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ショットガン
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「神楽先輩!付き合ってください!!」
「誰お前。」
「え…」
自動販売機でお気に入りのりんごジュースを買っていた僕。近くから女の子の泣き声と聞き覚えのある低い声が聞こえたのでそっと近寄ってみると、案の定、神楽鳴だった。
「えっと、2年A組の…」
「どうせ言われても知らねえし。俺、そんな下らないお遊びに付き合ってるヒマないんだけど。じゃ。」
これは酷過ぎる…
~部活~
「…なぁ、神楽。」
「………」
「…なぁ!」
「……」
こいつ…わざと無視してやがるな…
「聞いてんのかって!!」
ギロリと鋭い瞳がこちらを向いた。
威圧感が同い年とは思えない。
「…チ…うるせぇな…何だよ…
部活に関係ない話なら聞かねえぞ…」
「あー…いや、
まぁ関係ないっちゃ関係ないんだけど…。」
「なら聞かねえ。」
「おい!!」
こいつ…ほんと性悪…
いくら神童でも、こんなんじゃダメダメだな…
ほんとにキャプテン…?
「…さっき、告白されてただろ。
ちょっと、アレは可哀想すぎたんじゃねえの。」
「……お前には関係ない。」
「でも…!」
神楽が壁から一歩前に出て、よく体育館から聞こえるバッシュの音を気持ち良いほどに綺麗に響かせた。
「次、パスランな。
30秒以内に出来なかったやつは外5周。」
「押忍!」
「ちょ…神楽!」
「おい、白己。早く三人一組を作れ。
余るのであれば俺が相手してやる。」
「そういうことじゃ…」
「早くしろ。時間の無駄だ。」
「…っ、分かったよ!!」
相変わらずの威圧感に負けてしまった。
やはり、この場で一番テクニックが勝っていて、圧倒的な才能とセンス、そして逆らわせない実力を証明しているのは神楽鳴なんだろうな。
「始め!!」
?!
僕は声に出さない驚きを見せた。
神楽…パス強すぎ…!!
力加減分かってねえし、何よりコントロールが小学生レベル…
「ちょ、ちょっと待った!」
高速で曲がるボールを両手で何とか受け止めた。
「何だ、早くしろ。」
「…神楽…さてはパスが苦手だな…?」
「あ?何言ってる。俺は全てにおいて負けることの無い才能を持っている。」
「…じゃあ藍原コーチにパス出してみ。」
指の方向には元日本代表の藍原 志津コーチがいる。今は22歳。1年前、結婚を機に現役引退をした。周りからは勿体ないと何度も言われたらしい。
藍原コーチは、ちょうど僕たちが1年生の頃にやってきた。2メーターと大きな体を持っていながらも、素早い動きで世界を圧倒する大型パワーフォワード。なぜ元日本代表がこんな底辺校にいるのか分からないけど…そこは二次元スポーツのお決まりということで!
「お、相手してやるぞ~。」
壁に体を預けていた藍原コーチは、大きな体をグッと起き上がらせノリノリな様子で近寄ってきた。
「…いいだろう。
志津く…藍原コーチ、お願いします。」
「がはは、いつもの呼び方でもいいんだぞ?」
「いつもの呼び方」とは何ぞや?と思うだろう。
実は、この2人は従兄弟なのだ。
そして従兄弟という親しい関係にプラスし、藍原コーチとは日本代表のU15VSU20で戦ったことがあった。
「…いえ、今はコーチと選手の関係ですので。」
「…相変わらず堅苦しいなァ。
さ、ほら。どんなパスでも来なさいな。」
細長い両腕をゆらりと広げ、人差し指でクイッと合図をした。
その瞬間、神楽の変幻自在なカーブパスが向かった。
やっぱりパスおかしいって…!!
「うおっ」
今、ヒバナ散らなかった…?というぐらい勢いのあるパスを勢いよく止める藍原コーチ、流石です…
「藍原コーチ!やっぱりおかしいですよ!
下手ですこいつ!」
「うーん。それはどうかな。」
「え?」
今のを見て分からなかったのか…?!
あんなボール、パスとは言えない…まるで弾の大きいショットガンのような…
「パスする前に鳴が立ってた位置、少し俺のところよりズレてたんだよね。咄嗟にそれに気付いてコースを変えた…が、決して落ちないスピード…いいね。いいよいいよ…最高だよぉ!!」
?!
