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第12話:急襲
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のんびりとダンジョンを広げ始めて、早半日。
ようやく二階層もそれらしい形になってきた。
魔物をスラ妖精とダイヤスラ妖精しか配置しない代わりに、罠は多めに設置していた。
落とし穴はもちろんのこと、偽の宝箱や飛び出てくる槍、転がってくる大岩……となるべくわかりやすい罠を多く用意した。
そして、三つの固定ダメージ装備も、ダンジョン内に配置していた。
ただ、この三つはすぐには見つからない場所に置く。
まず一つは落とし穴の中に。
罠にはまって初めて見つけられるようになっていた。
ただし、落とし穴に落ちるとダメージがあるので、それすらも乗り越えない限り見つけられない。
もう一つは転がってくる大岩の中に。
これは大岩を破壊して罠回避した人だけが手にすることができる。
まず、罠である大岩を壊そうとはしないので、それを逆手に取ったものだった。
そして、最後の一つは普通に通路の行き止まりに配置していた。
ただ、これは一番効果の低い『初心の剣』なので、見つかることが前提だった。
ダイヤスラ妖精を倒せる武器がある。
もしかすると、倒せる可能性があるなら……、とたくさんの冒険者が来てくれるはずだった。
「えっと、他には一階層の魔物も復活させて……。あとはもう少し一階層も強化しておこうかな?」
僕が二階層を広げている間も、冒険者が多数ダイヤスラ妖精に挑みに来ている。
その影響もあり、一階層の魔物復活が全く追いついていない。
いっその事、一階層にダイヤスラ妖精を配置するかな?
奥のダンジョンが整うまで……。
ただ、ダンジョンのランクを上げるための条件。
そのうちの一つがあっさりクリアしてしまった。
しかも、一番達成できないと思っていた『倒した冒険者の数が10人以上』という条件を――。
あと二つ達成すれば、晴れてこのダンジョンはEランクダンジョンへと昇格する。
もちろん昇格試験を受けないと行けないが――。
そして、このダンジョンには既にEランク以上の魔物が7体いる。
これを十体にすれば、二つ目の条件もクリア。
あと一つ……。
ただ、それはまだまだクリアできそうにないかな……。
「遥は次、どこを強化したら良いと思う?」
マスタールームで、隣で手に持っている紙を見ていた遥に尋ねる。
しかし、遥の返事はなかった。
「……遥?」
「は、はいっ!? あっ、奏さん……。どうしたのですか?」
「えっと……、大丈夫? 体調でも悪いんだったら休んでくれてても――」
「大丈夫です! 私が奏さんを守るんですから――」
「あははっ……、大丈夫だよ。今はダイヤスラ妖精がしっかりこのダンジョンを守ってくれているから――」
「それが少し不安ですね? ダイヤスラ妖精が突破されてしまったら、今のところマスタールームまでの障害がないわけですから? 私の杞憂だったら良いのですけど……」
そう言いながら、遥は持っていた紙を渡してくれる。
そこには、大きな文字で
【No.847ダンジョン消滅!?】
という見出しで書かれていた。
「えっ!? ダンジョンが消滅!? しかも、No.847ダンジョンって高ランクダンジョンじゃなかった?」
「……Bランクダンジョンですね。私も行ったことがあるけど、手堅くランク相応の魔物がたくさんいるところでしたよ」
「消滅ってことはマスターが襲われて、ダンジョンコアが壊されたってことだよね!? だ、誰がそんなことを?」
「犯人はまだわからないみたいです……。ただ、気をつけた方が良いですね。高ランクダンジョンなら、当然だけどマスタールームの守りは鉄壁だし、それを守るダンジョンマスターの能力もかなり高いはずだから……。それを容易に突破する人物がいるってことです――」
「そ、そっか……。うん、気をつけるよ……」
