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2章
非行少女の逃避行
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「まずいことになったわ。まさかこんなに早く見つかってしまうだなんて」
焦った様子で街中を歩きながらテッサが言った。
そのあとに続きながら俺は訊ねる。
「いったい何が起きているんだ? あの人はいったい誰なんだよ?」
「あれは悪魔よ」
「そういう種族がいるのか?」
「そんなわけないじゃない。あなた比喩も分からないの?」
「念のために聞いただけだよ。つまり、あの人は悪魔のような人間というわけだな?」
「そういうことよ」
「正直そんな風には見えなかったけど。むしろ痴漢呼ばわりしたお前のほうが悪魔に見えたんだけど」
「人を見かけで判断しちゃダメ! あれは本当にヤバイんだから!」
「何がどうヤバイのか具体的に言えよ」
「あれは私の親よ」
「はい?」
その言葉を理解するのに俺は多少の時間を要した。
ワタシノオヤ……。わたしのおや……。私の親!?
「あのイケメンがテッサの親なのか? 種族的にも年齢的にも理解が追いつかないんだけど!?」
「種族が違うのは私が養子だからよ。それと、あの人の年齢ならああ見えて64歳よ」
「驚きの事実を畳み掛けるな。どこから突っ込めばいいのか分からないじゃないか」
「じゃあもっと言っておくけど、あの人は親というだけじゃなく私のオドの師匠でもあるわ。つまりあの人もオドの使い手というわけ」
「そのへんはなんとなく察しがつくから、むしろ衝撃が少ない」
「ちなみに若く見えるのはオドによって細胞がなんちゃらかんちゃらでどうとかって言っていたわね。オドの使い手には時々起きる現象らしいわ」
「そういうことだったのか……! って、実はテッサも40歳超えてますとか言わないよな?」
「失礼ね。私はれっきとした16歳。正真正銘のJKよ!」
「あっ、そうなんだ」
JKってあなた女子高生なの……?
いや、それはともかく。
「で、親の登場がどうしてそんなにヤバイんだ?」
「ここで問題です」
「また突然だな」
「私ことテッサは、実は親に会いたくないと思っています。その理由は次の三つのうちどれでしょう?
①親に無許可で、一ヶ月間学校を休んでいるから。
②親に内緒で、スペースランナーをしているから。
③親に無断で、10億エンスの借金をしているから。
さあ、答えは!?」
「そんなこと言って、どうせ全部正解なんでしょ?」
「……なんでギャグを潰しちゃうのよ」
「やっぱりそうなんかーい!」
「あんた、そんなことやっていると『ギャグ潰しのタツル』って呼ぶわよ」
「変な二つ名を付けるな。って言うかなんてことをしているんだよ。親に黙って一ヶ月も学校をサボり、スペースランナーになって、10億エンスの借金をしているのか? とんだ非行少女じゃねえか」
「飛んだ飛行少女?」
「確かにぶっ飛んではいるな。親を痴漢呼ばわりするくらいだしな」
「それは仕方がないじゃない。あの人はアーカル騎士団の団長になったほどのオドの使い手なのよ。こうでもしなくちゃ逃げられなかったわ!」
「そもそも逃げるなって話では?」
「タツルは他人事だからそんなことが言えるのよ。私がなんでこんなことをしているのか、何も知らないくせに」
テッサは怒りと悲しみが混ざったような表情で言った。
それは確かにそうだった。俺はテッサと出会ってまだ一週間だ。当然彼女のことはよく分かっていない。それなのに俺はテッサが悪いことをしていて、親がそれを正そうとしているという物語を思い描いてしまっていた。実際にそうだとしても、それだけのことをする理由がテッサにはあるのかもしれないのに……。
「そうだな」俺は反省の気持ちを込めて言った。「でも、だったらちゃんと教えてくれないか? こんなことをしている理由を」
「ええ……。でも今はゆっくり話している暇はない。とにかくあの人から逃げなくちゃ。まったく、こんな時にカラマリ号がないなんて……。仕方がない、宇宙港から出ている定期便を使いましょう。行き先はどこでもいいからとにかく乗り込んで、一刻も早くこの星から脱出するのよ!」
「え? 他の星に行くの? 今から?」
「言ったでしょう。あの人は強力なオドの使い手なの。現にガラドヨルムからこの星まで私を追って来たのよ? 逃げるならこれくらいのことはしなくっちゃ!」
「マジか」
「そうと決まったらさっさと行くわよ!」
ますます早足になるテッサに、とにかく俺は付いて行くことにした。
しかしその直後、テッサが「げっ!」という声とともに突然歩みを止めた。
