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一章 森の中の小さな村
4話 僕の夢と他の人の夢の違い……?
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僕がお母さんに話していたのは、夢で楽しかったことがほとんどだった。
お母さんにも、楽しかったのを共有して欲しかったんだけど……
変なことを考えてるなと、思っていたのかな……
落ち着くどころか落ち込みかけてると、お爺さんが戻ってきた。
「お待たせしたのぅ。……大丈夫かの?」
「あ、はい……ちょっと落ち込んでただけですから……」
「うむ、ムト君なら大丈夫だとは思うがの……シュムさんを恨んだりしてはいかんぞぃ?」
「それはないですよ。ただ、悲しいだけですから」
「むぅ……心の傷は、しばらくは治ることはないじゃろうし……もし一人で苦しいことがあれば、ワシになんでも話してくれていいからの?」
「ありがとう……ございます」
さっきは感情が抑えきれなかったけど、きっと何日か経てば大丈夫……なはず。
その間に何かあったら、お爺さんを頼らせて貰おうかな。
「さて、ではお互いの夢について話をしようかのぅ」
「よろしくお願いします!」
「うむ、ムト君は元気がいいのぅ! ワシも負けておれんの!」
「頑張りすぎてアゴ外さないで下さいね……?」
「……気を付けるわぃ」
本当に気を付けて下さい……怖いので……
「まずはワシの方かの。ワシらにとっての夢とは、眠っている時に希に見るものじゃ」
「え……夢って、毎日必ず続きが見るものじゃないんですか!?」
「それはないのぅ。そもそも続きが見れることなぞほぼ無いからの」
毎日でもなければ、続きも見れないの……!?
それじゃ楽しくないんじゃ……?
「そして夢は荒唐無稽な話が多い。明らかにあり得ないようなことが、夢の中では起こり得ると言うことじゃな」
「明らかにあり得ないようなこと……ですか?」
「うむ。例えばとんでもなく恐ろしい魔物……仮にドラゴンをでこぴん一発で倒せたらどう思うかのぅ?」
「それは、確かにあり得ないですね……」
……ん?
でもよくよく考えたら、でこぴんで魔物を倒す人をどこかで見たことがあるような気がするなぁ……?
「他にも空を飛んだり才能をたくさん持っていたり……普段起こり得ない事が起こるのが、夢と言うものじゃ」
それもどこかで見たことがあるような……
そうか! 僕も夢の中で見たんだ。
生成りの服を着た人が空を飛び、沢山の才能を使ってドラゴンの攻撃を全て防いだ後、でこぴんで倒すのを!
「そして、目が覚めるとほとんどの人は見た夢の事を忘れてしまうのじゃ。希に記憶に残っていることもあるが、徐々に忘れていってしまうじゃろうな」
「えっ! 忘れちゃうんですか!? それじゃ、経験したことが全部無駄になっちゃうんですか?」
「はて……? 経験とな?」
「僕は夢の中で様々な経験をして来ました。才能こそありませんが、今まで夢で経験したことのお陰で色々と出来ることが増えたんです」
夢の中で上がったレベルや手に入れたスキル、アイテムはこっちには影響しないけど、夢の中で得た沢山の知識や冒険をした経験は、家のお手伝いをするのにとっても役立ってるからね!
「ムト君や……ワシらにとっての夢とは、特に意味の無いものなのじゃ。だから経験というのは起きている時にするものなのじゃよ」
「そんな……それじゃあ、僕の夢って……」
「うむ……ムト君の夢とワシらの夢は、全く違うものだと思った方がよさそうじゃのぅ」
お母さんに妄想してばかりだと思われていたのは、ショックだったけど……
お爺さんの話を聞いて、僕の夢が他の人とかけ離れてるのがよく分かった。
お母さんがいつも僕の話を黙って聞いてくれていたのは、僕にとってありがたいことだったんだな。
……本当なら僕は、変な子だと見放されてもおかしくなかったんだ……
ふと気付いたら、顔色が悪くなっていたのかお爺さんに頭を撫でられてた。
「落ち込むでないぞムト君。君の夢は恐らく、女神様からの贈り物じゃと思うしのぅ」
「そうなんですか!?」
「うむ。毎日続きを見れる夢というのは、何らかの力が働いておらん限りあり得んと思うからのぅ。恐らくは、それこそがムト君の才能じゃろう」
僕の才能『夢の旅人』。
この才能が、他の人の夢と僕の夢の違いの元なのかな……?