「奏さんは私が守るけど、でも私だけだと不十分かも……。ダンジョン内は魔物を配置することができるけど、マスタールームには奏さんが認めた人しか入れないですよね? 少し人を増やした方がいいかも」
遥がいうなら本当に危ない相手なのだろう。
人を追加した方が良いと言ってくることからも、Aランク冒険者だった遥より実力は上……、なのだろう。
「でも、そう簡単に人が来てくれるかな? それもただの人じゃなくて、力を持っている人がいるんだよね?」
「大丈夫ですよ。奏さんには配信がありますよね?」
「あっ……」
そっか……。ダンジョンに冒険者が来てくれるようになったのも配信なのだから、一緒にこのダンジョンを守ってくれる人も配信で募集すれば良いんだね――。
◇◇◇
早速僕は配信準備をしていた。
今日の目的は、ダンジョン二階層に罠と装備を配置したことの報告。
それともう一つは、人員募集だった。
ただ、わざわざ配信で募集したのに誰も来なかったらどうしよう……。
そう考えると緊張して、顔が強張ってしまう。
ただ、最初の時のようなミスはしない。
しっかりと配信する宣伝はしている。
……遥が。
僕はその隣でSNSの使い方を習っていた。
「これで宣伝もしっかりしましたよ。本当は私より奏さんがした方が良いのですけどね」
「あ、あははっ……、ごめんね。まさかこのモニターで、できるとは思ってなくて……」
「それで今日も私が配信に出た方がいいのですか?」
「あっ……、そうだね。一応側にいてくれると助かるかな……」
「――やっぱり自分の部屋に戻っててもいいですか?」
「だ、ダメだよ!? ぼ、僕も恥ずかしいんだからね」
「うん、わかってますよ。でも、今日はマスタールームで配信するんですね?」
「だって、ダンジョン内が騒々しいから……」
今もなお、ダイヤスラ妖精と冒険者たちの戦いは続いている。
その激しい戦闘音は、側にいると僕の言葉を容易にかき消すほどだった。
だから仕方なく僕はマスタールームで配信を開始していた。
:おっ、始まった
:ダイヤスラ妖精、強すぎw
:何もできなかった
:でも、見られただけでもよかった
:倒す方法はあるのか?
:今日はなんだか背景の雰囲気が違うんだな
予告をしていただけあって、すぐにコメントがたくさん流れてくる。
視聴者も最初から一万人を超えているようだった。
「えっと、たくさんダイヤスラ妖精に挑んでくれてありがとうございます」
まずはお礼を伝える。
「さすがにダイヤスラ妖精と戦うのに、普通の武器だと大変だから、固定ダメージを与える武器が入った宝箱を設置しました。やっぱりSランクの魔物は強いよね」
「――ダイヤスラ妖精は特別ですよ。魔法の最上位、【極大魔法】を涼しい顔で使いまくってきますから」
「確かに、今もすごい音がなってるもんね」
ダンジョン内が崩れてこないかと不安になって、思わずダイヤスラ妖精を配置している大空間の壁の強度を上げてしまった。
このマスタールームは潰れたりしないけど、入り口がある二階層が崩れると精神的によくない。
「音……、鳴ってますか?」
「えっ……? ――あれっ?」
言われて気づいたけど、ダンジョン内が静かすぎる。
何やら嫌な予感がする……。
「えっと、ダンジョン内のモニターを表示してないだけ……だよね?」
不安になりながら、僕は二階層の光景を表示する。
すると、そこに映されたのは、たくさんの倒された冒険者。
消えゆくダイヤスラ妖精。
そして、不気味な笑みを浮かべている一人の冒険者だった。
少し遅れて、僕の下は赤メッセージが届く。
『ダイヤスラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
大量の経験値を経たことによって、男のレベルは大幅に上がる。
―――――――――――――――――――――
【土田正樹】
レベル:103 性別:男 職業:冒険者(ランク:B)
HP:117/117 MP:115/115
筋力:15 耐久:13 魔力:14 精神:13 速度:10
スキル:【固定ダメージ(レベル:4)】
―――――――――――――――――――――
あれっ? レベルが高い割にステータスはそこまで高くない?
