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異大陸
最終話
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<神狼>の町に待っていたのは、父さんを含む幹部達全員が勢揃いしていた。
当然、<神狼>の町に常駐している部隊と、臨時で同行してきた隊員もこの場にいる。
そして、長期にわたって封印されていた神々にも申し訳ないが来てもらっている。
水晶さんに至っては、依り代なく顕現できる最上位の神の力が戻っているようで、神獣達や幻獣達にも劣らない美貌で俺の前に現れた。
いきなり知らない美人から話しかけられて、戸惑ってしまったのはご愛敬。
そして、対するは三匹が融合した魔獣と、普通の魔獣、そして魔神がいる。
核が破損している魔神は、力を出せずに自らの修復もできないようだ。
魔獣に関しては、既に神の力を剥奪しており地力の<SS:聖級>の力はある物の、<アルダ王国>の戦力差に恐れおののいたままだ。
魔獣に関しては、改心の兆しは一切なかったので当初の予定通り追加の的になってもらうことにした。
ガジム隊長や隊員達の異常な喜びようを見て魔獣達は震えている。
この後の自らが辿る運命を想像しているのだろうが、自業自得だろう。
そして肝心の魔神の処遇だ。
何もなしというわけにはいかない。
一応大勢の犠牲を出して開発したと言われている<神殺し>は剥奪済みだと全員に説明した。
といっても、今オリジナルを持っているのはウェインなのだが既に俺も使えるようになってしまっている。
その話を聞いた水晶さんは、
「ジン様、その力のオリジナル、私にいただけませんか?ジン様とここにいる神々の力、更には以前入手している万能薬をもって犠牲となった者達の復活を行えると思います」
「そうなのか?それは嬉しい。ウェイン、早速水晶さんに渡してくれるか?」
「承知しました」
「万能薬は後程取りに伺いますね。術の開発は一月もあれば完成すると思います」
それまでに、戦闘で荒れた地を住めるように直しておく必要がある。
そう考えると丁度良い時間かもしれないな。
「その魔神ですが、最早依り代と分離することはできません。核の損傷復元については、前例がないので何とも言えませんが・・・処遇は如何様でも問題ないかと思いますよ。この状態を見てしまうと、私の記憶にある悪辣非道な魔神とは随分と違って見えますが・・・」
水晶さんは、殆どの記憶を戻したように見える。
この魔人と壮絶な戦いをして、両者共に封印されたという相手は水晶さんだったらしい。
それにしても、処遇についてアドバイスを貰おうとしたのだが、逆に丸投げされてしまった。
助けを求めるように父さんを始め幹部を見回すが、全員首を横に振るばかり。
悩んでいると、魔神自らが話し始めた。
「<アルダ王国>の面々よ、我の復讐に巻き込んでしまって済まなかった。我は最後に武人としての心を取り戻し、手も足も出なかったが充実した一瞬を過ごすことができた。思い残すことはないので、一思いにやってくれ」
う~ん、こんな事を言われると逆に困る。これを狙って言ってきたんじゃないだろうな?
そう疑っていると、モモより、
『ご主人様、この魔人は本心から言っているようですよ』
と補足が入った。
わかった。短い時間だが武人としてのこいつは嫌いじゃない。
犠牲になった者達は、術の開発による犠牲だけに限定されてしまうが復活できるようだし、少々甘いが生かすことにしよう。
「よし決めた。魔神は生かすことにした。但しある程度能力の制限と監視はつける。そして、復興のために身を粉にして働け。復興が終わった後の処遇はそれまでに考えておく」
魔神は驚いたようにこちらを見た後、下を向いた。
ここにいる【近衛部隊】や各隊長、神獣達ははっきり言って全力の魔神よりも遥に強い。強すぎるのだ。
これだけのメンバーがいれば、万が一もないだろうというのもあって、この様な処遇とした。
感覚だが、俺であればあの核も修復できる気がする。
だが、それは今ではない。
復興時の働きを見て決めるつもりだが、あの魔神はこの<神狼>の町の鍛錬場で的としてではなく、組手などの相手をさせるのが良いだろうと考えている。
そもそも戦闘欲求を満たしてやればいいのだ。
武人の心を取り戻した魔神ならいい仕事をするだろう。
本当はあの魔神は武人らしい行いをしていたが、自らが最強となってしまってから屈折していったのではないかと思っている。
そして今回、圧倒的な強者によりボコボコにされて高みを目指す武人としての心を取り戻す事ができたのではないだろうか?
