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異大陸
夕食会
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最近の夕食は<アルダ王国>王都の円卓で食べるようになっている。
解決すべきことや、現在進行中の作戦についての話をするためだ。
もちろん幹部も勢ぞろいしている。
<念話>で済むことではあるのだが、幹部全員との<念話>となると混線する場合もある為、顔を合わせた方が良いという国王である父さんの判断だ。
もちろん互いの親睦を深めるという意味もあるのだろう。
現時点で相当深まっているけれど・・・
そんな中、交戦状態にあった<ブロス大陸>と<カムリ大陸>について、魔獣が一気に撤退を始めたと報告があった。
【諜報部隊】隊員から上がってきた報告で、ウェインによれば決してこちらの戦力に対する怯え等によるものではなく、何やら戦略的な撤退の様だ。
「とすると両大陸の神の開放を即行うとしても、何か罠が設置されている可能性が否定できないな。<ドツマ大陸>の神探索について進捗はどうだ?」
父さんの問に、キャンデル副隊長が回答する。
「ダン王、<ドツマ大陸>についても<コビア大陸>と同様に地下迷宮内部に封印されているようです。地下迷宮の場所とレベルもわかりましたので、明日にでも解放しジン様に引き継ぐ予定です。そして、一旦作戦を中止していた<リハク大陸>の瘴気も薄くなってきていると報告が来ています」
「そうか。先ずは二大陸の神解放を安全に頼むぞ。誰が担当するのだ?」
「本来は隊長格が一気に実施してしまうのが理想なのですが、あまり経験することのできない実戦となりますので、隊長格が補佐で小隊長クラスを派遣する予定です」
<アルダ王国>の各部隊には、隔絶した力を持つ隊長、副隊長が存在しているが、部隊が大きくなっているのでとても管理しきれないために小隊を組むことにした。
今回はその小隊の隊長に任命されている者達を、隊員と共に任務に当たらせるようだ。
これは、小隊長がどの様な戦略で行くのか、隊員に的確な指示を出せるか等を実戦形式で学ばせる貴重な場になる。
もちろん安全のために隊長格が補佐・・・と言ってもきっとウェインのように<影魔法>で視認すらできない状況で、裏から補佐をするのだろう。
「わかった。だがあまり時間はかけるなよ?ジン、解放後は今まで通り<魔界森>で良いんだな?」
「はい、問題ありません。ですが今の話から行くと、<リハク大陸>の魔獣達も撤退したのかもしれませんね」
「そうだな。ウェイン隊長、【諜報部隊】で調査をお願いできるか?」
「承知しました。この後すぐに状況を確認し<念話>でご報告いたします」
と、こんな感じで夕食は進んでいく。
ウェイン達幻獣は、俺と同じで睡眠を必要とはしないので、夕食後だろうが任務を遂行しに行く。
当初父さん達は休むように言っていたのだが、ようやくこの状況になれてきたようで何も言ってこなかった。
この報告を兼ねた夕食は、当然こんな殺伐とした話題ばかりではない。
少し前はリノス義兄さんとソフィア姉さんの子供の話で盛り上がった。
子供が産まれるのはもう少し先だけど・・・
そして、その話題に被せるようにロイド兄さんとミーナの子供が産まれた。
猫獣人の子供は早く生まれるという話で、実際ユージの所もとんでもない速さで産まれた。
そしてミーナ自身も高いLvにより一気に回復し、既に鍛錬場に通っているらしい。
時々それぞれの子供を夕食に連れてくるのだが、それはそれは可愛くて、特にガジム隊長は夕食そっちのけで子供の世話をしたがっている。
まだまだ子供は小さいが、子供が来ている時は各大陸の話のように血生臭い話は暗黙の了解で一切していない。
緊急の報告は<念話>で行うし、少し待つことができる場合は夕食後子供が退出した後に話をしている。子供が寝たからと言って話をすることは一切ない。
そんな夕食会で、ふと気になった事が有ったのでガジム隊長に話をする。
もちろんこの場に子供はいない。
「ガジム隊長、追加でとらえてきた元<SSS:神級>の魔獣はどう?」