俺たちが進む道の先にテッサの親が先回りをして立っていた。
店員に連行された彼だったがどうにかして逃れて来たらしい。
彼は痴漢に間違われたせいか、心なしか少し疲れているように見えた。
「ま、待ってよ、テッサ。話を聞いて」
下手に刺激しないようにしているのか、テッサの親は離れたところから優しく語りかけた。
しかしそれを完全に無視して、テッサは俺に呼びかける。
「全力で逃げるわよ! タツル、付いて来て!」
「お、おう!」
テッサは俺の返事を聞くや否や軽快な身のこなしで建物の屋根に飛び移り、そのまま屋根伝いに飛んだり跳ねたりしながら忍者のごとく疾走し始めた。
なるほど。最短ルートで宇宙港を目指すってわけだな。
ようし、俺も……。
「って、付いて行けるわけねえだろ!」
俺はノリツッコミをしたが、その頃にはもう突っ込む相手は視界から消えていた。何という素早さ。何という身のこなし。その能力は敬服に値する。でも仲間を置いて逃げるのは、どうかと思うぞ。
その時ふと、俺はテッサの親がまだそこにいることに気がついた。
彼と目が合う。
微妙な空気が流れる。
「え、えっと……」
何か話さなくちゃいけない気がして俺は声をかけた。
すると、それを遮るようにしてテッサの親が言った。
「一つ、先に言っておきたいことがある……。僕は変態じゃない! 本当だ! 信じてくれ!」
「あっ、はい……」
反応に困る主張だった。
そんな俺の気持ちに気がついたのか、彼は丁寧に言い直す。
「こ、これは失礼。少し取り乱してしまいました……。僕の名前はロージ・アルベルティ。あの子……、テッサ・アルベルティの親です。えっ? 種族が違うのに親だなんて言われても信じられない? ご、ごめんなさい。実はテッサは養子なんです。だから種族も違うんだ。でもれっきとした家族だよ。正式な手続きもしたから戸籍上もちゃんとそうなっています。え? だったら戸籍謄本を見せろ? は、はい。分かりました。今すぐ役所に行って貰って来るので、少し待っていてください!」
「待つのはそっちだ! そんなこと一言も言ってないから! 持って来られても困るから!」
俺はロージと名乗るその男性を引き止めた。
さすがはあのテッサの親と言ったところか。いきなり飛ばして来るじゃねえか。
「そ、それじゃあ、どうやって僕がテッサの親だと証明しろと……」
「証明の必要はありません。テッサからもロージさんが親だと聞いていますから」
「そうだったんですね。それはよかった。また変態だと叫ばれたらどうしようかと思いました」
しっかりトラウマになってるじゃねえか……。
それにしてもこの人、本当に64歳? 容姿が若いせいもあるかもしれないが、大人の威厳というものをまったく感じられない。それどころか俺を見ておどおどしているし……。
しかしその見た目に反して勇気はあるのかもしれない。
ロージさんは意外にもぐいぐい話しかけてきた。
「と、ところで失礼なんだけど、君はいったい……?」
ロージさんに言われて俺は名乗ってすらいないことに気がついた。
向こうからしたら俺のほうこそどこの馬の骨とも分からない男。ちゃんと自己紹介をしておかないとな。
と思って口を開きかけた瞬間、ロージさんが言った。
「ハッ……! もしや君は、テッサの彼氏!?」
「は?」
「そうだよね。いきなり現れた親に『じつは娘さんの恋人なんです』だなんて言い出しづらいよね。気が利かなくてごめん。でも大丈夫。僕はあの子の恋愛には寛容です。娘が幸せならOKと思うタイプ。だからどうぞ、本当のことを言ってください!」
「いや、違うから。テッサとはそういう仲じゃないから」
「え、違う? ああ、そういうことか。そもそも人に知られるのが恥ずかしいんだね。僕も君くらいの年齢の時、学校の友達に知られるのがなんとなく恥ずかしくて、隠れて付き合っていたことがあった。それを今思い出したよ。まったく、歳は取りたくないものだね。自分も通った道だというのにお年頃の気持ちを忘れてしまうなんて。だけど、そうと分かったら僕は詮索しないよ。君がしたいように自己紹介してください。僕もそういうことにしておくからね」
「いい加減にしろ!」一方的に言われ続けて俺はキレた。「そこまで言うのならはっきりと否定してやる。俺とテッサは付き合ってなんかいないから! そもそも俺は、あんなヤベえやつのことなんか好きにならないから!」
するとロージさんはぽかんとしたかと思うと、少し間を置いて「はっはっは」と笑った。
そして、脅迫の滲む笑顔で言った。
「君さ、今僕の娘をヤベえやつって言った……?」
あっ……。
もしかして、ノリで地雷を踏んじまった……?
