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弱み(1)
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トイレの鏡で、映る自分の顔を見る。
髪型も化粧も問題なし。
三戸春佳は、待ち合わせ場所に行く前に、身形の確認をしていた。
腕時計を見ると、時間は午前九時半。待ち合わせには三十分もあり、場所も近い為、時間には充分余裕がある。
……はずだった。
スマホが鳴り、液晶画面に表示された文字を見て驚いた。
もう着いてるから。
急いでトイレから飛び出し、待ち合わせ場所へと向かう。
しかし、この先には大型遊園地があり、カップルや親子連れが道いっぱいに広がって歩いていて、なかなか前に進むことができない。
今日が休日の日曜だから尚更だ。
待ち合わせ場所である、遊園地のゲート前に着いたのは、約束の十五分前だった。
キョロキョロと辺りを見渡していると、頬に冷たい物が当てられた。
「冷たっ」
咄嗟に距離を取る。
冷たい物は、コーラーの缶であった。
コーラーの缶を当ててきた彼を睨む。
「ちょっと、裕人くん?!」
そこには、大学生になり、すっかり背が伸びた裕人くんがいた。
背は伸びたが、こういう悪戯をするところは、会った頃のままだ。そして、人を振り回す感じも変わっていない。
「悪い、折角の化粧が落ちちゃうな」
全く悪びれた様子のない彼は、怒る私を見て笑う。
今日は、彼との二度目の遊園地デートであった。二度目と言っても、初めて来たときは、私が乗り物酔いをした上に、一方的に喧嘩して飛び出してしまい、デートにはならなかったのだが。
裕人くんが、化粧がついたと思われるコーラーを飲む。
「それ、私にくれるわけじゃないんだ」
私は半分冗談のつもりで言ってみた。
「いる?ちょっと飲んじゃったけど」
まさかの彼の言葉に戸惑う。
「いや、今の冗談で、その」
私は慌てて断ろうとするが、裕人くんは私の手を取ると、コーラーの缶を持たせた。
持たされたその缶は………………軽かった。
「ちょっとどころか、全部飲んでるじゃん!」
裕人くんはその場でしゃがむと、腹を抱えて大笑いする。
先程の言葉、少し訂正しよう。背が伸びると共に、彼の意地悪さも成長していた。
腹を立てた私は、一人で遊園地に向かおうとする。
「そんなにコーラーが飲みたかった?」
小走りで追いついてきた彼は、まだ涙目になっている。
私は拗ねて首を横に向けた。
飲みたかったわけじゃなく、からかわれたのが恥ずかしかったのだ。
「ジェットコースターに乗る?」
遊園地に入って早々、前を歩く裕人くんが言った。
「言っておくけど、今日は酔わないからね」
この前は、色々とコンディションが悪かったのが原因であり、今回は同じ轍を踏むわけにはいかない。
本日のデートは、リベンジでもあった。
「そのリベンジが果たせたら、ご褒美やるよ」
「ご褒美?」
ご褒美が何かを聞いたが、教えてくれず、彼は黙ってジェットコースターの乗り場へと歩く。
列に並び、順番が来たときであった。
「え?」
私は驚いた。
案内員さんに案内された場所は最前席だったのだ。
「どうしたんだよ?春佳」
わかっているくせに、わからない振りをする彼が先に乗り込み、私を手招きしている。
リベンジというものは、同じ環境と条件でなくてはならない。
しかし、それを理由にすれば、彼には馬鹿にされたままになる。
私は無理やり笑顔を作り、彼の横に座る。
安全バーがすぐに降ろされた。
覚悟を決めるしかない。
カウントダウンが始まる。
もう何周したかわからないジェットコースターを降りた頃、私はもぬけの殻と化していた。
折角、気合を入れて早起きをし、編みこんだ髪型はぐしゃぐしゃとなっているだろう。
ベンチに座っていると、裕人くんが手に何かを持って戻ってきた。
「これ、ご褒美」
そう言って、私の手に渡されたものは、コーラーの缶であった。今度は、ちゃんと中身も入っている。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
裕人くんも隣に座り、二本目となるコーラーのプルタブを開ける。
私たちは、次に乗るアトラクションを決めようと、紙の園内地図を広げた。