懸案である魔神の処遇も決まり、当面の監視・管理はウェインに任せることにした。
そうして、大陸を跨いだ大戦争と言うべき争いは集結して、この<アルダ大陸>を除く各大陸では復興への道を歩み始めることになった。
<アルダ王国>としても最大限の助力を行うために、各地にある地下迷宮については、各隊長や副隊長に攻略させて管理者となり人口が減らないように決して殺されないように設定を変更している。
ただ、<アルダ王国>と同じように過信や驕りが出ない様、自らの力以上の攻略を行うと身ぐるみ剥がされる仕様にした。
管理者については、担当した攻略者がなればいいといったのだが、何故か全員俺を<転移>で呼びつけて管理者にしていった。
当然俺が管理できるわけもなく、水晶さんが大忙しだ。
やがて復興も順調に進み、万能薬の作りかけ?と水晶さんや他の神々の力もあり、術のオリジナルを消費する事で犠牲になった人々は復活した。
とはいっても、全体の人口は大幅に減っているのでここから発展させていく必要がある。
地下迷宮を介して大陸間の<転移>を可能とするように転移門を設置し、【技術開発部隊】が作成したカードシステムも全大陸で導入した。
こうして、<アルダ王国>の最大限の助力によって、各大陸は力を取り戻し、担当する神々も大陸に移動した。
これにより、その大陸に住む人々に<スキル>が復活し、より繁栄の速度が上昇した。
魔神と言えば、当初の予定通り<神狼>の町で”武”についての講師のような立場になっている。
未だ制約と監視はつけたままだが、何れは核の修復と制約は外してもいいかもしれないと思っている。
こうして、俺達は日常の生活にようやく戻ることができた。
近衛や隊長、副隊長、そして各隊員は日常と言っても業務以外は異常な鍛錬まみれになっている。
前に少し話をしたときに、これをしないと落ち着かないんだそうだ。
時折魔神がその鍛錬を目の当たりにして、
「これでは手も足も出ないはずだ・・・」
と呟いていたらしい。
やがてソフィア姉さんにも子供が産まれ、幹部では今のところユージ、ロイド兄さん、ソフィア姉さんに子供がいることになった。
時折円卓での会議に全員勢揃いするときがあるが、最近の会議は前向きな良い話しかないので、更に場を和ませてくれるマスコット的な存在になっている。
そして、俺はというと・・・・
すみません。神獣のモモ、トーカ、ソラ、シロ、幻獣のユフロ、レイラ、マーニカ、セリア、エレノア、エルフのラム、と多重婚?しました。
こうして、幸せをかみしめつつ更なる<アルダ王国>、そして<アルダ大陸>と他の大陸の発展に力を注ぎつつ日々を過ごしている。
この幸せが永遠に続くことを願いながら・・・・
当然、<神狼>の町に常駐している部隊と、臨時で同行してきた隊員もこの場にいる。
そして、長期にわたって封印されていた神々にも申し訳ないが来てもらっている。
水晶さんに至っては、依り代なく顕現できる最上位の神の力が戻っているようで、神獣達や幻獣達にも劣らない美貌で俺の前に現れた。
いきなり知らない美人から話しかけられて、戸惑ってしまったのはご愛敬。
そして、対するは三匹が融合した魔獣と、普通の魔獣、そして魔神がいる。
核が破損している魔神は、力を出せずに自らの修復もできないようだ。
魔獣に関しては、既に神の力を剥奪しており地力の<SS:聖級>の力はある物の、<アルダ王国>の戦力差に恐れおののいたままだ。
魔獣に関しては、改心の兆しは一切なかったので当初の予定通り追加の的になってもらうことにした。
ガジム隊長や隊員達の異常な喜びようを見て魔獣達は震えている。
この後の自らが辿る運命を想像しているのだろうが、自業自得だろう。
そして肝心の魔神の処遇だ。
何もなしというわけにはいかない。
一応大勢の犠牲を出して開発したと言われている<神殺し>は剥奪済みだと全員に説明した。
といっても、今オリジナルを持っているのはウェインなのだが既に俺も使えるようになってしまっている。
その話を聞いた水晶さんは、
「ジン様、その力のオリジナル、私にいただけませんか?ジン様とここにいる神々の力、更には以前入手している万能薬をもって犠牲となった者達の復活を行えると思います」
「そうなのか?それは嬉しい。ウェイン、早速水晶さんに渡してくれるか?」
「承知しました」
「万能薬は後程取りに伺いますね。術の開発は一月もあれば完成すると思います」
それまでに、戦闘で荒れた地を住めるように直しておく必要がある。
そう考えると丁度良い時間かもしれないな。
「その魔神ですが、最早依り代と分離することはできません。核の損傷復元については、前例がないので何とも言えませんが・・・処遇は如何様でも問題ないかと思いますよ。この状態を見てしまうと、私の記憶にある悪辣非道な魔神とは随分と違って見えますが・・・」
水晶さんは、殆どの記憶を戻したように見える。
この魔人と壮絶な戦いをして、両者共に封印されたという相手は水晶さんだったらしい。
それにしても、処遇についてアドバイスを貰おうとしたのだが、逆に丸投げされてしまった。
助けを求めるように父さんを始め幹部を見回すが、全員首を横に振るばかり。
悩んでいると、魔神自らが話し始めた。
「<アルダ王国>の面々よ、我の復讐に巻き込んでしまって済まなかった。我は最後に武人としての心を取り戻し、手も足も出なかったが充実した一瞬を過ごすことができた。思い残すことはないので、一思いにやってくれ」
う~ん、こんな事を言われると逆に困る。これを狙って言ってきたんじゃないだろうな?
