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第3章：新たなる旅の始まり

第17話 異世界の食材で創作料理

優馬は宿の厨房を借りて、王都の市場で買い込んだ食材を使って料理を作り始めた。異世界の食材には、地球では見られないものも多く、優馬の好奇心は尽きることがない。

「今日は、リュナの実と、精霊の葉を使った特製パイでも作ってみるか……」

リュナの実は、以前優馬が市場で見つけた赤い果実だ。加熱すると甘みが増し、優しい香りが広がる。それに加えて、リリアが精霊たちと協力して育てた「精霊の葉」を使うことで、パイにほんのりとした魔力の風味をプラスすることにした。

「リュナの実を細かく切って……精霊の葉を少しずつ混ぜて……あとはパイ生地に包んで焼くだけだな」

優馬が一人で呟きながら料理していると、リリアとコハクがそばにやってきた。リリアはその様子を興味津々といった顔で見つめている。

「優馬さん、本当に料理が上手なんですね。見ていると、私までお腹が空いてきます」

「へへ、ありがとう。でもリリアだって、最近は料理手伝ってくれるし、上達してるよ。ほら、コハクもちゃんと見てるぞ」

コハクは鼻をクンクンと鳴らし、甘い香りが漂うキッチンの空気を満喫している。リリアはコハクの姿を見てくすっと笑った。

「コハクは、本当に食べることが好きなんですね」

「まったくだ。こいつの食欲には俺も驚かされるよ。でも、それだけ喜んで食べてくれるなら、作りがいがあるってもんさ」

優馬はパイをオーブンに入れ、焼き上がるのを待ちながら、リリアとコハクとともに雑談を続ける。ほんのりとした甘い香りが部屋中に広がり、まるで家族のような温かな雰囲気が漂う。