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最後の戦い
もう作戦もいらないか?
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幻獣部隊・・各隊長が全て揃っている。
幻獣達は全員神の領域に達しており、特に<魔力強奪>にやられたマーニカは、<魔力強奪>と共に、派生能力であろうか<スキル強奪>まで得ている。
そして、ユフロ、マーニカ、エレノアは<反射攻撃>を、ウェインは<重力魔法>を手に入れているのだ。と言っても<神の権能>の力の一端として取り込んでいる状況になっているのだが・・
もちろん完全な<神の権能>を得ているので、俺を通して幻獣部隊全員と神獣達も同じスキルを使用することができる。
でも、俺は<神の権能>がまだ完全に馴染んでいないのに、彼らはもう馴染んでいるようなのだ。ずるくない?
元の種族の影響だろうか?
いくら神人と言っても元は人族だからかもしれない・・・
だけど、そうすると・・・悠里の件も能力を強奪できるので解決か?
少し、いや、かなり心が軽くなった。あとはモモだけだが、こちらも指輪の力で対処することができそうだ。
だが、今は今後の作戦とかはなしにして、この喜びをかみしめたい。
ここにいる幹部全員、飛び上がりそうなほど喜んでいる。
俺もそうだが、もう決して会うことができないと思っていた幻獣部隊。
本当に俺のために命を捨てて守ってくれた信頼できる仲間達が再び顕現したのだ。
母さん、ヤリス姉さん、ロイド兄さん、ラムはレイラの所に行き、手を取り合って喜んでいる。
レイラがあんなにはしゃいでいるのは初めて見た。本当に良かった。なんでもない風に装っていたが、やっぱり辛かったんだよな。
ノレンド副隊長、ランドル副隊長はウェイン隊長と固い握手をしている。
二コラ隊長とガジム隊長も、各隊長の所へ行き労うように肩を叩き何かを伝えているようだ。
良く帰ってきた・・とか、見事な覚悟だった、とか言っているようだが、あまり聞き耳を立てるのは良くないだろうから、少し聴力を落としておこう。
各副隊長は、復活した隊長の手を両手で握りしめて目に涙を浮かべて各々が何かを話しているようだ。
それを各隊長は嬉しそうに微笑みながら聞いている。
再召喚されたレイラ以外の幻獣はチラチラ俺を見ているが、とりあえず<念話>で指示を出しておいた。
『皆、本当にありがとう。辛い決断をさせてすまなかった。だが、再び俺の元に来てくれてとても嬉しい。色々話したいことはあるが、副隊長達も皆がいない穴を埋めようと必死だったんだ。少し労ってあげてくれ』
全員が頷くと、副隊長達に真剣に向かい合って話を聞いている。
キャムを引き連れて、というかユージの護衛としてついている状態だが、ユージがこちらに来て肩を組んできた。
「ジン、良かったな。本当に良かった。俺も嬉しいよ。この力があればあいつらが何をしてきても問題ないだろうな。最後にあいつらと戦う時は俺も言いたい事が有るから必ず連れて行けよ?」
ユージの手には、気合と書かれたハチマキがあったが、今回俺は復活した状態なので、このハチマキは貰わなくて済みそうだ。良かった。
暫くすると、父さんがこちらに来た。
「ジン、本当に良かったな。トーカ殿、ソラ殿にこの事と、モモ殿の解除ができる件、伝えておいた方が良いのではないか?」
そうだった。あまりの嬉しさにすっかり忘れていた。
ここにいてくれている神獣のシロも、隊長、副隊長達の輪に入って楽しそうに話しをしているので、何も連絡してないだろう。
「そうだね。そうするよ」
即<念話>で連絡することにした。
『トーカ、ソラ、実は今全隊長を再召喚することに成功した。そしてモモの異常状態も神獣達皆に上げた指輪の機能を使って解除することができる。ただ、今モモは地下迷宮内部にいるので、余計な力の干渉を防ぐために可哀そうだが次の戦闘時に解除することにした』
『<重力魔法>と、<魔力強奪><スキル強奪><反射攻撃>が<神の権能>に突然加わったから何かと思ったよ』
とは、悠里を監視しているトーカ。
『ジン!とんでもない力を持つ者達が召喚されたの、魔力の膨大な揺らぎで分かったよ。良かったね。でも、危なかったんだよ。あいつら深層近くにいるみたいだから魔力の揺らぎは届いてないと思うけど、浅層だったら気が付かれたかもしれないよ』
とは、地下迷宮の近くでドルロイ達を監視しているソラ。
『ジン様、申し訳ありません。まさか<SSS:神級>になっているとは思わず、力を見誤りました』
