笑顔で異世界救います!?

綺羅姫

文字の大きさ
18 / 33
騎士団編

16

しおりを挟む
「ありがとな‥‥‥。」

私の熱弁にカエサル様はほっと息を吐いて、上を向いた。
少し耳が赤いようなきがするけど、それは黙っておこう。

「今時そんなこと言うやつは反王政はに取り込まれるか、もしくは王の重臣に取り潰されるぜ。」

こ、怖い!!王政怖い。マジで物騒すぎる。

「あまり、いじめないで下さいね。アレギウス様が守ってくれますので、心配要りませんから。」

【ケイン様!!】

いつの間に入ってきたのか分からないけれど、ケイン様はテーブルの向こう側に立っていた。

‥‥‥良かった。
ケイン様はいつもと同じように接してくれた。
ギクシャクしていると、落ち着かない。本当に良かった。

「なんだよ、聞いてたのか?」

少し意地の悪い声で話ながら、ケイン様の方を向いた。

「いえ、今来たばかりですよ。アメリアさんに魔法を教えるように頼まれたので、団長に。」

「あいつが、な‥‥‥。大方、俺の目を見せようとしたのも、お前を護衛につけたのも、全部トレーシーの考えだろ?」

ぶっきらぼうにいい放つカエサル様はものすごく不機嫌だ。

「嫌なことだとしても、団長には深いお考えがあるのです。」

嫌なこと‥‥‥そうですか。
ちょっと悲しいけど、理由があるのは知ってるからね。

「あぁ、はいはい。俺はもう行くから、魔法教えてろ。」

「当たり前です!」

仲が悪い‥‥‥訳じゃなさそうだけど、う~ん、分かんないなぁ。
カエサル様は面倒くさそうに一度髪を引っ張った濡れたままでさっさと出ていった。

「さて、アメリアさん。服を持ってきたので、着替えて下さい。」

テーブルに置いてある袋を持ってきて差し出した。
中にはまた、白いワンピースが入っている。

「自分でクロウルをかけるなら白の方がやりやすいので。」

なるほど、納得!
今、着ているワンピースよりもこっちの方が可愛い気がする。
腰にリボンがついていて、絞められるようになっている。それに、裾もふわりとひろがって足首までの長さ。
ケイン様には外に出てもらってさっそく着替えた。

【ケイン様~】

着替えが終わったので、ケイン様を呼ぶ。

「じゃあ、始めましょうか。そこの椅子に座ってリラックスして下さい。」

うわぁ、ドキドキする。
テーブルの横にある背もたれのある椅子をケイン様が引いてくれたので、ゆっくりと腰を掛けた。
ていうか、このテントなんでこんなに物があるの?
まぁ、それはいいとして。

「貴女が一番最初に使わなくてはいけない魔法はクロウルです。これは姿を変えるための魔法なので、普通は潜入の時に使われます。まずは、その魔石で声に出さなくては使えません。魔語がなければ魔法は発動しないので。」

ふ~ん、魔語ってことは、それ、覚えなきゃいけないんだよね‥‥‥。
正直記憶力には自信ないなぁ。

「言ってみてください。」

クロウル。
うぅ、あまり姿を変えたいとか思えない。
でも、魔法は使ってみたい!

【クロウル!】

‥‥‥何も、起こらない?

「クロウルを使うときにはなりたい姿を思い浮かべる必要があります。」

ケイン様が指をたててそう言った。

「しかし、今回はなりたい姿ではなく少年の姿になることを意識してください。」

やっぱり性別は男ですよね~。
いつものように、はぁ~と溜め息をついたもう一度やってみようとした時、外から声がかかった。

「ケイン様、団長がお呼びです。」

ケイン様は、

「ちょっと行ってきます。俺がいない間は魔法使おうとしないで下さいね、絶対使わないで下さいね。」

と、念を押して外に出た。
そんなに言わなくても使おうとしないよ。
大体クロウル以外魔語も知らないし。

初めての魔法が、潜入用の魔法だなんて少し微妙だけど、魔法だからね。とか考えながらケイン様が、返って来るのを待とう、と大人しく椅子に座っていた。

けど、さすがに遅くない?
早く魔法使いたい!
もう、15分はたったのに返ってくる気配なし。
魔法、使いたい使いたい使いたい~。
クロウルの次に教えてほしいのは、やっぱり転生王道のファイアボールとか!
自分で身を守れれば護衛がいなくても動けるし。
魔語がなくても使えればいいのになぁ。
使えないかな?
いろいろ、考えてみる。

えっと、火?とか?
これだけだとイメージしにくい。
手のひらを出して小さな熱をだんだん大きくする。
色はオレンジ、小さな火。
言葉も火じゃなくて、炎かな?

なんでかできそうな気がする。

心の中には炎が出ますように、と唱えながら手のなかの火をイメージする。

出ろ出ろ、と念じてぐっと力を入れてみたけど、炎は出ない。
やっぱり無理かぁ、と手をおろして諦め掛けたその時、ぼんっと爆発したような音が小さく響いた。

え?

その音と一緒に手から力が抜け、上がらなくなる。
そして、音がした場所には思ったよりも大きい炎が出現していた。
直径80センチくらいの火の玉。
ヤバい、これは燃える。

【どうしよう?】

魔語なくても魔法使えちゃったよ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

攻略なんてしませんから!

梛桜
恋愛
乙女ゲームの二人のヒロインのうちの一人として異世界の侯爵令嬢として転生したけれど、攻略難度設定が難しい方のヒロインだった!しかも、攻略相手には特に興味もない主人公。目的はゲームの中でのモフモフです! 【閑話】は此方→http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/808099598/ 閑話は最初本編の一番下に置き、その後閑話集へと移動しますので、ご注意ください。 此方はベリーズカフェ様でも掲載しております。 *攻略なんてしませんから!別ルート始めました。 【別ルート】は『攻略より楽しみたい!』の題名に変更いたしました

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮
恋愛
クリバンス王国内のフォークロス領主の娘アリス・フォークロスは、母親からとある理由で憧れである月の魔女が通っていた王都メルト魔法学院の転入を言い渡される。 しかし、その転入時には名前を偽り、さらには男装することが条件であった。 その理由は同じ学院に通う、第二王子ルーク・クリバンスの鼻を折り、将来王国を担う王としての自覚を持たせるためだった。 だがルーク王子の鼻を折る前に、無駄にイケメン揃いな個性的な寮生やクラスメイト達に囲まれた学院生活を送るはめになり、ハプニングの連続で正体がバレていないかドキドキの日々を過ごす。 そして目的であるルーク王子には、目向きもなれない最大のピンチが待っていた。 さて、アリスの運命はどうなるのか。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...