3 / 15
一章 森の中の小さな村
3話 僕の夢は、普通じゃない……?
しおりを挟む
昔から、僕は夜に眠るのが楽しみだった。
同年代の子達が当たり前のように起きている時間に、僕はすでに眠っていた。
何故なら、いつもの夢の続きが見たいから。
僕が眠りにつくと、夢の中の僕が目覚める。
夢の中の僕は、昔から姿が変わっていない。
身長は大きい大人の人と同じくらいで、髪は短髪。
そして自分のことは僕じゃなくて俺と言い、魔物と戦ってお金を稼ぎながら世界を旅する冒険者だ。
僕は村から一歩も外に出たことはないけど、夢の中でなら色々な国を旅してきた。
夢の中の僕は敵を倒すことでレベルアップという事が出来て、どんどん強くなることができる。
時々レベルアップした時に新しくスキルを覚えることがあって、その種類はものすごく多くて未だに把握しきれていない。
時には強い魔物に負けそうになることもあったけど、そんな時には普段使わないスキルを使ってなんとか切り抜けてきた。
そして一番の違いは、夢の中で魔物を倒すとその場から消えてなくなり、アイテムを落とすこと。
僕は村の大人の人達が話をしていたのを聞いて驚いた。
なんと魔物を倒しても消えずにそのまま残るらしいということ。
魔物の肉は強い毒性があって食べることができず、魔物の素材は倒した人が解体するらしい……
解体なんて、とても僕には出来そうにないしなぁ……
「……ムト君や……ムト君? 聞こえとらんのか? おーい、むーくん──」
「はいっ! 聞こえました! だからその呼び方はやめて下さいっ!」
僕が夢について考え込んでいたら、どうやら呼ばれてるのに気付かなかったみたい……
流石に小さい頃に呼ばれていた呼び方されるのは恥ずかしくて、つい大きい声を出しちゃった……
「おぉ……むーくんが反抗期じゃ……」
「いや、僕が悪かったので本当にやめて下さい……」
お爺さん、悲しんだふりはやめて下さい……
口の端が、笑みの形になってるからバレバレだよ!
「ふぉっふぉっ、すまんのぉ。つい悪のりしてしまったわぃ」
「司祭様も、お茶目なところがあるんですね!」
お母さん……お茶目ってなにか違うような気がするんだけど……
まあそこは置いとこう。掘り下げたくないし……
「そう言えば、僕を呼んでいたのは……?」
「おお、そうじゃった。肝心なことを聞き忘れていたのでの」
「肝心なこと……?」
「うむ。女神様のお声が聞こえたと言うことじゃったが、なんと仰ったのか教えて貰えるかのぅ?」
あ、そう言えば……まだ話してなかったんだ……
お爺さんのアゴが外れたり、村長の頭の事が気になって話すのを忘れちゃってた……
「えっと確か……誕生日おめでとう……才能は、夢の旅人です……あとは、途切れ途切れでよく分かりませんでした」
「なんと……お言葉が途切れ途切れとな……? そして才能は夢の旅人……? ふむむ……聞いたことの無い才能じゃ……」
お爺さんは若い頃から教会で働いていたらしいけど……
そんなお爺さんも知らないなんて、すごく珍しい才能なのかな?
というかこの才能、仕事をするのに役に立つのかな……
「女神様からの直接のお言葉……そして一般とは異なる才能……もしや、この世界に何かが起こるのかも知れんのぅ……」
お爺さんは一人で考え事をしながら呟いてるけど……
何かって、なんなんだろ?
「まあ、今そんなことを考えても仕方ないのぅ!」
えぇ……深刻そうにしていたのに、そんなこと扱いにしちゃっていいのかな……?
「さて、ムト君。ワシらの知る夢とムト君の知る夢について、話し合おうと思うのじゃが……どうかのぅ?」
他の人達の見てる夢! 興味あるなぁ!
それに、もしかしたら僕の才能についても何か分かるかも知れないし!