それにスキルも一つだけしかない。
ただ、聞いたこともないようなスキル。
効果は想像できるけど、実際に詳しく調べる。
―――――――――――――――――――――
【固定ダメージ(レベル:4)】
攻撃範囲内にいる指定した対象に、防御力と関係なく固定ダメージを与える。
(レベル:4)対象に500ダメージを与える
―――――――――――――――――――――
「えっ!? ちょ、ちょっと待って!? 範囲内の対象に500ダメージって何!?!? ぼ、僕、範囲に入った瞬間に倒されちゃうよ!?」
「――私も」
そして、モニターからは男の笑い声が響いてくる。
『くくくっ、噂のダイヤスラ妖精か。確かにうまいな。レベルが一気に50も上がった。でも、まだ足りない。もっとよこせ!! 渡さないならこのダンジョンもろとも破壊してやる!』
狂気を帯びた目。
周囲へのダメージは魔物や人だけではなく、ダンジョンそのものにも与えるようで、壁が軋みを上げている。
ただ、男はそれを気にする様子はなく、ゆっくりとした足取りでダンジョンの奥へと向かってくる。
「ど、どうしよう!? な、何か手はないの!? 固定ダメージに有効なものは――」
頭が混乱して、その場であたふたとしてしまう。
すると、赤スパが飛んでくる。
――――――――――――――――――――
中級冒険者
¥10,000
ダメージカットがついた装備を使うんだ!
――――――――――――――――――――
「そっか……、その手があったね!」
相手が固定ダメージを与えてくるなら、それと同等の固定ダメージカットがあれば、ダメージを受けないことになる。
ただ、相手によっては一撃で倒せるほどのダメージ量。
それを防げるほどの装備となると、どのくらいのDPがつくのかわからない。
そう思ったのだが、意外と安いDPで発見することができた。
―――――――――――――――――――――
【奇跡のロザリオ】
種別:装飾品 ランク: D
防御:+1 損傷度:0/1,000
効果:1,000までのダメージを無効にすることができる。累積でそれ以上貯まると壊れてしまう。
消費DP:100
―――――――――――――――――――――
ようやく二階層もそれらしい形になってきた。
魔物をスラ妖精とダイヤスラ妖精しか配置しない代わりに、罠は多めに設置していた。
落とし穴はもちろんのこと、偽の宝箱や飛び出てくる槍、転がってくる大岩……となるべくわかりやすい罠を多く用意した。
そして、三つの固定ダメージ装備も、ダンジョン内に配置していた。
ただ、この三つはすぐには見つからない場所に置く。
まず一つは落とし穴の中に。
罠にはまって初めて見つけられるようになっていた。
ただし、落とし穴に落ちるとダメージがあるので、それすらも乗り越えない限り見つけられない。
もう一つは転がってくる大岩の中に。
これは大岩を破壊して罠回避した人だけが手にすることができる。
まず、罠である大岩を壊そうとはしないので、それを逆手に取ったものだった。
そして、最後の一つは普通に通路の行き止まりに配置していた。
ただ、これは一番効果の低い『初心の剣』なので、見つかることが前提だった。
ダイヤスラ妖精を倒せる武器がある。
もしかすると、倒せる可能性があるなら……、とたくさんの冒険者が来てくれるはずだった。
「えっと、他には一階層の魔物も復活させて……。あとはもう少し一階層も強化しておこうかな?」
僕が二階層を広げている間も、冒険者が多数ダイヤスラ妖精に挑みに来ている。
その影響もあり、一階層の魔物復活が全く追いついていない。
いっその事、一階層にダイヤスラ妖精を配置するかな?
