【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】

リコピン

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ロカール日常シリーズ ▶️50話

【商人さんの護衛】#5 もう、犬でもいいかなって

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「あ。」

「お、セリ。」

「あ!セリちゃん☆セリちゃんもお風呂入ったのー?」

「…」

「おーい☆セリちゃーん?」

湯上がりルキとバッタリ、してしまった。肩にかけたタオル、いつもは上げてる前髪が下ろされたまま、まだ濡れてる。

(セクシー…)

「っ!セリ!?」

「えー?セリちゃん、どうしたの?」

ゆだった顔を隠すため、思わずしゃがんでうずくまる。丸まった。

「…おい、セリ?」

「…」

耳元でルキの声がする。ますます動けなくなった。困ったと思っていたら、兄の助け。

「あー、セリ?セリさん?一体何がどうしたのかな?お兄ちゃんに言ってごらん?」

「…無かった。」

「え?」

「…内風呂、部屋についてるお風呂入ったのに、冷蔵庫に飲み物が無かった。」

「飲み物?お茶なら入ってただろう?」

「…お風呂上がりなのに…」

「あー…」

こういう場所で飲むものは二択と決まっている。

「いや、でも、大浴場の方も売ってなかっけど?」

「…」

ここまで来て─

「なに?セリ、何か飲みたいものあんの?買ってきてやろうか?」

「…いえ、あの、いいです。大丈夫。」

ルキの優しさに、流石にそこまでしてもらうわけにはいかず、立ち上がった。

「遠慮すんなって。俺のもついでに買いに行くからさ、言えよ。」

「…」

「あー、ルキ、セリが飲みたいのって、多分、この辺じゃ売ってないと思うから…」

「あ?そうなの?」

「…はい。あの、でも、ありがとう、ルキ。」

ルキの気持ちが嬉しかったから、お礼を言う。

「んー、じゃあ、まあ、何か、似たようなもんでも買ってやるよ。一緒に売店見に行くか?」

「あ!じゃあじゃあ、エルちゃんのも!エルちゃん、風呂上がりの一杯が欲しい☆」

「エルは、自分で買え。」

「えーっ!?」

「あー、じゃあ、皆で行こうよ、ね?」

「…行く。」

兄の言葉に頷いた。こっちを見ていたルキと目が合う。

「?」

「セリ、これ、ちゃんと髪拭いてないだろ?」

「え?」

ルキの大きな手が頭に乗せられ、濡れた髪に触れる。

「こんなん、風邪ひくって。」

「…」

掌の代わり、頭に乗せられたタオル。

(これ、ルキの…)

そのままガシガシと髪を拭かれ、ルキの匂いに包まれる。動けない。

「…何か、犬みてぇ。」

「…」

頭の上、小さく笑ったルキに、犬が飼い主を好きになる気持ちが分かってしまった。




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