そう疑っていると、モモより、
『ご主人様、この魔人は本心から言っているようですよ』
と補足が入った。
わかった。短い時間だが武人としてのこいつは嫌いじゃない。
犠牲になった者達は、術の開発による犠牲だけに限定されてしまうが復活できるようだし、少々甘いが生かすことにしよう。
「よし決めた。魔神は生かすことにした。但しある程度能力の制限と監視はつける。そして、復興のために身を粉にして働け。復興が終わった後の処遇はそれまでに考えておく」
魔神は驚いたようにこちらを見た後、下を向いた。
ここにいる【近衛部隊】や各隊長、神獣達ははっきり言って全力の魔神よりも遥に強い。強すぎるのだ。
これだけのメンバーがいれば、万が一もないだろうというのもあって、この様な処遇とした。
感覚だが、俺であればあの核も修復できる気がする。
だが、それは今ではない。
復興時の働きを見て決めるつもりだが、あの魔神はこの<神狼>の町の鍛錬場で的としてではなく、組手などの相手をさせるのが良いだろうと考えている。
そもそも戦闘欲求を満たしてやればいいのだ。
武人の心を取り戻した魔神ならいい仕事をするだろう。
本当はあの魔神は武人らしい行いをしていたが、自らが最強となってしまってから屈折していったのではないかと思っている。
そして今回、圧倒的な強者によりボコボコにされて高みを目指す武人としての心を取り戻す事ができたのではないだろうか?
懸案である魔神の処遇も決まり、当面の監視・管理はウェインに任せることにした。
そうして、大陸を跨いだ大戦争と言うべき争いは集結して、この<アルダ大陸>を除く各大陸では復興への道を歩み始めることになった。
<アルダ王国>としても最大限の助力を行うために、各地にある地下迷宮については、各隊長や副隊長に攻略させて管理者となり人口が減らないように決して殺されないように設定を変更している。
ただ、<アルダ王国>と同じように過信や驕りが出ない様、自らの力以上の攻略を行うと身ぐるみ剥がされる仕様にした。
管理者については、担当した攻略者がなればいいといったのだが、何故か全員俺を<転移>で呼びつけて管理者にしていった。
当然俺が管理できるわけもなく、水晶さんが大忙しだ。
やがて復興も順調に進み、万能薬の作りかけ?と水晶さんや他の神々の力もあり、術のオリジナルを消費する事で犠牲になった人々は復活した。
とはいっても、全体の人口は大幅に減っているのでここから発展させていく必要がある。
地下迷宮を介して大陸間の<転移>を可能とするように転移門を設置し、【技術開発部隊】が作成したカードシステムも全大陸で導入した。
こうして、<アルダ王国>の最大限の助力によって、各大陸は力を取り戻し、担当する神々も大陸に移動した。
これにより、その大陸に住む人々に<スキル>が復活し、より繁栄の速度が上昇した。
魔神と言えば、当初の予定通り<神狼>の町で”武”についての講師のような立場になっている。
未だ制約と監視はつけたままだが、何れは核の修復と制約は外してもいいかもしれないと思っている。
こうして、俺達は日常の生活にようやく戻ることができた。
近衛や隊長、副隊長、そして各隊員は日常と言っても業務以外は異常な鍛錬まみれになっている。
前に少し話をしたときに、これをしないと落ち着かないんだそうだ。
時折魔神がその鍛錬を目の当たりにして、
「これでは手も足も出ないはずだ・・・」
と呟いていたらしい。
やがてソフィア姉さんにも子供が産まれ、幹部では今のところユージ、ロイド兄さん、ソフィア姉さんに子供がいることになった。
時折円卓での会議に全員勢揃いするときがあるが、最近の会議は前向きな良い話しかないので、更に場を和ませてくれるマスコット的な存在になっている。
そして、俺はというと・・・・
すみません。神獣のモモ、トーカ、ソラ、シロ、幻獣のユフロ、レイラ、マーニカ、セリア、エレノア、エルフのラム、と多重婚?しました。
こうして、幸せをかみしめつつ更なる<アルダ王国>、そして<アルダ大陸>と他の大陸の発展に力を注ぎつつ日々を過ごしている。
この幸せが永遠に続くことを願いながら・・・・
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