夢で得た力が、現実でも使えました!?

緑牙

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一章 森の中の小さな村

6話 女神様が、家族の夢に……!?

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 村の集会の翌日の朝、普段より早めの時間に起きた僕は、考え事をしながら村の井戸で水を汲んでいた。

 昨日は村の集会で僕の才能の話もされたはずだから、誰かになにかを聞かれるかもしれない。

 うっかり女神様のことを話さないように気を付けなくちゃ!

 水を汲んで家に帰ると、まだ早いのに弟妹が起きていた。

 お母さんですら、まだ寝てるのに……


「二人共、おはよ。やけに早いね?」

「「おはよー……」」


 凄く眠そう……!


「まだ早いし、もう少し寝ていてもいいんじゃないかな?」


 寝不足はよくないし、もう一度休んで貰おうと思って言ったんだけど──


「だって、ねてる間にお兄が村を出てどこかに行っちゃったらやだし……」
「どこも行かないけど!?」
「でもいつもこんなじかんに、にいちゃんおきないじゃん!」
「たまたま早く起きただけだよ!?」


 なんで僕が村を出るみたいな話になってんの!?


「ムト! どこかに行っちゃうってホントなの!?」


 あーもー……いきなり起きたお母さんまで変なこと言い始めたよ……

 しかも足にしがみついて離れてくれないし……

 水持ったままだから、めちゃくちゃ辛いんだけど!?


「とりあえず、お母さん離れて……水下ろさせてよ……」
「あっ……ごめんなさい」


 お母さんが離れてくれたので、両手で持っていた桶をいつもの場所に置いた。

 さて、いきなり変なことを言い出した訳を聞かせて貰わないとね。


「ふぅ……重かった。ところでみんな、なんで僕が村を出て行くなんて思ったの?」


 僕が質問すると、みんなして顔を見合わせてなにかを確認しあってるように見える……?

 そしてどうやら妹のフユが話すことになったみたいだ。


「えっとね、昨日の夜に私たちみんな同じゆめを見たみたいなの」

「同じ夢?」
「うん」

 みんなで同じ夢の世界にいたってことかな?


「それでね、女神さまが出てきて言ってきたの」

「言ってきた? 何を……?」


 ってまさか、今回の話って……


「お兄はとおくない内に村を出ることになるって。お兄を一人で行かせたらダメだって言ってたの!」

「どう言うこと……? なんで、僕が村を出ることに?」


 やっぱり、女神様が僕の家族にだけお言葉を伝えてくれたみたい……

 それなら家族みんながああいう態度になるのも仕方ないのかな。

 それにしても、僕だけが村を出ることになるなんてどう言うことなんだろ……?

 しかも一人だとまずいとか……そもそも僕は村を出る気が全く無いしなぁ。


 ……もしかして、昨日の集会で僕の才能『夢の旅人』が認められずに、僕だけが村を追い出されることになるとか……!?

 それとも、何か僕の思い付かないようなことが起こる……とか……?


「女神さまは、なんでお兄が村を出るのかは話してくれなかったの……とちゅうから、女神さまがうすくなって声も聞こえなくなっちゃったんだ……」

「えっ……それ、女神様大丈夫なのかな……?」

「わかんない……」


 そう言えば、僕にお言葉をくれたときも変な感じだったような……

 もしかして、女神様……体調悪いのに無理してるんじゃ!?

 僕に何か出来ることがあればいいんだけど……


「お兄、村を出る気はないんだよね?」

「全く無いよ。でも、近い内に何かがあるのかも知れない。……あとで教会のお爺さんにも話してみるね」
「うん!」


 というか、教会のお爺さんくらいしか頼れそうな人がいないんだけどね……


「さて、じゃあこの話はここでおしまい! みんな起きてる訳だし、朝ご飯作っちゃっていいかな?」

「「「はーい」」」




 朝御飯を済ませた僕は、早めに家の手伝いを終わらせた。

 そして村のみんなが活動を始めた時間になったころ、僕も教会に向かうことにした。

 教会にはすぐ着くハズだったんだけど……

 僕の前を塞ぐように、あいつ・・・が取り巻きといっしょに現れたんだ。

 ……すっごくにやにやしてるし、嫌な予感しかしないよ……


「よぉムト、誕生日おめでとう」

「……ありがとう、キョウセンさん」


 この人は村長の息子のキョウセン。僕の二つ年上、だけど……

 正直言って、手のつけられない暴れん坊なんだ……


 昔から力が強くて、大人でさえも手を焼くほどだったけど……

 最近だと、村の大人の狩人さん達と一緒に森に入って魔物を倒したりしているらしい。

 大人の狩人さん達が数人で倒すのに苦労するような魔物を、一人で倒しちゃうほど強くなってるみたいで……

 例えどんなに村で暴力を振るっても悪いことをしても、誰も止められないし止めようともしない。

 ある意味暴風みたいな嫌われ者なんだ──
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