そんなコンなで毎日修行中!

西出あや

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8.どうしたらいいの?

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「ご、ごめんなさいっ!」
 曲がり角から出てきた人におもいっきりぶつかりそうになって、慌ててブレーキをかけると、ぺこっと頭をさげる。
「朝から君は本当に騒々しいね」
 ぱっと顔をあげると、苦笑いを浮かべた康哉が立っていた。
「康哉……!」
「は⁉ ちょっと、なにやってんの。手、離してくれる?」
 思わず康哉の胸倉につかみかかっていたことに気づいてぱっと手を離すと、迷惑そうな顔で康哉が襟を正す。
「あのさ、和真がキツネで、康哉、犯人じゃない⁉」
「……なに言ってるのか、全然わからないんだけど。もう少し落ち着いて話してくれる?」
「だ、だから……」
 行ったり来たりしながらも、なんとか康哉に昨日のことを話すと、最後までわたしの話を静かに聞いていた康哉が、バカにしたようにふんっと鼻で笑った。
「白狐の掟で禁じられているのに、僕がそんな術を使うわけないでしょ」
「そっか。康哉じゃなかったんだ……。あ、でも、この術のことは、知ってるってことだよね? ひょっとして、戻し方もわかる⁉」
「いや、それは知らない。これは普通の変化とは違うし。そもそも僕たちくらい若い妖狐になると、その術の存在自体知っている者も少ないんじゃない?」
 そういえばお母さんが、呪いの一種だとか言ってたっけ。
「まったく。ひとつ問題を解決してやったと思ったら……君はトラブルメーカーなわけ?」
「え? それって、どういう――」
「ひとつ確認だけど、岡林、ここのところ疲れた顔してなかった?」
 わたしの問いに、無理やりかぶせるようにして康哉が言う。
「うん、してた気がする……けど。それと、なにか関係があるの?」
 悪い予感に、胸がざわざわする。
「妖狐の誰かに、生気を少しずつ吸い取られていた影響だろうね。疲れた顔くらいは序の口で、その上にいくと、今の岡林のようにキツネ化する。そこからさらに吸い取られると――存在自体が消滅してしまうらしいよ。ま、キツネ化した時点で、人間の記憶からはキレイさっぱり消されるらしいから、突然いなくなっても、騒ぎになることはないって話だけど」
 そっか……。だから和真のお母さん、あんなに平気そうだったんだ。
 そういえば、昨日の千明先輩も。
 しかも、ただ忘れてしまうだけじゃなく、名簿からも名前が消えてしまうなんて。
「心当たりがありそうだね」
 康哉に問われ、こくりと小さくうなずく。
「ま、しょうがないから、君もキレイさっぱり忘れてあげたら?」
「そんなこと、できるわけないに決まってるでしょ⁉」
 もういい! 康哉には頼らない。
 わたしが和真を絶対に元の人間の姿に戻して、みんなの和真の記憶だって、絶対に元に戻すんだから。
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