3 / 90
第一章 召喚巫女、お役御免となる
2.元カレ
「壁を殴るだけ」という何の生産性もない夜会から一夜明け、冷静さをだいぶ取り戻した頭で考えた。
アンバーの言葉を受け入れたわけではないが─奴への煮えたぎる怒りは内包したままだ─、これ以上、下手に自分で動くのは得策ではないのだろうという結論。この世界の知識も経験も圧倒的に足りない私ではやらかしてばかり、正解がわからない。ここはもう、利用できるものは利用しよう、そうしよう、と決めてアポを取った男が、眼前で優雅に微笑んでいる。
「それで?巫女殿の急用というのは?」
「…」
豪華な家具。「ザ・お城」という内観の部屋の一室で、でっかい仕事机の向こうから声をかけてくれたのは、金髪碧眼の「ザ・王子様」。比喩でも何でもなく、このサイランド国の第一王子にして王太子、ついでに「結界の巫女召喚プロジェクト」のプロジェクトリーダーでもあらせられるフォンゼル・サイランド殿下。私の身元保証人?的な人でもあるから、今後の私の身の振り方について彼と相談したいのだけれど、まあ、その前に。
「…二人で話すことって出来ます?」
「それは無理だね。」
「…」
いくら私が王太子に砕けた態度をとることを許されていようとも、やっぱり、相手は尊き御身。ついでに私も一応未婚の女なわけで、相手が既婚の王太子殿下であらせられようと、男女二人きりにはさせられない。それが、私がこちらに喚ばれた時からの変わらないルールだったりする。
(…と言っても、こんな女の敵みたいな顔してるくせに実際は奥さんベッタベタに溺愛してるような人と、どんな間違いが起こるっていうの。)
召喚されてから一年以上経つというのに、私は王太子妃殿下に一度もお会いしたことがない。召喚当時は第一子を妊娠中、現在、既に次のお子を妊娠中の王太子妃は、大事をとって公務をお休み中。医療の発達していない世界、文字通り命がけのハードスケジュールをこなす妃殿下には頭が下がる。
(…まぁ、王太子の方は、若干、鬼畜ではなかろうかと思うけども。)
「…」
「…?どうした、巫女?そんなに話し辛い内容なのか?」
「まぁ、そうですね…」
「…なら、そうだな、この二人を下げる訳にはいかないが。」
そう言って巫女つきの侍女二人には退出を命じてくれた王太子。それはまぁ、助かる。助かったけど。
(肝心な人達がなぁ…)
チラリと、王太子の左右を伺う。
殿下の左に立つのは、漆黒の髪に深い緑の瞳、広い肩幅に鍛え上げられた肉体を持つ王太子付きの近衛騎士、ガイラス・シュティルナー。
右に立つのは、プラチナブロンドに澄んだ碧の瞳、王太子補佐にして将来の宰相候補であるサキア・コーネン。こちらを見据えるモノクルの奥の瞳は鋭利な刃物のよう。
(って、怖っ!)
対照的な二人。共通するのは─タイプは異なるが─それぞれがかなりのイケメンであるということと、それからもう一つ、私の元カレであるということ。
(…わぁーお。)
この狭い空間に元カレが二人も。
彼らが王太子の側近である以上、当然と言えば当然のことだが、彼らの前で話をするのは非常に気が重い。気は重いが、こっちだってもう腹くくってんだから。
半ば、自棄になって口を開いた。
「お見合いしたいんですけど、誰か紹介してもらえます?」
「…」
「…」
結構、勇気のいる発言、だった。なのに、王太子はこちらを見つめて笑みを深めるだけ。左右の元カレ二人に至っては、表情一つ動かさない。引き止めて欲しいわけではないが、驚くかな?くらいは思ってたのに、まさかの「無」。居たたまれなくなってきたところで、王太子が漸く口を開いた。
「…巫女、君は陛下から『自由』を許されている。その自由には、もちろん、君が婚姻相手を選ぶ自由も含まれているのはわかっているな?」
「…わかってますよ。」
「巫女の役目を終えた君が、国の都合に合わせる必要はない。君には君の意思で、生涯を共に出来る相手を見つけて欲しいのだが…」
(『だが』、なに?)
