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7.問題発生
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「は⁉ き、キツネ⁇」
和真のことを心配している余裕もなくなるほどの、大問題発生。
「そうなの! ウワサによると、人間に化けたキツネが、学校内にまぎれ込むのを見た人がいるんだって。ねえ、すごくない⁉ 妖狐だよ、妖狐!」
翌朝、顔を合わせた瞬間、新聞部の紗香が瞳をキラキラさせる。
「いや、すごいっていうか……」
それって、わたしのことなんじゃ……。
え、なんでバレちゃったの⁉
いやでも、ひょっとしたら、わたしじゃないかもだし。
でも、変化が得意な康哉にかぎって、そんなヘマをするとは考えられないし。
だったら、黒瀬くん?
二年生や三年生っていう可能性も……。
でも、わたし以上に変化がニガテな妖狐なんている?
やっぱり、ひょっこり出てしまったわたしのキツネ耳を、誰かに見られた可能性が一番高いような気がするんだけど。
「決めた。あたし、そのスクープ写真を、絶対にゲットしてみせる」
紗香が、こぶしを握りしめて燃えている。
「ね、ねえ。でもそれって、危なくない? だって、妖怪ってことでしょ?」
「大丈夫、大丈夫。バレないようにこっそり撮るから」
もし証拠写真なんか撮られたら、わたしが大丈夫じゃないんだってばぁ~!
わたしは、心の中でこっそり頭を抱えた。
「康哉。ねえ、あのウワサ、聞いた?」
いてもたってもいられなくなったわたしは、次の休み時間に、一人でいる康哉をつかまえると、人のあまり通らない屋上へとあがる階段のところまで引っ張っていった。
「ウワサ? ああ。化けギツネがまぎれ込んでるんじゃないかってヤツのこと?」
「そう! ねえ、あれってやっぱりわたしのことだと思う? どうしたらいいかなあ」
「どうしたらって。僕には関係ないよね?」
……ちょっと待ってよ。関係なくなくない?
だって、もしわたしのヒミツが誰かにバレたのだとしたら、完全に康哉のせいだよね⁉
あんなふうにみんなの前で康哉がわたしを驚かすから、誰かにキツネ耳を見られちゃったんだよ、きっと。
「こんなことでわざわざ僕のことをわずらわせないでくれる? もう助けないって、前に言ってあったよね?」
康哉が、大きなため息をつく。
「そ、そうだよね。ごめんね」
なにも言い返すこともできず、ぎこちなく笑うわたしをチラッと見ると、康哉はさっさと行ってしまった。
「は⁉ き、キツネ⁇」
和真のことを心配している余裕もなくなるほどの、大問題発生。
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翌朝、顔を合わせた瞬間、新聞部の紗香が瞳をキラキラさせる。
「いや、すごいっていうか……」
それって、わたしのことなんじゃ……。
え、なんでバレちゃったの⁉
いやでも、ひょっとしたら、わたしじゃないかもだし。
でも、変化が得意な康哉にかぎって、そんなヘマをするとは考えられないし。
だったら、黒瀬くん?
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「決めた。あたし、そのスクープ写真を、絶対にゲットしてみせる」
紗香が、こぶしを握りしめて燃えている。
「ね、ねえ。でもそれって、危なくない? だって、妖怪ってことでしょ?」
「大丈夫、大丈夫。バレないようにこっそり撮るから」
もし証拠写真なんか撮られたら、わたしが大丈夫じゃないんだってばぁ~!
わたしは、心の中でこっそり頭を抱えた。
「康哉。ねえ、あのウワサ、聞いた?」
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「そう! ねえ、あれってやっぱりわたしのことだと思う? どうしたらいいかなあ」
「どうしたらって。僕には関係ないよね?」
……ちょっと待ってよ。関係なくなくない?
だって、もしわたしのヒミツが誰かにバレたのだとしたら、完全に康哉のせいだよね⁉
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