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週末のお出かけ
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2回戦を前にした週末休み。
自分たちがダークホースとして注目されているなどつゆ知らず、静子とメイはアオに連れられて出かけることになった。
マイクロバスを借りて向かう先は隣の県にある屋内プール。
今回は遊びと特訓を兼ねた遠足だと語るアオは他の寮生たちも連れてきていた。
1年生は二卵性双生児である冬子(ふゆこ)と剣路(けんじ)の栃木(とちのき)兄妹。
2年生は静子たちに加えて斑目真弓(まだらめ まゆみ)と赤井喜一(あかい きいち)の思春期男子コンビ。
3年生は霧巣大河(きりす たいが)と門楼(もんろう)サクラの天文部コンビ。
引率には寮母であるアオの他に、彼女とは古い付き合いで運転手を務める草猪十(くさじし もぎき)。
総勢10人の大世帯で向かうのだが、行き先はその程度の人数などものともしない巨大施設だった。
「初めて来たけれど大きいね」
孤児院育ちで遠方の遊行施設など縁がなかった静子は素直に驚く。
俗に言うリゾートプールである「グアムあん」の面積はプール主体でありながらちょっとした遊園地レベルなのだからさもありなんか。
「あたしも小さい頃に遠足できて以来だけれど今見てもデカいわ」
「そうかい。まあオレはプールよりも他のデカいモノを拝めるほうが楽しみだぜ」
「願望が漏れているぞ真弓」
「そういう喜一だって鼻の下を伸ばしているくせに」
喜一がたしなめたように、真弓が口にしたデカいモノとは、これから水着という薄い布一枚に包まれるであろう少女たちのある部分。
フヒヒとニヤケ笑いをこぼして言うものだから、真弓を見るメイの眼差しが「気色悪い」と言わんばかりに座ったのも無理もない。
「ケンジはセンパイらに付き合わないでよ。アンタまでキショくなったら家族の縁を切るから」
「わ、わかっているって」
そんな先輩らの言葉に惑わされて女性陣を意識した様子の剣路をたしなめたのは妹の冬子。
ツンとした態度から滲む通りあまり人付き合いが得意な方ではなく、今回の遠足も剣路が誘わなければ櫛灘寮で留守番をするつもりだったほど。
当選のように真弓らとは距離を置いている彼女だがメイとは気が合うのか仲が良い。
「着替え終わったらグアムくんのところに集合だ。野郎どもの面倒はモギに任せる」
「任された。まあ霧巣くんも居るから心配はいらないだろうけど」
チケットの購入と入場を済ませて、着替えのために男女で分かれたところで女子がやることといえば男の前ではやりにくい話であろう。
ロッカーの一角を陣取って着替え始めた女子一同で最初に切り出すのはやはりメイだった。
「ところで……アオさんとモギさんって何処まで進んでいるんですか?」
「⁉」
メイが切り出した恋バナに一番反応したのはやはり静子。
冬子は入寮したてでアオのことをよく知らないし、サクラは十とは既知の関係であるため、メイと同じ感覚にある女子が他にいないのもある。
「男の知り合いが居たら出来てるって考えもどうかと思いますよ、伊佐センパイ」
「あたしはあくまで『何処まで』としか聞いてないのにフユちゃんは先走っているねえ。その理屈だとフユちゃんだってケンちゃんと出来てるって思われても仕方がないわよ。そう言うフユちゃんも実際のところどう?」
「んなワケあるか!」
「落ち着いて、二人とも」
「うふふ」
アオと十の関係を知っているからこそ、勝手なイメージで盛り上がるメイと冬子のやり取りにサクラだけが吹き出していた。
「あんまりプライベートを詮索しちゃいけないって。草猪さんとの関係が見せつけるようなモノだったら、わたしやメイちゃんにはとっくに自慢していていい筈だから。ですよね、モンロー先輩」
「そうね。とりあえずメイさんが思っているような関係じゃないわよ」
この間、当事者であるアオは黙って黙々と水着に着替えていた。
年長者ではあるがグループでは2番目の大きさな乳房を包み込むトップス。
引き締まった腹筋。
そしてトップスと同じ赤みがかったボトムスは鍛えられたアオの肢体をより一層シャープに彩る。
その水着がいわゆる勝負服であることを知るのはサクラだけだが、彼女は後輩からの問いかけにあえて否定的に答えていた。
それは十とアオの関係について詳しいからこその遠慮であろう。
「着替え終わったのなら早く行くぞ。ここで無駄話をしたら他の客にも迷惑だ」
「あ! アオさんったらズルい」
「逃げるってことは付き合っていないってことでしょ。これ以上は失礼ですって」
「ふふ」
「やめなよ二人とも」
再び吹き出すサクラをよそに、ちらりとアオの顔を見た静子は一方的な申し訳無さを感じてしまう。
そのまま、つい「ごめんなさい」と謝る静子の謝罪のほうがアオにはちょっと心苦しかったわけだが、それを知るのは当人だけだった。
急な遠足ということで事前に勝負水着を用意していたアオと去年の水着をそのまま着ることが出来たサクラを除く3人は、さきほど売店で購入した花柄のワンピースに身を包む。