こっちだってやったよ?探したよ?でも、こっちは良くても、相手から断られるんだから、どうしようもない。あなただって、それはわかっているだろうと言ってやりたい。国王の与えた私の「自由」は、だけど、それを振りかざして、他者の意思をねじ曲げることは出来ないんだから。
「…まあ、探してみましたけど、見つからなかったので。こうやって、殿下にお願いしてます。」
「…」
「私が働くことは難しそうなので、後はもう、お見合い結婚しかないかなぁーと…」
正確に言えば、私が「どうしても働きたい」と言えば、働くことは出来ると思う。ただ、守護結界で国を救った「巫女様」にさせられる仕事なんてそうそうなく、「下手に市井に下ることは出来ない」と最初に釘を刺されてしまっている。監視付き、警護付きで、「巫女様に相応しい仕事」をさせられる。そんなの今と変わらない。下手をすれば、もっと悪い状況になる可能性だってある。
(…修道院だけは、絶対に嫌だしね。)
この国の神に仕えるなんて冗談じゃない。一度も会ったことはないけれど、異世界拉致を推奨するような神様なんてろくなもんじゃないに決まってる。
だから、残された手段、この世界で生きていくために、貴族のご令嬢方の例にならって「結婚」を選択した。したわけだけど、文化やしきたりの違う世界での相手探しにも疲れてしまったから、後はもう、他力本願。丸投げするつもり。
そういう諸々の諦めを込めて王太子を見遣れば、目の前の男は困ったように笑う。
「…わかった。」
「…」
「この件に関しては、私が全て責任を持とう。必ず、巫女に相応しい候補を見つけてみせる。ただ、最終的な決定をするのは君だということは忘れないで欲しい。」
「…よろしく、お願いします。」
彼が了承してくれたことに安堵して、頭を下げた。
(…良かった。)
これ以上、ゴチャゴチャ説明するような羽目にならずに済んで。
覚悟はしてたし自棄っぱちだったけど、片や結婚済み、片や婚約者有りの元カレ達の前で、「誰か紹介して欲しい」という惨めさに、もうあんまり、耐えられそうになかったから。
もう一度─左右の元カレを視界に入れないように─深々と頭を下げて、王太子の部屋を後にした。
アンバーの言葉を受け入れたわけではないが─奴への煮えたぎる怒りは内包したままだ─、これ以上、下手に自分で動くのは得策ではないのだろうという結論。この世界の知識も経験も圧倒的に足りない私ではやらかしてばかり、正解がわからない。ここはもう、利用できるものは利用しよう、そうしよう、と決めてアポを取った男が、眼前で優雅に微笑んでいる。
「それで?巫女殿の急用というのは?」
「…」
豪華な家具。「ザ・お城」という内観の部屋の一室で、でっかい仕事机の向こうから声をかけてくれたのは、金髪碧眼の「ザ・王子様」。比喩でも何でもなく、このサイランド国の第一王子にして王太子、ついでに「結界の巫女召喚プロジェクト」のプロジェクトリーダーでもあらせられるフォンゼル・サイランド殿下。私の身元保証人?的な人でもあるから、今後の私の身の振り方について彼と相談したいのだけれど、まあ、その前に。
「…二人で話すことって出来ます?」
「それは無理だね。」
「…」
いくら私が王太子に砕けた態度をとることを許されていようとも、やっぱり、相手は尊き御身。ついでに私も一応未婚の女なわけで、相手が既婚の王太子殿下であらせられようと、男女二人きりにはさせられない。それが、私がこちらに喚ばれた時からの変わらないルールだったりする。
(…と言っても、こんな女の敵みたいな顔してるくせに実際は奥さんベッタベタに溺愛してるような人と、どんな間違いが起こるっていうの。)
召喚されてから一年以上経つというのに、私は王太子妃殿下に一度もお会いしたことがない。召喚当時は第一子を妊娠中、現在、既に次のお子を妊娠中の王太子妃は、大事をとって公務をお休み中。医療の発達していない世界、文字通り命がけのハードスケジュールをこなす妃殿下には頭が下がる。
(…まぁ、王太子の方は、若干、鬼畜ではなかろうかと思うけども。)
「…」
「…?どうした、巫女?そんなに話し辛い内容なのか?」
「まぁ、そうですね…」
「…なら、そうだな、この二人を下げる訳にはいかないが。」
そう言って巫女つきの侍女二人には退出を命じてくれた王太子。それはまぁ、助かる。助かったけど。
(肝心な人達がなぁ…)
チラリと、王太子の左右を伺う。
殿下の左に立つのは、漆黒の髪に深い緑の瞳、広い肩幅に鍛え上げられた肉体を持つ王太子付きの近衛騎士、ガイラス・シュティルナー。
右に立つのは、プラチナブロンドに澄んだ碧の瞳、王太子補佐にして将来の宰相候補であるサキア・コーネン。こちらを見据えるモノクルの奥の瞳は鋭利な刃物のよう。
(って、怖っ!)
