★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
407 / 476

第397話:エクス様の高貴なる手解き。

しおりを挟む

「何をしている。余の授業料は高いぞ? 時間を無駄にするな」

 こんの野郎……!

 俺は今にも血管がはちきれてしまいそうになるのを必死に耐えながら、出来る限り冷静にゆっくりと立ち上がる。

「貴様の動きには無駄が多すぎる。魔力も力も余よりも優れているのにこのザマなのがその証拠だ」

「はいはいそうですかー! じゃあエクス先生なら俺をもっと強く出来るって言うのかよ」

「出来る」

 即答しやがったぞこいつ……。

『ミナト君、ここは我慢して教えを乞うべきだと思うけれど?』
 そんな事は分かってんだよ。
 絶対的にその方が俺の今後の為になる事くらいは理解している。

 だけどプライドとか以前に生理的に俺の中の何かがこいつを受け付けないんだ。

『ただの僻みでしょ……?』

 くっ……!

「貴様にも分かるように説明してやろうか? 今の貴様は……そう、子供が突然超人的な力を手に入れてしまったのと同じようなものだ」

「……どういう事だよ。俺が自分の力を扱いきれてないって言うのか?」

「そう以外に聞こえるのならば耳を医者に診てもらえ」

 エクスは片眉を僅かにつり上げて吐き捨てた。

 くっそが……!
 こいつの発言が全部いちいち癇に障るんだよ。

『小市民極まってるわ……』

「だったらどうしろって言うんだよ」

「そうだな……まずは竜化を解け」

 まさか竜化を解けと言われるとは思わなかった。
 俺は扱い方を聞いたつもりだったのだが……?

「早くしろ。時間が勿体ない」

 仕方なく言われた通りに竜化を解くと、エクスがよく分からない事を言いだした。

「竜化をせずに竜化をしてみせよ」

「……何言ってんだお前」

「いいからやれ。身体を変化させずに竜化時と同等の力を発揮してみろと言っている」

 ……馬鹿なのか?

「できる訳ねぇだろうが」

「出来る」

 また即答だよ……。

「この力がどんなもんかも分からずになんでそんな事が言えるんだよ……」

 エクスは俺の言葉にも顔色一つ変えず、「いいからさっさとやれ」と言うばかり。

「……やりゃいいんだろやりゃあよ」

 俺は自分の腕をいつものように竜化させる。
 勿論当たり前のように腕が肥大化し鱗に覆われる。

「だからそれをやめろと言っているだろう愚か者め」

「だからさぁ、竜化しようとしたらこうなっちまうんだよ。こうならずに竜化と同じ力とか出る訳ねぇだろ」

「出す必要は無い。内側に留めよ」

 内側に……留める?

「意識を集中しろ。竜化する際に身体が変質するのを抑え込め。外側に放出している力を内側に向けろ。これは気のコントロールと同じ事だ」

 まずその気のコントロールってのが意味分からないんだけどな……エクスはその辺を説明する気はないらしい。

 再び自分の腕に魔力を込め、竜化……の一歩手前で止める。

「そうではない。加減するのではなく内側に向けて放つのだ」

 また訳の分からない事を……。

 でも、俺はなんとなくエクスの言いたい事が分った気がした。
 要するに漫画的な話をしてるんだ。

 自分の中に【気】という力が循環しているとして、それをコントロールする事で拳を強靱な武器に変えたり鋼気功とかいう鋼の身体にする……的な?
 そういう漫画を読んだ事がある気がする。

 という事は、内側に向けて放つっていうのは体の中を循環させるという意味なのかもしれない。

 だとすると、今までみたいに闇雲に力を出すのではなくて……腕だけじゃなく身体中にこの力を循環させるイメージでどうだ。

「貴様の竜化による形状変化は言わば武装。鎧を身に纏うような物であってそれ自体が本質では無い」

 分かる。
 不思議な事に、どこか一点に力を込めるのではなく身体中に魔力を循環させる事によって全身の強化に繋がっているように感じる。

 そして、感覚が鋭くなっている。
 今なら靴越しの地面、足の下にある草の感触まで理解出来そうだ。

「……ふむ、それでいい。もう一度かかってくるがいい」

 エクスの言葉が終わる前に俺は前進していた。
 一直線にエクスへと向かうが、確実に今までよりも早い。
 ほとんど呼び動作無しにトップスピードを出せている。
 接近が早すぎて殴り掛かるのが一瞬遅れてしまうほどだ。