とは、水晶さん。
『いやいや、いいよ。結果的には問題ないみたいだから』
「父さん、連絡ついたよ」
これで幹部全員に状況は説明することができた。
父さんは各国に事態が大きく好転したことを連絡するために、一旦円卓の間から退出して行った。
暫く喜びを分かち合っていると、ウェインがこちらに来て改めて挨拶をしてきた。
「ジン様の呼びかけに応じ、ウェイン以下幻獣部隊ここに集合いたしました。先の戦いではご心配をおかけして申し訳ありません。ですが、新たな力を得た今、最早やつらは我らの敵ではありません。即刻排除いたしますか?」
「いや、状況が大きく好転したし、まだウェイン達に説明できていない<重力魔法>の対処についても話がある。少し待ってくれ」
「承知しました。後程<影魔法>を使用して救出したままになっている【諜報部隊】隊員については、隊舎で養生させます。もちろん<神の権能>を使用させて頂いて異常状態は解除しておきます」
そうだった。ウェインの復活によって、<影魔法>に収容されていた隊員4名も救出できたことになるんだ。良いことだらけじゃないか。
すると、ロメもこちらに来た。
「ジン様、見えていた未来ですが、ほぼ確定したようでかなり鮮明に見える状態になっています。ここで皆さんを再召喚することがこの未来に繋がっていたようです」
ロメと共にこちらに来たジュリは、【管理部隊】のセリア隊長、キャンデル副隊長と話をしてきたようで、今後の動きについて説明をしてくれた。
「ジン様、今ドルロイがいる地下迷宮の魔獣と相対することになるはずですが、その場合、モモ様の<強制隷属>も解除できることを前提にすると・・いえ、<未来視>によれば確定と言ってもいいでしょう。そうなると、正直作戦と言うほどの物はなく、仮に隊長一人だけでも彼らと魔獣全てを容易に討伐することができるでしょう。そして<未来視>の通り、全隊長で相対している状況にした場合は、はっきり言って過剰戦力も良い所です。でも<未来視>から外れることはしたくないので、一応隊長全員で彼らと相対する事のみを作戦としたいと思います。エレノア隊長とセリア隊長、そしてキャンデル副隊長にも了承を得ていますので、ジン様がよろしければこの方向で行きたいのですが・・」
そうだよね。俺も幻獣部隊の力がまさか<SSS:神級>になっているとは思っていなかったからな。
北野たちも前回はこちらの戦力に対抗する丁度いい能力をうまく使って対処されたが、あっちの能力持ちは減り、更にはこちらが能力に対処できる力も手に入れた。とすると、作戦と言う物でもないが、<未来視>から外れない状況にしておくだけで問題ないだろう。
「ああ、そうだよね。俺もそれでいいと思うよ。この力を見ると、実際作戦を考えても無駄な気がするしね。今まで大変だったから、今後はもし戦いがあるとしたらこんな戦いであれば助かるんだけどね」
だが、実際にLvの低い者は瞬間的に<心身操作>にかかってしまうかもしれないので、今回の出陣は幻獣部隊と神獣達、そして俺とユージだけとなる。
ユージには<神の権能>で防御態勢を万全にする予定だ。
仮に<心身操作>の影響を受けたとしても、即解除できるし、あいつらから早めに能力を奪うつもりでいるけれど、安全のためだ。
そして、奴らの処遇だが、
<重力魔法>の悠里、彼女については完全な排除は行わない。
<強制隷属>の斎藤、こいつも能力剥奪の上罰を与える程度で良いだろう。
<心身操作>の北野、残念ながこいつだけは許すことはできない。前世での裏切りを主導し、今世でも復活したとはいえ幻獣達を一度亡き者にし、モモまで奪っていったのだ。
俺がこんなに冷酷な事を考えられるとは思っていなかったが、こいつは一線を大きく踏み越えた。
『ジン、何だかあの元辺境伯の子供たちが<重力魔法>の所に戻ってきて北野達を探しているよ』
不意にトーカから連絡が来た。
そうか、とりあえずあいつらは抑えておくか?新たなスキルも実践を前に試しておく必要があるしな。
幻獣達は全員神の領域に達しており、特に<魔力強奪>にやられたマーニカは、<魔力強奪>と共に、派生能力であろうか<スキル強奪>まで得ている。
そして、ユフロ、マーニカ、エレノアは<反射攻撃>を、ウェインは<重力魔法>を手に入れているのだ。と言っても<神の権能>の力の一端として取り込んでいる状況になっているのだが・・
もちろん完全な<神の権能>を得ているので、俺を通して幻獣部隊全員と神獣達も同じスキルを使用することができる。
でも、俺は<神の権能>がまだ完全に馴染んでいないのに、彼らはもう馴染んでいるようなのだ。ずるくない?
