助けたはずのヒロイン達が全力で恩を仇で返してくるんだが?お前らなんなの??

羽希

文字の大きさ
29 / 54
4章

警戒しすぎでしょ

しおりを挟む



―その日の放課後―

本日の授業も終わり、教室は楽しそうなクラスメイト達の声であふれている。
今日も放課後どこに遊びに行こうかととても賑やかだ。

そんな中俺は今日もそそくさと帰り支度を整えていた。


「陰気な奴がイキってるとマジムカつくよな」
「本当、本当。篠崎も陰気が移るから、あんな奴に関わらない方がいいって」
「…村井くんはいい人だよ?どうしてそんなに悪く言うの?」

離れた席から、俺に聞こえるように陰口を叩くスクールカースト上位の柳田達。
そして篠崎が俺を庇ってくれている声が聞こえて来る。

篠崎…嬉しいけど、やめておけよ。美人だからよっぽど奴らの標的にはならないだろうけど、絡まれるようになると面倒だぞ。

そもそもそいつらに何言っても無駄だって。
そいつら民度低すぎるんだから…。

これ以上いらない注目をこれ以上集めたくはない。
さっさと帰ろう。

陰口が聞こえてないかのように振る舞い、そっと静かに教室のドアに手をかける俺。
すると

「おーい、村井~。放課後、暇?」
「…?」

後ろを振り返ってみると相田が立っていた。
相田は両手にポケットを突っ込みながらニヤニヤと笑っている。
周りをよくみると相田の取り巻き達も俺を囲うように立っていた。

…くっそ、柳田達だけじゃなくて、相田のグループにも目をつけられていたか。

そういえば、俺は既に神代が絡まれてるところを助けた関係で相田から目をつけれられていたのだ。あれから声をかけられる頻度は増えたが、特に大きなアクションはなかったのでスルーしてしまっていた。

また調子こきやがってと因縁をつけられるのだろう。もしかしたら神代の代わりに今度はお前が金を出せと言われるのかもしれない。

「私ら、これからマックバーガに行くんだけど一緒に行かね?」
「…は?」

…これはどう解釈すればいいのだろう?
素直に聞けばマックに行こう。そして財布がわりになれと言う意味に聞こえる。
それともマックに行くと思わせておいて、裏庭に連れて行かれてカツアゲされるパターンか?
いずれにせよいい方向に行くとは思えない。

「…どう言う意味だ?」
「いや、私らとマックに一緒に行かないかって言ってるだけなんだけど…」

…まあ、そりゃ裏の意味なんて教えるわけないか。
刺激しないようにさらっと逃げよう。

「あー悪い。俺今日用事があってさ」
「へー?どんな用?」

そこは聞くなよ。咄嗟に思いつかないんだから。
しかもこいつずっとニヤニヤしてんじゃん。多分わかってて聞いてるな…。
まあ、ここは強気で言えば大丈夫。

「ちょっとゲームが忙しくてな」
「ふーん。おかしいなー環奈先輩は村井は今ゲームができないって言ってたけどなー」

…は?
なんでここで水城先輩が出て来るんだよ。

「…お前、水城先輩と繋がりあんの?」
「あるよー。実は私と環奈先輩は~、っとこれはマック行ってから話そうか。村井、暇でしょ?」

なんだそりゃ。
っていうか仮に繋がりがあるとして、あの先輩はなんで俺の情報をこいつに流すの??
いや本当に。

「ほらほら!いいじゃん村井くん。たまには私らと喋ろうよ!私村井くんの話聞きたいなー!」
「そうそう!動画の話聞かせてよ!あの動画の村井くん、かっこよかったなー」

相田の取り巻き達が俺の手を取りぐいぐい引っ張る。

いや、こええぇよ。
俺どこに連れてかれるんだよ。
相田はともかく、お前らは俺のこと前まで完全に無視してたじゃん。

「俺、ほんとにいいから!金欠だし!」
「いや、マジで私ら面白そうだから話聞きたいだけだって。ちょっとくらい奢ってやるよ。ほら行くよ」

そう言って相田も一緒にグイっと腕を引っ張ってくる。

くっそ。どうすりゃいいんだ!?
腕を振り解くのは簡単だが、無理に腕を振り解いたら絶対ひんしゅくを買う。だけど、行くのを強引に断っても角が立つ。しかし、付いていったらどうせカツアゲコースだ。

悩んでいると、そこに救世主が現れた。

「おい、美咲!何そんな陰キャと楽しそうにしてんだよ!」
柳田である。どうやら彼はずっと俺達のことを見ていたようだ。

声を荒げる柳田に目を細める相田。
「は?私が誰と仲良くしようと勝手じゃん。って言うか何?悟、もしかして嫉妬してんの?きっしょー」
「ちげーよ!ばっかじゃねーの!お前ら、とにかくそいつから離れろよ!」

そう言って強引に俺を掴んでいる取り巻きの手を振り解いてくれる柳田。
柳田…お前ってやつは。
ぶっちゃけ彼が何でわざわざ介入して手を振り解いてくれているのかわからないが、助かる。

「いった!は?ひどくない?」
「柳田っちに関係ないじゃん!きっしょー!」

「はん。隠キャがうつらないようにしてやってんだから感謝しろよ。ほら、美咲も離せよ!」
「い・や」
相田がベーっと舌を出して挑発すると柳田は強引に相田の手を振り解く。

「離れろよ!」

「ちょっ!」
柳田が手を強引に振り解いたせいで、柳田の手が俺の眼鏡に引っかかり、あらぬ方向に眼鏡が飛んでいってしまう。
くっそ、どこいった?

「うわー、悟マジできしょい。器ちっさ!ちょっとダサすぎない? ほら、村井。眼鏡」
ヘラヘラ笑っている相田が俺の眼鏡を拾ってくれたようだ。

「悪い…」
そう言って俺は相田の方に顔を向けると眼鏡を渡してもらうために手を出す。

「はい、メガネ…え?」
「…」
「…」
なぜか一向に眼鏡を渡してくれない相田。

「…いや、眼鏡渡してくれよ」
「あ、ああ。はい」

眼鏡をかけると呆けた表情で相田が俺の顔を見つめていた。
なんだこいつ。
取り巻き達もどうしたのって表情で相田のことを見ている。

お、今なら見逃してもらえそう。

「じゃあ、柳田にも悪いし俺はこれで」

そそくさと部屋を出ると追いかけて来るやつはいなかった。

柳田…今日だけは感謝だ!
ありがとう!

しかし、スクールカースト上位達でも対立することもあるんだなぁ。


しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている

夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。 ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。 無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。 クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜

野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」   「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」 この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。 半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。 別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。 そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。 学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー ⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。 ⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。 ※表紙絵、挿絵はAI作成です。 ※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。

処理中です...