夢で得た力が、現実でも使えました!?

緑牙

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一章 森の中の小さな村

7話 キョウセンとの戦い……?

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 まるで待ち伏せていたようなタイミングで現れたキョウセン。

 僕としてはあまり関わりたくないのだけど……


「お前さ、役に立たねぇ才能だったんだってな?」

「……そうですね。村での作業に貢献できそうに無いのが申し訳ないところです」


 キョウセンの言い方に頭に来たけど……

 性格を考えるに、言い返さない方がいい……ハズ。

 我慢だ……


「おお? 役立たずだって自覚できてんのはいいなぁ……だが──」
「! あぶなっ!」


 いきなり距離を詰めてきたキョウセンが殴り掛かってきたのを、ギリギリでかわして後ろにバックステップしながら距離を取る。

 なんかしてくるんじゃないかとは思っていたけど……

 村の中で堂々と殴り掛かってくるとは思わなかったな……


「あ? なに躱してんだよ? お前、やっぱ調子に乗ってんだろ? 村の大人達に守られてる雑魚の分際でよぉ!」

「……そうだね。僕は弱いよ」
「だったら大人しく殴られてろ!」


 怒鳴りながら再び殴り掛かってくるキョウセン。

 さっきより拳が早い。さっきのは手加減してたんだね……

 でも──

 繰り出されてきた右の拳を両手で受け止めながら、同時にバックステップ。

 バチン! 

 大きな音が鳴り響くけど、僕の手にほとんど痛みはない。

 むしろ後ろに大きく飛んで、着地した時の方が強い衝撃だったかな。


「お前、なんなんだよ……なんで俺のパンチで倒れねぇんだよ! ワケわからねぇ才能の癖に!」

「才能は女神様からの授かり物。それをバカにするのは良くないと思うけど──」
「うっせぇっ! なんの役にも立たねぇ才能なのに、大人達にちやほやされやがって……!」

「はぁ……」


 薄々、こうなるんじゃないかとは思ってたけど、実際に目の前で暴れられるのは、本当に迷惑だよ……

 しかもあの様子じゃ、自分が陰で何て言われてるのか知ってるみたいだなぁ……


「ため息なんかつきやがって! 余裕のつもりか!?」


 そんなつもりは全くないけど、口には出さない方が良さそうだなぁ……


「……舐めやがって……! そっちがそのつもりなら、俺の本気を見せてやるよ……!」


 そう言いながら腰から木刀──じゃない!?

 真剣を抜いた……!? 

 取り巻き達も慌ててキョウセンから距離を取ってる……


「俺の力は武器を使ってこそ発揮できるんだ。まあ、役立たずの腕の一本くらい、失くなっても構わねぇよなぁ!?」

「──その力は、自分勝手に振るうための力なの?」

「あ"?」

「聞こえなかったならもう一度言うよ。女神様に授けられたその力は、本当に自分勝手に使っていい力だと思っているの?」

「当たり前だろ! これは俺が授かった、俺だけの力だ! どう使おうが俺の勝手だろうが!」


 キョウセンは力に溺れている。

 このままだと、無関係な人を平気で殺傷するような人間になるかも知れない。

 ……もしかしたら、僕の家族にも──


「そう。でもそんなことをしていたら、より強い相手に殺されてしまうかも知れないよ?」
「はっ! 村の大人ですら俺には勝てねぇんだ! そんな奴いるわけねぇだろ!」

「世界は広いんだよ。キョウセンより強い人はいくらでもいる──」
「お前みたいな雑魚が! 偉そうにしてんじゃねぇ!」


 キョウセンは剣を上段に構えて突進してきた。

 ……説得、出来なかったな……
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