園内には、ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーランド、お化け屋敷、観覧車、と一通りのアトラクションがある。
「裕人くんは、次に何乗りたい?」
彼は地図をじっと見て唸った。
彼のことだから、何処でもいいと言うと思ったのに、唸るほど悩むとは。可愛い所もあるのだと微笑ましくなる。
「お化け屋敷かな」
「え?」
地図から顔を上げた彼に、私は聞き返した。
この遊園地のお化け屋敷は、迷路になっており、脱出するまでに様々な恐怖を体験するらしい。それも、恐怖のあまり、気を失う人もいると言われている。
「えっと、私、さっきのジェットコースターで叫びまくった後なんだけど」
裕人くんは、だから?と聞くような目で私を見る。
この意地悪め、と私も目で返す。
「春佳サーン、もしかして、ここのお化け屋敷は初めてですか?」
「もしかして、私の弱みを探ってらっしゃる?髙橋裕人さん?」
「一体、何のことでしょうか?」
「今更、いい子ぶらないでくださーい」
うふうふ、と笑いながら穏やかな会話をしているが、言葉の裏で私たちは凄まじい争いをしていた。
十分間睨み合った結果、お化け屋敷に行くかどうかをジャンケンで決めることとなった。
私が音頭をとる。
「最初はグー、ジャンケン!」
ポン、で開いたのは、チョキ。そして、裕人くんは、グーであった。
「……」
うなだれる私に、裕人くんが笑う。
私たちは、空になったコーラーの缶をゴミ箱に捨て、お化け屋敷へと向かった。
お化け屋敷は薄暗く、なんとなく肌寒かった。
わざと、室温が下げられているのか。それとも、私の体温が下がっているのか。
私は大人しく、裕人くんの後ろをついて歩いた。
「こういう所は大抵、後ろから襲ってくるんだぞ?」
楽しそうな裕人くんが、まるでフラグを立てるかのように言う。
「前に出たら出たで、裕人くんが私を驚かせるんでしょ!」
「誰がするんだよ?そんな悪趣味なこと」
彼はそう言うが、全く信用できない。
入り口から最初の曲がり角を曲がったとき、恐怖の瞬間は訪れた。
一本道の先から、雄叫びを上げたゾンビが走ってくるのが見えた。
後ろに逃げれば、入って来た入り口であり、お化け屋敷から出ることとなる。
つまり、逃げ道はない。
「ぎゃああああああ?!」
私もゾンビに負けないくらい叫び声を上げる。
悲鳴というより、サイレンだ。
「ど、ど、どうしよ?!裕人くん」
私は彼を盾にするように背中にしがみつく。
「さっき、入り口でスタッフが抜ける壁があるって言ってただろ」
私とは反対に冷静な彼は、左右の壁を叩き、抜ける壁を見つけた。
そんな調子の繰り返しで、私一人が、ぎゃあぎゃあと叫び倒した。
お化け屋敷を出ると、またしても私はもぬけの殻となった。
裕人くんが笑いを堪えて肩を震わせていたが、我慢ができなくなったのか、吹き出して大笑いする。
「ほんっっと、裕人くんが楽しんでいるみたいでよかったよ」
私は皮肉をたっぷり込めて言う。
「友達と来てもこんなには楽しめないだろうな」
きっと彼は、その言葉を何気なく、言ってしまっただけなのだろうと思う。しかし、私には嬉しかった。
私たちの関係は、ちょっと不思議だ。
恋人だけれど、恋人じゃない。
彼は、自殺した私の元恋人、輪島賢太郎の異母兄弟であり、私たちの付き合いには条件があった。
それは、私が、賢太郎の自殺した原因を知るまでの関係、だということ。
私の中では、もうそれほど原因に、答えを求めてはいない。彼には彼の悩みがあった。そして、私ではその悩みから彼を救うことができなかった。私に残されたのは、その事実のみだ。
「春佳、もうお化け屋敷出たけど、これいつまでやっておくの?」
「これって?」
裕人くんが指差す所を見て、気がついた。
慌てて掴んでいた裕人くんの腕を離して、彼から距離を取る。
お化け屋敷があまりにリアル過ぎて、いつ意識を手放してもよいように、腕にしがみつかせてもらっていたのだ。
言われるまで、離すことを忘れていた。
「わ、私、その、お手洗い行ってもいいかな?」
アハハ……、と誤魔化すように私は笑った。
「じゃあ、さっきのベンチの辺りで待ってるから」
「うん」
ベンチの方に歩いて行く彼の背中を見送りながら思う。
今の、変に思われてないよね?