俺は焦る気持ちを隠して「ッスゥー……」と深呼吸してから軌道修正を図った。
「……ご存知ですか? 若者言葉の『ヤバイ』は、良い意味でも使われるんです。おいしいものに対して『おいしすぎてヤバイ』。面白いものに対して『面白すぎてヤバイ』。そんな風にも使うんですね。つまり何が言いたいのかと言うと、僕がテッサさんのことを『ヤベえやつ』と言ったのは、彼女が女性としてあまりにも魅力的だという意味で言ったんです。魅力がありすぎてヤバイ。まさに高嶺の花。僕なんかじゃまったく釣り合わない。だから逆にね、僕は彼女と恋愛なんてできないと思ったんです。僕が言いたかったのは、そういうことですよ」
さて、軌道修正の結果は?
俺は重苦しい沈黙の中、ロージさんの反応を待った。
「なーんだ、そういうことだったんだね。てっきり娘がけなされたのかと思ったよ」脅迫めいた笑顔を本物の笑顔にしてから、ロージさんが言った。「テッサはとても可愛いし、素直で優しい子だからね。しかもオドの才能に満ち溢れているときている。このまま育てば僕を凌駕するオド使いになること間違いなしだ。そう考えたら、確かにあの子はヤバイ子だね!」
よ、よし。切り抜けた。
俺は心の中でガッツポーズをした。
テッサの評価に相違があるようだが、ここはもちろんスルーする。
それよりもこの話題が続くことのほうが危険だ。
ここは思い切って舵を切ろう。
「そ、それで、ロージさんは何のためにここに来たんですか?」
「ああ、そうだった! 僕はテッサを探しに来たんだった!」
「そのテッサならとっくに逃げちゃってますよ? こんなところで油を売っていていいんですか?」
「うん。それなら問題ないよ」ロージさんは落ち着いた様子で言った。「君もテッサの逃げっぷりを見たでしょう? 悲しいことに、どうやらあの子は僕と顔も合わせたくないらしい。これじゃあゆっくり話をするのもままならないよ。そこで僕は、テッサと親しそうな君にまずは接触してみようと思ったのさ。それにね、無理に追いかけなくてもテッサの居場所ならもうじき分かるよ。詳細な地図付きでね」
「はあ……」
その時、俺のスマートノートが鳴った。ポケットから取り出して画面を見てみると、どうやら電話がかかって来たみたいだった。
「出るといいよ。ただし、僕と一緒にいることは内緒にしてくれるとありがたいな」
ロージさんに促されて俺は電話に出た。
電話の向こうからは知っている声がした。
「もしもし、タツル?」
「その声はテッサか?」
「当たり前じゃない。他に誰がその番号を知っているのよ」
「さっきナンパした時に電話番号を教えたからな。その子かもしれない」
「気持ち悪……。こんな時に何をやっているの……?」
「ごめん。冗談なんで、本気で引くのはやめてもらっていいですか?」
「で、タツルは今どこにいるのよ? 途中ではぐれちゃったみたいだけど、無事なんでしょうね?」
途中どころか最初から付いて行けてないんだよなあ。
そう思いつつロージさんをちらりと見ると、彼は人差し指を立てて「シーッ」というジェスチャーをしていた。
その期待に応えて俺はテッサに言う。
「ああ。とりあえず逃げることには成功したみたいだ。ただ、ちょっと迷っちまってな」
「もう、何をしているのよ」テッサはため息をついた。「仕方がないわね。私は見つからないように隠れているから、今から送る場所まで来て。いいわね?」
「ああ、うん」
「途中でナンパなんかしたらぶっ殺すわよ」
そこで電話が切れたかと思うと、すぐにメールが送られてきた。
差出人はテッサで、本文に書かれた文字列は恐らく住所だろう。リンクになっているのでタップしてみると、アプリが起動して目印付きの地図が表示された。言わずもがな、その目印の場所にテッサがいるということだろう。
「ほら、分かったでしょう?」何食わぬ顔でロージさんが言った。
「これもオドの能力ってやつですか」驚くのと同時に弄ばれているような感じがして、俺は小さく顔をしかめた。
「でも、万能というわけじゃないよ。現に最近のテッサは分からないことだらけだ。おかげでこうして探しまわる事態にもなっている」そう言うとロージさんは少し遠い目をした。「それにしてもテッサはどうして僕から逃げるんだろう? とりあえず元気そうだったから、安心はしたけれど」
「その言い方だと、テッサに会うのは久しぶりなんですか?」
「あの子は失踪して行方不明になっていたんだよ。この一ヶ月間、誰にも何も言わずにね」
「えっ、失踪……?」
その言葉に俺は驚いた。
しかしよく考えたら予想くらいはできたかもしれない。
テッサは学校を休み、スペースランナーになり、10億エンスの借金をしている。しかも宇宙船カラマリ号に乗って一人旅をしている様子だ。これらの事を親に知らせずにやっていたのだとすれば——。
「もしかしてテッサは、家出をしているんですか?」
「厳密に言えば違うけど、だいたいあっているよ」ロージさんは肯定的に言った。「だけどその理由が僕には分からない。何か事情があるのなら話して欲しいんだけれど、テッサはあの調子だしね……。そこで君に頼みがある。テッサに僕の話を聞いてもらえるよう、協力してくれないかい?」
おっと、これはもしかして板挟みというやつでは?
