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10話 犠牲と約束
4.報酬
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宿で荷物を降ろし、セノンとカイオは休憩しつつ得た情報の取りまとめと明日の予定確認を行った。
装備の点検も手早く終わらせる。
その後は少し早いが、腹を空かせたセノンのために食事の準備を始めた。
この村には食堂がなく村の住民が食事を提供してくれるとのことだったが、村に何も返せないためその申し出はありがたくも断った。
代わりに金銭を払い食材を分けてもらい、久しぶりにカイオが夕食を用意した。
セノンも少し手伝い、そこまで手の込んだ料理ではなかったが、食材が新鮮なため味が良くセノンは相変わらずよく食べた。
そして早い夕食後、セノンは村の中を歩くことにした。
単純に気分を晴らすため少し歩きたいとも思ったし、期待していることもあった。
「あ…」
そしてセノンは、歩いている最中に目的の歌声を聞きつけた。
目星をつけていた場所に向けて、足を速める。
そして最初に出会ったのと同じ場所に、マルーの姿はあった。
「…こんにちは!」
「…っ!」
少し離れたところからやや大きな声でセノンが声を掛けると、マルーはびくりと身を震わせて振り返った。
セノンの姿を認めると、驚いた表情とともに立ち上がる。
「討伐者さん…?」
「少し、お話しませんか」
セノンが近づきながらそう話しかけると、マルーは困惑しながらもこくりと頷いた。
それを見てセノンは近くまで歩み寄る。
近づいて足を止めたところで、マルーが儚げに微笑んだ。
「…わたしが竜に捧げられるってこと、聞いたんですね」
少女の発言に、セノンは驚きで目を見開く。
「なんで…?」
「わたしを見る目が、村のみんなと一緒…近いうちに死にゆく人を、憐れむ目です。わたしその目が嫌で、人気のないところで歌を練習してたんです」
「あ…ごめん、なさい…」
「気にしないでください。わたしが逆の立場だったら、きっと同じ目をしてたと思うので」
そこで一度、マルーは口を閉じた。
そしてセノンが不意を打たれて怯んでいる間に、マルーは再び口を開く。
「…討伐者さんは、私を助けてくれますか?」
「あ…」
マルーの言葉に、セノンは咄嗟に言葉に詰まった。
マルーを探していたのは、まさしくそのことを彼女に伝えて、僅かにでも元気づけるつもりだったからだ。
だが今すぐ助けられるわけではないし、いつになるか分からない。
何より確実に助けられるという保証もない。
過剰な期待を持たせないよう、もう少しゆっくりと、慎重に時間をかけて伝えるつもりだった。
そのため、思いがけない状況に対してとっさに言葉が出てこない。
「えっと…それ、なんです…けど…」
「…冗談です。あなたみたいな若い討伐者さんに、竜に挑んで欲しいなんてこと、言いません」
言葉に迷うセノンを見たマルーはそう言って、穏やかに微笑んだ。
竜に挑むと言うことがどういうことなのか、彼女も十分過ぎるほどに理解しているのだろう。
マルーと目が合ったセノンは、その瞳の奥に初めて会った時に見たのと同じ、底知れないもの――深い絶望と諦念を見て取り、思わず詰め寄って声を上げた。
「あなたは、必ず僕が…僕たちが、助けます!」
セノンの打って変わって言い切った姿にマルーは一瞬驚くが、すぐに寂しげに微笑んだ。
「知らないでしょうけど、僕らは実績もある討伐者なんです!いままで、沢山の手強い魔獣を討伐してきたんです!だから、今回も…!」
「…ありがとうございます。そう言ってもらえて、嬉しいです」
マルーは寂しげに微笑みながら感謝の言葉を口にする。明らかに、信じていない。
初対面の時からうすうす感じていたが、マルーはセノンの「希望の勇者」としての名声を知らないようだ。
