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プロローグ:最弱の学園トップ
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魔法学園のトップが魔法を使えないといけない、なんて誰が決めたんだろう?
魔法を扱う力――魔力が高いものほど、その将来が約束される。それは魔法至上主義の現代では覆せようもない事実であった。
そして、ここ天秀学園の歴代学園トップたちも高魔力の者たちばかりだった。
ただ一人を除いて――。
◇◇◇
僕――名倉潤一は緊張しながら天秀学園へと登校していた。
国内でも有数の魔法学園である天秀学園。
今日、入学生のランキングが発表されると聞いていたので、恐怖と不安が入り混じった、なんともいえない表情になっていた。
天秀学園では、生徒の魔法力を元にして学園ランキングをつけている。
そして、そのランキングは個人や複数人での決闘、学園イベント等の結果によって変動する。
これは魔力の高さだけではなく、魔法を有用に使えているか、応用力があるか、状況によって対応できるか、も判断するためだった。
そして、学園ランキング一桁にでも届きようものなら、その将来は確約されていると言っても過言ではない。
それは歴代卒業生たちが証明していた。
ただ、入学早々のこのタイミング。
よほどのことがない限り、上級生との差は埋められないのも事実である。
一学年三百人ほどで、全校生徒九百人の天秀学園。
入学したばかりの新入生だと、判断基準が入試の時に行われた魔力測定、実技試験、学科だけになるので、上級生より下の六百位以降の順位になるのが普通だった。
これが三桁前半になりようものなら、入学生トップクラス。
その将来性の高さから一目置かれることになる。
ただ、僕の場合は少々事情が特殊だった。
学科は平均以上に取れた自信はある。
でも、魔力測定は本来魔力がほとんどない人でも『0』と表示されるのに僕の場合は『――』。
魔力ゼロの下。つまり、魔法学園において最弱の魔力しか持たないと言うことに他ならなかった。
そして、実技試験に至っては魔法を使うどころか、教師と向かい合っただけで、何かをする前に終わってしまった。
いや、僕自身も魔法を放たなかったので、仕方ない話なのだが。
散々たる結果。
せめて最下位だけは回避したい。
そんな気持ちのまま学園へと向かっていたものだから、足取りは次第と重くなっていった。
それでも前に進んでるので、気がつくと学園へたどり着いてしまう。
校門には僕の実技試験を担当した教師が、生徒たちにあいさつをしていた。
大柄の体型と筋肉質の体。そして、厳つい顔。
名前は確か――。
「名無しの太郎先生」
「誰だ、その某掲示板の匿名みたいな先生は」
名前を聞いていなかったので、つい適当なことを口に出してしまう。
すると、それをばっちり聞かれたようで、その教師は呆れた顔のまま言ってくる。
「えっと、すみません。存在感がなかったもので――」
「そんなことを言われたのは初めてだぞ? ……魔法実技担当の九条だ」
確かに見た目から目にしたら忘れなさそうだ。僕も見た目だけは覚えていたわけだから……。
「九条先生……ですね。覚えました。名無しの九条先生」
「誰が名無しだ! 名前はあるに決まってるだろ!? ……はぁ、まあいい。ちょうどお前を探していたんだ」
「僕を……ですか?」
「あぁ、少しついてきてくれるか?」
「……僕の体に何をするつもりですか?」
「人聞きの悪いことを言うな!? なんで男の俺が男のお前に何かするんだ!」
「そういう趣味の人なのかな……と」
「お前のランキングについて話したいことがあるだけだ。ただ、ここは人が多すぎるからな」
――もしかして、お前は最下位だから退学しろ、とでも言ってくるのだろうか?