ロージさんから逃げたいテッサと、テッサから話を聞きたいロージさん。
俺はどちらかの味方につかなければならない!
そこで俺は少し考えてみる。
テッサはさっき言っていた。「タツルは他人事だからそんなことが言えるのよ。私がなんでこんなことをしているのか、何も知らないくせに」と。
テッサが失踪した理由は俺にも分からない。
どうやら彼女はスペースランナーの仕事でひと儲けしたいらしい。そのために親に無許可で学校を休み、親に内緒でスペースランナーになり、親に無断で10億エンスの借金をした。そして高額報酬が貰える魔王討伐をしようとした。そこまではいい。恐らく正解だ。じゃあそれが失踪の理由になるかと言うと、俺は違うと思う。
お金は手段でしかないからだ。
中には貯金が増えることそれ自体が目的という人もいるかもしれない。だが一般的に考えて、金儲けは何かを実現するためにするものだろう。生活のためだとか、マンガを買うためだとか、旅行をするためだとか、その目的は人それぞれだろうが、目的達成にお金が必要だからこそ人はお金を稼ぐのだ。それはテッサも同じで、お金という手段で実現したい本当の目的が彼女にはあるはず。それこそが今回の失踪の根本的な理由なんじゃないか?
テッサはその目的をどうしても達成したくて、そのために今はどうしてもロージさんから逃げなくちゃいけないのかもしれない。それほどの緊急事態に今のテッサはあるのかもしれない。その場合、俺がロージさんの味方をしたらテッサはどうなってしまうのか。もしかしたら、取り返しのつかないことになるかもしれない。
と、念のための可能性を考慮したうえでだ……。
ここはロージさんの味方をすべきだろ! 常識的に考えて!
そもそもテッサの言うことなんて信用できねえんだよ。起業プランナーとやらに騙されて聖剣エリュシオン(偽物)を買ったくらいだし、またなんかやらかしているんじゃねえの? もちろん断言はできない。過去にやらかしたからって、今もやらかしていることの証明にはならない。それでもテッサをこのまま走らせることのリスクのほうが計り知れない! それこそ取り返しがつかなくなる前に、ロージさんに止めてもらったほうがいい!
と言うわけで、脳内会議終了。
ぶっちゃけて言えば、最初から結論はほぼ決まっていた。
「分かりました」と俺はロージさんに言った。「俺もテッサが失踪した理由が知りたいですし、ロージさんに協力します」
「本当かい? いやあ、助かるよ」ロージさんは俺の手を握って涙ながらに言った。「じゃあさっそくテッサのところに向かおう。道案内をお願いしてもいいかい?」
「はい。でも、ひとつ俺からもお願いしていいですか?」
「うん?」
「じつは俺、一週間前にテッサと出会ったばかりで、今の彼女がどういう状況なのかよく分かっていないんです。だから、できれば失踪前に何をしていたのかとか教えてほしいんですけど……」
「あああああああ! ぼ、僕としたことが、ろくに説明もしないでなんてぶしつけなお願いをしてしまったんだ! ごめんなさい、ごめんなさい! 今すぐこうなった経緯を教えますから! やっぱりやめるだなんて言わないでください!」
「あっ、はい。大丈夫なんで。とりあえず歩きながら話しましょうか」
蚊帳の外は嫌だから興味本位で聞いてみただけなんだけど、やたらと恐縮されてしまった。
俺たちはテッサの指定した場所に向かいながら会話を続けた。
焦った様子で街中を歩きながらテッサが言った。
そのあとに続きながら俺は訊ねる。
「いったい何が起きているんだ? あの人はいったい誰なんだよ?」
「あれは悪魔よ」
「そういう種族がいるのか?」
「そんなわけないじゃない。あなた比喩も分からないの?」
「念のために聞いただけだよ。つまり、あの人は悪魔のような人間というわけだな?」
「そういうことよ」
「正直そんな風には見えなかったけど。むしろ痴漢呼ばわりしたお前のほうが悪魔に見えたんだけど」
「人を見かけで判断しちゃダメ! あれは本当にヤバイんだから!」
「何がどうヤバイのか具体的に言えよ」
「あれは私の親よ」
「はい?」
その言葉を理解するのに俺は多少の時間を要した。
ワタシノオヤ……。わたしのおや……。私の親!?
