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第0章
しおりを挟む暗い夜
ザーーー、と外の雨の音が屋敷の中に響く。
ゴロゴロと雷の音までもなり始めている。
屋敷の廊下を歩く1人の足音が響き渡っていた。
彼の手にはトレーに乗せられたマカロンと紅茶があった。
その足音の主はとある部屋に着くとノックをする。
すると中からどうぞ、と入室を許可する声が聞こえる。
「𓏸𓏸𓏸𓏸、おやつを持ってきたよ。」
足音の主は扉を開け、中にいる主に笑顔で言う。
「𓏸𓏸𓏸𓏸!」
中にいた主は笑顔で足音の主に駆け寄る。
「ほら、今日は𓏸𓏸𓏸𓏸の大好きなマカロンだ」
足音の主は部屋の主に微笑みかけ近くの机にトレーを置く。
「こんな夜なのに今日はどうしたの?〇〇〇には内緒?」
「そう内緒。今日は特別な日だからね」
部屋の主は嬉しそうに椅子に腰をかける。
「僕の誕生日だ!えへへありがとう!〇〇〇〇!」
「どういたまして。今日は君の誕生日なのに
外は大雨が降ってしまったね。」
「けど僕そんなの気にならないよ!〇〇〇○がずっと一緒にいてくれるし、マカロン持ってきてくれたから!」
足音の主は部屋の主の頭を優しく撫でた。
「これ〇〇〇が作ったの?」
「いや、今日は僕が作ってみたよ。〇〇〇○を喜ばせたくて」
「本当に?!!」
部屋の主は嬉しそうにマカロンに手を伸ばす。
部屋の主はそのマカロンを口の中に放り込む。
「ありがとう!〇〇〇○!」
笑顔で部屋の主は足音の主に言った。
足音の主はそれに笑顔で答えた。
その時。
「っぅ!!!!??!」
部屋の主は首を抑え苦しみ出す。
そしてそのまま机に置いてあったマカロンと紅茶を巻き込むようにして共に床に倒れる。
ーーーーーガシャン!!!!!!
「……が、はっ……〇〇、〇○…………な、にした、の?」
部屋の主はそれを吐き出し、首を抑えながら足音の主を見上げる。
「…………ごめんね。」
足音の主はそう告げた。
部屋の主は足音の主の足を掴み、睨みつける。
「っ………どうして!!どぅ……して!!?!」
息も絶え絶えに彼は言う。
「こうするしか、ないんだよ。」
そう放った足音の主は、笑っていた。
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