それなら尚更逃げる必要がある。
「なおさら、お断りします。僕は自分の身が可愛いですから」
「だから、なんでだよ!? ……生活態度に問題があるな。いくらランクが高くても授業ではビシバシと鍛えるから覚悟しろ! とにかく今は来い!」
僕は手を掴まれて、そのままどこかへ連れて行かれた。
◇◇◇
天秀学園の学園長室。
通称、子供部屋。
優秀なものから落第に近い問題児たちまで、多数が在籍するこの学園。
魔法学園であることから昼夜問わずに魔法が飛び交っている。
そんなところの長を務めるくらいだから、学園長の魔力は郡を抜いて高かった。
そして、とんでもなく小さかった。
「学園長、例の少年を連れてきました。お時間よろしいでしょうか?」
九条先生は扉をノックして、中から返事が来るのを待つ。
「うむ、大丈夫じゃ。入れ」
中から言葉足らずの拙い少女の声が返ってくる。
なんだろう、これは。
何かの茶番でも見せられてるのだろうか?
何を企んでいるのかわからずに、困惑したまま僕たちは学園長室に入っていく。
「失礼します」
「よく連れてきてくれた。ふむ、そやつが例の……。なんの変哲もない冴えない子どもにしか見えんな」
学長室に入った瞬間に幼女が近づいてきて、品定めされるみたいにじっくり観察される。
長いストレートの金髪で赤眼を持った少女。
黒のワンピースを着ており、その見た目は小学生くらいの子どもだった。
「なな……、九条先生、このロリは誰ですか?」
いきなり連れてこられたのに、まさか子供の相手をさせられるとは思わず、九条先生に尋ねてしまう。
「……おいっ、今名無しって言いかけだだろう!? それにこのお方は――」
「誰がロリじゃ!!」
九条先生の訂正より早くにロリのパンチが飛んでくる。
ただ、体格差があるからそれを受け止めることは容易だった。
ただ、その瞬間に九条先生は仰け反っていた。
「学園長、抑えてください……。その、魔力の余波で立っていられないです……」
「ふむ、すまんな。でも、今ので大方の力を図ることができた。やはり、そやつはかなりの力を持っているわけじゃな」
ロリは少し離れて、ニヤリと笑みを浮かべながら僕のことを見てくる。
ただ、僕は何のことか分からずにポカンと呆けていた。
「妾がこの学園の長、真野有栖じゃ。主より遥かに長く生きているとっても偉ーい人間じゃ。次にロリと言ったらぶち殺すからな」
呼び方が気に入らなかったようだ。
仕方なく僕は別の呼び方をする。
「わかりました。ロリ長」
「よーし、本気で死にたいようじゃな。覚悟するといい」
学園長は腕を組み、睨みを効かせてくる。
「すみません、学園長。そろそろ事情を説明したほうがよろしいのでは?」
「それもそうじゃな。ぶち殺すのはその後にするか」
「ロリ相手に負けるわけないでしょ」
「おい、名倉! お前も余計なことを言うな。話が拗れる。が、学園長、よろしくお願いします」
「仕方ない。これが主の校内ランキングの順位だ。開けてみるといい」
ついに来た。
これを開けさせて、最下位だから退学してもらう……と言ってくる流れなのだろう。
――その手には乗るか!