ミニスカートめいた腰元のフリルが可愛らしいデザインの水着は自前のセパレートタイプを着ている年上組にも引けを取らない姿となって更衣室から飛び出した。
自分たちがダークホースとして注目されているなどつゆ知らず、静子とメイはアオに連れられて出かけることになった。
マイクロバスを借りて向かう先は隣の県にある屋内プール。
今回は遊びと特訓を兼ねた遠足だと語るアオは他の寮生たちも連れてきていた。
1年生は二卵性双生児である冬子(ふゆこ)と剣路(けんじ)の栃木(とちのき)兄妹。
2年生は静子たちに加えて斑目真弓(まだらめ まゆみ)と赤井喜一(あかい きいち)の思春期男子コンビ。
3年生は霧巣大河(きりす たいが)と門楼(もんろう)サクラの天文部コンビ。
引率には寮母であるアオの他に、彼女とは古い付き合いで運転手を務める草猪十(くさじし もぎき)。
総勢10人の大世帯で向かうのだが、行き先はその程度の人数などものともしない巨大施設だった。
「初めて来たけれど大きいね」
孤児院育ちで遠方の遊行施設など縁がなかった静子は素直に驚く。
俗に言うリゾートプールである「グアムあん」の面積はプール主体でありながらちょっとした遊園地レベルなのだからさもありなんか。
「あたしも小さい頃に遠足できて以来だけれど今見てもデカいわ」
「そうかい。まあオレはプールよりも他のデカいモノを拝めるほうが楽しみだぜ」
「願望が漏れているぞ真弓」
「そういう喜一だって鼻の下を伸ばしているくせに」
喜一がたしなめたように、真弓が口にしたデカいモノとは、これから水着という薄い布一枚に包まれるであろう少女たちのある部分。
フヒヒとニヤケ笑いをこぼして言うものだから、真弓を見るメイの眼差しが「気色悪い」と言わんばかりに座ったのも無理もない。
「ケンジはセンパイらに付き合わないでよ。アンタまでキショくなったら家族の縁を切るから」
「わ、わかっているって」
そんな先輩らの言葉に惑わされて女性陣を意識した様子の剣路をたしなめたのは妹の冬子。
ツンとした態度から滲む通りあまり人付き合いが得意な方ではなく、今回の遠足も剣路が誘わなければ櫛灘寮で留守番をするつもりだったほど。
当選のように真弓らとは距離を置いている彼女だがメイとは気が合うのか仲が良い。
「着替え終わったらグアムくんのところに集合だ。野郎どもの面倒はモギに任せる」
「任された。まあ霧巣くんも居るから心配はいらないだろうけど」
チケットの購入と入場を済ませて、着替えのために男女で分かれたところで女子がやることといえば男の前ではやりにくい話であろう。
ロッカーの一角を陣取って着替え始めた女子一同で最初に切り出すのはやはりメイだった。
「ところで……アオさんとモギさんって何処まで進んでいるんですか?」
「⁉」
メイが切り出した恋バナに一番反応したのはやはり静子。
冬子は入寮したてでアオのことをよく知らないし、サクラは十とは既知の関係であるため、メイと同じ感覚にある女子が他にいないのもある。
「男の知り合いが居たら出来てるって考えもどうかと思いますよ、伊佐センパイ」
「あたしはあくまで『何処まで』としか聞いてないのにフユちゃんは先走っているねえ。その理屈だとフユちゃんだってケンちゃんと出来てるって思われても仕方がないわよ。そう言うフユちゃんも実際のところどう?」
「んなワケあるか!」
「落ち着いて、二人とも」
「うふふ」
アオと十の関係を知っているからこそ、勝手なイメージで盛り上がるメイと冬子のやり取りにサクラだけが吹き出していた。
「あんまりプライベートを詮索しちゃいけないって。草猪さんとの関係が見せつけるようなモノだったら、わたしやメイちゃんにはとっくに自慢していていい筈だから。ですよね、モンロー先輩」
「そうね。とりあえずメイさんが思っているような関係じゃないわよ」
この間、当事者であるアオは黙って黙々と水着に着替えていた。
年長者ではあるがグループでは2番目の大きさな乳房を包み込むトップス。
引き締まった腹筋。
そしてトップスと同じ赤みがかったボトムスは鍛えられたアオの肢体をより一層シャープに彩る。
その水着がいわゆる勝負服であることを知るのはサクラだけだが、彼女は後輩からの問いかけにあえて否定的に答えていた。
それは十とアオの関係について詳しいからこその遠慮であろう。
「着替え終わったのなら早く行くぞ。ここで無駄話をしたら他の客にも迷惑だ」
「あ! アオさんったらズルい」
「逃げるってことは付き合っていないってことでしょ。これ以上は失礼ですって」
「ふふ」
「やめなよ二人とも」
再び吹き出すサクラをよそに、ちらりとアオの顔を見た静子は一方的な申し訳無さを感じてしまう。
そのまま、つい「ごめんなさい」と謝る静子の謝罪のほうがアオにはちょっと心苦しかったわけだが、それを知るのは当人だけだった。
急な遠足ということで事前に勝負水着を用意していたアオと去年の水着をそのまま着ることが出来たサクラを除く3人は、さきほど売店で購入した花柄のワンピースに身を包む。
ミニスカートめいた腰元のフリルが可愛らしいデザインの水着は自前のセパレートタイプを着ている年上組にも引けを取らない姿となって更衣室から飛び出した。
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