 そのワンテンポの遅れのせいか、俺の拳はエクスにかわされてしまう。

 再び俺は空振りの勢いを利用してそのまま身体を回転させ、回し蹴りを繰り出す。
 エクスはそれを予期していたように身を屈ませ、俺の軸足を狙ってきた。

 ガギン。

 エクスが俺の足を払おうと蹴りを入れたが、その程度ではビクともしなかった。

「うむ、よく出来ているな……どうだ? 自分の身体が数段軽くなったように感じるだろう」

 さっきまではちょっと払われただけでバランスを崩して転倒していたというのに。

「これで分かっただろう? 今までの貴様はバランスが悪かったのだ。子供の身体にゴーレムの腕が付いたらどうなる? 剛腕にはなるかもしれないがバランスが悪くて動きにくいなんてものじゃないだろう?」

「……確かに、今ならお前の言ってる事が分る気がする」

「貴様の周りには肉弾戦のスペシャリストは居なかったのか? なまじ貴様の竜化が強力過ぎた為にそれが歪んでいると誰も気付かなかったようだな」

 エクスは若干呆れたようにそう呟き、その場に座り込んだ。

「今更貴様に基礎を叩きこもうとするような輩は居なかったようだな。あの勇者でもこの場に居ればいい練習相手になっただろうが……」

 痛い所を突かれた。
 確かに俺の仲間に肉弾戦をするような奴はアリアや英傑達……それとゲオルくらいのもんだ。
 しかしアリア達には俺が無意識のうちに加減してしまうし、六竜の力を振るう俺に講釈を垂れようなんて奴は居なかった。

 ゲオルに関しては一度軽く戦闘訓練した事があったが、ひたすら笑いながら俺の攻撃を受け続けては「今度はこっちの番だぜ!」といいながら殴り掛かってくるだけで得る物が無い。

「どうやら余がここまで来たのは正解だったな」

 非情に残念な事に、それを否定する事は出来そうにない。

「ほら、余に何か言うべき事があるのではないか?」

「ぐっ……」

『ミナト君、今回はどうしようもないわよ』
 分かってる……分かってるさ畜生め。

「あ、あり……がとう。助かったよ」

「ふふ、しおらしいミナトも可愛らしいではないか。やはり余の妻にならないか?」

「か、勘違いするなよ!? 別に今回たまたまありがたいなーって思っただけで別にお前の事なんか好きでもなんでもないからなっ!?」

『見事なツンデレ……!』



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ゴミスキルと追放された俺の【模倣】が【完全模倣】に覚醒したので、最高の仲間たちと偽りの英雄パーティーに復讐することにした

黒崎隼人
ファンタジー
主人公・湊は、劣化コピーしかできない【模倣】スキルを持ちながらも、パーティー「紅蓮の剣」のために身を粉にして働いていた。しかし、リーダーの海斗に全てのスキルを奪われ、凶悪な魔物が巣食うダンジョンの最深部に置き去りにされてしまう。 死を覚悟した湊だったが、その瞬間、唯一残ったスキルが【完全模倣】へと覚醒。それは、一度見たスキルを劣化なく完全コピーし、半永久的にストックできる規格外の能力だった。 絶望の淵から這い上がり、圧倒的な力を手に入れた湊は「クロ」と名を変え、過去を捨てる。孤独な精霊使いの少女・楓、騎士団を追われた不器用な重戦士・龍司――虐げられてきた者たちとの出会いを経て、新パーティー「アヴァロン」を結成する。 これは、全てを失った一人の青年が、かけがえのない仲間と共に偽りの英雄たちへ壮絶な復讐を遂げ、やがて本物の伝説へと成り上がる物語。

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

処理中です...