きらいじゃない

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きらいじゃない2

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対人恐怖症を小学1年生で克服したヒロシ。

2年生になったある晩

いつもは寝つきが悪く母親に絵本を読んでもらっていた。
その日は違った。
布団に入ったことすら覚えていない。

あれは何時頃だろう
子供がとっくに寝ている時間

ヒロシは目を突き刺す眩しい光で目が覚める。

ヒロシの自宅は駐車場に面していた。
夜でも車の出入りがあり時々ライトがあたり眩しいことがあった。

にしても眩しかった。

たまらずカーテンを開けた。



真っ白い5角形の部屋にいた。
真ん中に白い小さな椅子がひとつ。

座れと言われているようだった。

怖い気持ちと好奇心。

ヒロシは座った。

何もない白い5角形。

ヒロシの目の前に薄い緑色で半透明の液晶画面が現れた。

当時はブラウン管テレビの時代。
あんなに薄いテレビを見たのは初めてだった。

画面には外からのヒロシの部屋の窓が映っていた。

ヒロシはすぐに気づいた。

「かっこいい」
「UFOにのってる!」

その当時仲の良かったよっちゃん。

「よっちゃんに見せたい」

画面にはよっちゃんの家の屋根が写っていた。

「よっちゃん!起きて!みてよ!」

聞こえなかった。街は寝静まっていた。

「西八丁公園行きたい!」
西八丁公園が写っていた。

「ディズニーランド行きたい」
パレードの練習風景が見れた。

「海が見たい」
低空飛行で怖いくらい近い海の上を飛んだ。月がキレイだった。

「怖い」
「帰れる?」

急に怖くなったヒロシ。

画面にはヒロシの部屋の窓。

即座に席を立ったヒロシ。

画面も同時に消えた。


さっきまでヒロシ以外誰もいなかった白い5角形の部屋

ヒロシの背後には20~30人。

人間ではなかった。

目が異常に大きく、顎が細い。
肌は白っぽく艶がない。
足の長さに対して手が長い。
服は着てるのかわからなかった。
なんとなく性別もあるように見えた。

花道になっていた。

怖い

帰るためには花道を通らなければいけない。

ヒロシは歩いた。

いたずらされた。

脇腹を触ってきたり髪を触ってきたり

走り抜けた。

花道の最後には明らかに権力のありそうなヒト。

「どうだった?」

そう聞かれた気がした。

唇は薄く、口は開いていなかったが
誰が話してるかはハッキリ日本語でわかった。
頭の中に直接入ってきた。


「楽しかったです!ありがとうございました!」

ヒロシは言った。

ヒロシの手をとった権力者はヒロシに小さなカード状の硬いものを握らせた。

「またおいで」
そう言われた気がした。

ヒロシは自宅で目が覚めた。

慌てて右手を確認した。
自分でも信じられないチカラで右手が握られていた。
全身の震えがとまらない。

部屋の電気をつけ握られた右手を左手でこじ開けた。

カードは無かったものの

長方形の水膨れ。

気持ちが悪かった。

誰にも言えない。誰にも話してはいけない。
そう思った。

朝まで眠れずにいた

学校に行き休み時間水膨れはまだあった。
ドッチボールは手を見られてしまうから

「今日はいいや」
「ちょっと調子悪いから」

鉄棒も断った。

二週間、三週間

記憶から薄れていくと同時に水膨れも消えていった。



「またおいで」


2回目はなかった。


今から5年前、2歳の息子とベランダで夜空を見ていた。

「パパ、ホシキレイキレイね!」

「綺麗だね!」

「パパ星早いんだね」

「飛行機?流れ星?かな」


「ほら!   バイバーイ!」

息子の視線の先には下から上に行く光


思い出した。あの時のこと。

2回目は自分でなく息子に。

息子はきっとどこかフライトをしてきたのだと思う。

不思議なこと

信じない人って沢山いると思う。

信じないのではなく思い出せないだけ。

みんな経験してる

偶然じゃない。




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