「力を神に返却して素が<SS:聖級>でしたので、残念ながら既に捕獲済みの魔獣と大差はないですな。ですが、あの二匹は連携するように指導していますので、連携してくる敵に対する鍛錬にはなっています」
話によれば、二コラ隊長が完膚なきまでに叩き潰した魔獣はそもそも<模倣>のようなスキルを持っているようなので、良い的になっているらしい。
当然的になった当初は反抗的な態度をとっていたのだが、ガジム隊長の教育的指導や、ランドル副隊長、ノレンド副隊長の調教、そして訓練対象である隊員にもボコボコにされているので、今は必死で任務?を遂行しているそうだ。
もちろん危険すぎる力を<模倣>された場合は即剥奪されている。
そうそう、北野は<S:帝級>の力を満遍なく使えるようになっている。本来は剥奪対象となるべき一部のスキルも、訓練対象の隊員の力が上がりすぎているのでそのままだ。
前にも思ったが、<アルダ王国>各部隊の鍛練の状況を早めに見させてもらおう。
こうして一日が終わり、俺と神獣達は<魔界森>の塔五階層に帰還して、まったりする毎日を送っている。
帰還すると、<コビア大陸>の神がいる。
名前については、申し訳ないが大陸の名前をそのままにコビアさんと呼ばせてもらっている。
コビアさんは、強い力で封印されてた上に、戻ってきた神の力を馴染ませるのに精一杯なので、ゆっくりしてもらっている。
他の大陸の神も同様に開放していく予定なので、これからここも賑やかになるだろう。
なので、ここ<魔界森>の塔1~4階層について、今の避難先の状態ではなくて、神の一時避難場所のように改造しようか迷い中だ。
そもそも緊急の避難先として開けている階層だが、<魔界森>自体を整備することにより対応できるので、その方が良いかもしれない。
水晶さんに確認すると、どんな状況であってもコビアさんは神であるのであまり過保護にする必要もないらしい。
<魔界森>を変更するか、塔を改装するかは水晶さんに任せることにした。
そして数日すると、状況は大きく変動した。
敵の排除が完全に終了し、神の開放が済んだ大陸。
<ブロス大陸><カムリ大陸><ドツマ大陸><リハク大陸>
神の開放が済んで、神の力自体も取り戻した大陸。
<コビア大陸>
最後に敵が集結しているであろう<ジロム大陸>。
という事なので、既に<魔界森>の塔にはコビアさん、ブロスさん、カムリさん、ドツマさん、リハクさんがいる。
ジロムさん(仮)については、今だ開放するに至っていない。
その為、塔の階層を拡張した上で分割しそれぞれの神に住んでもらっている。
コビアさん以外は開放が済んだだけで力が戻っていないので、少々過保護気味に保護させて頂いている。これは水晶さんの指示でもある。
そして定例の夕食会。
【防衛部隊】イノザ副隊長が報告を始める。
今日は子供がいないため、少々込み入った話も問題ない。
食事をしながら話を進める。
「皆さんご存じの通り、残す大陸は<ジロム大陸>のみになりました。向こうには魔神、そして神の力を持つ魔獣が五匹いるはずです。情報を集めようと考えていたのですが、今日門番の担当から不思議な魔獣を連れている者から手紙を受け取りました。ガジム隊長とユフロ隊長に調査頂いた所、特に害を与えるような罠もないようですが、ダン様、ジン様の了解の元事前に確認させて頂きました」
そう言って一枚の紙を取り出した。
「この手紙、そうですね・・・一言で言うと挑戦状です。この<アルダ大陸>と向こうの<ジロム大陸>の何れかで戦う事も構わないが、お互いに全力を出すには周りの状況を考えずに全力を出せる場所での戦闘を行う方が良いだろう・・と言うような内容になっています」
「意図がよくわからんな」
父さんが呟く。
確かに、向こうは<アルダ大陸>に攻めてきた方が有利に事を運べるはずだ。
こちらには守らなくてはならない者が多数おり、物も多数ある。
逆に<ジロム大陸>に攻めて行った場合も、ある意味ジロムさん(仮)を人質?に取られているような状態でもあり、向こうにしてみれば罠も設置し放題で有利なはずだ。
その状況を自ら覆そうとしている。
父さんの困惑もわからないでもない。
そこで二コラ隊長が、
「その魔神とやらは、きっと全力での戦闘をしたくてしょうがないのでしょう。所謂戦闘狂と言う者ですね」
その発言に頷く【近衛部隊】の者達。
なにか通じる者でもあるのだろうか???
