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第297話:リザイィィィィン!!
しおりを挟む「おぉ……お前ら随分おめかしして来たじゃないか」
「だって目立っちゃいけないんでしょ? だったら一般女子装うのが一番なんだゾ♪」
翌朝、リザイン宅に集まった皆はとても可愛らしい服を身にまとっていた。
「その……私にこんな可愛らしい服は似合わないと言ったんだけど……」
あの後シャイナにも事情を説明したらしく、彼女もリザイン宅へ来ていた。
それも、隊員服と違ってとてもフリフリしたレースのついたワンピースを着ている。
「や、やはり似合わないよね……」
「いや、とっても似合ってるし凄く可愛いぞ」
「かっ、かわっ……!」
その一言だけでシャイナの顔は真っ赤に染まり、ティアの後ろに隠れてしまった。
「ミナト、純粋な女の子を虐めちゃダメだゾ?」
「いや、似合ってるから似合ってると言っただけなんだが……」
「なるほどのう、では可愛いから可愛いと言ったという事なんじゃな?」
心なしかラムの言葉が刺々しい。
「お、おう……ラムちゃんもめっちゃ可愛いぞ」
「ふん、そんなの知っとるのじゃばーか!」
なんでこの子怒ってるの……?
『君が女心の分からない朴念仁だからでしょ?』
分らん……。
「ごしゅじん、なんで私の事だけ無視するんですぅ……?」
「別に無視はしてねぇだろうがよ……馬子にも衣装ってやつだな。良く似合ってるよ」
「私孫じゃないですよぅ?」
「うん、なんていうかもういいや」
ネコが「なんですかどういう事ですかぁ?」と俺の袖を引っ張ってくるが今度こそ本格的に無視。
「にっひっひ~っ♪」
ティアが俺の周りをぐるぐる回りながら気持ち悪い笑みを浮かべてくる。
「な、なんだよ……」
「ラムちゃんがねぇ、ミナトの分も作ってくれてるんだよねぇ~♪」
「えっ」
俺がこいつらみたいな可愛らしい服を着るのか……?
「い、今着てるのでも十分じゃないか? ちゃんと普通の女の子に見えると思うんだが……」
俺だって今ではあまり目立ったデザインでは無いが普通に女物の服を着てるし、このままでも……。
「余計な……お世話じゃったかのう?」
「ぐっ……」
ラムが手に俺用の服を持ちながらしょんぼりした目で見つめてきた。これは卑怯だろ……。
「わ、分かった……着るよ。着ればいいんだろ着れば!」
そうは言ったものの、ラムが俺用に作ってくれたのはフリフリのピンクワンピースだった。
いわゆるロリータ服というやつだ。
「なんで俺のが一番フリッフリなんだよ……」
「ごしゅじん可愛いですぅ♪」
「やっぱり私の言った通りミナトはこういうの似合うでしょ?」
ティアか、ティアのアイディアかこれは!
「み、ミナト……可愛い。羨ましい……」
「シャイナまで……」
『諦めなさい。君は彼女らの玩具みたいなもんなんだから』
なんだそれ。そんな立ち位置を受け入れる気は無いぞ!
「頑張った甲斐があったのじゃっ♪ 喜んでくれるかのう……?」
ラムが上目遣いで俺の返事を待つ。
絶対分かってやってるだろこいつ……!
「あ、あぁ……あり、がとう」
「わーい嬉しいのじゃ♪」
俺もラムが喜んでくれて嬉しいよ……ははは。
「でもせっかく可愛らしい服着たんですし髪型も可愛くしなきゃ勿体ないですよぅ♪」
「お、おい何すんだ!」
ネコが俺の背後に回って首筋に手を回してきた。
「ティア、ごしゅじんを押さえていて下さい」
「おっけ♪」
「待てお前ら、おいっ!」
「逃げられると思っとるのかのう? 髪型整えるまでの間くらいの時間稼ぎくらいできるのじゃっ!」
ティアに両手を抑え込まれ、その間にラムがあの魔法の縄で俺をぐるぐる巻きにして自分の車椅子に座らせた。
「ぐっ、お前ら……」
「ほらごしゅじん動いちゃダメですぅ!」
『もう諦めなさい。ここまで来たら受け入れるしか、ないっ、のよ……っ!』
そのセリフがが笑いをこらえながらじゃなければもう少し受け入れやすかったかもしれねぇな!
「……はい、ごしゅじんできましたよ~♪」
「うん、とっても可愛いんだゾ♪ 持って帰りたいくらい!」
「なんじゃえらい可愛らしくなってしもうたのう」
三人とも俺を見てニヤニヤヘラヘラと……なんというかもう完全に男を廃業してしまった気持ちになってくる。
『とっくに廃業してるじゃないのよ』
「くっ、シャイナ。お前ならまともな意見をくれるはずだ。これを見てどう思う? さすがにおかしいだろ!?」
「えっ……と、その、本当の事言ってもいいのかな?」
「ああ頼む、ビシっとこいつらに言ってやれ!」
「信じられないくらい可愛い。とってもすごくめちゃくちゃ可愛い。長くて綺麗な髪の毛をストレートにしてるのも好きだけどこういう三つ編みにするのもとっても可愛いと思うしそのピンクの服もとってもとっても可愛くって……」
「あの、もしもしシャイナさん……?」
俺の思ってた反応と違う。求めてたのはこれじゃない!
「ああダメだ理性がもたないかもしれないとりあえず抱き着いてもいいかないいよね?」
「お、おいシャイナ……落ち着け! ステイ! ステイ!」
「はぁ……はぁ……」
シャイナは両手をワキワキさせながら雁字搦めの俺に迫ってきた。
「お、おい……誰かシャイナを止めろ! 目がおかしい! 尋常じゃないぞ何かの精神汚染を受けてる可能性がある! おいネコ! ティア! なんで笑ってんだよ助けろ……! ラム……!」
「あの……君等はいったい何をしてるんだ?」
予めストレージ内から出して隣の部屋で待機させていたリザインが、何の騒ぎかと様子を伺いに来た。
「リザイン! 頼む、後生だから助けてくれ!」
「……」
リザインは雁字搦めで襲われそうになっているフリフリの俺と目が合い、そして……。
ぴしゃっ。
ドアを閉めてしまった。
「リザイィィィィン!!」
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