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本編
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しおりを挟む8月10日この日は1年の中で西園寺家が一番忙しい日
この日は一族総出で阿久祭を執り行う
凛の家の敷地にはいくつもの出店が立ち並び様々な飾り付けが施される
その奥にある巫女舞が行われる場所で凛は舞の練習をしていた
化楽「なぁなぁ今から何が始まるんだ?あっち行こうぜ!」
ワクワクが止まらない化楽のこえが凛の頭に響く
凛「うるさい」
化楽「頼むよ!なぁなぁなぁって!あっちすげー人いっぱいいるじゃんかよ!」
凛「行きたいなら行けば良いじゃない」
化楽「お前から離れれねーの知ってんだろ!」
凛「離れてくれるなら全然どうぞー」
そんなやりとりをしながら一通りの舞が終わる
パチパチと手を叩く音がする
?「凛ちゃんすごく綺麗!」
?「うん!すごく綺麗だね。」
と声をかけてくる2人の女の子
この2人は凛のクラスメイトだった
凛は顔を赤らめ、2人に近づく
凛「来てくれたんだね、ありがとう美佳 麻優」
美佳「来るにきまってるじゃん!」
その後少しの談笑があり凛は再び練習クラスメイトの2人は出店を見に行くといい別れた
化楽「お、行くか?」
深いため息をつく凛
凛「後でね。」
化楽「やったぜー!」
そして日が沈み始めた頃、装飾された灯りが点灯し始め一気に場の雰囲気が高まる
賑わいの中、雅楽の笙の音が聞こえ始める
分家の人間(孔と他15人程)が雅楽を披露してそれに合わせて凛が巫女舞を舞う
ただ真もその1人であったが未だ姿を表さず代役をたてていた
そんな中始まる舞、それは美しく賑やかだった会場も静かになりその場にいた全員が見入っていた
一曲目の終わり間近、壇上に上がる謎の人影
ざわつく場内灯りに照らされ出て来たのは真だった
化楽「ヤバいぞ!凛そいつから離れろ!」
凛「・・・動けない・・・の」
圧倒的な力の差を感知し動けない凛
化楽「しょうがねぇな!」
凛を守るようにバリアを張る
真「へぇ、面白い能力だね呪印が勝手に動くなんて初めて見たよ。」
バリアに触れる真
真「でも今は邪魔だから少し寝ててよ」
その瞬間バリアが解け化楽の反応が消え凛に向かって歩き始める
横切る寸前凛だけに聞こえる声で
真「今から面白くなるよ、お姉ちゃん。」
ニタニタと笑い右手を上げる真
その手に放印されて現れる2メートルほどの黒い槍
その瞬間
玲志「避けろ!!!」
近くで見ていた玲志が駆けつけ叫ぶ
真「もう遅いよ。」
持っていた槍を見えない速度で投擲する
ズシャッ!!!と音が響く
槍は凛では無く孔を貫き槍と共に壁にめり込んでいた
それを見た観客はどよめきパニックになる飛び交う悲鳴の中、人を押し退け我先に逃げようとする大勢の人々
その中でニタニタと不気味な笑みを浮かべる真
スッっと手を振ると孔に突き刺さった槍が消え真の元へと帰ってくる
そこへ玲志が斬りかかるがそれを軽く弾き返す真
凛「やめてっ!」
目の前で起きている事に理解が追いつかずパニックとなった凛が叫ぶ
真「面白かったでしょ?」
尚もニタニタと笑っている
玲志「お前それ本気で言ってるのか?」
真「本気も何もこれ見て理解できないかなぁ?」
煽るように言い放ち高笑う真
再び斬れかかる玲志
何度もぶつかり合う二人
凛「孔婆様!孔婆様!」
隙を見計らい孔の体を支え必死に呼び続けるが傷口からは血が流れ続け息もしていないそれでも必死に呼び続ける凛
分家の人間「凛様!こちらで引き受けます!今のうちにお逃げ下さい」
凛「お願いだから目を覚まして・・・」
目に涙わ浮かべ尚も呼び続ける
孔の胸元に黒い炎のような物が現れるそれは宿主が力尽きた時に体から呪印が離れた時に起きる
化楽「・・・もう・・無理だ、諦めろ・・・凛」
意識が戻り絶え絶えの息で喋り出す化楽
ポタポタと涙を流し孔にしがみつく凛の横で孔の呪印を取り込む化楽
真「あー!僕が貰おうと思ってたのに!」
玲志の攻撃をかわしながら余裕を見せる
真「あぁ、そろそろうざいなお前も死ねよ。」
そう言うと巨大な黒い鎌に形を変える槍
玲志に向かい猛攻撃をする真
一瞬の隙をつかれ吹っ飛ぶ玲志、壁にぶつかりその場に崩れ落ちる
真「弱いのに頑張っちゃって、そう思わない?ねぇお姉ちゃん?」
凛の方を向き構える真
その瞬間
玲志「乱舞!狂狂戦華咲!」
叫ぶ玲志から黒い靄が一気に立ち上り包み込んだ瞬間、スパッと斬れ中から黒い般若の半面を付け右手には禍々しいオーラを纏った玲志が現れる
真「あーあ、怒っちゃ・・・
何かを言い終えるか否か真の腕が斬り落とされ、持っていた鎌が消える
少し驚いたような顔をする真
真「へぇ予想外だよこんなの、それまだ本気じゃないでしょ?君強いんだね。」
ハァハァと息の荒い玲志
間髪を入れずさらに斬りかかる玲志
間一髪避けるが脚に深い傷を負う真
真(避けたはずなのにっ!)
スッと観客がいた場所に降り立ち
真「遊びに来ただけなのに酷いぁ・・・今日はもう帰るよ、また遊べると良いね。」
と言い放ちその場から跡形もなく消える真
いつもの姿に戻る玲志は息を荒げ辛そうにしている
「ハァハァ・・・くそがっ!!」
自分の不甲斐なさと悔しさに怒りを表す玲志
楽しく始まった祭りは悲惨な結果となって終わった・・・
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