奥のダンジョンが整うまで……。
ただ、ダンジョンのランクを上げるための条件。
そのうちの一つがあっさりクリアしてしまった。
しかも、一番達成できないと思っていた『倒した冒険者の数が10人以上』という条件を――。
あと二つ達成すれば、晴れてこのダンジョンはEランクダンジョンへと昇格する。
もちろん昇格試験を受けないと行けないが――。
そして、このダンジョンには既にEランク以上の魔物が7体いる。
これを十体にすれば、二つ目の条件もクリア。
あと一つ……。
ただ、それはまだまだクリアできそうにないかな……。
「遥は次、どこを強化したら良いと思う?」
マスタールームで、隣で手に持っている紙を見ていた遥に尋ねる。
しかし、遥の返事はなかった。
「……遥?」
「は、はいっ!? あっ、奏さん……。どうしたのですか?」
「えっと……、大丈夫? 体調でも悪いんだったら休んでくれてても――」
「大丈夫です! 私が奏さんを守るんですから――」
「あははっ……、大丈夫だよ。今はダイヤスラ妖精がしっかりこのダンジョンを守ってくれているから――」
「それが少し不安ですね? ダイヤスラ妖精が突破されてしまったら、今のところマスタールームまでの障害がないわけですから? 私の杞憂だったら良いのですけど……」
そう言いながら、遥は持っていた紙を渡してくれる。
そこには、大きな文字で
【No.847ダンジョン消滅!?】
という見出しで書かれていた。
「えっ!? ダンジョンが消滅!? しかも、No.847ダンジョンって高ランクダンジョンじゃなかった?」
「……Bランクダンジョンですね。私も行ったことがあるけど、手堅くランク相応の魔物がたくさんいるところでしたよ」
「消滅ってことはマスターが襲われて、ダンジョンコアが壊されたってことだよね!? だ、誰がそんなことを?」
「犯人はまだわからないみたいです……。ただ、気をつけた方が良いですね。高ランクダンジョンなら、当然だけどマスタールームの守りは鉄壁だし、それを守るダンジョンマスターの能力もかなり高いはずだから……。それを容易に突破する人物がいるってことです――」
「そ、そっか……。うん、気をつけるよ……」
「奏さんは私が守るけど、でも私だけだと不十分かも……。ダンジョン内は魔物を配置することができるけど、マスタールームには奏さんが認めた人しか入れないですよね? 少し人を増やした方がいいかも」
遥がいうなら本当に危ない相手なのだろう。
人を追加した方が良いと言ってくることからも、Aランク冒険者だった遥より実力は上……、なのだろう。
「でも、そう簡単に人が来てくれるかな? それもただの人じゃなくて、力を持っている人がいるんだよね?」
「大丈夫ですよ。奏さんには配信がありますよね?」
「あっ……」
そっか……。ダンジョンに冒険者が来てくれるようになったのも配信なのだから、一緒にこのダンジョンを守ってくれる人も配信で募集すれば良いんだね――。
◇◇◇
早速僕は配信準備をしていた。
今日の目的は、ダンジョン二階層に罠と装備を配置したことの報告。
それともう一つは、人員募集だった。
ただ、わざわざ配信で募集したのに誰も来なかったらどうしよう……。
そう考えると緊張して、顔が強張ってしまう。
ただ、最初の時のようなミスはしない。
しっかりと配信する宣伝はしている。
……遥が。
僕はその隣でSNSの使い方を習っていた。
「これで宣伝もしっかりしましたよ。本当は私より奏さんがした方が良いのですけどね」
「あ、あははっ……、ごめんね。まさかこのモニターで、できるとは思ってなくて……」
「それで今日も私が配信に出た方がいいのですか?」
「あっ……、そうだね。一応側にいてくれると助かるかな……」
「――やっぱり自分の部屋に戻っててもいいですか?」
「だ、ダメだよ!? ぼ、僕も恥ずかしいんだからね」
「うん、わかってますよ。でも、今日はマスタールームで配信するんですね?」
「だって、ダンジョン内が騒々しいから……」
今もなお、ダイヤスラ妖精と冒険者たちの戦いは続いている。
その激しい戦闘音は、側にいると僕の言葉を容易にかき消すほどだった。
だから仕方なく僕はマスタールームで配信を開始していた。
:おっ、始まった
:ダイヤスラ妖精、強すぎw
:何もできなかった
:でも、見られただけでもよかった
:倒す方法はあるのか?
