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第6話:調査依頼
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冒険者組合の奥にダンジョンでやられた人たちが復活できる魔法陣の描かれた部屋があった。
これが全国的に広まったことで、冒険者たちは最後に立ち寄った冒険者組合で復活できるようになった。
もちろんその際に費用は取られることとなる。
全財産の半分。
しかも、復活の際にはその装備品までは復活させられない、ということもあり、極力事前情報を得た上でダンジョンに挑むことが求められていた。
そして、先ほど復活したばかりの冒険者二人組が、一矢纏わぬ姿のまま、組合の受付嬢へと詰め寄っていた。
「あ、あのカナタダンジョンは一体なんなんだ!? Fランクダンジョンなのに、Cランクのオークがいたぞ!?」
「そ、それより先に服を着て下さい!? 警備の人を呼びますよ!?」
「それどころじゃない! おかしいだろ!? あのダンジョンはFランクでも最底辺だったはず! おかげで全滅してしまっただろう!?」
後ろからがたいの良い警備の人たちが現れ、受付嬢と冒険者の間に割って入る。
しかし、それでも冒険者は口を開くことをやめなかった。
「と、とにかく調べてくれ! あ、あのダンジョンは怪しすぎる!」
その言葉を最後に冒険者たちは奥の部屋へと連れて行かれた。
「ふぅ……、またNo.1524ダンジョンですか……」
受付に一人となった女性は、ため息を吐いていた。
その手元にはダンジョンの詳細情報が書かれた紙が置かれていた。
――――――――――――――――――――
№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 広さ:極狭
推奨レベル:1~ 推奨ランク:F~
【モンスター】
スライム:LV1
スラ妖精?(詳細確認中)
――――――――――――――――――――
ここに先ほどの冒険者が言っていたオークについての記載も追加しておく。
それにここ最近の配信を見ている限りだと、ダンジョン内も極狭より広がっていそうだった。
「――そろそろ調査へ出向くべきかもしれませんね」
基本的に内部の広さと生息する魔物を調べるだけなので、普通の調査依頼で問題はないはず。
希少な探査系、鑑定系冒険者をわざわざ派遣するまでもないだろう。
「えっと、Fランクダンジョンだけど、Cランクの魔物がいた……という話があるので、一応難易度は高めに設定して……」
女性は依頼書を書き上げると、それを受付隣にある掲示板へと貼り付けていた。
――――――――――――――――――――
依頼書№351
【調査依頼】
ダンジョン:No.1524カナタダンジョン
依頼内容:『生息魔物』および『ダンジョン内部』についての調査
推定難易度:D
報酬:100,000円
――――――――――――――――――――
「これでよしっ、と。本当にCランクのオークがいたとしても一体ならDランクパーティで対処できるはずですからね」
「カナタダンジョンの調査……、私が受けても……?」
「はい……、えっ? あ、あなたは――」
貼ると同時にその依頼書は一人の少女によって持ってこられた。
手には巨大な本を持った長い栗色の髪は二つに結わえた小柄な少女。
茶色のパーカーと黒のスカート、そして、頭にはパーカーと同じ色のキャスケット、ととても冒険者のようには見えない。
しかし、彼女はれっきとした冒険者であった。
ソロでAランクまで上り詰めた、話題の冒険者である牧原遥。
討伐系から調査系、挙げ句の果てには収集系のどれでも一人でこなしている、オールマイティーな少女。
少し社交性に欠ける部分はあるが、むしろ冒険者ならそれが普通。
他人に接点を持たなくても稼ぐことができるのも、この職の良いところではあるのだから。
そして、彼女に受けてもらえるのなら、この依頼も容易にこなせるだろうけど、さすがに聞き返してしまう。
「だ、大丈夫ですけど、こちらの依頼書は推定難易度がDのものになりますよ? そ、その、Aランク冒険者である遥さんが受けるものではないかと……」
「――大丈夫。少し気になるだけだから……」
じっと依頼書を見ながら、短い言葉で伝えてくる。
もしかしたら、このダンジョンに別の用事があるのかもしれない。
そう感じた女性は、依頼書を受け取ると受領のはんこを押すのだった。
◆◆◆
翌日の朝。
今まで全く変動がなかった数字に変化があり、僕は思わず飛び起きていた。
――――――――――――――――――――
№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 クリア特典:なし
所持DP:51
【モンスター】
スライム:LV1(5/5)
スラ妖精:LV20(1/1)
オーク:LV30(1/1)
【ダンジョン侵入者数】
今日:2 昨日:0
【配信視聴者数】
今日:20,314 昨日:51,436
【スパチャ金額】
今日:0 昨日:30,000
【インセンティブ(DP)】
今日:252 昨日:150
――――――――――――――――――――
つ、ついにこのダンジョンにも冒険者が来てくれたんだ!?
今日って事は今もいるのかな?