この気持ちは、まだ気づかれてはいないはずだ。
熱く感じる頬を隠そうと、私は手を当てて俯いた。
髪型も化粧も問題なし。
三戸春佳は、待ち合わせ場所に行く前に、身形の確認をしていた。
腕時計を見ると、時間は午前九時半。待ち合わせには三十分もあり、場所も近い為、時間には充分余裕がある。
……はずだった。
スマホが鳴り、液晶画面に表示された文字を見て驚いた。
もう着いてるから。
急いでトイレから飛び出し、待ち合わせ場所へと向かう。
しかし、この先には大型遊園地があり、カップルや親子連れが道いっぱいに広がって歩いていて、なかなか前に進むことができない。
今日が休日の日曜だから尚更だ。
待ち合わせ場所である、遊園地のゲート前に着いたのは、約束の十五分前だった。
キョロキョロと辺りを見渡していると、頬に冷たい物が当てられた。
「冷たっ」
咄嗟に距離を取る。
冷たい物は、コーラーの缶であった。
コーラーの缶を当ててきた彼を睨む。
「ちょっと、裕人くん?!」
そこには、大学生になり、すっかり背が伸びた裕人くんがいた。
背は伸びたが、こういう悪戯をするところは、会った頃のままだ。そして、人を振り回す感じも変わっていない。
「悪い、折角の化粧が落ちちゃうな」
全く悪びれた様子のない彼は、怒る私を見て笑う。
今日は、彼との二度目の遊園地デートであった。二度目と言っても、初めて来たときは、私が乗り物酔いをした上に、一方的に喧嘩して飛び出してしまい、デートにはならなかったのだが。
裕人くんが、化粧がついたと思われるコーラーを飲む。
「それ、私にくれるわけじゃないんだ」
私は半分冗談のつもりで言ってみた。
「いる?ちょっと飲んじゃったけど」
まさかの彼の言葉に戸惑う。
「いや、今の冗談で、その」
私は慌てて断ろうとするが、裕人くんは私の手を取ると、コーラーの缶を持たせた。
持たされたその缶は………………軽かった。
「ちょっとどころか、全部飲んでるじゃん!」
裕人くんはその場でしゃがむと、腹を抱えて大笑いする。
先程の言葉、少し訂正しよう。背が伸びると共に、彼の意地悪さも成長していた。
腹を立てた私は、一人で遊園地に向かおうとする。
「そんなにコーラーが飲みたかった?」
小走りで追いついてきた彼は、まだ涙目になっている。
私は拗ねて首を横に向けた。
飲みたかったわけじゃなく、からかわれたのが恥ずかしかったのだ。
「ジェットコースターに乗る?」
遊園地に入って早々、前を歩く裕人くんが言った。
「言っておくけど、今日は酔わないからね」
この前は、色々とコンディションが悪かったのが原因であり、今回は同じ轍を踏むわけにはいかない。
本日のデートは、リベンジでもあった。
「そのリベンジが果たせたら、ご褒美やるよ」
「ご褒美?」
ご褒美が何かを聞いたが、教えてくれず、彼は黙ってジェットコースターの乗り場へと歩く。
列に並び、順番が来たときであった。
「え?」
私は驚いた。
案内員さんに案内された場所は最前席だったのだ。
「どうしたんだよ?春佳」
わかっているくせに、わからない振りをする彼が先に乗り込み、私を手招きしている。
リベンジというものは、同じ環境と条件でなくてはならない。
しかし、それを理由にすれば、彼には馬鹿にされたままになる。
私は無理やり笑顔を作り、彼の横に座る。
安全バーがすぐに降ろされた。
覚悟を決めるしかない。
カウントダウンが始まる。
もう何周したかわからないジェットコースターを降りた頃、私はもぬけの殻と化していた。
折角、気合を入れて早起きをし、編みこんだ髪型はぐしゃぐしゃとなっているだろう。
ベンチに座っていると、裕人くんが手に何かを持って戻ってきた。
「これ、ご褒美」
そう言って、私の手に渡されたものは、コーラーの缶であった。今度は、ちゃんと中身も入っている。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
裕人くんも隣に座り、二本目となるコーラーのプルタブを開ける。
私たちは、次に乗るアトラクションを決めようと、紙の園内地図を広げた。
園内には、ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーランド、お化け屋敷、観覧車、と一通りのアトラクションがある。