解決すべきことや、現在進行中の作戦についての話をするためだ。
もちろん幹部も勢ぞろいしている。
<念話>で済むことではあるのだが、幹部全員との<念話>となると混線する場合もある為、顔を合わせた方が良いという国王である父さんの判断だ。
もちろん互いの親睦を深めるという意味もあるのだろう。
現時点で相当深まっているけれど・・・
そんな中、交戦状態にあった<ブロス大陸>と<カムリ大陸>について、魔獣が一気に撤退を始めたと報告があった。
【諜報部隊】隊員から上がってきた報告で、ウェインによれば決してこちらの戦力に対する怯え等によるものではなく、何やら戦略的な撤退の様だ。
「とすると両大陸の神の開放を即行うとしても、何か罠が設置されている可能性が否定できないな。<ドツマ大陸>の神探索について進捗はどうだ?」
父さんの問に、キャンデル副隊長が回答する。
「ダン王、<ドツマ大陸>についても<コビア大陸>と同様に地下迷宮内部に封印されているようです。地下迷宮の場所とレベルもわかりましたので、明日にでも解放しジン様に引き継ぐ予定です。そして、一旦作戦を中止していた<リハク大陸>の瘴気も薄くなってきていると報告が来ています」
「そうか。先ずは二大陸の神解放を安全に頼むぞ。誰が担当するのだ?」
「本来は隊長格が一気に実施してしまうのが理想なのですが、あまり経験することのできない実戦となりますので、隊長格が補佐で小隊長クラスを派遣する予定です」
<アルダ王国>の各部隊には、隔絶した力を持つ隊長、副隊長が存在しているが、部隊が大きくなっているのでとても管理しきれないために小隊を組むことにした。
今回はその小隊の隊長に任命されている者達を、隊員と共に任務に当たらせるようだ。
これは、小隊長がどの様な戦略で行くのか、隊員に的確な指示を出せるか等を実戦形式で学ばせる貴重な場になる。
もちろん安全のために隊長格が補佐・・・と言ってもきっとウェインのように<影魔法>で視認すらできない状況で、裏から補佐をするのだろう。
「わかった。だがあまり時間はかけるなよ?ジン、解放後は今まで通り<魔界森>で良いんだな?」
「はい、問題ありません。ですが今の話から行くと、<リハク大陸>の魔獣達も撤退したのかもしれませんね」
「そうだな。ウェイン隊長、【諜報部隊】で調査をお願いできるか?」
「承知しました。この後すぐに状況を確認し<念話>でご報告いたします」
と、こんな感じで夕食は進んでいく。
ウェイン達幻獣は、俺と同じで睡眠を必要とはしないので、夕食後だろうが任務を遂行しに行く。
当初父さん達は休むように言っていたのだが、ようやくこの状況になれてきたようで何も言ってこなかった。
この報告を兼ねた夕食は、当然こんな殺伐とした話題ばかりではない。
少し前はリノス義兄さんとソフィア姉さんの子供の話で盛り上がった。
子供が産まれるのはもう少し先だけど・・・
そして、その話題に被せるようにロイド兄さんとミーナの子供が産まれた。
猫獣人の子供は早く生まれるという話で、実際ユージの所もとんでもない速さで産まれた。
そしてミーナ自身も高いLvにより一気に回復し、既に鍛錬場に通っているらしい。
時々それぞれの子供を夕食に連れてくるのだが、それはそれは可愛くて、特にガジム隊長は夕食そっちのけで子供の世話をしたがっている。
まだまだ子供は小さいが、子供が来ている時は各大陸の話のように血生臭い話は暗黙の了解で一切していない。
緊急の報告は<念話>で行うし、少し待つことができる場合は夕食後子供が退出した後に話をしている。子供が寝たからと言って話をすることは一切ない。
そんな夕食会で、ふと気になった事が有ったのでガジム隊長に話をする。
もちろんこの場に子供はいない。
「ガジム隊長、追加でとらえてきた元<SSS:神級>の魔獣はどう?」
「力を神に返却して素が<SS:聖級>でしたので、残念ながら既に捕獲済みの魔獣と大差はないですな。ですが、あの二匹は連携するように指導していますので、連携してくる敵に対する鍛錬にはなっています」
