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1章

村井優斗の憂鬱

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―放課後
本日の授業も終わり、教室は楽しそうなクラスメイト達の声であふれている。
今日は放課後どこに遊びに行こうかととても賑やかだ。
そんな中ボッチな俺、村井優斗はそそくさと帰り支度を整えていた。
早く帰ってゲームの続きをしないとな…。

「今日はボウリングに行こうぜ!」
「彩香も来るだろ?」
「えー?どうしようかな~」

特にスクールカーストの高い連中は大いに盛り上がっている。
楽しそうで大変結構。俺には縁の無い世界だがな。

静かに教室のドアに手をかける俺。
すると
「陰キャのボッチ君。じゃあね~」
「お前、いっつも一人だよな。友達いないのかよ」
「ちょっと。本当の事いったら悪いよ~(笑)」

そういって腹を抱えて笑いだす彼ら。
こいつら…マジで民度が低いな。

この学校にはこういう手合いの人間ばかりだ。
ボッチ?
お前らみたいなのとつるみたくないからボッチなんだよ!

俺は親の転勤で慣れ親しんだ地元を離れてこの街にやってきた。
ちょうど中学卒業のタイミングだったのでこの高校、大栄高校に入学した。
当然周りは知らない人だらけ。
ドキドキしながらクラスメイト達と顔合わせをしたわけだが、
まあ酷い事。やれ、陰キャだ。前髪長すぎ。性犯罪者っぽい。さんざん言われた。
何とか話題を合わせたり輪に入ろうとしたが、彼らは地元組。
俺を馬鹿にしてとにかくマウントを取ろうとするので、ただただ苦痛だった。

以前は情けない事にこの状況に泣きそうになっていたが、もはやそれも過去の話。
半年も経つ頃には俺は彼らに期待するのは止めた。
そして、もうこの高校生活の3年間はどぶに捨てることに決めた。

あー、早く帰ってゲームやろう…。
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