「あのイケメンがテッサの親なのか? 種族的にも年齢的にも理解が追いつかないんだけど!?」
「種族が違うのは私が養子だからよ。それと、あの人の年齢ならああ見えて64歳よ」
「驚きの事実を畳み掛けるな。どこから突っ込めばいいのか分からないじゃないか」
「じゃあもっと言っておくけど、あの人は親というだけじゃなく私のオドの師匠でもあるわ。つまりあの人もオドの使い手というわけ」
「そのへんはなんとなく察しがつくから、むしろ衝撃が少ない」
「ちなみに若く見えるのはオドによって細胞がなんちゃらかんちゃらでどうとかって言っていたわね。オドの使い手には時々起きる現象らしいわ」
「そういうことだったのか……! って、実はテッサも40歳超えてますとか言わないよな?」
「失礼ね。私はれっきとした16歳。正真正銘のJKよ!」
「あっ、そうなんだ」
JKってあなた女子高生なの……?
いや、それはともかく。
「で、親の登場がどうしてそんなにヤバイんだ?」
「ここで問題です」
「また突然だな」
「私ことテッサは、実は親に会いたくないと思っています。その理由は次の三つのうちどれでしょう?
①親に無許可で、一ヶ月間学校を休んでいるから。
②親に内緒で、スペースランナーをしているから。
③親に無断で、10億エンスの借金をしているから。
さあ、答えは!?」
「そんなこと言って、どうせ全部正解なんでしょ?」
「……なんでギャグを潰しちゃうのよ」
「やっぱりそうなんかーい!」
「あんた、そんなことやっていると『ギャグ潰しのタツル』って呼ぶわよ」
「変な二つ名を付けるな。って言うかなんてことをしているんだよ。親に黙って一ヶ月も学校をサボり、スペースランナーになって、10億エンスの借金をしているのか? とんだ非行少女じゃねえか」
「飛んだ飛行少女?」
「確かにぶっ飛んではいるな。親を痴漢呼ばわりするくらいだしな」
「それは仕方がないじゃない。あの人はアーカル騎士団の団長になったほどのオドの使い手なのよ。こうでもしなくちゃ逃げられなかったわ!」
「そもそも逃げるなって話では?」
「タツルは他人事だからそんなことが言えるのよ。私がなんでこんなことをしているのか、何も知らないくせに」
テッサは怒りと悲しみが混ざったような表情で言った。
それは確かにそうだった。俺はテッサと出会ってまだ一週間だ。当然彼女のことはよく分かっていない。それなのに俺はテッサが悪いことをしていて、親がそれを正そうとしているという物語を思い描いてしまっていた。実際にそうだとしても、それだけのことをする理由がテッサにはあるのかもしれないのに……。
「そうだな」俺は反省の気持ちを込めて言った。「でも、だったらちゃんと教えてくれないか? こんなことをしている理由を」
「ええ……。でも今はゆっくり話している暇はない。とにかくあの人から逃げなくちゃ。まったく、こんな時にカラマリ号がないなんて……。仕方がない、宇宙港から出ている定期便を使いましょう。行き先はどこでもいいからとにかく乗り込んで、一刻も早くこの星から脱出するのよ!」
「え? 他の星に行くの? 今から?」
「言ったでしょう。あの人は強力なオドの使い手なの。現にガラドヨルムからこの星まで私を追って来たのよ? 逃げるならこれくらいのことはしなくっちゃ!」
「マジか」
「そうと決まったらさっさと行くわよ!」
ますます早足になるテッサに、とにかく俺は付いて行くことにした。
しかしその直後、テッサが「げっ!」という声とともに突然歩みを止めた。
俺たちが進む道の先にテッサの親が先回りをして立っていた。
店員に連行された彼だったがどうにかして逃れて来たらしい。
彼は痴漢に間違われたせいか、心なしか少し疲れているように見えた。
「ま、待ってよ、テッサ。話を聞いて」
下手に刺激しないようにしているのか、テッサの親は離れたところから優しく語りかけた。
しかしそれを完全に無視して、テッサは俺に呼びかける。
「全力で逃げるわよ! タツル、付いて来て!」
「お、おう!」
