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第七章
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「フリッツ!?」
憮然とした表情のフリッツが、ズカズカと部屋の中に入ってくる。ベッドの前、レジーナとアロイスの前に立ち塞がった彼は、胸の前で両腕を組んだ。
「逃亡は許さん」
「っ!……聞いていたのか?」
アロイスの驚きの声、フリッツはそれに答えることなく、射殺さんばかりの視線でレジーナを見下ろす。
「レジーナ、アロイスを悪の道に引き込むな」
その言葉にレジーナが何かを答える前、座ったままのアロイスが、左手をレジーナの前に伸ばして庇った。
「違う。レジーナではなく、私が逃げろと言ったのだ!」
「ふん。どちらだろうと同じだ。逃亡は許さん。……アロイスは行かせない」
見下ろすフリッツの視線は鋭いが、レジーナの口元には場違いな苦笑が浮かぶ。彼の瞳にあるのがただの憎しみなら、話は簡単なのだが。
「……殿下。この先なにがあろうと、私がアロイスを巻き込むことはありません」
引き結ばれたフリッツの唇がピクリと動く。一、二度、口を開いては閉じ、結局、何も言わなかった彼は、フイと顔を逸らした。
「……あいつは、クロードは何と言っている?」
視線を逸らしたままのフリッツに問いに、レジーナは首を横に振る。
「クロードとは何も話しておりません。……そもそも、ここから出た後に彼と共にいられるかもわかりませんから」
レジーナの答えに、フリッツは暫し逡巡した後、再び口を開く。
「……もしも、あの男が騎士に戻りたいというのであれば、俺の下に置くことはできる」
レジーナは驚いた。国が棄てたクロードを、フリッツは拾っても構わないという。彼とて、それが国の意思に反することは承知しているだろうに。
レジーナがフリッツの横顔をマジマジと見つめていると、彼が嫌そうな顔をする。
「なんだ、その目は?」
「いえ。申し訳ありません、少し意外で……」
「別に、騎士団に戻してやると言ったわけではない。あくまで俺の傍におくだけだ。……それも、本当にもしもの話だがな」
どうするかは二人で決めろと告げたフリッツの口元が皮肉げに歪んだ。
「クロードがお前をさらって逃げるというなら、仕方ない、諦めるさ。俺たちでは、あの男を止められん」
レジーナはまた驚いた。彼は暗に、レジーナ達の逃亡を見逃すと言っている。手は貸さないが、邪魔もしないという宣言だった。
「何故です?英雄も、読心のスキル保持者も、逃亡を許すには大きすぎる存在ではありませんか?」
それに、レジーナには傷害の疑いもかけられている。フリッツ自身がレジーナを捕らえようとしていたのだ。ここでみすみす見逃す理由が見当たらない。
せめて形だけでも、何らかの抵抗、逃亡の阻止を図るべきではないのか。ここを脱出した後であれば、追っ手を差し向けることも可能だ。このままでは、第二王子としての面目は潰されることになる。
「フン。……その辺は何とでもなる。いや、してみせるさ」
フリッツが小さく息を吸った。
「お前は……、アロイスの命を救った」
そう口にした男の真っすぐな視線がアロイスを捉え、再びレジーナに向けられる。
「惚れた女を救われた恩義がある」
「なっ!?」
レジーナの隣で、アロイスが驚きの声を上げる。チラリと隣を窺えば、絶句した彼女がフリッツを見上げていた。その驚愕ぶりから、アロイスが本当にフリッツの想いに気づいていなかったことを知る。
彼女の反応に、フリッツが苦笑した。
「……俺も惚れていると気付くのが遅すぎた。危うく、気付く前に惚れた女を喪うところだった」
「待て!フリッツ、君は一体何を言っているんだ!?」
焦ったアロイスがフリッツを止めようとするが、彼が口を閉じることはない。
「俺はお前が好きだ。男だと思っている内は人としてだったが、今は一人の男としてお前に惚れている」
「そんな馬鹿なことが……」
「馬鹿ではない」
唖然とするアロイスの言葉を、フリッツが否定する。