「そして夢を介して現実に経験を生かすことが出来る……これは凄いことじゃと思うぞぃ!」
「そう、なんでしょうか……」
正直なところ、僕だけが違うところがあるのというのはあまり嬉しくない。
少し違うくらいならよかったけど……
ここまで違うと、お母さんみたいに僕の話を信じてくれない人も多そうだし……
「今のムト君には分からないかも知れんが……女神様直々にお言葉を下さるということは、ムト君は女神様に気に入られておる」
「気に入られて……? でも、僕だけが他の人と違うなんて──」
「ムト君、落ち着くのじゃ」
お爺さんは僕の頭をそっと撫で続けてくれた。
僕が顔を上げると、お爺さんは優しい笑顔を浮かべると窓の外に視線を向けた。
つられて僕も窓の外に目を向けると、そこには一生懸命働く村の人たちの姿が見えた。
「あそこに見える皆も色々な才能を持っておる。じゃが、その才能で生活が豊かになったとしても、心まで豊かにしてくれるという訳ではないのじゃ」
「心……ですか?」
「うむ。ワシはのぅ、どんなに生活が貧しくとも日々を楽しく笑顔で過ごせれば、心が豊かな生活が送れると信じているのじゃ。……ムト君のようにのぅ」
僕は……夢のお陰で毎日寝るのが楽しみだった。
夢の続きを見るのが楽しみだったから。
ご飯が少なくても、お手伝いが大変でも、毎日が楽しく過ごせていたのは──
夢のお陰、だったのかなぁ
お母さんにも、楽しかったのを共有して欲しかったんだけど……
変なことを考えてるなと、思っていたのかな……
落ち着くどころか落ち込みかけてると、お爺さんが戻ってきた。
「お待たせしたのぅ。……大丈夫かの?」
「あ、はい……ちょっと落ち込んでただけですから……」
「うむ、ムト君なら大丈夫だとは思うがの……シュムさんを恨んだりしてはいかんぞぃ?」
「それはないですよ。ただ、悲しいだけですから」
「むぅ……心の傷は、しばらくは治ることはないじゃろうし……もし一人で苦しいことがあれば、ワシになんでも話してくれていいからの?」
「ありがとう……ございます」
さっきは感情が抑えきれなかったけど、きっと何日か経てば大丈夫……なはず。
その間に何かあったら、お爺さんを頼らせて貰おうかな。
「さて、ではお互いの夢について話をしようかのぅ」
「よろしくお願いします!」
「うむ、ムト君は元気がいいのぅ! ワシも負けておれんの!」
「頑張りすぎてアゴ外さないで下さいね……?」
「……気を付けるわぃ」
本当に気を付けて下さい……怖いので……
「まずはワシの方かの。ワシらにとっての夢とは、眠っている時に希に見るものじゃ」
「え……夢って、毎日必ず続きが見るものじゃないんですか!?」
「それはないのぅ。そもそも続きが見れることなぞほぼ無いからの」
毎日でもなければ、続きも見れないの……!?
それじゃ楽しくないんじゃ……?
「そして夢は荒唐無稽な話が多い。明らかにあり得ないようなことが、夢の中では起こり得ると言うことじゃな」
「明らかにあり得ないようなこと……ですか?」
「うむ。例えばとんでもなく恐ろしい魔物……仮にドラゴンをでこぴん一発で倒せたらどう思うかのぅ?」
「それは、確かにあり得ないですね……」
……ん?
でもよくよく考えたら、でこぴんで魔物を倒す人をどこかで見たことがあるような気がするなぁ……?
「他にも空を飛んだり才能をたくさん持っていたり……普段起こり得ない事が起こるのが、夢と言うものじゃ」
それもどこかで見たことがあるような……
そうか! 僕も夢の中で見たんだ。
生成りの服を着た人が空を飛び、沢山の才能を使ってドラゴンの攻撃を全て防いだ後、でこぴんで倒すのを!
「そして、目が覚めるとほとんどの人は見た夢の事を忘れてしまうのじゃ。希に記憶に残っていることもあるが、徐々に忘れていってしまうじゃろうな」
「えっ! 忘れちゃうんですか!? それじゃ、経験したことが全部無駄になっちゃうんですか?」
「はて……? 経験とな?」
「僕は夢の中で様々な経験をして来ました。才能こそありませんが、今まで夢で経験したことのお陰で色々と出来ることが増えたんです」
夢の中で上がったレベルや手に入れたスキル、アイテムはこっちには影響しないけど、夢の中で得た沢山の知識や冒険をした経験は、家のお手伝いをするのにとっても役立ってるからね!
「ムト君や……ワシらにとっての夢とは、特に意味の無いものなのじゃ。だから経験というのは起きている時にするものなのじゃよ」
「そんな……それじゃあ、僕の夢って……」
「うむ……ムト君の夢とワシらの夢は、全く違うものだと思った方がよさそうじゃのぅ」
お母さんに妄想してばかりだと思われていたのは、ショックだったけど……
お爺さんの話を聞いて、僕の夢が他の人とかけ離れてるのがよく分かった。
お母さんがいつも僕の話を黙って聞いてくれていたのは、僕にとってありがたいことだったんだな。
……本当なら僕は、変な子だと見放されてもおかしくなかったんだ……
ふと気付いたら、顔色が悪くなっていたのかお爺さんに頭を撫でられてた。
「落ち込むでないぞムト君。君の夢は恐らく、女神様からの贈り物じゃと思うしのぅ」
「そうなんですか!?」
「うむ。毎日続きを見れる夢というのは、何らかの力が働いておらん限りあり得んと思うからのぅ。恐らくは、それこそがムト君の才能じゃろう」
僕の才能『夢の旅人』。
この才能が、他の人の夢と僕の夢の違いの元なのかな……?
「そして夢を介して現実に経験を生かすことが出来る……これは凄いことじゃと思うぞぃ!」
「そう、なんでしょうか……」
正直なところ、僕だけが違うところがあるのというのはあまり嬉しくない。
少し違うくらいならよかったけど……
ここまで違うと、お母さんみたいに僕の話を信じてくれない人も多そうだし……
「今のムト君には分からないかも知れんが……女神様直々にお言葉を下さるということは、ムト君は女神様に気に入られておる」
「気に入られて……? でも、僕だけが他の人と違うなんて──」
「ムト君、落ち着くのじゃ」
お爺さんは僕の頭をそっと撫で続けてくれた。
僕が顔を上げると、お爺さんは優しい笑顔を浮かべると窓の外に視線を向けた。
つられて僕も窓の外に目を向けると、そこには一生懸命働く村の人たちの姿が見えた。
「あそこに見える皆も色々な才能を持っておる。じゃが、その才能で生活が豊かになったとしても、心まで豊かにしてくれるという訳ではないのじゃ」
「心……ですか?」
「うむ。ワシはのぅ、どんなに生活が貧しくとも日々を楽しく笑顔で過ごせれば、心が豊かな生活が送れると信じているのじゃ。……ムト君のようにのぅ」
僕は……夢のお陰で毎日寝るのが楽しみだった。
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