に戦えるのであれば、これ以上の誉れはありません。是非とも私も<アルダ王国>の一戦士として迎えて頂ければと思っております」
ガジムを見ると、首を傾けている。
こういうやつだ。父さんや俺達関連の事、そして新しい技術関連のことは必ず覚えているが、そうでない事はすぐに忘れる。
だが、この言葉も真実なので忠誠心は高いだろう。
次の四人目。<フラウス王国>獣人族。
唯一の女性で、狐獣人である彼女は魔道具や<召喚術>を駆使して、圧倒的な強さを見せつけていた。
俺は、ウェインと良い戦いができるのは彼女ではないかと思ったほどだ。
「お初にお目にかかります。ノイザと申します。私も今までの話の通り、制限無しの隔絶した戦いを見て震えました。そして、<シータ王国>は我ら種族を含めて人族以外の種族を迫害しておりました。そんな中ここだけは私を含む人族以外の希望だったのです。私もこの<アルダ王国>を守る為なら全力を尽くさせて頂きます」
ここまで続くと、今までの父さんの国家運営の姿勢が正しかったことが証明されているようでとても嬉しい。
逆に<シータ王国>がどれ程クズかもよくわかる。
最後の五人目。<ラーム王国>人族。
彼は制限がある中でだが、ウェインの暗器を防いでみせる程の力の持ち主だ。
「ワイムと言います。実は、あまり良くない話で申し訳ないですが、私は以前<シータ王国>に属しており、王族の護衛をしていました。ですが、彼らの素行、考え方について行けずにあの国を出た経緯があります。あの国が攻めてくるのであれば、断罪の意味を込めてこの私が討伐させて頂きたいと思います。是非とも我が力をお使いください」
結局全員が<アルダ王国>に所属してくれることを望んでくれ、そして全員の言う事は偽りなく、<シータ王国>の間者でもないことが判明した。
そうすると、各人のステータスに関する情報を許される範囲で開示してもらい、どのようにLvを上げさせるか、と言うよりもあのLvアップシステムを使うかどうか・・更には所属先も検討する必要がある。
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