そうだバックレよう~奴隷買ったら、前世の常識とか倫理観とかどうでもよくなった~

リコピン

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本編

2.初めてのお買いもの(奴隷)

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「それで、お客様?『一番高い奴隷』をご希望とのことでしたが、具体的なご予算はおいくらになりますか?」

「あ…、えと、そうですね…」

奴隷商店の店主の冷静な接客に、こちらも少し冷静になれた。十年、使いもせずに貯め込んだお給料全額、私の財布が火を噴くぜと思ったけれど、良く考えたら、私、奴隷の相場も知らない。

「あの…、実は奴隷を買うのって初めてで…」

違法ではないけれど、倫理的、人道的に、どうなの?と思ってしまうから、今までお店に足を運んだことすら無かった。

「…そうですか。でしたら、そうですね。奴隷を買われる目的、用途をお尋ねしても?」

(ッ!?)

全うな商売。お客様のご要望を丁寧に汲み取ろうとする姿勢はとても大切なこと。基本中の基本。でも─

「用途によって、お値段も変わってまいります。性別や容姿、そうですね、後は技能などにご希望はございますか?」

「…えと、その、ですね…?希望は、男性なんですけど…、容姿とかは特に希望はないです。けど、身体は頑丈、丈夫な方が良くて…」

嫌な汗、出てきた。

「力仕事用ですか?もしくは、護衛用?」

「いえ、違う、んですけど、その、家で、待っててもらうというか…」

「家で待つ?」

怪訝そうな店主に、冷や汗が止まらない。

「いえ、あの、特別、何をして欲しいってわけではなくて、その、家で、あの…」

「…」

(…無理だ。)

八年間、職場以外の人間関係を持たずにきた私には、こういう買い物は無理。そう言えば、前世でも対面販売は苦手だったと思い出す。帰ろう、ポチれないなら諦めよう、そう決めたところで、店主が頷いた。

「…なるほど。承知致しました。」

「え…?」

(承知、出来たの?今ので?)

流石、商売人。ヒアリング力が違う。

「では、こちらで少々お待ち下さい。」

「あ、はい…」

部屋の奥へと消えていく店主を見送ったところで、ふと我に返った。

(…何やってんだろ、私。…帰りたい。)

買う前から、既に後悔。衝動買いなんてするもんじゃない─




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