話によれば、二コラ隊長が完膚なきまでに叩き潰した魔獣はそもそも<模倣>のようなスキルを持っているようなので、良い的になっているらしい。
当然的になった当初は反抗的な態度をとっていたのだが、ガジム隊長の教育的指導や、ランドル副隊長、ノレンド副隊長の調教、そして訓練対象である隊員にもボコボコにされているので、今は必死で任務?を遂行しているそうだ。
もちろん危険すぎる力を<模倣>された場合は即剥奪されている。
そうそう、北野は<S:帝級>の力を満遍なく使えるようになっている。本来は剥奪対象となるべき一部のスキルも、訓練対象の隊員の力が上がりすぎているのでそのままだ。
前にも思ったが、<アルダ王国>各部隊の鍛練の状況を早めに見させてもらおう。
こうして一日が終わり、俺と神獣達は<魔界森>の塔五階層に帰還して、まったりする毎日を送っている。
帰還すると、<コビア大陸>の神がいる。
名前については、申し訳ないが大陸の名前をそのままにコビアさんと呼ばせてもらっている。
コビアさんは、強い力で封印されてた上に、戻ってきた神の力を馴染ませるのに精一杯なので、ゆっくりしてもらっている。
他の大陸の神も同様に開放していく予定なので、これからここも賑やかになるだろう。
なので、ここ<魔界森>の塔1~4階層について、今の避難先の状態ではなくて、神の一時避難場所のように改造しようか迷い中だ。
そもそも緊急の避難先として開けている階層だが、<魔界森>自体を整備することにより対応できるので、その方が良いかもしれない。
水晶さんに確認すると、どんな状況であってもコビアさんは神であるのであまり過保護にする必要もないらしい。
<魔界森>を変更するか、塔を改装するかは水晶さんに任せることにした。
そして数日すると、状況は大きく変動した。
敵の排除が完全に終了し、神の開放が済んだ大陸。
<ブロス大陸><カムリ大陸><ドツマ大陸><リハク大陸>
神の開放が済んで、神の力自体も取り戻した大陸。
<コビア大陸>
最後に敵が集結しているであろう<ジロム大陸>。
という事なので、既に<魔界森>の塔にはコビアさん、ブロスさん、カムリさん、ドツマさん、リハクさんがいる。
ジロムさん(仮)については、今だ開放するに至っていない。
その為、塔の階層を拡張した上で分割しそれぞれの神に住んでもらっている。
コビアさん以外は開放が済んだだけで力が戻っていないので、少々過保護気味に保護させて頂いている。これは水晶さんの指示でもある。
そして定例の夕食会。
【防衛部隊】イノザ副隊長が報告を始める。
今日は子供がいないため、少々込み入った話も問題ない。
食事をしながら話を進める。
「皆さんご存じの通り、残す大陸は<ジロム大陸>のみになりました。向こうには魔神、そして神の力を持つ魔獣が五匹いるはずです。情報を集めようと考えていたのですが、今日門番の担当から不思議な魔獣を連れている者から手紙を受け取りました。ガジム隊長とユフロ隊長に調査頂いた所、特に害を与えるような罠もないようですが、ダン様、ジン様の了解の元事前に確認させて頂きました」
そう言って一枚の紙を取り出した。
「この手紙、そうですね・・・一言で言うと挑戦状です。この<アルダ大陸>と向こうの<ジロム大陸>の何れかで戦う事も構わないが、お互いに全力を出すには周りの状況を考えずに全力を出せる場所での戦闘を行う方が良いだろう・・と言うような内容になっています」
「意図がよくわからんな」
父さんが呟く。
確かに、向こうは<アルダ大陸>に攻めてきた方が有利に事を運べるはずだ。
こちらには守らなくてはならない者が多数おり、物も多数ある。
逆に<ジロム大陸>に攻めて行った場合も、ある意味ジロムさん(仮)を人質?に取られているような状態でもあり、向こうにしてみれば罠も設置し放題で有利なはずだ。
その状況を自ら覆そうとしている。
父さんの困惑もわからないでもない。
そこで二コラ隊長が、
「その魔神とやらは、きっと全力での戦闘をしたくてしょうがないのでしょう。所謂戦闘狂と言う者ですね」
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