テッサは俺の返事を聞くや否や軽快な身のこなしで建物の屋根に飛び移り、そのまま屋根伝いに飛んだり跳ねたりしながら忍者のごとく疾走し始めた。
なるほど。最短ルートで宇宙港を目指すってわけだな。
ようし、俺も……。
「って、付いて行けるわけねえだろ!」
俺はノリツッコミをしたが、その頃にはもう突っ込む相手は視界から消えていた。何という素早さ。何という身のこなし。その能力は敬服に値する。でも仲間を置いて逃げるのは、どうかと思うぞ。
その時ふと、俺はテッサの親がまだそこにいることに気がついた。
彼と目が合う。
微妙な空気が流れる。
「え、えっと……」
何か話さなくちゃいけない気がして俺は声をかけた。
すると、それを遮るようにしてテッサの親が言った。
「一つ、先に言っておきたいことがある……。僕は変態じゃない! 本当だ! 信じてくれ!」
「あっ、はい……」
反応に困る主張だった。
そんな俺の気持ちに気がついたのか、彼は丁寧に言い直す。
「こ、これは失礼。少し取り乱してしまいました……。僕の名前はロージ・アルベルティ。あの子……、テッサ・アルベルティの親です。えっ? 種族が違うのに親だなんて言われても信じられない? ご、ごめんなさい。実はテッサは養子なんです。だから種族も違うんだ。でもれっきとした家族だよ。正式な手続きもしたから戸籍上もちゃんとそうなっています。え? だったら戸籍謄本を見せろ? は、はい。分かりました。今すぐ役所に行って貰って来るので、少し待っていてください!」
「待つのはそっちだ! そんなこと一言も言ってないから! 持って来られても困るから!」
俺はロージと名乗るその男性を引き止めた。
さすがはあのテッサの親と言ったところか。いきなり飛ばして来るじゃねえか。
「そ、それじゃあ、どうやって僕がテッサの親だと証明しろと……」
「証明の必要はありません。テッサからもロージさんが親だと聞いていますから」
「そうだったんですね。それはよかった。また変態だと叫ばれたらどうしようかと思いました」
しっかりトラウマになってるじゃねえか……。
それにしてもこの人、本当に64歳? 容姿が若いせいもあるかもしれないが、大人の威厳というものをまったく感じられない。それどころか俺を見ておどおどしているし……。
しかしその見た目に反して勇気はあるのかもしれない。
ロージさんは意外にもぐいぐい話しかけてきた。
「と、ところで失礼なんだけど、君はいったい……?」
ロージさんに言われて俺は名乗ってすらいないことに気がついた。
向こうからしたら俺のほうこそどこの馬の骨とも分からない男。ちゃんと自己紹介をしておかないとな。
と思って口を開きかけた瞬間、ロージさんが言った。
「ハッ……! もしや君は、テッサの彼氏!?」
「は?」
「そうだよね。いきなり現れた親に『じつは娘さんの恋人なんです』だなんて言い出しづらいよね。気が利かなくてごめん。でも大丈夫。僕はあの子の恋愛には寛容です。娘が幸せならOKと思うタイプ。だからどうぞ、本当のことを言ってください!」
「いや、違うから。テッサとはそういう仲じゃないから」
「え、違う? ああ、そういうことか。そもそも人に知られるのが恥ずかしいんだね。僕も君くらいの年齢の時、学校の友達に知られるのがなんとなく恥ずかしくて、隠れて付き合っていたことがあった。それを今思い出したよ。まったく、歳は取りたくないものだね。自分も通った道だというのにお年頃の気持ちを忘れてしまうなんて。だけど、そうと分かったら僕は詮索しないよ。君がしたいように自己紹介してください。僕もそういうことにしておくからね」
「いい加減にしろ!」一方的に言われ続けて俺はキレた。「そこまで言うのならはっきりと否定してやる。俺とテッサは付き合ってなんかいないから! そもそも俺は、あんなヤベえやつのことなんか好きにならないから!」
するとロージさんはぽかんとしたかと思うと、少し間を置いて「はっはっは」と笑った。
そして、脅迫の滲む笑顔で言った。
「君さ、今僕の娘をヤベえやつって言った……?」
あっ……。
もしかして、ノリで地雷を踏んじまった……?