僕は受け取った紙をカバンにしまい込む。
「これで用事は終わりですね。では、失礼します。ロリ長、な……九条先生」
回れ右をして、部屋から出て行こうとするが、九条先生に肩を掴まれてしまう。
「いいから、早く紙を見てみろ。学園長がキレる前に……」
九条先生の表情は青ざめていた。
どうやらここで見ないと離してくれなさそうだった。
仕方なく僕はその場で紙を開く。
そこに書かれていたのは僕の予想をいい意味でも悪い意味でも裏切る言葉だった。
『名倉潤一、学園ランキング一位』
思わず紙に書かれた文字を二度見してしまう。
「えっ!? こ、これってどういう――」
「つまりそういうことじゃ。主の成績と力を考慮した結果、その結果となったんじゃ。なっ、流石に人前だと見せられないじゃろ?」
ロリ長はいたずらをした子供のように舌を出しながらニヤリと微笑んだ。
こうして魔法が使えない僕は訳もわからないまま、学園トップの座に君臨してしまうことになっていた――。
魔法を扱う力――魔力が高いものほど、その将来が約束される。それは魔法至上主義の現代では覆せようもない事実であった。
そして、ここ天秀学園の歴代学園トップたちも高魔力の者たちばかりだった。
ただ一人を除いて――。
◇◇◇
僕――名倉潤一は緊張しながら天秀学園へと登校していた。
国内でも有数の魔法学園である天秀学園。
今日、入学生のランキングが発表されると聞いていたので、恐怖と不安が入り混じった、なんともいえない表情になっていた。
天秀学園では、生徒の魔法力を元にして学園ランキングをつけている。
そして、そのランキングは個人や複数人での決闘、学園イベント等の結果によって変動する。
これは魔力の高さだけではなく、魔法を有用に使えているか、応用力があるか、状況によって対応できるか、も判断するためだった。
そして、学園ランキング一桁にでも届きようものなら、その将来は確約されていると言っても過言ではない。
それは歴代卒業生たちが証明していた。
ただ、入学早々のこのタイミング。
よほどのことがない限り、上級生との差は埋められないのも事実である。
一学年三百人ほどで、全校生徒九百人の天秀学園。
入学したばかりの新入生だと、判断基準が入試の時に行われた魔力測定、実技試験、学科だけになるので、上級生より下の六百位以降の順位になるのが普通だった。
これが三桁前半になりようものなら、入学生トップクラス。
その将来性の高さから一目置かれることになる。
ただ、僕の場合は少々事情が特殊だった。
学科は平均以上に取れた自信はある。
でも、魔力測定は本来魔力がほとんどない人でも『0』と表示されるのに僕の場合は『――』。
魔力ゼロの下。つまり、魔法学園において最弱の魔力しか持たないと言うことに他ならなかった。
そして、実技試験に至っては魔法を使うどころか、教師と向かい合っただけで、何かをする前に終わってしまった。
いや、僕自身も魔法を放たなかったので、仕方ない話なのだが。
散々たる結果。
せめて最下位だけは回避したい。
そんな気持ちのまま学園へと向かっていたものだから、足取りは次第と重くなっていった。
それでも前に進んでるので、気がつくと学園へたどり着いてしまう。
校門には僕の実技試験を担当した教師が、生徒たちにあいさつをしていた。
大柄の体型と筋肉質の体。そして、厳つい顔。
名前は確か――。
「名無しの太郎先生」
「誰だ、その某掲示板の匿名みたいな先生は」
名前を聞いていなかったので、つい適当なことを口に出してしまう。
すると、それをばっちり聞かれたようで、その教師は呆れた顔のまま言ってくる。
「えっと、すみません。存在感がなかったもので――」
「そんなことを言われたのは初めてだぞ? ……魔法実技担当の九条だ」
確かに見た目から目にしたら忘れなさそうだ。僕も見た目だけは覚えていたわけだから……。
「九条先生……ですね。覚えました。名無しの九条先生」
「誰が名無しだ! 名前はあるに決まってるだろ!? ……はぁ、まあいい。ちょうどお前を探していたんだ」
「僕を……ですか?」
「あぁ、少しついてきてくれるか?」
「……僕の体に何をするつもりですか?」
「人聞きの悪いことを言うな!? なんで男の俺が男のお前に何かするんだ!」
「そういう趣味の人なのかな……と」
「お前のランキングについて話したいことがあるだけだ。ただ、ここは人が多すぎるからな」
――もしかして、お前は最下位だから退学しろ、とでも言ってくるのだろうか?