「本当なんです、信じてください!今すぐは難しくても、またなるべく早く来て、竜を…!」
言いながらセノンは、自分の発言が次第に疑わしくなっているのを自覚していた。
マルーは分かっています、とでも言うように笑みの形を深くした。
「はい。期待して、待ってます」
マルーの繕った笑顔と言葉に、セノンはかぶりを振る。
伝えたい気持ちが、自分の言葉ではちゃんと伝えられない。
これまで人との話し合いをカイオにばかり任せてきたことを、セノンは初めて後悔した。
「でも…そうですね。急いで来てもらえるよう、私も十分な対価は用意しなきゃいけないですね。討伐者の方に、タダで働いてもらうわけにはいかないです」
マルーは突然、妙に明るい声でそんなことを言った。
そしておもむろに少し下がると、胸を反らして軽く手を広げて見せた。
セノンはその意図が読めず、困惑する。
「私の命を救ってくれたら、私の全てをあげます。私のこと、好きにしていいですよ」
「なっ…」
マルーの明るい声に、セノンは絶句した。
そして、姿勢のせいで見やすくなったマルーの体を、無意識に見てしまう。
マルーの顔つきはまだ子供らしさが完全には抜けきっておらず成熟した女性には程遠いが、体付きは違っていた。
細身の体に対して胸や腰にはしっかりと肉がついており、女性らしいメリハリの付いた体つきをしていた。
セノンの視線の先をしっかりと把握し、マルーはおかしげに笑って見せた。
自分の外見が異性からどう見られているのかをはっきりと自覚し、それが喜ばれることも十二分に理解しているのだと見て取れた。
先程までとは一転し、マルーは急に表情が柔らかくなる。
「変なこと考えました?別にそれでも、いいですよ。どうせ、死ぬはずだった命なんだから」
「な、なに言って…!」
「でも、助けてくれたらですよ?そうじゃないと助けてもらう対価にならないもの」
マルーはセノンの男の子らしい反応に気を許したのか、所々言葉遣いを年下の男の子に向けたものに砕けさせた。
そのどことなく不安定で破滅的な様子に、セノンは僅かに不安を覚える。
「知ってると思うけど、わたし魔法の才能もとても高いんです。白魔法も黒魔法も使えるって言われてる。だから、そういうことだけじゃなくても、討伐者としても役に立つと思うの。お得でしょ?」
まあ魔法を教えてくれる人がいないから、今は簡単な回復魔法しか使えないんですけどね、と少女は顔を伏せてくすくす笑う。
そこまで話をされて、セノンはなんとなく理解した。
マルーはこちらに気を使って、ことさら明るい態度で場を茶化すことで、セノンが必要以上に気負わないようにしているのだろう。
ある意味では差し伸べられた手を信用せず、自ら遠慮して身を引いた、と捉えてもいいのかもしれない。
そのことが、セノンには無性に腹立たしく感じられた。
「お父さんには嫌がられるかもしれないけど…仕方ないよね、生きるためには。また来てもらえたら、お父さんは私が説得するって約束するから――」
マルーは言いながらセノンに近づく。
そして顔を上げたところで、険しい顔で自らを睨むセノンに気が付いた。
驚いて息を呑むマルーに、セノンは言葉をぶつける。
「…そんな対価なんて、いるもんか!そんなのなくたって、あなたのことは絶対、絶対に助けてみせる!絶対だ!」
本気で怒った様子を見せるセノンに対し、しばしマルーは驚いていた。
しかしやがて、最初と同じように寂しげに微笑んだ。
「…本当に、ありがとうございます。その気持ちだけで、とても嬉しいです」
マルーはそう言うと、素早くセノンに身を寄せた。
そして身長がほぼ同じセノンに対し少し背伸びをすると、その額に軽く口づけた。
頭に血が上っていたセノンは一瞬、何をされたのか分からなかった。
「えっ…?」
「今のは、お気持ちが嬉しかったのでその感謝の気持ちです。…でも、お気持ちだけで十分です」
「でもっ」
「決して、無理はしないでください…それじゃ、さよなら」