「裕人くんは、次に何乗りたい?」
彼は地図をじっと見て唸った。
彼のことだから、何処でもいいと言うと思ったのに、唸るほど悩むとは。可愛い所もあるのだと微笑ましくなる。
「お化け屋敷かな」
「え?」
地図から顔を上げた彼に、私は聞き返した。
この遊園地のお化け屋敷は、迷路になっており、脱出するまでに様々な恐怖を体験するらしい。それも、恐怖のあまり、気を失う人もいると言われている。
「えっと、私、さっきのジェットコースターで叫びまくった後なんだけど」
裕人くんは、だから?と聞くような目で私を見る。
この意地悪め、と私も目で返す。
「春佳サーン、もしかして、ここのお化け屋敷は初めてですか?」
「もしかして、私の弱みを探ってらっしゃる?髙橋裕人さん?」
「一体、何のことでしょうか?」
「今更、いい子ぶらないでくださーい」
うふうふ、と笑いながら穏やかな会話をしているが、言葉の裏で私たちは凄まじい争いをしていた。
十分間睨み合った結果、お化け屋敷に行くかどうかをジャンケンで決めることとなった。
私が音頭をとる。
「最初はグー、ジャンケン!」
ポン、で開いたのは、チョキ。そして、裕人くんは、グーであった。
「……」
うなだれる私に、裕人くんが笑う。
私たちは、空になったコーラーの缶をゴミ箱に捨て、お化け屋敷へと向かった。
お化け屋敷は薄暗く、なんとなく肌寒かった。
わざと、室温が下げられているのか。それとも、私の体温が下がっているのか。
私は大人しく、裕人くんの後ろをついて歩いた。
「こういう所は大抵、後ろから襲ってくるんだぞ?」
楽しそうな裕人くんが、まるでフラグを立てるかのように言う。
「前に出たら出たで、裕人くんが私を驚かせるんでしょ!」
「誰がするんだよ?そんな悪趣味なこと」
彼はそう言うが、全く信用できない。
入り口から最初の曲がり角を曲がったとき、恐怖の瞬間は訪れた。
一本道の先から、雄叫びを上げたゾンビが走ってくるのが見えた。
後ろに逃げれば、入って来た入り口であり、お化け屋敷から出ることとなる。
つまり、逃げ道はない。
「ぎゃああああああ?!」
私もゾンビに負けないくらい叫び声を上げる。
悲鳴というより、サイレンだ。
「ど、ど、どうしよ?!裕人くん」
私は彼を盾にするように背中にしがみつく。
「さっき、入り口でスタッフが抜ける壁があるって言ってただろ」
私とは反対に冷静な彼は、左右の壁を叩き、抜ける壁を見つけた。
そんな調子の繰り返しで、私一人が、ぎゃあぎゃあと叫び倒した。
お化け屋敷を出ると、またしても私はもぬけの殻となった。
裕人くんが笑いを堪えて肩を震わせていたが、我慢ができなくなったのか、吹き出して大笑いする。
「ほんっっと、裕人くんが楽しんでいるみたいでよかったよ」
私は皮肉をたっぷり込めて言う。
「友達と来てもこんなには楽しめないだろうな」
きっと彼は、その言葉を何気なく、言ってしまっただけなのだろうと思う。しかし、私には嬉しかった。
私たちの関係は、ちょっと不思議だ。
恋人だけれど、恋人じゃない。
彼は、自殺した私の元恋人、輪島賢太郎の異母兄弟であり、私たちの付き合いには条件があった。
それは、私が、賢太郎の自殺した原因を知るまでの関係、だということ。
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「春佳、もうお化け屋敷出たけど、これいつまでやっておくの?」
「これって?」
裕人くんが指差す所を見て、気がついた。
慌てて掴んでいた裕人くんの腕を離して、彼から距離を取る。
お化け屋敷があまりにリアル過ぎて、いつ意識を手放してもよいように、腕にしがみつかせてもらっていたのだ。
言われるまで、離すことを忘れていた。
「わ、私、その、お手洗い行ってもいいかな?」
アハハ……、と誤魔化すように私は笑った。
「じゃあ、さっきのベンチの辺りで待ってるから」
「うん」
ベンチの方に歩いて行く彼の背中を見送りながら思う。
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