それなら尚更逃げる必要がある。
「なおさら、お断りします。僕は自分の身が可愛いですから」
「だから、なんでだよ!? ……生活態度に問題があるな。いくらランクが高くても授業ではビシバシと鍛えるから覚悟しろ! とにかく今は来い!」
僕は手を掴まれて、そのままどこかへ連れて行かれた。
◇◇◇
天秀学園の学園長室。
通称、子供部屋。
優秀なものから落第に近い問題児たちまで、多数が在籍するこの学園。
魔法学園であることから昼夜問わずに魔法が飛び交っている。
そんなところの長を務めるくらいだから、学園長の魔力は郡を抜いて高かった。
そして、とんでもなく小さかった。
「学園長、例の少年を連れてきました。お時間よろしいでしょうか?」
九条先生は扉をノックして、中から返事が来るのを待つ。
「うむ、大丈夫じゃ。入れ」
中から言葉足らずの拙い少女の声が返ってくる。
なんだろう、これは。
何かの茶番でも見せられてるのだろうか?
何を企んでいるのかわからずに、困惑したまま僕たちは学園長室に入っていく。
「失礼します」
「よく連れてきてくれた。ふむ、そやつが例の……。なんの変哲もない冴えない子どもにしか見えんな」
学長室に入った瞬間に幼女が近づいてきて、品定めされるみたいにじっくり観察される。
長いストレートの金髪で赤眼を持った少女。
黒のワンピースを着ており、その見た目は小学生くらいの子どもだった。
「なな……、九条先生、このロリは誰ですか?」
いきなり連れてこられたのに、まさか子供の相手をさせられるとは思わず、九条先生に尋ねてしまう。
「……おいっ、今名無しって言いかけだだろう!? それにこのお方は――」
「誰がロリじゃ!!」
九条先生の訂正より早くにロリのパンチが飛んでくる。
ただ、体格差があるからそれを受け止めることは容易だった。
ただ、その瞬間に九条先生は仰け反っていた。
「学園長、抑えてください……。その、魔力の余波で立っていられないです……」
「ふむ、すまんな。でも、今ので大方の力を図ることができた。やはり、そやつはかなりの力を持っているわけじゃな」
ロリは少し離れて、ニヤリと笑みを浮かべながら僕のことを見てくる。
ただ、僕は何のことか分からずにポカンと呆けていた。
「妾がこの学園の長、真野有栖じゃ。主より遥かに長く生きているとっても偉ーい人間じゃ。次にロリと言ったらぶち殺すからな」
呼び方が気に入らなかったようだ。
仕方なく僕は別の呼び方をする。
「わかりました。ロリ長」
「よーし、本気で死にたいようじゃな。覚悟するといい」
学園長は腕を組み、睨みを効かせてくる。
「すみません、学園長。そろそろ事情を説明したほうがよろしいのでは?」
「それもそうじゃな。ぶち殺すのはその後にするか」
「ロリ相手に負けるわけないでしょ」
「おい、名倉! お前も余計なことを言うな。話が拗れる。が、学園長、よろしくお願いします」
「仕方ない。これが主の校内ランキングの順位だ。開けてみるといい」
ついに来た。
これを開けさせて、最下位だから退学してもらう……と言ってくる流れなのだろう。
――その手には乗るか!
僕は受け取った紙をカバンにしまい込む。
「これで用事は終わりですね。では、失礼します。ロリ長、な……九条先生」
回れ右をして、部屋から出て行こうとするが、九条先生に肩を掴まれてしまう。
「いいから、早く紙を見てみろ。学園長がキレる前に……」
九条先生の表情は青ざめていた。
どうやらここで見ないと離してくれなさそうだった。
仕方なく僕はその場で紙を開く。
そこに書かれていたのは僕の予想をいい意味でも悪い意味でも裏切る言葉だった。
『名倉潤一、学園ランキング一位』
思わず紙に書かれた文字を二度見してしまう。
「えっ!? こ、これってどういう――」
「つまりそういうことじゃ。主の成績と力を考慮した結果、その結果となったんじゃ。なっ、流石に人前だと見せられないじゃろ?」
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