「俺は本気だ。思っていた形とは違うが、これから先の未来、やはりお前にはずっと傍にいてほしい。……まぁ、そういうことだ」
最後、照れくさそうにそう口にしたフリッツに、アロイスが必死になって首を横に振る。
「無理だ!その話は既に断ったはず。私は辺境に帰らねばならない。君も納得しただろう?」
「……あの時とは事情が変わった」
「事情?事情とは何だ?」
アロイスの問いに、フリッツの眉間に深い皺が寄った。
「……はっきり言わねば分からんのか?俺は、お前を……」
「殿下」
彼の言いかけた言葉を、レジーナが遮る。更に不機嫌な顔になったフリッツが、「何だ?」と忌々しそうに吐き捨てた。
彼の言動に、レジーナは首を横に振る。
「時と場所をお考えください」
「……」
「このような場で、おざなりに口にされていいようなお話ではないでしょう?」
アロイスを真に想うのであれば、それなりの場所で、きちんと環境を整えてから告げてほしい。レジーナの言葉に黙り込んでしまったフリッツだったが、暫く逡巡した後、ポツリと呟いた。
「……一理、あるな」
大人しく言葉を引っ込めたフリッツに、レジーナは安堵の息をつく。
(良くも悪くも、直情的、よね……)
その場の状況や相手の抵抗などお構いなしに、自らの望みを叶えようとする。レジーナはフリッツのそうした傲慢さが苦手だった。だが、こと、アロイスに向ける想いに関してだけは、彼を認めている。
(……多分、それくらいの強引さがないと、アロイスには届かない)
抱える秘密ゆえに身を引くことしか考えていないアロイスは、彼女自身の意思に反してでも「正しい」と思う選択をしようとしている。
そこまで、アロイスの胸の内を明かすつもりはないが――
「……ありがとうございます、殿下」
「……俺はまだ、お前に礼を言われるようなことはしていないと思うが?」
「いえ。殿下のおかげで決心がつきました」
「何?」
フリッツの訝しげな視線に、レジーナは笑った。
「私も、殿下を見習おうと思います」
自分の望みを伝えるくらいはしてみてもいいだろう。相手は強敵。それでも、「欲しい」と思うから。縮こまっているだけでは始まらない。こちらから手を伸ばしてみようと、レジーナは決意した。
憮然とした表情のフリッツが、ズカズカと部屋の中に入ってくる。ベッドの前、レジーナとアロイスの前に立ち塞がった彼は、胸の前で両腕を組んだ。
「逃亡は許さん」
「っ!……聞いていたのか?」
アロイスの驚きの声、フリッツはそれに答えることなく、射殺さんばかりの視線でレジーナを見下ろす。
「レジーナ、アロイスを悪の道に引き込むな」
その言葉にレジーナが何かを答える前、座ったままのアロイスが、左手をレジーナの前に伸ばして庇った。
「違う。レジーナではなく、私が逃げろと言ったのだ!」
「ふん。どちらだろうと同じだ。逃亡は許さん。……アロイスは行かせない」
見下ろすフリッツの視線は鋭いが、レジーナの口元には場違いな苦笑が浮かぶ。彼の瞳にあるのがただの憎しみなら、話は簡単なのだが。
「……殿下。この先なにがあろうと、私がアロイスを巻き込むことはありません」
引き結ばれたフリッツの唇がピクリと動く。一、二度、口を開いては閉じ、結局、何も言わなかった彼は、フイと顔を逸らした。
「……あいつは、クロードは何と言っている?」
視線を逸らしたままのフリッツに問いに、レジーナは首を横に振る。
「クロードとは何も話しておりません。……そもそも、ここから出た後に彼と共にいられるかもわかりませんから」
レジーナの答えに、フリッツは暫し逡巡した後、再び口を開く。
「……もしも、あの男が騎士に戻りたいというのであれば、俺の下に置くことはできる」
レジーナは驚いた。国が棄てたクロードを、フリッツは拾っても構わないという。彼とて、それが国の意思に反することは承知しているだろうに。
レジーナがフリッツの横顔をマジマジと見つめていると、彼が嫌そうな顔をする。
「なんだ、その目は?」
「いえ。申し訳ありません、少し意外で……」