元の種族の影響だろうか?
いくら神人と言っても元は人族だからかもしれない・・・
だけど、そうすると・・・悠里の件も能力を強奪できるので解決か?
少し、いや、かなり心が軽くなった。あとはモモだけだが、こちらも指輪の力で対処することができそうだ。
だが、今は今後の作戦とかはなしにして、この喜びをかみしめたい。
ここにいる幹部全員、飛び上がりそうなほど喜んでいる。
俺もそうだが、もう決して会うことができないと思っていた幻獣部隊。
本当に俺のために命を捨てて守ってくれた信頼できる仲間達が再び顕現したのだ。
母さん、ヤリス姉さん、ロイド兄さん、ラムはレイラの所に行き、手を取り合って喜んでいる。
レイラがあんなにはしゃいでいるのは初めて見た。本当に良かった。なんでもない風に装っていたが、やっぱり辛かったんだよな。
ノレンド副隊長、ランドル副隊長はウェイン隊長と固い握手をしている。
二コラ隊長とガジム隊長も、各隊長の所へ行き労うように肩を叩き何かを伝えているようだ。
良く帰ってきた・・とか、見事な覚悟だった、とか言っているようだが、あまり聞き耳を立てるのは良くないだろうから、少し聴力を落としておこう。
各副隊長は、復活した隊長の手を両手で握りしめて目に涙を浮かべて各々が何かを話しているようだ。
それを各隊長は嬉しそうに微笑みながら聞いている。
再召喚されたレイラ以外の幻獣はチラチラ俺を見ているが、とりあえず<念話>で指示を出しておいた。
『皆、本当にありがとう。辛い決断をさせてすまなかった。だが、再び俺の元に来てくれてとても嬉しい。色々話したいことはあるが、副隊長達も皆がいない穴を埋めようと必死だったんだ。少し労ってあげてくれ』
全員が頷くと、副隊長達に真剣に向かい合って話を聞いている。
キャムを引き連れて、というかユージの護衛としてついている状態だが、ユージがこちらに来て肩を組んできた。
「ジン、良かったな。本当に良かった。俺も嬉しいよ。この力があればあいつらが何をしてきても問題ないだろうな。最後にあいつらと戦う時は俺も言いたい事が有るから必ず連れて行けよ?」
ユージの手には、気合と書かれたハチマキがあったが、今回俺は復活した状態なので、このハチマキは貰わなくて済みそうだ。良かった。
暫くすると、父さんがこちらに来た。
「ジン、本当に良かったな。トーカ殿、ソラ殿にこの事と、モモ殿の解除ができる件、伝えておいた方が良いのではないか?」
そうだった。あまりの嬉しさにすっかり忘れていた。
ここにいてくれている神獣のシロも、隊長、副隊長達の輪に入って楽しそうに話しをしているので、何も連絡してないだろう。
「そうだね。そうするよ」
即<念話>で連絡することにした。
『トーカ、ソラ、実は今全隊長を再召喚することに成功した。そしてモモの異常状態も神獣達皆に上げた指輪の機能を使って解除することができる。ただ、今モモは地下迷宮内部にいるので、余計な力の干渉を防ぐために可哀そうだが次の戦闘時に解除することにした』
『<重力魔法>と、<魔力強奪><スキル強奪><反射攻撃>が<神の権能>に突然加わったから何かと思ったよ』
とは、悠里を監視しているトーカ。
『ジン!とんでもない力を持つ者達が召喚されたの、魔力の膨大な揺らぎで分かったよ。良かったね。でも、危なかったんだよ。あいつら深層近くにいるみたいだから魔力の揺らぎは届いてないと思うけど、浅層だったら気が付かれたかもしれないよ』
とは、地下迷宮の近くでドルロイ達を監視しているソラ。
『ジン様、申し訳ありません。まさか<SSS:神級>になっているとは思わず、力を見誤りました』
とは、水晶さん。
『いやいや、いいよ。結果的には問題ないみたいだから』
「父さん、連絡ついたよ」
これで幹部全員に状況は説明することができた。
