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今度は
「これでやっと半分ぐらいでしょうか」
パーティー開始から一時間ぐらい経った。挨拶回りを続けているけれど、やっと半分まできたところだ。もうすでに公爵家、侯爵家は終わったので後は伯爵、子爵、男爵家が残っている。先を考えると本当にパーティーが終わる前に挨拶を終われるかが心配になってくる。ずっと話していたため喉が渇いたし、体も少し熱ってきた。飲み物をもらってテラスに一度出てこよう。
「すいません、一度休憩に行ってまいります。そこのテラスにいますので何かあればお呼びください」
アルに一言話し、私はテラスに行くための扉を開けた。思ってたよりも冷たい風が吹きつけてきた。
「冷たっ」
思わず声が漏れた。テラスの磨りガラスに阻まれよく見えていなかったが、先客がいたらしい。
「申し訳ないです。しばしの間ご一緒しても?」
「リュシエンヌか?」
先客に詫びを申し上げているといきなり私の名前を呼ばれた。下げていた頭をあげた。目に飛び込んできたのはブルーゲンベルク公爵のご子息、レオン様だった。時戻りの前、学園で私に特別授業と称して魔法を教えてくれていた方だ。その記憶があるから私はレオン様の顔を知っているわけなのだが、今回では初めて会うはず。
「――!!」
そんなことを考えていたら目の前からいきなりレオン様が消え、私に抱きつく形になっていた。
「今度は死なせない」
レオン様は私に抱きついたまま一言そう言った。暴れて離れようとした私はその言葉で動くのをやめた。「今度」という言葉がすごく引っかかった。
「離してください!!」
そう大きい声をあげれば、レオン様は私の背中に回していた腕を緩め2歩後ろに下がってくれた。
「私はリュシエンヌ・フロラインです。あなたは?」
私は初対面という体を守り自己紹介をした。すると、レオン様は眉をしかめた。
「俺はリュシエンヌの記憶が残るように時を戻したはずだ。演技はやめてくれ」
一言レオン様は言った。頭を殴られたような衝撃。少しの間時間が止まってしまったように感じた。記憶が残るように時を戻した?レオン様が時を戻したっていうの?なぜ?今思いつくだけでもこれほど疑問がある。だけれど、今はパーティーの途中長々と話すことなどできるわけがなかった。とりあえず沈黙を貫けばレオン様は理解した表情を見せた。
「あぁ、わかった。リュシエンヌがそういうのならば俺もそれに合わせよう」
なんだかよくわからないけれど、一旦ここは流そうとしたことをレオン様は読み取ってくれたみたいだ。さっきの様子とは一点変わったレオン様が私に挨拶をした。
「お初にお目にかかります。フロライン公爵令嬢。わたくし、レオン・ブルーゲンベルクと申します。以後お見知り置きを。後ほどフロライン家に手紙を書かせていただこうと思うのですがよろしいでしょうか?」
私から手紙を出そうと思っていたのに、まさかレオン様の方から言われるとは思ってなかった。
「もちろんです。お待ちしておりますね。では会場に戻らせていただきます」
きっとここでは休めないと思ったから、別の場所に行こうと思ったら腕を掴まれた。
「待ってください。私はもうここを出ますので、公爵令嬢はもう少しここで休憩をしていたらどうですか」
と一言言いながら私にレオン様が着ていたコートを被せてきた。脱いだばかりだからか温もりを感じる。
「おそらくその格好では長居をするには寒いでしょうから、わたくしのコートを僭越ながらお貸しさせていただきます。また会うときに返してくださればいいですから。では、失礼いたします。」
レオン様は颯爽とテラスを出ていってしまった。
パーティー開始から一時間ぐらい経った。挨拶回りを続けているけれど、やっと半分まできたところだ。もうすでに公爵家、侯爵家は終わったので後は伯爵、子爵、男爵家が残っている。先を考えると本当にパーティーが終わる前に挨拶を終われるかが心配になってくる。ずっと話していたため喉が渇いたし、体も少し熱ってきた。飲み物をもらってテラスに一度出てこよう。
「すいません、一度休憩に行ってまいります。そこのテラスにいますので何かあればお呼びください」
アルに一言話し、私はテラスに行くための扉を開けた。思ってたよりも冷たい風が吹きつけてきた。
「冷たっ」
思わず声が漏れた。テラスの磨りガラスに阻まれよく見えていなかったが、先客がいたらしい。
「申し訳ないです。しばしの間ご一緒しても?」
「リュシエンヌか?」
先客に詫びを申し上げているといきなり私の名前を呼ばれた。下げていた頭をあげた。目に飛び込んできたのはブルーゲンベルク公爵のご子息、レオン様だった。時戻りの前、学園で私に特別授業と称して魔法を教えてくれていた方だ。その記憶があるから私はレオン様の顔を知っているわけなのだが、今回では初めて会うはず。
「――!!」
そんなことを考えていたら目の前からいきなりレオン様が消え、私に抱きつく形になっていた。
「今度は死なせない」
レオン様は私に抱きついたまま一言そう言った。暴れて離れようとした私はその言葉で動くのをやめた。「今度」という言葉がすごく引っかかった。
「離してください!!」
そう大きい声をあげれば、レオン様は私の背中に回していた腕を緩め2歩後ろに下がってくれた。
「私はリュシエンヌ・フロラインです。あなたは?」
私は初対面という体を守り自己紹介をした。すると、レオン様は眉をしかめた。
「俺はリュシエンヌの記憶が残るように時を戻したはずだ。演技はやめてくれ」
一言レオン様は言った。頭を殴られたような衝撃。少しの間時間が止まってしまったように感じた。記憶が残るように時を戻した?レオン様が時を戻したっていうの?なぜ?今思いつくだけでもこれほど疑問がある。だけれど、今はパーティーの途中長々と話すことなどできるわけがなかった。とりあえず沈黙を貫けばレオン様は理解した表情を見せた。
「あぁ、わかった。リュシエンヌがそういうのならば俺もそれに合わせよう」
なんだかよくわからないけれど、一旦ここは流そうとしたことをレオン様は読み取ってくれたみたいだ。さっきの様子とは一点変わったレオン様が私に挨拶をした。
「お初にお目にかかります。フロライン公爵令嬢。わたくし、レオン・ブルーゲンベルクと申します。以後お見知り置きを。後ほどフロライン家に手紙を書かせていただこうと思うのですがよろしいでしょうか?」
私から手紙を出そうと思っていたのに、まさかレオン様の方から言われるとは思ってなかった。
「もちろんです。お待ちしておりますね。では会場に戻らせていただきます」
きっとここでは休めないと思ったから、別の場所に行こうと思ったら腕を掴まれた。
「待ってください。私はもうここを出ますので、公爵令嬢はもう少しここで休憩をしていたらどうですか」
と一言言いながら私にレオン様が着ていたコートを被せてきた。脱いだばかりだからか温もりを感じる。
「おそらくその格好では長居をするには寒いでしょうから、わたくしのコートを僭越ながらお貸しさせていただきます。また会うときに返してくださればいいですから。では、失礼いたします。」
レオン様は颯爽とテラスを出ていってしまった。
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