大慌てでモニターを表示すると、隙間なくダンジョンの中を確認する。
しかし、どこにもそれらしい人物はいなかった。
それどころか、ダンジョン内の様子はいつもと全く変わっていない。
倒された魔物もいないし、入り口にはオークが寝転がり、いびきすらかいていた。
それに、今日のDP増加量……。
スパチャの分ではないとすると、やっぱりそういうことだよね? 考えたくないけど……。
「だ、ダンジョン初来訪の冒険者が、僕の寝てる間に倒されていた……ってことだよね、これって――」
冒険者を倒して、DP収入を得ることが本来のダンジョン……ということを考えると何も間違っていないし、このダンジョンをしっかりと強化できている証明にもなるので、僕としてもうれしい。
うれしいのだけど、やっぱり初冒険者がくるところは見たかった……、と思うとなんともいえない気持ちになってしまった。
これが全国的に広まったことで、冒険者たちは最後に立ち寄った冒険者組合で復活できるようになった。
もちろんその際に費用は取られることとなる。
全財産の半分。
しかも、復活の際にはその装備品までは復活させられない、ということもあり、極力事前情報を得た上でダンジョンに挑むことが求められていた。
そして、先ほど復活したばかりの冒険者二人組が、一矢纏わぬ姿のまま、組合の受付嬢へと詰め寄っていた。
「あ、あのカナタダンジョンは一体なんなんだ!? Fランクダンジョンなのに、Cランクのオークがいたぞ!?」
「そ、それより先に服を着て下さい!? 警備の人を呼びますよ!?」
「それどころじゃない! おかしいだろ!? あのダンジョンはFランクでも最底辺だったはず! おかげで全滅してしまっただろう!?」
後ろからがたいの良い警備の人たちが現れ、受付嬢と冒険者の間に割って入る。
しかし、それでも冒険者は口を開くことをやめなかった。
「と、とにかく調べてくれ! あ、あのダンジョンは怪しすぎる!」
その言葉を最後に冒険者たちは奥の部屋へと連れて行かれた。
「ふぅ……、またNo.1524ダンジョンですか……」
受付に一人となった女性は、ため息を吐いていた。
その手元にはダンジョンの詳細情報が書かれた紙が置かれていた。
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№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 広さ:極狭
推奨レベル:1~ 推奨ランク:F~
【モンスター】
スライム:LV1
スラ妖精?(詳細確認中)
――――――――――――――――――――
ここに先ほどの冒険者が言っていたオークについての記載も追加しておく。
それにここ最近の配信を見ている限りだと、ダンジョン内も極狭より広がっていそうだった。
「――そろそろ調査へ出向くべきかもしれませんね」
基本的に内部の広さと生息する魔物を調べるだけなので、普通の調査依頼で問題はないはず。
希少な探査系、鑑定系冒険者をわざわざ派遣するまでもないだろう。
「えっと、Fランクダンジョンだけど、Cランクの魔物がいた……という話があるので、一応難易度は高めに設定して……」
女性は依頼書を書き上げると、それを受付隣にある掲示板へと貼り付けていた。
――――――――――――――――――――
依頼書№351
【調査依頼】
ダンジョン:No.1524カナタダンジョン
依頼内容:『生息魔物』および『ダンジョン内部』についての調査
推定難易度:D
報酬:100,000円
――――――――――――――――――――
「これでよしっ、と。本当にCランクのオークがいたとしても一体ならDランクパーティで対処できるはずですからね」
「カナタダンジョンの調査……、私が受けても……?」
「はい……、えっ? あ、あなたは――」
貼ると同時にその依頼書は一人の少女によって持ってこられた。
手には巨大な本を持った長い栗色の髪は二つに結わえた小柄な少女。
茶色のパーカーと黒のスカート、そして、頭にはパーカーと同じ色のキャスケット、ととても冒険者のようには見えない。
しかし、彼女はれっきとした冒険者であった。
ソロでAランクまで上り詰めた、話題の冒険者である牧原遥。
討伐系から調査系、挙げ句の果てには収集系のどれでも一人でこなしている、オールマイティーな少女。
少し社交性に欠ける部分はあるが、むしろ冒険者ならそれが普通。
他人に接点を持たなくても稼ぐことができるのも、この職の良いところではあるのだから。
そして、彼女に受けてもらえるのなら、この依頼も容易にこなせるだろうけど、さすがに聞き返してしまう。
「だ、大丈夫ですけど、こちらの依頼書は推定難易度がDのものになりますよ? そ、その、Aランク冒険者である遥さんが受けるものではないかと……」
「――大丈夫。少し気になるだけだから……」
じっと依頼書を見ながら、短い言葉で伝えてくる。
もしかしたら、このダンジョンに別の用事があるのかもしれない。
そう感じた女性は、依頼書を受け取ると受領のはんこを押すのだった。
◆◆◆
翌日の朝。
今まで全く変動がなかった数字に変化があり、僕は思わず飛び起きていた。
――――――――――――――――――――
№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 クリア特典:なし
所持DP:51
【モンスター】
スライム:LV1(5/5)
スラ妖精:LV20(1/1)
オーク:LV30(1/1)
【ダンジョン侵入者数】
今日:2 昨日:0
【配信視聴者数】
今日:20,314 昨日:51,436
【スパチャ金額】
今日:0 昨日:30,000
【インセンティブ(DP)】
今日:252 昨日:150
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つ、ついにこのダンジョンにも冒険者が来てくれたんだ!?
今日って事は今もいるのかな?
大慌てでモニターを表示すると、隙間なくダンジョンの中を確認する。
しかし、どこにもそれらしい人物はいなかった。
それどころか、ダンジョン内の様子はいつもと全く変わっていない。
倒された魔物もいないし、入り口にはオークが寝転がり、いびきすらかいていた。
それに、今日のDP増加量……。
スパチャの分ではないとすると、やっぱりそういうことだよね? 考えたくないけど……。
「だ、ダンジョン初来訪の冒険者が、僕の寝てる間に倒されていた……ってことだよね、これって――」
冒険者を倒して、DP収入を得ることが本来のダンジョン……ということを考えると何も間違っていないし、このダンジョンをしっかりと強化できている証明にもなるので、僕としてもうれしい。
うれしいのだけど、やっぱり初冒険者がくるところは見たかった……、と思うとなんともいえない気持ちになってしまった。
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