俺は焦る気持ちを隠して「ッスゥー……」と深呼吸してから軌道修正を図った。
「……ご存知ですか? 若者言葉の『ヤバイ』は、良い意味でも使われるんです。おいしいものに対して『おいしすぎてヤバイ』。面白いものに対して『面白すぎてヤバイ』。そんな風にも使うんですね。つまり何が言いたいのかと言うと、僕がテッサさんのことを『ヤベえやつ』と言ったのは、彼女が女性としてあまりにも魅力的だという意味で言ったんです。魅力がありすぎてヤバイ。まさに高嶺の花。僕なんかじゃまったく釣り合わない。だから逆にね、僕は彼女と恋愛なんてできないと思ったんです。僕が言いたかったのは、そういうことですよ」
さて、軌道修正の結果は?
俺は重苦しい沈黙の中、ロージさんの反応を待った。
「なーんだ、そういうことだったんだね。てっきり娘がけなされたのかと思ったよ」脅迫めいた笑顔を本物の笑顔にしてから、ロージさんが言った。「テッサはとても可愛いし、素直で優しい子だからね。しかもオドの才能に満ち溢れているときている。このまま育てば僕を凌駕するオド使いになること間違いなしだ。そう考えたら、確かにあの子はヤバイ子だね!」
よ、よし。切り抜けた。
俺は心の中でガッツポーズをした。
テッサの評価に相違があるようだが、ここはもちろんスルーする。
それよりもこの話題が続くことのほうが危険だ。
ここは思い切って舵を切ろう。
「そ、それで、ロージさんは何のためにここに来たんですか?」
「ああ、そうだった! 僕はテッサを探しに来たんだった!」
「そのテッサならとっくに逃げちゃってますよ? こんなところで油を売っていていいんですか?」
「うん。それなら問題ないよ」ロージさんは落ち着いた様子で言った。「君もテッサの逃げっぷりを見たでしょう? 悲しいことに、どうやらあの子は僕と顔も合わせたくないらしい。これじゃあゆっくり話をするのもままならないよ。そこで僕は、テッサと親しそうな君にまずは接触してみようと思ったのさ。それにね、無理に追いかけなくてもテッサの居場所ならもうじき分かるよ。詳細な地図付きでね」
「はあ……」
その時、俺のスマートノートが鳴った。ポケットから取り出して画面を見てみると、どうやら電話がかかって来たみたいだった。
「出るといいよ。ただし、僕と一緒にいることは内緒にしてくれるとありがたいな」
ロージさんに促されて俺は電話に出た。
電話の向こうからは知っている声がした。
「もしもし、タツル?」
「その声はテッサか?」
「当たり前じゃない。他に誰がその番号を知っているのよ」
「さっきナンパした時に電話番号を教えたからな。その子かもしれない」
「気持ち悪……。こんな時に何をやっているの……?」
「ごめん。冗談なんで、本気で引くのはやめてもらっていいですか?」
「で、タツルは今どこにいるのよ? 途中ではぐれちゃったみたいだけど、無事なんでしょうね?」
途中どころか最初から付いて行けてないんだよなあ。
そう思いつつロージさんをちらりと見ると、彼は人差し指を立てて「シーッ」というジェスチャーをしていた。
その期待に応えて俺はテッサに言う。
「ああ。とりあえず逃げることには成功したみたいだ。ただ、ちょっと迷っちまってな」
「もう、何をしているのよ」テッサはため息をついた。「仕方がないわね。私は見つからないように隠れているから、今から送る場所まで来て。いいわね?」
「ああ、うん」
「途中でナンパなんかしたらぶっ殺すわよ」
そこで電話が切れたかと思うと、すぐにメールが送られてきた。
差出人はテッサで、本文に書かれた文字列は恐らく住所だろう。リンクになっているのでタップしてみると、アプリが起動して目印付きの地図が表示された。言わずもがな、その目印の場所にテッサがいるということだろう。
「ほら、分かったでしょう?」何食わぬ顔でロージさんが言った。
「これもオドの能力ってやつですか」驚くのと同時に弄ばれているような感じがして、俺は小さく顔をしかめた。
「でも、万能というわけじゃないよ。現に最近のテッサは分からないことだらけだ。おかげでこうして探しまわる事態にもなっている」そう言うとロージさんは少し遠い目をした。「それにしてもテッサはどうして僕から逃げるんだろう? とりあえず元気そうだったから、安心はしたけれど」
「その言い方だと、テッサに会うのは久しぶりなんですか?」
「あの子は失踪して行方不明になっていたんだよ。この一ヶ月間、誰にも何も言わずにね」
「えっ、失踪……?」
その言葉に俺は驚いた。
しかしよく考えたら予想くらいはできたかもしれない。
テッサは学校を休み、スペースランナーになり、10億エンスの借金をしている。しかも宇宙船カラマリ号に乗って一人旅をしている様子だ。これらの事を親に知らせずにやっていたのだとすれば——。
「もしかしてテッサは、家出をしているんですか?」
「厳密に言えば違うけど、だいたいあっているよ」ロージさんは肯定的に言った。「だけどその理由が僕には分からない。何か事情があるのなら話して欲しいんだけれど、テッサはあの調子だしね……。そこで君に頼みがある。テッサに僕の話を聞いてもらえるよう、協力してくれないかい?」
おっと、これはもしかして板挟みというやつでは?
