短編SS集〜1日1SSを目指して〜

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麻痺 ペン 空想

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空想の世界にペンを走らせる。ここならなんでも生み出すことが出来る。全てが自由で、僕の思い通り。
優しかったお母さんとお父さんも、僕が生み出したもので喜んでくれる。弟だって、こんなにもすごいおもちゃに大興奮!
ここは、自由!なんでも叶う!僕の持ってるこのペンを使えば、全部思い通りなんだ!

でも最近、僕の世界が暗くなる時がある。その時僕はいつも、怖くて怖くてたまらなくなる。
何かが来るような予感、何かが終わるかのような感覚がする。でも、それはすぐにどっか行くから気にしてない。そんなことより、もっと楽しいことをした方が、良いしね!

うーん、なんだろう。ココ最近手が上手く動かない気がする。真っ直ぐ線を描こうと思っても曲がっちゃうし、お父さんとかお母さんの顔も形が崩れちゃう。やだなー。なんでだろう。早く治らないかな。あ、そうだ!ここは僕の思い通りになるんだ!だから、この手も自由に動く手を描いちゃえばいいんだ!

手が元通りになった!やっぱり僕は天才だね!これなら好きに描けるし、手を増やしたからいつもより早く、多くかけちゃうね!よーし!今度は何を書こうかな~?お父さんとお母さんと弟との4人で遊園地に行こう!ジェットコースターとか、コーヒーカップとかメリーゴーランド!いっぱい遊ぶぞ!!!


カハッ......ヒュー...ヒューい、息、で、出来ない............。あ、あぁ、やだやだやだ、暗い、怖い、や、やだ、息出来ない..................。

気がついたら、いつもの場所だった。息もできる。手も動くし、みんないる。でも、どこからか『ピコン......ピコン......ピコン......』っていう音が聞こえる気がするんだよね。なんでだろ?

最近暗くなったり、息が出来なくなる日が増えた。体も動きにくくなっちゃった。みんなの体もぐちゃぐちゃになってきたし、上手くそれも直せない。やだ......こんなのやだよ。

もうずっと真っ暗。息は何とかできる。でも体は動かない。周りに誰もいない。僕が夢中で描いた遊園地も、動物園も、水族館も、ソフトクリーム屋さんも、カフェもなくなっちゃった。お父さんも、お母さんも、弟もどっか行っちゃった。一人は寂しい。



暗かったこの場所の空が明るくなった。そこから、羽の生えた赤ちゃんがいっぱい降りてきて、僕の手を握ってくれたの。これでもうもう寂しくない。ひとりじゃない。またいっぱいお絵描きができるんだ!楽しみだな...!




『ごめんね.........さようなら』

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