★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
298 / 476

第290話:建築技師タチバナ。

しおりを挟む

 目覚めた護衛の連中は一瞬の出来事だったのでジンバが首謀者だった事は気付かなかったようだ。

 むしろ、「隊長が助けに来て下さったんですね!」だそうだ。
 当のジンバはとても複雑そうな表情をしていたが、そこは堪えてもらうしかない。
 罪悪感を抱えて生きていくというのもこいつにとっての罰の一つだ。

 んで、代表はといえば。

「おおジンバ! 君が助けてくれたんだな……馬車が魔物の大群に囲まれた時はさすがに死を覚悟したぞ」

 同じだった。
 ジンバはまず魔物に馬車を取り囲ませて、応戦しようとした防衛隊員を即座に襲撃、意識を奪い、馬車の中に眠り薬的な物を撒いて代表を眠らせたところだったらしい。

 つまり、誰もジンバの姿を見ていなかった。

 ティアあたりは「そんな事あるぅ?」と訝しんでいたけれど、おそらくジンバは最初からこの命令をサクっと終わらせてすぐに防衛隊の隊長に戻るつもりだったんだろう。

 ジンバが自分の立場を守りたがったせい、というかおかげで結果的にうまく話がまとまったように思う。

「リザイン様、魔物の群れを倒し貴方を救い出したのは私ではありませんよ」

 シュマル代表はリザインという名前らしい。

「……そうなのか? では……この女性達が?」

「女性と侮るなかれ、彼女ら一人一人が我等防衛隊全体以上、と考えて頂いて問題ありません」

「はは、強いのは分かったがさすがにそれは言い過ぎであろうよ」

「……」

 リザインは苦笑いしていたが、ジンバはその顔を真っ直ぐに、真顔で見つめ返していた。

「……まさか、本当に……?」

 無言で頷くジンバに、リザインの苦笑いがどんどん引きつっていく。

「彼女らはこの国で……いや、世界中まで範囲を広げても最高峰の実力者ですよ。私が保証します」

「そ、そうか……冗談では、ないのだな……」

「はい。防衛隊隊長、ジンバの名にかけて。つきましては彼女らをリザイン様の護衛に推薦させて頂きたいのですが」

 ジンバの奴……ルークから何か聞いていたのか?
 それとも純粋に代表の身を案じての事か、どちらにせよ俺達にとってはありがたい話だ。

「う、うむ……それは願っても無い。ただ、とにかくまずはガリバンへ戻ろう。詳しい話は私の家でしようじゃないか」


 馬車は壊れてしまったが馬をそのまま放置するのは忍びないので一緒に転移する事になった。
 さすがに人数が多いので、途中で一度休憩をとる形式で頼もうかと思ったがラムの提案により別の方法を取る事になった。

 まず防衛隊員と馬をガリバンへ。
 俺達はラムが帰ってくるのを待って、残り全員を纏めてガリバンへ。

 ラム的にはこっちの方が楽らしい。
 何が違うのかよく分からないけれど。

 一気に大人数を運ぶより少ない人数を運ぶ方が楽って事なんだろう。


「本当に一瞬でガリバンまで……この少女はとてつもない魔法の才があるのだな」

「ええ、私も彼女たちの力には驚くばかりです」

 首都ガリバンの入り口まで到着すると、先に到着した防衛隊員から聞いたのかルークが出迎えてくれた。

「良かった、皆さんご無事でしたか!」

「おう、とりあえずはな」

 そんな事よりも俺はルークの隣に立っているガラの悪そうな男が気になってしょうがなかった。

 めちゃくちゃ背が高くて、天然パーマの長髪を頭の上でひとまとめにしている。
 それだけでも特徴的なのにサングラスをして、袴を履き、新選組によく似た羽織りを見に纏っていた。

「ああ、こちらの方はですね……」

「紹介の必要はねぇよ。そいつだろ? タチバナって奴は」

 建築技師タチバナ。
 ガリバンに来た時にルークが言ってた奴だろう。

「あらー? 俺っちの事知ってるのかい? ちょっとルーちん話が違うじゃんよ~」

「そのルーちんっていうのやめてくれませんかねぇ……」

 チャラい……こんな奴だったのか。

「お前新選組好きなのか?」

「おーよく分かってんねー君! 世間じゃ沖田、土方人気が凄いけどやっぱり新選組って言ったら近藤勇よな!」

「俺は斎藤一派だよ」

「そっちかーっ!」

 俺のわき腹をラムがちょんちょんと突いた。

「お主等はいったい何の話をしとるんじゃ……?」

「あぁ、ごめんごめん。こっちの話だよ」

「いやー、君ほんと面白いねこんな話出来たのは初めてだよ! ……って、あっれれー?」

 やっと気付いたか。

「えっ、あっれー? 君、もしかして……」

「おうよ。お前も日本人だろ? ……うわっ、なにすんだてめーっ!! ぎゃーっ!!」

 突然タチバナが俺に飛びついてきて押し倒されてしまった。

「俺っち以外の転生者に初めて、初めて会えたんだこんなに嬉しい事は無いっ!」

「分かったから離れろこの野郎! 死んでもしらねーぞ!」

「はは、男勝りだな君は……うへっ?」

 俺が言ったのは冗談でもなんでもなかったとすぐに気が付いたようだ。

 死んでも知らねぇぞ。

 俺に抱き着いたまま顔を上げたタチバナにはダンテヴィエルが付きつけられ、シャイナの魔法剣はむしろちょっと刺さってる。

 ラムは魔法をぶっぱなしそうになってるしネコは目からビーム発射準備してる。

「もう一度言うぞ? 死にたくなかったら離れろ」

「……ハイ」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦国鍛冶屋のスローライフ!?

山田村
ファンタジー
延徳元年――織田信長が生まれる45年前。 神様の手違いで、俺は鹿島の佐田村、鍛冶屋の矢五郎の次男として転生した。 生まれた時から、鍛冶の神・天目一箇神の手を授かっていたらしい。 直道、6歳。 近くの道場で、剣友となる朝孝(後の塚原卜伝)と出会う。 その後、小田原へ。 北条家をはじめ、いろんな人と知り合い、 たくさんのものを作った。 仕事? したくない。 でも、趣味と食欲のためなら、 人生、悪くない。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

処理中です...