マルーはその言葉とともに穏やかに微笑んで、その場を立ち去った。
セノンはその美しい微笑みに、一瞬見とれてしまった。
そして、瞳の奥に眠る絶望をもう一度見ながらも、立ち去る姿を立ちすくんで見送ることしかできなかった。
装備の点検も手早く終わらせる。
その後は少し早いが、腹を空かせたセノンのために食事の準備を始めた。
この村には食堂がなく村の住民が食事を提供してくれるとのことだったが、村に何も返せないためその申し出はありがたくも断った。
代わりに金銭を払い食材を分けてもらい、久しぶりにカイオが夕食を用意した。
セノンも少し手伝い、そこまで手の込んだ料理ではなかったが、食材が新鮮なため味が良くセノンは相変わらずよく食べた。
そして早い夕食後、セノンは村の中を歩くことにした。
単純に気分を晴らすため少し歩きたいとも思ったし、期待していることもあった。
「あ…」
そしてセノンは、歩いている最中に目的の歌声を聞きつけた。
目星をつけていた場所に向けて、足を速める。
そして最初に出会ったのと同じ場所に、マルーの姿はあった。
「…こんにちは!」
「…っ!」
少し離れたところからやや大きな声でセノンが声を掛けると、マルーはびくりと身を震わせて振り返った。
セノンの姿を認めると、驚いた表情とともに立ち上がる。
「討伐者さん…?」
「少し、お話しませんか」
セノンが近づきながらそう話しかけると、マルーは困惑しながらもこくりと頷いた。
それを見てセノンは近くまで歩み寄る。
近づいて足を止めたところで、マルーが儚げに微笑んだ。
「…わたしが竜に捧げられるってこと、聞いたんですね」
少女の発言に、セノンは驚きで目を見開く。
「なんで…?」
「わたしを見る目が、村のみんなと一緒…近いうちに死にゆく人を、憐れむ目です。わたしその目が嫌で、人気のないところで歌を練習してたんです」
「あ…ごめん、なさい…」
「気にしないでください。わたしが逆の立場だったら、きっと同じ目をしてたと思うので」
そこで一度、マルーは口を閉じた。
そしてセノンが不意を打たれて怯んでいる間に、マルーは再び口を開く。
「…討伐者さんは、私を助けてくれますか?」
「あ…」
マルーの言葉に、セノンは咄嗟に言葉に詰まった。
マルーを探していたのは、まさしくそのことを彼女に伝えて、僅かにでも元気づけるつもりだったからだ。
だが今すぐ助けられるわけではないし、いつになるか分からない。
何より確実に助けられるという保証もない。
過剰な期待を持たせないよう、もう少しゆっくりと、慎重に時間をかけて伝えるつもりだった。
そのため、思いがけない状況に対してとっさに言葉が出てこない。
「えっと…それ、なんです…けど…」
「…冗談です。あなたみたいな若い討伐者さんに、竜に挑んで欲しいなんてこと、言いません」
言葉に迷うセノンを見たマルーはそう言って、穏やかに微笑んだ。
竜に挑むと言うことがどういうことなのか、彼女も十分過ぎるほどに理解しているのだろう。
マルーと目が合ったセノンは、その瞳の奥に初めて会った時に見たのと同じ、底知れないもの――深い絶望と諦念を見て取り、思わず詰め寄って声を上げた。
「あなたは、必ず僕が…僕たちが、助けます!」
セノンの打って変わって言い切った姿にマルーは一瞬驚くが、すぐに寂しげに微笑んだ。
「知らないでしょうけど、僕らは実績もある討伐者なんです!いままで、沢山の手強い魔獣を討伐してきたんです!だから、今回も…!」
「…ありがとうございます。そう言ってもらえて、嬉しいです」
マルーは寂しげに微笑みながら感謝の言葉を口にする。明らかに、信じていない。
初対面の時からうすうす感じていたが、マルーはセノンの「希望の勇者」としての名声を知らないようだ。
「本当なんです、信じてください!今すぐは難しくても、またなるべく早く来て、竜を…!」
言いながらセノンは、自分の発言が次第に疑わしくなっているのを自覚していた。
