【完結】いつだって二人きりがよかった

ひなごとり

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大学生の二人

28 ※R-18

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 ガタン、と大きな音を立てながらドアが開かれる。もつれる足音のあと、閉まったドアの前で未雲は柊明に勢いよく抱き締められた。あまりにも力強い抱擁に困惑しながら遠慮がちに背中を撫でると、ふっと腕の力が緩められる。見えなかった顔が見え、いつまでも慣れない至近距離に思わず目線を逸らしたら、それを咎めるように口を塞がれた。
 長い、口付けだった。
 唇から溶けていくように、二人が交わっていくように、だんだんと境界線が分からなくなっていく。口付けはいつの間にか深いものに変わって、舌を何度も絡め取られる。飲み込めなかった唾液が首に伝っていくのを感じながら、それすら快感になって激しさを増していった。
 はあ、と互いに息をついてやっと口が離れる。未雲と柊明の間に銀糸が垂れ、それは呆気なくプツンと途切れた。
 濡れた舌で唇を舐められてもう一度キスに応じる。ちゅ、ちゅ、と柔らかい音が二人の間で響き、息継ぎをしながら何度も熱を交わしていた。
「あ……」
 寝室まで辿り着くと、未雲はベッドへ押し倒された。向かい合って見上げる顔は赤く、口元は濡れている。瞳は爛々と輝いて獣のようだった。息を荒らげながら柊明は服を脱ぎ、未雲のものもまとめてベッド下へと落とす。二人は一糸纏わぬ姿になりながら互いの肌を触れ合った。
 柊明が未雲の身体を反転させ後ろで自身の陰茎を扱く。すぐ近くで聞こえる吐息に身体を震わせていると後ろから太腿を撫でられた。
 ――いつもの合図だ。未雲は太腿を閉じ、その間に柊明の熱いものが差し込まれた。
 いわゆる素股を、未雲はもう何度も経験していた。擬似的に性交を行うこの動作は未雲にとって初めての感覚で、同時に本番への興味を引き出していた。
「未雲、」
 興奮のあまり目を閉じて感じていると、指で唇をとん、と叩かれる。
 これも二人の間では合図のひとつだった。未雲は口を開け、柊明の指を中へ招き入れると音を立てながらしゃぶり始める。口内の弱いところを時折指で擦られながらも懸命に濡らしていれば、ちゅぽん、と口から引き抜かれた。
「……体勢変えるね」
 太腿にあった熱が抜かれ、少しの寂しさも与えずに今度は自分で濡らした指が後孔へと入っていく。内側を擦る指がある一点を掠めて思わず身震いすれば、間髪入れず指が二本、三本、と増やされていった。
 以前から柊明の指を受け入れていた後ろは少し慣らせばもう三本なんか余裕で、少しずつ作り替えられていく自分自身の身体に未雲は恐怖を感じる。しかしそんな考えも一瞬で、中のしこりのようなもの――前に柊明が前立腺と言っていた気がする――を押し込まれればすぐに快楽で塗り潰されていった。
 息も絶え絶えに、未雲は「柊明……」と呟く。
 声に気づいた柊明が中から指を全て抜いていき、その感覚にさえ感じてしまって声が震えた。
「もう、挿入る、から……」
 過剰な快感で逆上せた頭はもう前後不覚のぐちゃぐちゃで、自分が今どんな状態なのかも分からなかった。ただ未雲の思考を埋め尽くすのは柊明だった。
「――未雲……っ」
「あ……、!――ぅ、っ……んん……!」
 ばちん、と大きな衝撃が走って、一瞬何が起きたか分からなかった。
 ――あ、柊明のが、中に、挿入って……。
 自覚した途端、ものすごい圧迫感に襲われる。まだ動いてもいないのに未雲は発狂してしまいそうで、何とか堰き止めていた感情が次々と溢れ返った。
 痛いのに、気持ちがよくて幸せで未雲は涙が止まらなかった。今すぐ柊明の顔を見たい。気持ちよくしてあげたい。キスをしたい。
「柊明っ! ぁ、しゅうめい、柊明、……!」
「ふ、ぅ、未雲……っ」
「ぁんッ、――! あ、それ、ゃば、いッ」
 ぐりっ、と奥の方に押し込まれ、あられもない声が上がる。それに気付いたらしい柊明が腰を再び動かし、その度に悲鳴にも似た喘ぎ声が漏れ出た。後ろからの律動と柊明の苦しそうな声に頭がどんどん茹だっていく。
 多くの人に好かれて周りを魅了する彼が、自分に欲情して腰を振っている……。
 未雲は胸の辺りがじわりと疼いて、身体を無理矢理柊明に向けるとそのまま抱き着く。途端に中を刺激するものの角度が変わって、甲高い喘ぎが柊明の耳に注ぎ込まれた。
「はっ、あ……、どうしたの?」
「……、もっと、お願い、もっと欲しい」
 胸も中も疼いて仕方がない未雲は柊明を求める。特に心臓が今にも握り潰されそうな、死にたくなるようなこの気持ちをどうにかしてほしくてたまらなかった。
 顔は体液でべとべとになり、下半身も酷いものだった。それでも足りなくてもっと、もっとと身体が叫ぶ。柊明と繋がっていて嬉しいと頭ではそう感じているのに、どうしてこうも泣きたくなるのか。全てが未知の感覚で、未雲は縋るように柊明を抱き締めながら唇を寄せた。呼応するように柊明も未雲の身体を覆い被さるように抱き寄せ、食べるような口付けをしてくる。
 それからお互いの熱が冷めるまで、二人は抱き合いながらずっと繋がっていた。


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