やっぱり…みんな変人だ!!!
「誰お前。」
「え…」
自動販売機でお気に入りのりんごジュースを買っていた僕。近くから女の子の泣き声と聞き覚えのある低い声が聞こえたのでそっと近寄ってみると、案の定、神楽鳴だった。
「えっと、2年A組の…」
「どうせ言われても知らねえし。俺、そんな下らないお遊びに付き合ってるヒマないんだけど。じゃ。」
これは酷過ぎる…
~部活~
「…なぁ、神楽。」
「………」
「…なぁ!」
「……」
こいつ…わざと無視してやがるな…
「聞いてんのかって!!」
ギロリと鋭い瞳がこちらを向いた。
威圧感が同い年とは思えない。
「…チ…うるせぇな…何だよ…
部活に関係ない話なら聞かねえぞ…」
「あー…いや、
まぁ関係ないっちゃ関係ないんだけど…。」
「なら聞かねえ。」
「おい!!」
こいつ…ほんと性悪…
いくら神童でも、こんなんじゃダメダメだな…
ほんとにキャプテン…?
「…さっき、告白されてただろ。
ちょっと、アレは可哀想すぎたんじゃねえの。」
「……お前には関係ない。」
「でも…!」
神楽が壁から一歩前に出て、よく体育館から聞こえるバッシュの音を気持ち良いほどに綺麗に響かせた。
「次、パスランな。
30秒以内に出来なかったやつは外5周。」
「押忍!」
「ちょ…神楽!」
「おい、白己。早く三人一組を作れ。
余るのであれば俺が相手してやる。」
「そういうことじゃ…」
「早くしろ。時間の無駄だ。」
「…っ、分かったよ!!」
相変わらずの威圧感に負けてしまった。
やはり、この場で一番テクニックが勝っていて、圧倒的な才能とセンス、そして逆らわせない実力を証明しているのは神楽鳴なんだろうな。
「始め!!」
?!
僕は声に出さない驚きを見せた。
神楽…パス強すぎ…!!
力加減分かってねえし、何よりコントロールが小学生レベル…
「ちょ、ちょっと待った!」
高速で曲がるボールを両手で何とか受け止めた。
「何だ、早くしろ。」
「…神楽…さてはパスが苦手だな…?」
「あ?何言ってる。俺は全てにおいて負けることの無い才能を持っている。」
「…じゃあ藍原コーチにパス出してみ。」
指の方向には元日本代表の藍原 志津コーチがいる。今は22歳。1年前、結婚を機に現役引退をした。周りからは勿体ないと何度も言われたらしい。
藍原コーチは、ちょうど僕たちが1年生の頃にやってきた。2メーターと大きな体を持っていながらも、素早い動きで世界を圧倒する大型パワーフォワード。なぜ元日本代表がこんな底辺校にいるのか分からないけど…そこは二次元スポーツのお決まりということで!
「お、相手してやるぞ~。」
壁に体を預けていた藍原コーチは、大きな体をグッと起き上がらせノリノリな様子で近寄ってきた。
「…いいだろう。
志津く…藍原コーチ、お願いします。」
「がはは、いつもの呼び方でもいいんだぞ?」
「いつもの呼び方」とは何ぞや?と思うだろう。
実は、この2人は従兄弟なのだ。
そして従兄弟という親しい関係にプラスし、藍原コーチとは日本代表のU15VSU20で戦ったことがあった。
「…いえ、今はコーチと選手の関係ですので。」
「…相変わらず堅苦しいなァ。
さ、ほら。どんなパスでも来なさいな。」
細長い両腕をゆらりと広げ、人差し指でクイッと合図をした。
その瞬間、神楽の変幻自在なカーブパスが向かった。
やっぱりパスおかしいって…!!
「うおっ」
今、ヒバナ散らなかった…?というぐらい勢いのあるパスを勢いよく止める藍原コーチ、流石です…
「藍原コーチ!やっぱりおかしいですよ!
下手ですこいつ!」
「うーん。それはどうかな。」
「え?」
今のを見て分からなかったのか…?!
あんなボール、パスとは言えない…まるで弾の大きいショットガンのような…
「パスする前に鳴が立ってた位置、少し俺のところよりズレてたんだよね。咄嗟にそれに気付いてコースを変えた…が、決して落ちないスピード…いいね。いいよいいよ…最高だよぉ!!」
?!
やっぱり…みんな変人だ!!!
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