異世界から帰ってきたら、大好きだった幼馴染みのことがそんなに好きではなくなっていた

リコピン

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第二章 あ、忘れてた

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「…太陽がまぶしい」

「太陽がまぶしいのは、当たり前」

「そうだった。久しぶり過ぎて忘れてた」

夏休み明けの登校初日、宣言通りに、一歩も家を出ずに夏休みを終えた身には、太陽の光が目に染みる。

「…一応、何とかなった、よね?」

「…」

チサと最寄り駅まで歩きながら、帰還後の課題をクリアするためにひこきもり続けたここ一ヶ月を振り返る。

帰還直後、―一方的ではあるけれど―三年ぶりの両親との感動の再会は、布団を頭から被った『蒸し風呂ダイエット始めたの』の虚言から始まった。

娘の奇行を割りとすんなり受け入れてくれたのは、二人の寛大さの表れなのか、私の日頃の行いのせいなのか。

その後も、両親共働きというおかげもあって、二人には最後までバレることがなかったのはラッキーだったと思う。

二歳下に弟も居るけれど、サッカー強豪校に進学した彼は寮生活。夏休みは大事な試合があるからと、家には帰ってこない。他県まで会いに行った両親には、『痩せて生まれ変わった姿で再会したい』というかなり苦しい言い訳をして、何とか弟との再会は避けきった。

そして宣言通り、本当に全く一歩も家からでることなく夏休みは終わり、その間、チサは本当に毎日勉強を教えに来てくれた。

娘に勉強を教えてくれて、夕飯の時間になると頑固に帰ろうとするチサを両親は『良くできたお嬢さん』だと気に入っている。それでも、一人暮らしのチサが気になって、何度か夕飯は食べていって貰ったけれど。

「いや、私かなり頑張った。乗りきったよ。偉い!大丈夫!いける!」

「…」

チサの無言にもめげず自画自賛を繰り返すのは、電車を降りてから、校門に近づくにつれて徐々に増えていく視線にビビっているから。

「ヤバイ。メッチャ見られてる。やっぱ、十代には見えない?アウト?アウトかな?」

「見られてるのは、ソレじゃない。アカリが痩せたから」

「そうかな?本当に?」

『何とかなった』と言いながら、結局、体重は完全には元に戻らなかった。暴飲暴食に、運動一切無しの生活だったにも関わらず、体重は半分ほどしか戻らなかったのだ。チサ曰く『あちらの世界で鍛えたインナーマッスルのおかげで、太りにくい身体になっている』ということらしい。

それだけで、こんなに体重が戻らないものかと疑問にも思ったけれど。確かに、食事の量が減るとすぐに体重も減ってしまうので、チサの言う通りなのかもしれないけれど。

「…ただ、他の学年の子達までアカリを見てるのは不思議」

「え?」

「みんな、アカリを知ってるの?アカリは、学校の有名人?」

「!?」

チサの、少し首を傾げた問いかけに、思い出してしまった。

そうだった―

「…私は、全然、有名じゃないっていうか、皆が私を知ってるのは、」

「―お前、明莉か?」

「!?」

突然、背後からかけられた声。聞き慣れていたはずの、だけど、今はとてつもなく懐かしく感じるその声に、ゆっくりと振り向く。

「え!本当に、明莉ちゃん!?」

「…マジかよ」

「…」

そこには、驚愕の表情を浮かべた、美男美女のカップルが立っていた。




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