「別に、騎士団に戻してやると言ったわけではない。あくまで俺の傍におくだけだ。……それも、本当にもしもの話だがな」
どうするかは二人で決めろと告げたフリッツの口元が皮肉げに歪んだ。
「クロードがお前をさらって逃げるというなら、仕方ない、諦めるさ。俺たちでは、あの男を止められん」
レジーナはまた驚いた。彼は暗に、レジーナ達の逃亡を見逃すと言っている。手は貸さないが、邪魔もしないという宣言だった。
「何故です?英雄も、読心のスキル保持者も、逃亡を許すには大きすぎる存在ではありませんか?」
それに、レジーナには傷害の疑いもかけられている。フリッツ自身がレジーナを捕らえようとしていたのだ。ここでみすみす見逃す理由が見当たらない。
せめて形だけでも、何らかの抵抗、逃亡の阻止を図るべきではないのか。ここを脱出した後であれば、追っ手を差し向けることも可能だ。このままでは、第二王子としての面目は潰されることになる。
「フン。……その辺は何とでもなる。いや、してみせるさ」
フリッツが小さく息を吸った。
「お前は……、アロイスの命を救った」
そう口にした男の真っすぐな視線がアロイスを捉え、再びレジーナに向けられる。
「惚れた女を救われた恩義がある」
「なっ!?」
レジーナの隣で、アロイスが驚きの声を上げる。チラリと隣を窺えば、絶句した彼女がフリッツを見上げていた。その驚愕ぶりから、アロイスが本当にフリッツの想いに気づいていなかったことを知る。
彼女の反応に、フリッツが苦笑した。
「……俺も惚れていると気付くのが遅すぎた。危うく、気付く前に惚れた女を喪うところだった」
「待て!フリッツ、君は一体何を言っているんだ!?」
焦ったアロイスがフリッツを止めようとするが、彼が口を閉じることはない。
「俺はお前が好きだ。男だと思っている内は人としてだったが、今は一人の男としてお前に惚れている」
「そんな馬鹿なことが……」
「馬鹿ではない」
唖然とするアロイスの言葉を、フリッツが否定する。
「俺は本気だ。思っていた形とは違うが、これから先の未来、やはりお前にはずっと傍にいてほしい。……まぁ、そういうことだ」
最後、照れくさそうにそう口にしたフリッツに、アロイスが必死になって首を横に振る。
「無理だ!その話は既に断ったはず。私は辺境に帰らねばならない。君も納得しただろう?」
「……あの時とは事情が変わった」
「事情?事情とは何だ?」
アロイスの問いに、フリッツの眉間に深い皺が寄った。
「……はっきり言わねば分からんのか?俺は、お前を……」
「殿下」
彼の言いかけた言葉を、レジーナが遮る。更に不機嫌な顔になったフリッツが、「何だ?」と忌々しそうに吐き捨てた。
彼の言動に、レジーナは首を横に振る。
「時と場所をお考えください」
「……」
「このような場で、おざなりに口にされていいようなお話ではないでしょう?」
アロイスを真に想うのであれば、それなりの場所で、きちんと環境を整えてから告げてほしい。レジーナの言葉に黙り込んでしまったフリッツだったが、暫く逡巡した後、ポツリと呟いた。
「……一理、あるな」
大人しく言葉を引っ込めたフリッツに、レジーナは安堵の息をつく。
(良くも悪くも、直情的、よね……)
その場の状況や相手の抵抗などお構いなしに、自らの望みを叶えようとする。レジーナはフリッツのそうした傲慢さが苦手だった。だが、こと、アロイスに向ける想いに関してだけは、彼を認めている。
(……多分、それくらいの強引さがないと、アロイスには届かない)
抱える秘密ゆえに身を引くことしか考えていないアロイスは、彼女自身の意思に反してでも「正しい」と思う選択をしようとしている。
そこまで、アロイスの胸の内を明かすつもりはないが――
「……ありがとうございます、殿下」
「……俺はまだ、お前に礼を言われるようなことはしていないと思うが?」
「いえ。殿下のおかげで決心がつきました」
「何?」
フリッツの訝しげな視線に、レジーナは笑った。
「私も、殿下を見習おうと思います」
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