:今日はなんだか背景の雰囲気が違うんだな
予告をしていただけあって、すぐにコメントがたくさん流れてくる。
視聴者も最初から一万人を超えているようだった。
「えっと、たくさんダイヤスラ妖精に挑んでくれてありがとうございます」
まずはお礼を伝える。
「さすがにダイヤスラ妖精と戦うのに、普通の武器だと大変だから、固定ダメージを与える武器が入った宝箱を設置しました。やっぱりSランクの魔物は強いよね」
「――ダイヤスラ妖精は特別ですよ。魔法の最上位、【極大魔法】を涼しい顔で使いまくってきますから」
「確かに、今もすごい音がなってるもんね」
ダンジョン内が崩れてこないかと不安になって、思わずダイヤスラ妖精を配置している大空間の壁の強度を上げてしまった。
このマスタールームは潰れたりしないけど、入り口がある二階層が崩れると精神的によくない。
「音……、鳴ってますか?」
「えっ……? ――あれっ?」
言われて気づいたけど、ダンジョン内が静かすぎる。
何やら嫌な予感がする……。
「えっと、ダンジョン内のモニターを表示してないだけ……だよね?」
不安になりながら、僕は二階層の光景を表示する。
すると、そこに映されたのは、たくさんの倒された冒険者。
消えゆくダイヤスラ妖精。
そして、不気味な笑みを浮かべている一人の冒険者だった。
少し遅れて、僕の下は赤メッセージが届く。
『ダイヤスラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
『スラ妖精が倒された』
大量の経験値を経たことによって、男のレベルは大幅に上がる。
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【土田正樹】
レベル:103 性別:男 職業:冒険者(ランク:B)
HP:117/117 MP:115/115
筋力:15 耐久:13 魔力:14 精神:13 速度:10
スキル:【固定ダメージ(レベル:4)】
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あれっ? レベルが高い割にステータスはそこまで高くない?
それにスキルも一つだけしかない。
ただ、聞いたこともないようなスキル。
効果は想像できるけど、実際に詳しく調べる。
―――――――――――――――――――――
【固定ダメージ(レベル:4)】
攻撃範囲内にいる指定した対象に、防御力と関係なく固定ダメージを与える。
(レベル:4)対象に500ダメージを与える
―――――――――――――――――――――
「えっ!? ちょ、ちょっと待って!? 範囲内の対象に500ダメージって何!?!? ぼ、僕、範囲に入った瞬間に倒されちゃうよ!?」
「――私も」
そして、モニターからは男の笑い声が響いてくる。
『くくくっ、噂のダイヤスラ妖精か。確かにうまいな。レベルが一気に50も上がった。でも、まだ足りない。もっとよこせ!! 渡さないならこのダンジョンもろとも破壊してやる!』
狂気を帯びた目。
周囲へのダメージは魔物や人だけではなく、ダンジョンそのものにも与えるようで、壁が軋みを上げている。
ただ、男はそれを気にする様子はなく、ゆっくりとした足取りでダンジョンの奥へと向かってくる。
「ど、どうしよう!? な、何か手はないの!? 固定ダメージに有効なものは――」
頭が混乱して、その場であたふたとしてしまう。
すると、赤スパが飛んでくる。
――――――――――――――――――――
中級冒険者
¥10,000
ダメージカットがついた装備を使うんだ!
――――――――――――――――――――
「そっか……、その手があったね!」
相手が固定ダメージを与えてくるなら、それと同等の固定ダメージカットがあれば、ダメージを受けないことになる。
ただ、相手によっては一撃で倒せるほどのダメージ量。
それを防げるほどの装備となると、どのくらいのDPがつくのかわからない。
そう思ったのだが、意外と安いDPで発見することができた。
―――――――――――――――――――――
【奇跡のロザリオ】
種別:装飾品 ランク: D
防御:+1 損傷度:0/1,000
効果:1,000までのダメージを無効にすることができる。累積でそれ以上貯まると壊れてしまう。
消費DP:100
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