ロージさんから逃げたいテッサと、テッサから話を聞きたいロージさん。
俺はどちらかの味方につかなければならない!
そこで俺は少し考えてみる。
テッサはさっき言っていた。「タツルは他人事だからそんなことが言えるのよ。私がなんでこんなことをしているのか、何も知らないくせに」と。
テッサが失踪した理由は俺にも分からない。
どうやら彼女はスペースランナーの仕事でひと儲けしたいらしい。そのために親に無許可で学校を休み、親に内緒でスペースランナーになり、親に無断で10億エンスの借金をした。そして高額報酬が貰える魔王討伐をしようとした。そこまではいい。恐らく正解だ。じゃあそれが失踪の理由になるかと言うと、俺は違うと思う。
お金は手段でしかないからだ。
中には貯金が増えることそれ自体が目的という人もいるかもしれない。だが一般的に考えて、金儲けは何かを実現するためにするものだろう。生活のためだとか、マンガを買うためだとか、旅行をするためだとか、その目的は人それぞれだろうが、目的達成にお金が必要だからこそ人はお金を稼ぐのだ。それはテッサも同じで、お金という手段で実現したい本当の目的が彼女にはあるはず。それこそが今回の失踪の根本的な理由なんじゃないか?
テッサはその目的をどうしても達成したくて、そのために今はどうしてもロージさんから逃げなくちゃいけないのかもしれない。それほどの緊急事態に今のテッサはあるのかもしれない。その場合、俺がロージさんの味方をしたらテッサはどうなってしまうのか。もしかしたら、取り返しのつかないことになるかもしれない。
と、念のための可能性を考慮したうえでだ……。
ここはロージさんの味方をすべきだろ! 常識的に考えて!
そもそもテッサの言うことなんて信用できねえんだよ。起業プランナーとやらに騙されて聖剣エリュシオン(偽物)を買ったくらいだし、またなんかやらかしているんじゃねえの? もちろん断言はできない。過去にやらかしたからって、今もやらかしていることの証明にはならない。それでもテッサをこのまま走らせることのリスクのほうが計り知れない! それこそ取り返しがつかなくなる前に、ロージさんに止めてもらったほうがいい!
と言うわけで、脳内会議終了。
ぶっちゃけて言えば、最初から結論はほぼ決まっていた。
「分かりました」と俺はロージさんに言った。「俺もテッサが失踪した理由が知りたいですし、ロージさんに協力します」
「本当かい? いやあ、助かるよ」ロージさんは俺の手を握って涙ながらに言った。「じゃあさっそくテッサのところに向かおう。道案内をお願いしてもいいかい?」
「はい。でも、ひとつ俺からもお願いしていいですか?」
「うん?」
「じつは俺、一週間前にテッサと出会ったばかりで、今の彼女がどういう状況なのかよく分かっていないんです。だから、できれば失踪前に何をしていたのかとか教えてほしいんですけど……」
「あああああああ! ぼ、僕としたことが、ろくに説明もしないでなんてぶしつけなお願いをしてしまったんだ! ごめんなさい、ごめんなさい! 今すぐこうなった経緯を教えますから! やっぱりやめるだなんて言わないでください!」
「あっ、はい。大丈夫なんで。とりあえず歩きながら話しましょうか」
蚊帳の外は嫌だから興味本位で聞いてみただけなんだけど、やたらと恐縮されてしまった。
俺たちはテッサの指定した場所に向かいながら会話を続けた。
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