マルーは分かっています、とでも言うように笑みの形を深くした。
「はい。期待して、待ってます」
マルーの繕った笑顔と言葉に、セノンはかぶりを振る。
伝えたい気持ちが、自分の言葉ではちゃんと伝えられない。
これまで人との話し合いをカイオにばかり任せてきたことを、セノンは初めて後悔した。
「でも…そうですね。急いで来てもらえるよう、私も十分な対価は用意しなきゃいけないですね。討伐者の方に、タダで働いてもらうわけにはいかないです」
マルーは突然、妙に明るい声でそんなことを言った。
そしておもむろに少し下がると、胸を反らして軽く手を広げて見せた。
セノンはその意図が読めず、困惑する。
「私の命を救ってくれたら、私の全てをあげます。私のこと、好きにしていいですよ」
「なっ…」
マルーの明るい声に、セノンは絶句した。
そして、姿勢のせいで見やすくなったマルーの体を、無意識に見てしまう。
マルーの顔つきはまだ子供らしさが完全には抜けきっておらず成熟した女性には程遠いが、体付きは違っていた。
細身の体に対して胸や腰にはしっかりと肉がついており、女性らしいメリハリの付いた体つきをしていた。
セノンの視線の先をしっかりと把握し、マルーはおかしげに笑って見せた。
自分の外見が異性からどう見られているのかをはっきりと自覚し、それが喜ばれることも十二分に理解しているのだと見て取れた。
先程までとは一転し、マルーは急に表情が柔らかくなる。
「変なこと考えました?別にそれでも、いいですよ。どうせ、死ぬはずだった命なんだから」
「な、なに言って…!」
「でも、助けてくれたらですよ?そうじゃないと助けてもらう対価にならないもの」
マルーはセノンの男の子らしい反応に気を許したのか、所々言葉遣いを年下の男の子に向けたものに砕けさせた。
そのどことなく不安定で破滅的な様子に、セノンは僅かに不安を覚える。
「知ってると思うけど、わたし魔法の才能もとても高いんです。白魔法も黒魔法も使えるって言われてる。だから、そういうことだけじゃなくても、討伐者としても役に立つと思うの。お得でしょ?」
まあ魔法を教えてくれる人がいないから、今は簡単な回復魔法しか使えないんですけどね、と少女は顔を伏せてくすくす笑う。
そこまで話をされて、セノンはなんとなく理解した。
マルーはこちらに気を使って、ことさら明るい態度で場を茶化すことで、セノンが必要以上に気負わないようにしているのだろう。
ある意味では差し伸べられた手を信用せず、自ら遠慮して身を引いた、と捉えてもいいのかもしれない。
そのことが、セノンには無性に腹立たしく感じられた。
「お父さんには嫌がられるかもしれないけど…仕方ないよね、生きるためには。また来てもらえたら、お父さんは私が説得するって約束するから――」
マルーは言いながらセノンに近づく。
そして顔を上げたところで、険しい顔で自らを睨むセノンに気が付いた。
驚いて息を呑むマルーに、セノンは言葉をぶつける。
「…そんな対価なんて、いるもんか!そんなのなくたって、あなたのことは絶対、絶対に助けてみせる!絶対だ!」
本気で怒った様子を見せるセノンに対し、しばしマルーは驚いていた。
しかしやがて、最初と同じように寂しげに微笑んだ。
「…本当に、ありがとうございます。その気持ちだけで、とても嬉しいです」
マルーはそう言うと、素早くセノンに身を寄せた。
そして身長がほぼ同じセノンに対し少し背伸びをすると、その額に軽く口づけた。
頭に血が上っていたセノンは一瞬、何をされたのか分からなかった。
「えっ…?」
「今のは、お気持ちが嬉しかったのでその感謝の気持ちです。…でも、お気持ちだけで十分です」
「でもっ」
「決して、無理はしないでください…それじゃ、さよなら」
マルーはその言葉とともに穏やかに微笑んで、その場を立ち去った。
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