対照的な二人。共通するのは─タイプは異なるが─それぞれがかなりのイケメンであるということと、それからもう一つ、私の元カレであるということ。
(…わぁーお。)
この狭い空間に元カレが二人も。
彼らが王太子の側近である以上、当然と言えば当然のことだが、彼らの前で話をするのは非常に気が重い。気は重いが、こっちだってもう腹くくってんだから。
半ば、自棄になって口を開いた。
「お見合いしたいんですけど、誰か紹介してもらえます?」
「…」
「…」
結構、勇気のいる発言、だった。なのに、王太子はこちらを見つめて笑みを深めるだけ。左右の元カレ二人に至っては、表情一つ動かさない。引き止めて欲しいわけではないが、驚くかな?くらいは思ってたのに、まさかの「無」。居たたまれなくなってきたところで、王太子が漸く口を開いた。
「…巫女、君は陛下から『自由』を許されている。その自由には、もちろん、君が婚姻相手を選ぶ自由も含まれているのはわかっているな?」
「…わかってますよ。」
「巫女の役目を終えた君が、国の都合に合わせる必要はない。君には君の意思で、生涯を共に出来る相手を見つけて欲しいのだが…」
(『だが』、なに?)
こっちだってやったよ?探したよ?でも、こっちは良くても、相手から断られるんだから、どうしようもない。あなただって、それはわかっているだろうと言ってやりたい。国王の与えた私の「自由」は、だけど、それを振りかざして、他者の意思をねじ曲げることは出来ないんだから。
「…まあ、探してみましたけど、見つからなかったので。こうやって、殿下にお願いしてます。」
「…」
「私が働くことは難しそうなので、後はもう、お見合い結婚しかないかなぁーと…」
正確に言えば、私が「どうしても働きたい」と言えば、働くことは出来ると思う。ただ、守護結界で国を救った「巫女様」にさせられる仕事なんてそうそうなく、「下手に市井に下ることは出来ない」と最初に釘を刺されてしまっている。監視付き、警護付きで、「巫女様に相応しい仕事」をさせられる。そんなの今と変わらない。下手をすれば、もっと悪い状況になる可能性だってある。
(…修道院だけは、絶対に嫌だしね。)
この国の神に仕えるなんて冗談じゃない。一度も会ったことはないけれど、異世界拉致を推奨するような神様なんてろくなもんじゃないに決まってる。
だから、残された手段、この世界で生きていくために、貴族のご令嬢方の例にならって「結婚」を選択した。したわけだけど、文化やしきたりの違う世界での相手探しにも疲れてしまったから、後はもう、他力本願。丸投げするつもり。
そういう諸々の諦めを込めて王太子を見遣れば、目の前の男は困ったように笑う。
「…わかった。」
「…」
「この件に関しては、私が全て責任を持とう。必ず、巫女に相応しい候補を見つけてみせる。ただ、最終的な決定をするのは君だということは忘れないで欲しい。」
「…よろしく、お願いします。」
彼が了承してくれたことに安堵して、頭を下げた。
(…良かった。)
これ以上、ゴチャゴチャ説明するような羽目にならずに済んで。
覚悟はしてたし自棄っぱちだったけど、片や結婚済み、片や婚約者有りの元カレ達の前で、「誰か紹介して欲しい」という惨めさに、もうあんまり、耐えられそうになかったから。
もう一度─左右の元カレを視界に入れないように─深々と頭を下げて、王太子の部屋を後にした。
あなたにおすすめの小説
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
【完結】能力が無くても聖女ですか?
天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。
十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に…
無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。
周囲は国王の命令だと我慢する日々。
だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に…
行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる…
「おぉー聖女様ぁ」
眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた…
タイトル変更しました
召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。