……でも、夢の話をするなら……今はお母さんには聞いて欲しくないな……
「お願いします! ……あの、お母さんは帰って貰ってもいいですか?」
「えっ! どうしてよ、ムト!」
「……お母さん、今まで僕の話を妄想だと思って信じてなかったんだよね? ……僕は、すごくショックだったんだ」
僕は、顔を見られたくなかったから下を向いた。
でも本当は、お母さんの顔を見れなかったからかも知れない……
「……ムト……」
「だから、今は……お母さんに夢の話をしたくないんだ……」
涙がじわじわと滲んでくる……
拳を握り込んで涙をこらえようと頑張るけど、俯いている僕の目から一滴涙が落ちてしまった。
ずっと信じて貰えてなかったのは、やっぱり悲しい……
「ごめんね……ムト……」
お母さんのすすり泣く声が聞こえる。
言い過ぎたのかも知れないけど、今は……
謝れそうにないや……
「シュムさん、ムト君はワシが責任をもって家に送るからの……今は帰って心を落ち着けるのじゃ……」
「……はい、司祭様…………ムト、本当にごめんなさい……」
お母さんは泣きながら僕にもう一度謝ると、部屋を出ていった……
お爺さんはそんなお母さんに付き添って、教会の入り口まで送っていってくれた。
……今のうちに、僕も落ち着こう。
同年代の子達が当たり前のように起きている時間に、僕はすでに眠っていた。
何故なら、いつもの夢の続きが見たいから。
僕が眠りにつくと、夢の中の僕が目覚める。
夢の中の僕は、昔から姿が変わっていない。
身長は大きい大人の人と同じくらいで、髪は短髪。
そして自分のことは僕じゃなくて俺と言い、魔物と戦ってお金を稼ぎながら世界を旅する冒険者だ。
僕は村から一歩も外に出たことはないけど、夢の中でなら色々な国を旅してきた。
夢の中の僕は敵を倒すことでレベルアップという事が出来て、どんどん強くなることができる。
時々レベルアップした時に新しくスキルを覚えることがあって、その種類はものすごく多くて未だに把握しきれていない。
時には強い魔物に負けそうになることもあったけど、そんな時には普段使わないスキルを使ってなんとか切り抜けてきた。
そして一番の違いは、夢の中で魔物を倒すとその場から消えてなくなり、アイテムを落とすこと。
僕は村の大人の人達が話をしていたのを聞いて驚いた。
なんと魔物を倒しても消えずにそのまま残るらしいということ。
魔物の肉は強い毒性があって食べることができず、魔物の素材は倒した人が解体するらしい……
解体なんて、とても僕には出来そうにないしなぁ……
「……ムト君や……ムト君? 聞こえとらんのか? おーい、むーくん──」
「はいっ! 聞こえました! だからその呼び方はやめて下さいっ!」
僕が夢について考え込んでいたら、どうやら呼ばれてるのに気付かなかったみたい……
流石に小さい頃に呼ばれていた呼び方されるのは恥ずかしくて、つい大きい声を出しちゃった……
「おぉ……むーくんが反抗期じゃ……」
「いや、僕が悪かったので本当にやめて下さい……」
お爺さん、悲しんだふりはやめて下さい……
口の端が、笑みの形になってるからバレバレだよ!
「ふぉっふぉっ、すまんのぉ。つい悪のりしてしまったわぃ」
「司祭様も、お茶目なところがあるんですね!」
お母さん……お茶目ってなにか違うような気がするんだけど……
まあそこは置いとこう。掘り下げたくないし……
「そう言えば、僕を呼んでいたのは……?」
「おお、そうじゃった。肝心なことを聞き忘れていたのでの」
「肝心なこと……?」
「うむ。女神様のお声が聞こえたと言うことじゃったが、なんと仰ったのか教えて貰えるかのぅ?」
あ、そう言えば……まだ話してなかったんだ……
お爺さんのアゴが外れたり、村長の頭の事が気になって話すのを忘れちゃってた……
「えっと確か……誕生日おめでとう……才能は、夢の旅人です……あとは、途切れ途切れでよく分かりませんでした」
「なんと……お言葉が途切れ途切れとな……? そして才能は夢の旅人……? ふむむ……聞いたことの無い才能じゃ……」
お爺さんは若い頃から教会で働いていたらしいけど……
そんなお爺さんも知らないなんて、すごく珍しい才能なのかな?
というかこの才能、仕事をするのに役に立つのかな……
「女神様からの直接のお言葉……そして一般とは異なる才能……もしや、この世界に何かが起こるのかも知れんのぅ……」
お爺さんは一人で考え事をしながら呟いてるけど……
何かって、なんなんだろ?
「まあ、今そんなことを考えても仕方ないのぅ!」
えぇ……深刻そうにしていたのに、そんなこと扱いにしちゃっていいのかな……?
「さて、ムト君。ワシらの知る夢とムト君の知る夢について、話し合おうと思うのじゃが……どうかのぅ?」
他の人達の見てる夢! 興味あるなぁ!
それに、もしかしたら僕の才能についても何か分かるかも知れないし!
……でも、夢の話をするなら……今はお母さんには聞いて欲しくないな……
「お願いします! ……あの、お母さんは帰って貰ってもいいですか?」
「えっ! どうしてよ、ムト!」
「……お母さん、今まで僕の話を妄想だと思って信じてなかったんだよね? ……僕は、すごくショックだったんだ」
僕は、顔を見られたくなかったから下を向いた。
でも本当は、お母さんの顔を見れなかったからかも知れない……
「……ムト……」
「だから、今は……お母さんに夢の話をしたくないんだ……」
涙がじわじわと滲んでくる……
拳を握り込んで涙をこらえようと頑張るけど、俯いている僕の目から一滴涙が落ちてしまった。
ずっと信じて貰えてなかったのは、やっぱり悲しい……
「ごめんね……ムト……」
お母さんのすすり泣く声が聞こえる。
言い過ぎたのかも知れないけど、今は……
謝れそうにないや……
「シュムさん、ムト君はワシが責任をもって家に送るからの……今は帰って心を落ち着けるのじゃ……」
「……はい、司祭様…………ムト、本当にごめんなさい……」
お母さんは泣きながら僕にもう一度謝ると、部屋を出ていった……
お爺さんはそんなお母さんに付き添って、教会の入り口まで送っていってくれた。
……今のうちに、僕も落ち着こう。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる