ダンジョンマスター配信中!~投げ銭(スパチャ)で楽々ダンジョン強化〜

空野進

文字の大きさ
14 / 21

第14話:スキルドレイン

しおりを挟む
「そっか……、スキルを無効化できるのだから、中に入ってしまったらスキルダメージも受けなくなるんだね」



 範囲が狭い分、身動きはほとんど取れないけど、今の遥の役目は時間稼ぎ。
 つまり、相手を挑発してその場に留まらせたら良いのだから、十分すぎる成果だった。



「でも、このあとはどうしよう……。倒すだけなら高ランクの魔物を召喚すればいいだけなんだけど……。とりあえず、あの強力な固定ダメージスキルをどうにかしないと、聞く耳も持ってくれないよね?」



 でも、それが難しいんだよね……。
 何かいい手はないかな……?



:スキル無効化の牢獄を作ろう。
:HPの高いSランク魔物を召喚するとか?
:最終的には冒険者組合に引き渡すわけだからな。
:組合には通報しておきました。
:ただ、組合員も簡単に倒されるよな?
:スキルレベルが下がったら良いのだけど……。
:ダイヤスラ妖精すら倒せる力か……。正直羨ましい。
:スキルドレインとかはどうだ?
:デビシーフか!?
:見た限り、ドレイン無効化の装備はつけてないもんな
:ドレイン対策は冒険者なら必須なのに、誰にも習わなかったのか?



 スキルレベルが下がる方法なんてあるんだ……。えっと、デビシーフだね……。



「……見つけた! これでいいんだよね?」



 視聴者みんなに見えるようにモニターを表示させる。



―――――――――――――――――――――
レベル:20 種族:デビシーフ(ランク:D)
HP:50/50 MP:150/150
筋力:25 耐久:20 魔力:40 精神:30 速度:40
スキル:【スキルドレイン(LV:1)】
経験値:1,000 お金:300円
召喚DP:100
―――――――――――――――――――――



 ランクを考えると召喚DPは高めだけど、それでも低ランクなので特別高いわけでもない。
 今はほとんどDPが残っていないけど、ダンジョンで倒した冒険者の装備を売り払えば一体くらいは召喚できると思う。


 でも、お世辞にも強いとはいえない魔物……。
 あっさり倒されてしまいそう……。
 召喚時に上げられるだけレベルを上げたらいいのかな? 


 とりあえず装備を売ってみよう。
 僕はマスタールームにある装備を全て売却して DP に変えてみた。
 すると、全部で200 DP になっていた。



「まぁ、こんなものだよね? うーん、少し心配だなぁ……」



 一応、 今の DPでどのぐらいデビシーフを強化できるか調べてみる。


 レベル24か……。
 土田あいてのレベルが100を超えてることを考えると、さすがにまだ低すぎるよね?
 強いレベルで召喚できないなら、逆にたくさん召喚してみようかな?


 逆にそんなことも考えたが、土田の固定ダメージは範囲内にいる全てにダメージを与えることができる。
 たくさん出したところで一撃で倒されてしまうのだった。

 やっぱり、強力な一体を作り出すしかないみたいだね……。



「DPが増える明日の朝まで待つしかないかな。遥、大丈夫かな? うぅぅ……、不安だよ……」



 もし倒されたとしても遥は冒険者傷組合で復活することができる。
 それでも怖い思いはするし、痛みも感じる。
 できれば、そんな思いはして欲しくないけれど……。



「僕にもっと力があれば――」



――――――――――――――――――――
かなたんファンクラブ会員1号
¥50,000

大丈夫、ファンクラブ1号の俺がかなたんの力になってやる!
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
真のかなたんファンクラブ会員1号
¥50,000

ちょっと待て! 勝手に1号を名乗るな!
それにかなたんを助けるのは俺だ!
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
裏かなたんファンクラブ会員1号
¥50,000

これは一番助けた奴がファンクラブ第1号ということだな
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
奏くんファンクラブ会員1号
¥50,000

絶対に負けない!!
――――――――――――――――――――



「ちょっと、ファンクラブなんてないからね!? それにみんな上限一杯まで投げてるよね!? でも……、うん、ありがとう……」



 いきなり始まるファンクラブ第1号争いによって、ダイヤスラ妖精の時以来の赤スパで覆い尽くされていた。

 それだけで合計DPが5130も溜まっている。


 こ、これってホントにファンクラブを作らないといけないのかな?
 うん、そうだよね……。ここまでしてくれたみんなに報いないといけないよね?
 でも、 まずは遥を助けないとね。



「よし、デビシーフを召喚するよ!」



 もらった DP は全て使い切って……。 


 えっと……、あっ、レベル100までいけるんだ……。
 じゃあ、レベルはこれで……、えっと、能力値とSPスキルポイントを振り分けて下さい?

 あっ、数値は自分で決められるんだ……。
 それなら【HP】は必須として、【MP】もスキルドレインを使うのに使うよね?
 他にも、スキルレベルを下げた後に攻撃もするから【筋力】と【速度】もいるかな?


 かなり、一部に特化した能力となってしまう。


 えっと、次は……SPのほうか……。
 とは言っても、覚えてるスキルってスキルドレインだけだよね?

 とりあえず、最大になるまでスキルドレインを上げてみる。
 そして、残ったSPの使い道だけど……。



「あっ、これ、新しいスキルも覚えさせられるんだ……」



 それなら断然【ダメージカット】だよね。
 本当はスキル無効化を覚えさせたいところだけど、強力なスキルはそれだけSPを多く必要になる。

 残りSPで覚えさせられるのは、ダメージカットだけだった。
 ただ、そちらも残ったSPでレベルを上げておく。
 その結果……。



―――――――――――――――――――――
レベル:100 種族:デビシーフ(ランク:D)
HP:1050/1050 MP:1150/1150
筋力:125 耐久:20 魔力:40 精神:30 速度:140
スキル:【スキルドレイン(LV:10)】【ダメージカット(LV:4)】
経験値:9,000 お金:300円
召喚DP:4940
―――――――――――――――――――――



 なんかとんでもない数値になってしまった。
 でも、ダイヤスラ妖精に比べたら、やっぱり見劣りする気がする。
 向こうはSランクの魔物だもんね。

 とにかく、この魔物を土田のすぐ上に召喚していた。



◇◇◇



 何度か遥を攻撃していた土田。
 しかし、未だに有効打は与えられなかった。

 そもそもどういった原理なのか、全くダメージを与えられている気がしない。

 そこでようやく少女の足元が光っていることに気づいた。



「くっくっくっ、そうか、聞いたことがあるぞ。スキルを無効化する罠を。つまりお前が今立っているところにその罠が仕掛けてあるんだな?」

「……」



 ついにバレてしまった……。


 遥の顔に一筋の汗が流れる。
 ただ、その瞬間に土田の頭の上に巨大な召喚陣が現れる。

 黄金色に輝くそれは、光を発したかと思うと、黒いコウモリが現れて、高速で土田へと向かってくる。

 コウモリが攻撃を加えてくる前に、土田は固定ダメージを与えていたが、それを耐えて、そのコウモリは土田を攻撃する。


 しかも、それだけではない。
 奏のモニターにはとある表示が現れていた。



土田正樹つちだまさきのスキル【固定ダメージ】のレベルが3に下がりました』
土田正樹つちだまさきのスキル【固定ダメージ】のレベルが2に下がりました』
土田正樹つちだまさきのスキル【固定ダメージ】のレベルが1に下がりました』



 一瞬で土田のスキルレベルは1となり、その上で致命打となり得る攻撃を加えていたのだ。



「ぐはっ……。い、一体何が!?」

「……」



 困惑する土田。
 遥もいまいち状況が飲み込めていない。

 ただ、こうなっては土田に戦う術はない。

 僕もマスタールームから出ると、2階層ボス部屋へと向かった。



◇◇◇



 僕の姿を見ると。デビシーフは肩に止まってくる。


 意外と小柄なんだな……。


 どちらかといえばコウモリに似ている。
  ただ今それを気にしている場合じゃない。

 僕は改めて満身創痍の土田の顔を見る。



「くっ、俺もここまでか」

「どうして、このダンジョン襲ってきたの?」

「俺は元々使えないスキルだからといって、レベル1の状態でダンジョンの奥深くに捨てられたんだ……」

「えっ……?」



 土田の 言葉に僕は思わず息が詰まる。
 すると、遥が補足をしてくれる。



「私も聞いたことがあります。パーティーを込めるメンバーは四人。だからこそ新しいメンバーを加えるために使えない人物はダンジョンの奥に捨ててくる、という話を――」

「あぁ、そういうことだ。そして俺は捨てられた。当然だよな、どんな相手でも1ダメージしか与えられないやつなんて。 だからこそ俺は復讐を誓った。俺を捨てたやつら、そしてダンジョンそのものに対しても……」

「あなたはそこで間違えたのですよ」



 遥は目を閉じ、呟くように言ってくる。



「もっと早くに奏さんと出会わなかったから……」

「えっ、僕!?」

「はははっ、本当にそうだな。こんな面白おかしいやつと出会っていたら俺の人生も違ったかもな……」

「ちょっと待って! 僕の評価おかしくない!?」

「おっと、どうやら俺はここまでらしい。復活したら冒険者組合に自首してくるよ」



 その言葉をつけると、土田はゆっくり消えていった。



「本当にこれで良かったのかな?」

「奏さんはダンジョンマスターだから? なら、冒険者を追い払って何もおかしいことはないですよ」

「うん、ありがとう」



 僕はしばらく、土田が消え、何もない空間をじっと眺めていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

霊力ゼロの陰陽師見習い

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...