父さんは各国に事態が大きく好転したことを連絡するために、一旦円卓の間から退出して行った。
暫く喜びを分かち合っていると、ウェインがこちらに来て改めて挨拶をしてきた。
「ジン様の呼びかけに応じ、ウェイン以下幻獣部隊ここに集合いたしました。先の戦いではご心配をおかけして申し訳ありません。ですが、新たな力を得た今、最早やつらは我らの敵ではありません。即刻排除いたしますか?」
「いや、状況が大きく好転したし、まだウェイン達に説明できていない<重力魔法>の対処についても話がある。少し待ってくれ」
「承知しました。後程<影魔法>を使用して救出したままになっている【諜報部隊】隊員については、隊舎で養生させます。もちろん<神の権能>を使用させて頂いて異常状態は解除しておきます」
そうだった。ウェインの復活によって、<影魔法>に収容されていた隊員4名も救出できたことになるんだ。良いことだらけじゃないか。
すると、ロメもこちらに来た。
「ジン様、見えていた未来ですが、ほぼ確定したようでかなり鮮明に見える状態になっています。ここで皆さんを再召喚することがこの未来に繋がっていたようです」
ロメと共にこちらに来たジュリは、【管理部隊】のセリア隊長、キャンデル副隊長と話をしてきたようで、今後の動きについて説明をしてくれた。
「ジン様、今ドルロイがいる地下迷宮の魔獣と相対することになるはずですが、その場合、モモ様の<強制隷属>も解除できることを前提にすると・・いえ、<未来視>によれば確定と言ってもいいでしょう。そうなると、正直作戦と言うほどの物はなく、仮に隊長一人だけでも彼らと魔獣全てを容易に討伐することができるでしょう。そして<未来視>の通り、全隊長で相対している状況にした場合は、はっきり言って過剰戦力も良い所です。でも<未来視>から外れることはしたくないので、一応隊長全員で彼らと相対する事のみを作戦としたいと思います。エレノア隊長とセリア隊長、そしてキャンデル副隊長にも了承を得ていますので、ジン様がよろしければこの方向で行きたいのですが・・」
そうだよね。俺も幻獣部隊の力がまさか<SSS:神級>になっているとは思っていなかったからな。
北野たちも前回はこちらの戦力に対抗する丁度いい能力をうまく使って対処されたが、あっちの能力持ちは減り、更にはこちらが能力に対処できる力も手に入れた。とすると、作戦と言う物でもないが、<未来視>から外れない状況にしておくだけで問題ないだろう。
「ああ、そうだよね。俺もそれでいいと思うよ。この力を見ると、実際作戦を考えても無駄な気がするしね。今まで大変だったから、今後はもし戦いがあるとしたらこんな戦いであれば助かるんだけどね」
だが、実際にLvの低い者は瞬間的に<心身操作>にかかってしまうかもしれないので、今回の出陣は幻獣部隊と神獣達、そして俺とユージだけとなる。
ユージには<神の権能>で防御態勢を万全にする予定だ。
仮に<心身操作>の影響を受けたとしても、即解除できるし、あいつらから早めに能力を奪うつもりでいるけれど、安全のためだ。
そして、奴らの処遇だが、
<重力魔法>の悠里、彼女については完全な排除は行わない。
<強制隷属>の斎藤、こいつも能力剥奪の上罰を与える程度で良いだろう。
<心身操作>の北野、残念ながこいつだけは許すことはできない。前世での裏切りを主導し、今世でも復活したとはいえ幻獣達を一度亡き者にし、モモまで奪っていったのだ。
俺がこんなに冷酷な事を考えられるとは思っていなかったが、こいつは一線を大きく踏み越えた。
『ジン、何だかあの元辺境伯の子供たちが<重力魔法>の所に戻ってきて北野達を探しているよ』
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